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4 支給決定に関すること

(1)支給決定の際の勘案事項について

(問1)勘案事項の「障害の種類及び程度」や障害程度区分と身障手帳や療育手帳との関係如何。

 身障手帳や療育手帳の等級・区分は主に機能障害に係るものであるが、勘案事項の「障害の種類及び程度」や障害程度区分は、機能障害のみに着目したものではなく、日常生活を営むのに支障をきたしている状況等も加味するものである。


(問2)手帳を所持しない者からの支援費支給の申請があった場合の取扱い如何。

 身体障害者福祉手帳を有しない者は、身体障害者福祉法上の身体障害者の定義に該当しないため、原則として支給決定の対象にならない。
 療育手帳を有しない者からの申請については、市町村が、必要に応じ知的障害者更生相談所(児童居宅支援の場合は、児童相談所)に意見を求めた上で、支給決定を行うこととなる。
 なお、各種援助措置を受け易くする観点から、支援費支給の申請時等に療育手帳の取得申請を勧奨することが望ましい。


(問3)短期入所について、支援費制度施行後も、介護を行う者の「社会的理由」や「私的理由」での利用は可能か。

 現行どおり可能である。


(問4)支援費制度に移行する障害者福祉サービスと介護保険制度との適用関係は、支援費制度施行後も現在と同じと考えてよいか。

 支援費制度に移行する障害者福祉サービスと介護保険制度との適用関係は、支援費制度施行後も基本的に現在と同じである。(「介護保険制度と障害者施策との適用関係等について」(平成12年3月24日障企16障障8障害保健福祉部企画課長、障害福祉課長連名通知)参照)


(問5)「支援費支給に係るもの以外のサービスの利用状況」について、訪問看護等の社会福祉以外のサービス及び自治体独自のサービス、ボランティアによるサービスは、支給決定に当たってどのように勘案するのか。

 申請を行った障害者は、支援費の対象となるサービス以外に、支給決定により、訪問看護等の社会福祉以外のサービス、自治体独自のサービス、ボランティアによる支援等も含め、全体としてどのような支援を受けながら生活することになるのかを総合的に把握した上で、支援費の対象となるサービスの支給量等を決定することになる。


(問6)利用者は、指定事業者・施設を探し事前にサービス利用の内定を得てから、支援費支給の申請を行うことになるのか。

 支援費支給の申請は、申請するサービスの種類を選定して行うことになるが、その時点で必ずしも利用事業者・施設が特定されている必要はない。
 申請を受けた市町村は、必要に応じ事業者・施設と個別に連絡を取り、当該事業者・施設がサービスを提供できるかを確認する等により、申請された種類のサービスに係る利用の見込みを判断の上、支給決定を行う。


(問7)利用者が指定事業者・施設に利用の申込みを行うのはどの時点となるか。

 支給決定を受けた利用者は、指定事業者・施設に契約の申込みを行い、契約を締結の上、サービスを利用することとなる。
 なお、支給決定前、あるいは支給申請前に、指定事業者・施設に、サービス利用について、相談を行うことは考えられる。


(問8)施設支援サービスについて、希望する施設全てに多数の待機者がいる場合、いつ支援費支給の申請を行い、いつ支給決定するのが適当か。また、サービスを利用できる見込みが当面ないことを理由に不受理、あるいは支給決定しないことが可能か。

 利用者は、必要に応じ市町村等から施設入所に係る情報提供、相談支援を受け、希望者数がサービス供給量を上回っている場合、支援費支給の申請を行うとともに、市町村に対しサービスの利用に係るあっせん・調整、要請を依頼する。
 都道府県及び市町村は、申請者の希望を踏まえつつ、入所調整を行い、施設への入所が確実となった段階で市町村は支給決定を行う。
 サービスを利用できる見込みが当面ない場合にあっても、申請者から支援費支給の申請があった場合、市町村は不受理とすることはできない(行政手続法第7条参照)。また、そのような場合に、申請を受理した市町村は、すぐに不支給の決定をするのではなく、申請を受理したまま、引き続き入所調整を継続することが望まれる。その間、市町村は、入所調整等の進行状況及び決定の時期の見通しを示すよう努めなければならない(行政手続法第9条参照)。


(問9)利用者は、市町村等からの情報提供、相談支援を経ず、指定事業者・施設等から情報を得て、支援費支給の申請を行うことは可能か。

 市町村等からの情報提供、相談支援を経なくとも申請は可能である。


(問10)勘案事項整理票は、全国統一の様式となるのか。

 勘案事項は、厚生労働省令において規定されるものであるが、一方、勘案事項整理票は、全国統一の様式ではなく、勘案事項の審査に資するため、参考までにお示しすることとしたものであり、勘案事項を適切に審査することができれば、他の様式によることとして差し支えない。
 なお、勘案事項整理票については、今後、障害の程度により居宅生活支援費の額に差を設ける必要性についての検討、障害程度区分の具体的内容の検討等を経て、最終的な様式をお示しする予定である。


(問11)施設は、障害者の受け入れに際し、健康状態等障害者の状況の把握が必要であるが、勘案事項整理票等の障害者に関する情報は、施設が直接入手すべきなのか。

 事業者・施設は、勘案事項整理票等に記載した内容について、申請者の同意を前提に、市町村から情報提供を受けることは可能である。


(問12)障害程度区分、支給量の決定等に関する客観的な基準を設けるのか。

 事務大要において、支給決定に当たっての勘案事項案をお示ししたところであるが、障害者に対して提供されるサービスの量は、当該障害者の障害の程度やサービス提供体制の整備の状況等の多くの要素を勘案して決定されるものであることから、支給すべきサービス量等を一義的に導き出せるような基準を提示する予定はない。
 障害程度区分については、その判断に当たっての具体的取扱いを解説した通知をお示しするとともに、市町村により判断が著しく異なるような事態が生じないよう、更生相談所による市町村職員の研修等を行っていただくことを考えている。


(2)支給決定手続きについて

(問13)支給決定に関する聴き取り調査、勘案事項整理票の記入は支援費制度に移行する全ての障害者に必要か。既存の資料から勘案事項整理票の記入が可能な場合、聴き取りを省略してよいか。

 支給決定に関する聴き取り調査、勘案事項整理票の記入は、支援費制度によるサービスを受ける全ての障害者に必要である。
 ただし、既存の資料から適切かつ確実に確認しうる事項について、聴き取りによらないで勘案事項整理票の記入を行うことは差し支えない。


(問14)支給決定は、どのような職員が行うことを想定しているのか。勘案事項の調査を行う調査員の資格は定められるのか。

 支給決定は市町村の障害福祉担当職員が行うことを想定しており、その資格を設ける予定はない。


(問15)市町村は支給決定のための独自の専門機関を設置する必要があるか。

 支給決定のために新たな審査・判定機関を設けることは必ずしも必要ではない。
 支給決定については、まず、実施主体である市町村が円滑に支給決定を行うことのできるよう、支給申請に係る審査の方法については、簡素で合理的なものとする方向で検討しており、また、支給決定等に当たっての勘案事項の整理方法や障害程度区分の判断の具体的な取扱い等についても通知等でお示しすることとしている
 なお、障害程度区分の決定に関しては、特に専門的な知見が必要であると市町村が認める場合は、更生相談所に対して、意見を求め、これを勘案して市町村が決定することとしている。


(問16)支給決定やあっせん・調整、要請について、基本的に市町村が行うこととなるが、事務が円滑に行われるよう市町村職員を対象とした研修等は行われるのか。

 市町村職員に対する支給決定、サービス利用のあっせん・調整、要請に係る事務についての説明会としては、平成14年度第一四半期において、都道府県から、「支援費支給決定事務に係る市町村職員説明会」を、同第二四半期において「障害程度区分に係る市町村職員説明会」を開催していただくことを考えており、そのために国は、同第一四半期において、「市町村等事務処理要領」の提示、「都道府県支援費担当職員等説明会」を開催することとしている(事務大要P6参照)。


(3)支給期間について

(問17)支給期間終了に際して、継続してサービスを受けるためには、改めて前回の支援費支給の申請の場合と同様の手続きが必要となるのか。

 支援費の支給期間を設けた趣旨は、障害の程度や介護を行う者の状況等の支援費を支給決定を行った際の勘案事項が変化することから、市町村が障害者の状況を的確に把握し、提供されているサービスの適合性を確認するとともに、適切な障害程度区分又は支給量について見直しを行うことにある。従って、支給期間終了に際して、継続してサービスを受けるためには、改めて支援費支給の申請手続きが必要となる。


(問18)居宅生活支援費に関して、施行日前に行われる準備支給決定の支給期間の始期は平成15年4月という理解でよいか。また、公平性という観点から、18か月以内の支給期間をどのように決定すればよいか。さらに、この経過措置はグループホームには適用されないという理解でよいか。

 平成15年4月が新法の施行日であるので、支給期間の始期は平成15年4月となる。
 支給期間の設定は、障害の程度や介護を行う者の状況等、支給決定を行った際に勘案した状況がどの程度継続するかという観点から決定していただきたいと考えている。しかしながら、準備支給決定に係る12か月を超えた支給期間については、平成15年4月から始まる支給期間の終了に伴う新たな支給決定事務が集中するおそれがあることに配慮して、その期間を延長することで事務の平準化に資することを目的としたものである。
 グループホームの支給期間の上限は3年であるため、当該経過措置は適用されない。


(4)支給量決定について

(問19)必要な支給量は利用者の状況によって異なってくるため、支給量を1か月よりも1年間の単位で決定する方が、サービスの利用時期が柔軟になるので望ましいのではないか。

 仮に、支給量を1年間の総額として決定することとすれば、支給量の単位期間が長いため、市町村にとってサービスの利用の見込みを考慮した支給決定を行うことが困難になり、問題が生ずるものと考える。


(問20)例えば、居宅介護の支給量の決め方として、1か月14日、1日当たり3時間という決め方は可能か。

 居宅介護の支給量は1か月につき○○時間という決定を行うこととしている。ご質問のような1か月当たりの日数及び1日当たりの時間を定めるような決め方については、各日における実際のサービス提供時間数は事業者と利用者との間の契約関係に委ねられるべき事項であり、行政がそこまで縛りをかけた決定を行うのは適切ではないと考えられる。
 この場合には、「1か月につき42時間」(42=14×3)という決定を行うことを想定している。


(問21)居宅支援サービスについて、その種類ごとに支給決定されるが、居宅支援サービス全体についての支給量の限度は設定されるのか。される場合、居宅介護と短期入所の内訳の変更は可能か。されない場合、同月内において居宅介護の支給量を短期入所の支給量に振り替えることは可能か。

 ご質問のような居宅支援サービス全体の支給量の限度は設定されない。同月内におけるあるサービスの支給量を別のサービスの支給量に振り替えることはできない。


(問22)支給量を超えて利用したい場合、全額負担すれば利用できるのか。

 指定居宅支援事業者の支給量を超えたサービスの提供が他の支給決定を受けた障害者の支給量の範囲でのサービス提供に支障を及ぼさない限りにおいて、当該事業者からの支給量を超えたサービスの費用を全額自己負担すれば、利用は可能である。


(5)障害程度区分について

(問23)事務大要P56の「支援の種類によって援助の必要性や援助の困難性の内容が異なることにかんがみ、支援の種類ごとに障害程度区分を設定する方向で検討」の「支援の種類」とは、授産施設・更生施設、入所・通所、障害別ごとに障害程度区分を設定するということか。

 一義的には、身体障害者更生施設支援、身体障害者療護施設支援、身体障害者授産施設支援、知的障害者更生施設支援、知的障害者授産施設支援、知的障害者通勤寮支援、心身障害者福祉協会が設置する福祉施設における支援につき、それぞれ障害程度区分を設定する方向であることを説明したものであるが、さらに、入所・通所等の別毎に障害程度区分を設定するかどうかについては、厚生科学研究の実態調査の結果を踏まえ、今後検討してまいりたい。


(問24)居宅生活支援についても、障害の程度により支援費の額に差を設ける必要性について検討するとのことである。そのようにした場合、(1)施設訓練等支援費における障害程度区分と同様、特に専門的な知見が必要であると市町村が認める場合は、更生相談所に意見を求めることとなるのか。(2)児童居宅支援の場合は、児童相談所に意見を求めることとなるのか。

 一般に、市町村が障害者に対する相談及び指導を行うに当たり、特に専門的な知見を必要とする場合には、更生相談所(障害児関係は児童相談所)に意見を求めることとなるが、事務大要P56で説明したとおり、居宅生活支援において障害の程度により支援費の額に差を設ける場合にあっても、いずれの額を適用するかの判断は施設支援の場合よりも簡易な方法で行えるようにする予定である。


(問25)更生相談所が、市町村の障害程度区分の決定に当たり意見書を交付することの法律的な根拠如何。

 市町村長は、障害者に対する相談・指導を行うに当たり、特に医学的、心理学的、職能的判定を必要とする場合には、更生相談所の判定を求めることとされている(身障法第9条第6項、知障法第9条第5項)。


(問26)「特に専門的な知見が必要であると市町村が認める場合」とは、具体的にはどのような場合なのかについて、基準を示す予定はあるか。基準を示さない場合は、できるだけ更生相談所に意見を求めることとするのか、あるいは、市町村の裁量に任せるということか。

 今後、障害程度区分に係る省令及びその具体的な取扱いを解説した通知や、更生相談所における判定マニュアルを検討の上、順次お示ししていくこととしているが、特に専門的な知見が必要であるか否かの判断は市町村に委ねられるものである。なお、聴き取り調査の項目はできる限り簡素なものとし、市町村が障害程度区分の決定を円滑に行えるようにしたいと考えている。


(問27)更生相談所が市町村に送付する意見書について、その様式を含め、具体的な内容如何。また、更生相談所の判定は書面審査か面接審査か。

 厚生科学研究の中で、更生相談所における判定マニュアルについて検討していくこととしており、意見書の内容や判定の方法等については、その結果を踏まえお示ししたいと考えている。


(問28)市町村が更生相談所に意見を求めない場合、又は意見とは異なる決定を行った場合に、その結果について都道府県として何らかの関与は可能か。

 個別の決定について更生相談所の意見を求めるか否かや、その内容については、市町村が責任を持って判断すべきものであり、都道府県が決定そのものに直接関与する法的な権限はない。ただし、更生相談所は、同様の状態像の障害者に係る障害程度区分の決定の結果が、市町村によって著しく異なるようなことがないよう、研修等を通じて指導を行うことが期待される(事務大要P60)。


(問29)障害程度区分と現在更生相談所が行っている入所判定との関係如何。更生相談所の入所判定は不要になるのか。

 指定施設からサービスを受けるためには、市町村から支給決定を受け、受給者証が発行されれば、直接指定施設との間で契約を行えば足りる。支援費制度においては、更生相談所は個別障害者に対して自ら入所判定を行うのでなく、市町村が行う支給決定に係る援助・指導の役割を担うことになるものと考えている。


(問30)事務大要P27、57には、障害程度区分の変更について更生相談所の関与についての記載はないが、関与することはないか。

 障害程度区分の変更決定に際しても、特に専門的な知見が必要であると市町村が認める場合には、更生相談所に対して意見を求めることとなる。


(問31)障害程度区分の決定に当たり、市町村が更生相談所に意見を求めた場合、意見書送付にかかる期間は、支給決定に係る標準処理期間に含まれるか。
 また、都道府県は更生相談所の意見書送付について標準処理期間を定める必要があるか。

 更生相談所の意見書送付は、申請に対する処分ではないため、これに係る期間について都道府県が標準処理期間を定めるわけではなく、支給決定を行う市町村が、更生相談所の意見書送付に必要な期間も考慮した上で、支給決定の標準処理期間を設定することになる。


(問32)更生相談所が、市町村に対し、「研修等を通じて指導」するとのことであるが、都道府県間で障害程度区分の結果が異なることのないよう、国による更生相談所に対する研修も必要ではないか。

 平成14年度第三四半期から始まる支給決定に備え、第二四半期に、都道府県に障害程度区分に係る市町村職員説明会を開催していただく必要があると考えており、この前に国としても都道府県の担当者説明会を開催する予定である。


(6)相談支援について

(問33)相談支援事業者とは具体的にどのようなものを想定しているのか。

 市町村障害者生活支援事業や障害児(者)地域療育等支援事業を行っている事業者を想定している。


(問34)支援費制度(特に相談支援や支給決定)と障害者ケアマネジメントとの関連如何。

 障害者ケアマネジメントは、障害者の地域生活を支援するため、福祉・保健・医療のほか教育・就労等を含めた幅広いニーズと地域の社会資源を結びつけるための調整等を行うものであり、支給決定プロセスに直接に位置づけられるものではないが、障害者ケアマネジメントの手法が活用される場面としては、(1)相談支援事業においてケアマネジメントの手法を活用した支援が行われる場合に、その一部として支援費の対象となるサービスの組み合わせ等に係る相談支援が行われたり、(2)市町村においてケアマネジメントの手法を活用する場合に、サービスの利用調整の一環として、提供すべきサービスの一部である支援費の対象サービスに係る支給量等の決定が並行して行われることが想定される。


(問35)相談支援事業におけるケアマネジメントの結果は、市町村の支給決定にどのように反映されるのか。

 支援費制度においては、ケアマネジメントの手法による支援を受け、ケア計画を作成することは、支給決定の必要条件ではないが、ケア計画が作成された場合には、市町村は、ケア計画を参考としつつ、勘案事項として掲げられている要素を勘案の上、市町村の権限において支給決定を行うこととなる。


(7)サービス利用に係るあっせん・調整、要請について

(問36)利用制度に移行したにもかかわらず、入所調整を公的に行うのはどのような考え方に基づくのか。

 支援費制度の下では、利用者がサービスを選択するのが基本であるが、施設の定員を入所希望者が大きく上回る場合には、サービスの円滑かつ公平な利用のために、都道府県や市町村という公的な主体による調整が適当と考えている。
 なお、個別の調整に当たっては、利用希望者の意向も踏まえる必要があることは言うまでもない。


(問37)入所調整を都道府県が行う法的根拠如何。「施設定員を入所希望者が大きく上回る場合」とはどの程度か。

 都道府県は、市町村の援護の実施に関し、市町村相互間の連絡調整等を行うものであり(身障法第10条第1項第1号、知障法第11条第1項第1号)、入所希望者が多数いる場合の入所調整についてもこの一環として行われるものである。具体的にどの範囲のサービスについて公的な調整を行うかについては、サービスの円滑かつ公平な利用を確保する観点から、都道府県及び市町村が個別に決めるものである。


(問38)措置制度から支援費制度に移行することにより、入所の決定権が市町村になくなるが、現在身障施設について行っている入所調整は今後とも可能なのか。市町村は、その区域を超えてあっせん・調整、要請を行うことができるのか。また、指定事業者・施設は都道府県の調整に従う義務があるのか。施設の意見を聞くべきではないか。

 事務大要P59でお示ししたとおり、施設の定員を入所希望者が大きく上回る場合にあっては、施設サービスの円滑かつ公平な利用のため、公的な調整メカニズムが機能することが適当であると考えているが、その際には、入所希望者の意向も十分踏まえた対応が求められる。
 市町村は、その援護の対象者が円滑にサービスを利用できるよう、当該市町村の区域外の事業者・施設との間で、あっせん・調整、要請を行うことができるが、この場合、必要に応じて事業者・施設の所在地の市町村や都道府県との連携を図ることが重要である。
 事業者・施設は、新法において、市町村が行うあっせん・調整、要請に対し、できる限り協力しなければならないこととされている。
 なお、入所調整は、必要に応じ、施設その他の関係者の参画を得て行うことも考えられる。


(問39)1つの指定施設について、A市町村の障害者BとC市町村の障害者Dがおり、施設及びC市町村がDを入所させるべきと考えている場合、A市町村はどうすべきか。

 入所希望者が複数の市町村にまたがる場合には、都道府県が必要な調整を行うことが期待される。


(問40)知的障害者更生相談所においても、市町村のあっせん・調整、要請に係る市町村間の連絡調整を行うこととなるのか。

 市町村が行うあっせん・調整、要請等の業務を含め、市町村が行う援護の実施に係る市町村間の連絡調整等は、都道府県の業務とされている。したがって、知的障害者施設に係る入所調整に当たり、身体障害者施設の入所調整について身体障害者更生相談所が果たすのと同様の役割を、都道府県の機関としての知的障害者更生相談所が果たすことは可能である。


(8)旧措置入所者の取扱いについて

(問41)事務大要P32(3)の旧措置入所者に係るみなし規定(経過措置)の対象に、施設の通所者も含むのか。

 含まれる。


(問42)みなし規定(経過措置)該当者について、平成14年度内に支給決定を行うことは可能か。

 可能である。


(問43)みなし規定(経過措置)該当者は、支給決定手続きを行う前に措置解除の手続きは必要か。
 みなし規定(経過措置)該当者について、新たに支給決定を行う以前に施設とサービス利用に関する契約を締結する必要はないと理解してよいか。仮に、平成15年4月から契約締結する必要がある場合、平成15年4月より以前に契約締結することは可能か。

 みなし規定該当者は、新法における措置入所者としてではなく、施設支給決定障害者としてみなされるため、措置解除の手続きを行う必要はない。
 これらの者と施設とは、施行日(平成15年4月1日)をもって契約関係に移行することとなるので、以後サービスは契約関係に基づいて提供されるものであることや、利用者負担の額と支払い等について、施設は利用者に十分説明を行う必要がある。なお、移行に当たり契約書を作成する場合には、平成15年4月を始期とした契約として、施行日前に契約書を取り交わすことができる。



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