タイトル:紛争解決援助制度の運用状況について
     −解雇、労働条件の引下げ、配置転換、出向等への対応−

発  表:平成12年7月3日(月)
担  当:労働省労働基準局監督課
                 電 話 03-3593-1211(内線5426)
                     03-3502-6742(直通)


1 労働省労働基準局では、紛争解決援助制度(別添(参考)参照)について、平成
 11年10月1日〜平成12年3月31日の運用状況を取りまとめた。

2 労働条件に係る紛争であって、労働基準法等関係法令違反が認められないものの、
 何らかの具体的な処理を求めている件数は、この半年で16,466件であり、前半年
 (平成11年4月1日〜平成11年9月30日)の7,780件と比べて、8,686件(111.6%)
 の増加となっている別添資料1参照)。このうち、何らかの指導等を行い解
 決に至ったことを把握している件数は、3,684件となっている。

3 紛争解決援助制度の申出受理件数は、この半年で246件であり、前半年の172件に
 比べ、74件(43.0%)の増加となっている別添資料1参照)。
  前半年に受理して未処理だった55件を含めた301件のうち、この半年で事案処理
 を終えた件数は260件(前半年129件)となっている。このうち都道府県労働基準局
 長名(※)による助言又は指導を行った件数は76件(前半年45件)となっており、
 いずれも増加している。

4 この半年間の申出受理件数246件の主な内容は、解雇に関するものが51.2%、労
 働条件の引下げに関するものが19.1%、出向・配置転換に関するものが10.6%、退
 職勧奨に関するものが5.3%、雇止めに関するものが5.3%となっている別添資料
 参照)。
  また、紛争対象の事業場に関しては、申出受理件数246件のうち、100人未満の規
 模の事業場が78.0%であり、また、労働組合のない事業場が80.5%となっている。


 ※都道府県労働基準局は、平成12年4月1日より、都道府県労働局となりました。



1 平成11年10月1日〜平成12年3月31日の間における紛争解決援助制度の運用状況
 は次のとおりである。

(1)紛争解決援助制度の対象となる相談事案
   労働条件に係る紛争であって、労働基準法等関係法令違反が認められないもの
  の、何らかの具体的な処理を求めている件数は、16,466件となっている。前半年
  (平成11年4月1日〜平成11年9月30日)の7,780件と比べて、8,686件(111.6
  %)の増加となっている(別添資料1参照)。この内訳は、解雇に関するものが
  5,872件(全体の35.7%)、労働条件の引下げに関するものが2,715件(全体の
  16.5%)となっており、これら2つで全体相談件数の52.2%を占めている。
   また、紛争解決援助制度の対象となる相談のうち、労働者からの相談が13,192
  件(全体の80.1%)、使用者からの相談が2,717件(全体の16.5%)となってい
  る。

(2)把握している解決事案
   上記(1)のうち、何らかの指導等を行い、解決に至ったことを把握している
  件数は、3,684件となっている。
   このうち、紛争解決援助の申出前に、都道府県労働基準局における紛争解決援
  助の担当者である労働条件紛争担当官と労働基準監督署担当者が連携を図り、申
  告・相談者等に対して裁判例等を提供して当事者間の話合いを促すなどにより、
  解決したことを把握している件数は3,574件である。

(3)紛争解決援助制度の申出
   上記(1)のうち、紛争解決援助制度の申出を受理した件数は、246件となっ
  ている。前半年の172件と比べて、74件(43.0%)の増加となっている(別添資
  料2別添資料3参照)。
   この246件の内容は、
   @解雇に関するもの・・・・・・・・・・126 件(51.2%)
   A労働条件の引下げに関するもの・・・・ 47 件(19.1%)
   B出向・配置転換に関するもの・・・・・ 26 件(10.6%)
   C退職勧奨に関するもの・・・・・・・・ 13 件( 5.3%)
   D雇止めに関するもの・・・・・・・・・ 13 件( 5.3%)
   E懲戒処分に関するもの・・・・・・・・  4 件( 1.6%)
   Fその他・・・・・・・・・・・・・・・ 17 件( 6.9%)
  となっている。
   なお、その他には、採用内定取消、退職願の撤回等がある。
   また、紛争解決援助制度の申出のうち、労働者からの申出が245件、使用者か
  らの申出が1件となっている。
   なお、紛争解決援助制度の対象となった事業場の規模の内訳は、
   @10人未満の事業場・・・・・・・・・・ 45 件(18.3%)
   A10〜29人の事業場・・・・・・・・・・ 56 件(22.7%)
   B30〜99人の事業場・・・・・・・・・・ 91 件(37.0%)
   C100人以上の事業場・・・・・・・・・・54 件(22.0%) 
  となっており、100人未満の規模の事業場で78.0%を占めている。
   この事業場に係る労働組合の有無については、労働組合のないものが198件
  (全体の80.5%)、労働組合のあるものが43件(全体の17.5%)、不明が5件
  (全体の2.0%)となっている。

(4)紛争解決援助制度における処理
   前半年に受理し未処理だった55件を含めた301件のうち事案処理が終了した件
  数は260件である。
   この内訳は、
   @処理の過程において当事者間で自主的に解決するなどして、申出人が納得
    の上取下げたもの・・・・・・・・・・・・・・・・・・139 件(53.5%)
   A都道府県労働基準局長が助言又は指導を行ったもの・・・ 76 件(29.2%)
   B事実関係確定不能等により処理を打ち切ったもの・・・・ 45 件(17.3%)
  となっている。


2 今後の対応

  厳しい経済情勢を反映して、労働条件に係る紛争であって、労働基準法等関係法
 令違反は認められないものの、何らかの具体的な処理を求めている事案は増加して
 おり、具体的に紛争解決援助制度の申出を行った事案も急増している。
  労働基準局としては、引き続き、本制度の積極的な運用を通じ労使間の紛争の早
 期解決に努めることとしている。

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