第2章 働き方の中長期的変化
第1節 就業形態の多様化
就業形態の多様化は、若年層、女性中年層及び男性高年齢層で進んでいる。また、自営業主、家族従業者や家内労働者が減少する一方、派遣労働などの新しい就業形態が増加している。
(低下傾向にある常雇比率と高まるパートタイム労働者比率)
常雇比率は、男性でほとんど変化がみられない中で、女性で大幅に低下したことと女性雇用者割合の上昇により、中長期的に緩やかな低下を続けている(
第41図
)。短時間雇用者比率は大幅に上昇し、女性では全体の3分の1に達している(
第42図
)。勤め先での呼称によるパート・アルバイト比率も短時間雇用者比率とほぼ同様の動きとなっている。
(多様化が進む若年層、女性中年層及び男性高年齢層)
就業形態の多様化は、進学率の高まりと意識の変化を背景とした若年層(15〜24歳層)、40歳台を中心に短時間就業者比率が大きく上昇している女性中年層、需給両面の要因が影響している男性高年齢層で進んでいる。一方、男性中年層及び男女25〜34歳層では多様化の動きはみられない。また、産業別には、製造業及び第3次産業で多様化が進んでいる。
(パートタイム労働者増加の背景)
需要面では、産業構成の変化に加え、コスト面や人材確保面が主たる雇用理由となっている。製造業では1980年代後半以降、割安なパートタイム労働者を恒常的な労働力として活用する動きが生じている。卸売・小売業,飲食店でもより戦力化する動きがみられている。一方、供給側の要因として、強い時間選好がみられる(
第43図
)。
(多様な就業形態)
自営業主、家族従業者は減少傾向であるが、専門サービス業や専門的・技術的職業に従事する自営業主は増加傾向にあり、独立開業の拡大が期待される。家内労働者は大幅に減少している。在宅就業への関心が高まっている。派遣労働者は増加傾向にあり、業務委託も広がりをみせている。シルバー人材センターは、高年齢者の就業機会の増大に一定の役割を果たしている。ボランティアの発展も期待される。
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