戻る  前ページ  次ページ

6 支援費基準に関すること

(1)支援費基準設定の考え方について

(問1)現行の運営費補助により行われている事業が支援費に移行した後には、利用者1人につきサービス提供に対する単価の設定がなされると考えて良いか。

 支援費は、支給決定された障害者が指定事業者・施設からサービスの提供を受けた場合に、そのサービスの対価として支給されるものであり、その額は当該サービスに通常要する費用とされている。したがって、これまでのような事業者に対する運営費補助の形態はなくなることになる。


(問2)現行のホームヘルプサービスと同様に、提供する便宜の内容により異なる支援費基準が設定されるのか。また、1回当たりの時間の長さによって単価が異なるものが考えられているのか。

 基本的には、当該サービスに通常要する経費は、現行のホームヘルプサービスと同様、身体介護中心業務、家事援助中心業務というような提供する便宜の内容により異なるものと考えている。また、支援費の単位は1回当たりではなく30分単位を軸に検討することとしている。


(問3)居宅介護については、障害程度により支援費の額に差を設けることを検討しているのか。

 居宅介護については、障害程度によるサービスの必要度合いは、その利用時間に反映されるものと考えていることから、障害程度による支援費の差を設けない方向で検討することとしている。


(問4)施設訓練等支援費の設定に当たっての定員規模の取扱いはどうなるのか。

 支援費は、支給決定された障害者がサービスを受けるに当たって通常要する費用を算定するものであり、原則的には、このサービスの対価が施設の規模によって差を生じるべきものではないと考えている。
 具体的には、現行の10人刻みによる細かな定員規模別の単価は設けないこととすることで検討しており、その際には、小規模施設でも適切にサービスが提供できるように配慮するとともに、大規模施設志向とならないような措置を講じることも検討する必要があると考えている。


(問5)施設訓練等支援費の基準は月を単位として設けられるのか。

 現行の身体障害者更生援護施設事務費算定基準等は、月を単位として定められていることから、施設訓練等支援費の基準についても月を単位として設定する方向で検討をしている。


(2)特定日常生活費等について

(問6)特定日常生活費に該当するものは、措置費には含まれていないものなのか。また、特定日常生活費に該当するものは、支援費には含まれないのか。

 身体障害者施設支援に係る特定日常生活費については、従来から措置費に含まれていなかった被服費、日用品費、教養娯楽費等の入所者個人が賄っていたものをその範囲とする方向で検討している。
 また、支援費は、当該支援に通常要する経費から特定日常生活費を除いた額と法律に規定されており、支援費には特定日常生活費を含まないこととなる。


(問7)特定日常生活費等は、サービスの種類毎の定額となるのか、利用者毎の実費となるのか。また、利用者負担とは別に事業者等が徴収するものなのか。

 身体障害者施設支援に係る特定日常生活費及び通勤寮支援日常生活費は、利用者個人の日常生活においても通常必要となるものに係る経費で、利用者が負担することが適当と考えられるものであることから、その額は一律に定められるものではなく、個々の利用者により異なるものとなる。
 したがって、身体障害者施設支援及び通勤寮支援においては、従来の措置の場合と同様、このような個人に係る経費について施設が利用者から徴収することは基本的にはないものと考えている。
 一方、デイサービス及び短期入所に係る特定費用のうちサービス提供に必要な原材料費等並びに知的障害者地域生活援助に係る特定日常生活費のうち家賃等については、これまで事業者がこれらの実費を徴収していたことと同様、支援費制度においてもこれらの費用は、負担能力に応じた利用者負担(知的障害者地域生活援助を除く。)とは別に、実費として事業者が徴収することになる。


(問8)身体障害者更生援護施設と知的障害者援護施設で特定日常生活費の取扱いが違う理由は何か。

 原則的に、知的障害者援護施設については、現行の措置費に利用者の日用品費等が含まれ、これらの経費について利用者が負担することを想定していない。一方、身体障害者更生援護施設の現行措置費には利用者の日用品費等が含まれず、これらの費用については利用者が負担するものとされている。
 支援費においてもこの考えを踏襲し、通勤寮を除く知的障害者援護施設については、特定日常生活費の規定を設けていないものである。


(問9)通勤寮には特定日常生活費の規定があるが、知的障害者更生施設等にはその規定がないが、特定日常生活費の取扱いはどうなるのか。

 知的障害者更生施設及び知的障害者授産施設については、現行の措置費に日用品費等が含まれていることから、支援費についても同様の取扱いとすることとし、特定日常生活費の規定を設けていない。
 一方、通勤寮については、現在でもこのような経費を含んでいないことから、通勤寮支援日常生活費の規定を設けたものである。


(問10)支援費から実費相当である特定費用が除かれると、この特定費用はどのように補填されるのか。また、事業者が利用者から任意に徴収することができるのか。

 居宅生活支援費における特定費用は、原材料費等の実費を考えているが、これは、現行のデイサービスやショートステイにおける食材料費等の扱いと同様に、その実費を事業者が利用者から契約に基づき徴収することを想定している。


(問11)身体障害者施設の特定日常生活費には、食事に係る原材料費も含まれるのか。

 身体障害者施設支援に係る特定日常生活費には、食事に係る原材料費を含まない方向で検討している。


(問12)特定日常生活費が高額に上り、入所者が負担できない場合、施設に対する助成はあるのか。

 特定日常生活費は、利用者個人の日常生活においても通常必要となるものに係る経費で、利用者が負担することが適当と考えられるものであり、施設に対して助成する性格のものではない。


(3)支援費の算定について

(問13)転出等により援護の実施者が変わった場合や月の途中で入退所した場合、施設訓練等支援費は日割り計算となるのか。

 転出等により援護の実施者が変わった場合や月の途中で入退所した場合の施設訓練等支援費の支給は、日割りで計算するのが適当ではないかと考えている。


(問14)通所施設について、実通所日で支援費が支給されるのか。

 施設訓練等支援費の単価設定に当たっては、月を単位として設定する方向で検討しているところであり、通所施設についても、基本的には現行の措置制度と同様に月を単位として設定することが適当ではないかと考えている。


(問15)居宅生活支援費において、月の途中で支給決定した場合の最初の月は日割りで行うのか。

 居宅生活支援費の算定単位について、居宅介護(ホームヘルプサービス)については30分単位で、デイサービスについては半日又は1日単位で、短期入所(ショートステイ)については原則として1日単位で、知的障害者地域生活援助(グループホーム)については1月単位で設定する方向で検討している。
 支援費は、サービスを受けたときに支払われる性格のものであり、居宅生活支援の場合、月の途中の決定であっても、その月に利用したサービスの実績に応じて支払われることとなるので、日割り計算が必要となるのは、知的障害者地域生活援助(グループホーム)の場合のみと考えている。


(4)市町村長が定める支援費基準について

(問16)支援費の基準は厚生労働大臣が定める基準を下回らない範囲で市町村長が定めるが、支援費を市町村が独自の判断で設定すると、地域間格差を助長することとなるので、国が統一して定めるべきではないか。上限はないのか。また、市町村が定めた額について国は補助をするのか。

 支援費は、市町村が、障害者の申請に基づき、必要事項を勘案して支給決定をした障害者に支給することとされ、その基準は厚生労働大臣が定める基準を下回らない範囲内で市町村長が定める基準によることとされている。また、厚生労働大臣は各居宅支援及び施設支援の種類ごとに各支援に通常要する費用につき、基準を定めることとされている。したがって市町村長が定める支援費の基準について、国が統一的なものを定めることは法律上予定されていない。
 なお、国は、厚生労働大臣が定める基準に基づき国庫負担(補助)を行うことになる。



トップへ
戻る  前ページ  次ページ