ハンセン病について
ハンセン病とは・・・
アルマウェル・ハンセン医師
ハンセン病は、慢性感染病です。しかしその感染力は弱く、成人の感染はまれと考えられています。ハンセン病の特徴は、末梢神経障害と皮膚病変です。末梢神経障害とは感覚障害によって手先の感覚の低下や消失ため火傷や傷を作ってしまい、重篤な場合は切断となってしまいます。運動障害は筋の萎縮などにより手指変形や目が閉じないことで失明まで進んでしまうことがあります。自律神経障害は発汗障害などがおこります。皮膚病変は、皮疹や斑紋が診られることがあります。
病気の原因であるらい菌は、ノルウェーの医師ハンセンによって1873(明治6)年に発見されました。抗酸菌の一種で結核菌の仲間です。らい菌が神経に入り込んで増殖するため先に挙げた変形や機能障害が生じ、差別的な扱いを受ける一因となっていました。
不治の病と考えられていた時代もありましたが、現在は治療方法が確立され、薬剤による早期治療により完治が可能となっています。
日本では近年の新規発症は年に数例ですが、世界的には現在でも年間約25万例が新規患者として報告されています。
ハンセン病は差別や偏見により隔離といった悲しい歴史があります。1996(平成8)年に隔離政策の柱であった「らい予防法」が廃止され、1998(平成10)年には熊本国家賠償訴訟判決が出て、ハンセン病の隔離政策に幕が下ろされました。
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