第2節 雇用創出の実態
新設事業所の雇用創出は、新規企業と既存企業の事業拡大でほぼ同じとなっており、新規企業の4分の3は独立企業、4分の1は子会社の設立によるものである。
既存事業所の雇用の増減は、主に雇用創出率の変動によるが、事業所単位では一般労働者からパートタイム労働者への代替は少ない。
企業の新規事業展開は、本業関連分野を中心に行われており、必要な労働力は内部調達によろうとしているが、企業内に存在しない人材等を採り入れる姿勢も強めている。
(新規企業設立と事業拡大の雇用創出はほぼ同じ)
雇用創出に大きな役割を果たす事業所の新設には、新規企業の設立によるものと既存企業の事業拡大によるものがある。前者の開業率は1992〜96年の年平均で2.2%、後者は1.0%であるが、前者の規模は後者の2分の1のため、雇用創出はほぼ同じである。雇用創出率をみると、後者による分が比較的安定的に推移しているが、前者による分は2.3%から1.5%に低下している(
第45図
)。また、新規企業設立の4分の3は独立企業、4分の1は子会社の設立によるものである。
(一般労働者とパートタイム労働者の代替は少ない)
既存事業所の雇用創出率は景気拡大局面と比較して大きく低下しているが、雇用喪失率はあまり変化しておらず、既存事業所の雇用の増減は、主に雇用創出率の変動による。また、1998年上半期には、一般労働者の減少とパートタイム労働者の増加が同時に起こっているが、事業所単位でみると、一般労働者からパートタイム労働者への代替は少なく、一般労働者はパートタイム労働者も減少している事業所で大きく減少している(
第46図
)。
(新規事業展開に必要な労働力は社内調達が中心)
企業の新規事業展開は、既存の技術・知識の応用、需要の急成長の見込み、既存事業の需要の伸びの低下等を背景に、本業に密接に関連した分野を中心に行われている。新規事業展開に必要な労働力は、新規学卒採用からの育成を含め内部調達によろうとしているが(
第47図
)、「他社からのスカウト」の採用など企業内には存在しない専門的な技術・知識・能力等を採り入れる姿勢も強めている。
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