第2章 賃金、労働時間、労働安全衛生の動向
(賃金の動向)
- 1999年の賃金(事業所規模5人以上)は、所定外給与が微増に転じたものの所定内給与が比較可能な1991年以降で初めて減少し、特別給与も大幅に減少したことから、現金給与総額は前年比1.3%減と、2年連続の減少となった(第16図)。所定内給与減少の要因としては、賃上げ率の低下、所定内労働時間の減少、パートタイム労働者構成比の上昇、及びパートタイム労働者の給与が初めて減少したことが考えられる。実質賃金も前年比0.9%減と2年連続の減少となった。
- 労働省労政局調べによる1999年の民間主要企業の春季賃上げ率は2.21%で、2年連続で前年を下回り、1965年以降で最低となった。一時金についても夏季一時金は対前年比は5.65%減と最大の下げ幅、年末一時金は4.40%減と、2年連続で減少した。「毎月勤労統計調査」(事業所規模5人以上)では、中小企業も含めた夏季賞与は2年連続、年末賞与は3年連続の減少となった。
(引き続き減少した総実労働時間)
- 1999年の総実労働時間(事業所規模5人以上)は、前年比1.1%減(1998年も1.1%減)と引き続き減少した(第17図)。所定内労働時間は出勤日数の減少の影響などにより減少し、事業所規模別にみると、各規模とも減少幅が拡大した。
(製造業の所定外労働時間は2年ぶりに増加)
- 1999年の所定外労働時間は、生産の持ち直しが見られた製造業、年後半から建設工事が増加を続けた建設業等で増加した。一方、1998年からの景気や個人消費の低迷を受けた卸売・小売業,飲食店、サービス業では減少となった。
(死傷災害の動向)
- 1999年における労働災害の発生状況をみると、死傷者数(死亡及び休業4日以上)は13万7,316人、(前年比7.4%減)と引き続き減少した。また、死亡者数は1,992人(前年比8.0% 増)となり、2年連続で2,000人を下回ったものの、前年比は増加に転じた。
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