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園内の暮らし

概要

 療養生活は相当長期にわたるので、入所中は独身、夫婦別により個室の畳敷き病舎で生活を営み、疾病による重症者は病棟に入室して症状に応じた治療を受ける。また、高齢者、障害者には、その不自由度の程度に応じて、不自由者棟において看護師長、看護師の管理者を置き、看護助手を配し担当医師指導のもと療養生活の介助を行なっている。
 入所者には国民年金法の障害年金1級相当額に見合う金額が入所者給与金として支給され、これにより日常生活に供している。
 入所者の療養生活は、開園当初から戦中戦後の食糧難の一時期を経て徐々に向上してきたが、特に日常生活では、入所者給与金(創設当初の名称は患者給与金)の創設ならびに国民年金とのスライド化によって年々向上し今日に至っている。

衣食住

 食住および医療に要する諸費用は、すべて国費でまかなわれる。入所時期には一定の基準により、寝具、被服等を支給していたが、その後社会事情、経済事情等の変化にともなって、支給方法も変わり寝具、雑貨のみ支給している。
 開園以来限られた予算の範囲で、標準栄養量の確保は困難であった。これを補うために養豚事業、農耕、乳牛、めん羊等の飼育を真剣におこなったことも今は昔の語り草である。
 冬季暖房には、薪炭を主として使用していたが、その後の社会情勢の変化とともに、現在では、不自由者棟は、蒸気暖房、一部は改修し床暖房、一般舎は、電気、ガス、床暖房を使用している。また、日常生活の向上、気候の変化により、1・2病棟は改修され床暖房、治療棟などには、エアコンも設置されるようになった

第1センター 第3センター

慰安、娯楽および文化教養

過去においては、悲惨な境遇のもとに苦しみ、漸く安定した生活を得たわけであるが、なお現症に苦悩し、将来を案じ、家族等を考えるとき、これらの苦悩から抜け出る道を信仰に求めることは自然であり、したがってそれぞれの宗派に所属する熱心な信者も多い。日常における修行の一環として短歌、俳句等文化団体があり活動している。また、文芸、芸術面にも秀れた業績を示している者もある。視覚障害者には、テープ図書館があり頻繁に利用されている。
 昭和41年頃より大型バスを利用しバスレクリエーションを実施するようになり、各出身都道府県主催による里帰り(郷土訪問)事業、友園間の親善交流、自治会主催のバスレクリエーション等を実施し、一般社会との交流も深められ、偏見打開にも役立っている。社会交流バス(しらね号)の初代は、昭和43年9月藤楓協会から日本自転車振興会補助により配置され、現在は平成6年5月4代目の「しらね号」が配置されている。

入園者共同浴場(藤の湯) 面会人等宿泊所(石楠花荘)


入所者の作業

 療養所開設以来療養所の運営の相当部分が入所者の労働によって担われてきた、30年代の終わりには、療養所の整備によって、医療機関の作業はほぼ職員に移されたが、生活関連の作業は、依然として、入所者に依存せざるをえない状況は続いた。
 しかし、昭和40年代末から、入所者の高齢化、障害度の進行、生活意識の変化、年金、給与金の充実などにより、順次作業返還が行われ、現在では、リハビリテーション的作業で、資料室、公園係、公共建物管理等がわずかに残るのみである。

公的年金

 従来入所者で公的年金を受けていた者は、傷痍軍人と公務扶助料等の受給者に限られていたが、昭和34年国民年金法が制定され、当年11月より老齢福祉および生涯福祉年金が受給できるようになった。この事は、入所者にとって大きな福音であった。
 その後度重なる改正で拠出制年金受給者も逐年その数を増し現在公的年金受給者は入所者の9割を超えている。

栗生楽泉園入園者自治会

 入園者自治会は、在園者をもって組織された自治機関であり、会員相互の協力のもとに、療養権の確立と生活の向上を図ることを目的としている。
 会員の選挙によって、役員を選出し、自らを律している。なお、全国のハンセン病療養所の入所者自治会で組織された全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)の支部でもあり、会員の福祉向上のため政治的にも活動している。

 
自治会会館  





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