HOME 目次へ戻る 前ページ 次ページ

2.三大死因(悪性新生物、脳血管疾患、心疾患)による死亡の状況

(1)全国の三大死因による死亡の状況の年次推移

  平成7年の三大死因の死亡率をみると、悪性新生物は男226.1、女108.3、脳血管疾患は男99.3、女64.0、心疾患は男99.7、女58.4である。
 年次推移をみると、平成2年までは男の悪性新生物を除き、すべて低下傾向にあり、特に脳血管疾患は昭和40年をピークに大幅に低下している。(図7)

 

図7 年齢調整死亡率(三大死因)の年次推移

図7(男)
図7(女)

注:
 

 平成2年から平成7年にかけて、心疾患の死亡率が低下し、脳血管疾患の死亡率が上昇した理由として、ICD-10の適用と死亡診断書の改正の影響があげられる。


(2)都道府県別にみた悪性新生物による死亡の状況

  ア.平成7年の状況

   平成7年の悪性新生物の死亡率は、男226.1、女108.3である。
 男は中部で低く、近畿西部、九州北部で高い傾向がある。男の死亡率の低い県は長野、福井、群馬、沖縄、熊本等となっており、高い県は大阪、福岡、長崎、佐賀、兵庫等となっている。
 女は四国、九州南部で低く、九州北部で高い傾向がある。女の死亡率の低い県は福井、長野、静岡、沖縄、高知等となっており、高い県は大阪、長崎、佐賀、東京、福岡等となっている。(図8)

 

図8 悪性新生物の都道府県別年齢調整死亡率 −平成7年−

図8

  イ.年次比較

   悪性新生物について、昭和50年と平成7年の死亡率を比較すると、全国では男で198.9から226.1と上昇し、女で121.1から108.3と低下している。
 都道府県別にみると、男は山形、富山、長野で低下し、女は沖縄を除いた都道府県で低下している。(図9)

 

図9 悪性新生物の都道府県別年齢調整死亡率の年次比較

−昭和50年・平成7年−

図9(男) 図9(女)

(3)都道府県別にみた脳血管疾患による死亡の状況

  ア.平成7年の状況

   平成7年の脳血管疾患の死亡率は、男99.3、女64.0である。
 男女とも各都道府県の差は小さいが、西日本に死亡率の低い県が多く、東北、関東北部に死亡率の高い県が多い傾向がみられる。
 男の死亡率の低い県は沖縄、熊本、奈良、大阪、香川等となっており、高い県は栃木、青森、宮城、秋田、岩手等となっている。
 女の死亡率の低い県は沖縄、熊本、香川、徳島、山梨等となっており、高い県は宮城、栃木、茨城、秋田、福島等となっている。(図10)

図10 脳血管疾患の都道府県別年齢調整死亡率 −平成7年−

図10

  イ.年次比較

   脳血管疾患について、昭和50年と平成7年の死亡率を比較すると、全国では男で265.0から99.3、女で183.0から64.0と男女とも3分の1程度に低下し、都道府県別にみても、男女とも全都道府県で低下している。
 また、昭和40年には男女とも東北、新潟、長野等で脳血管疾患による死亡率の高い傾向が明らかにみられたが、平成7年ではその傾向は弱くなり、全国的な差は小さくなっている。(図11)

図11 脳血管疾患の都道府県別年齢調整死亡率の年次比較

−昭和50年・平成7年−

図11(男) 図11(女)

注:

 昭和40年の沖縄は調査対象外。


(4)都道府県別にみた心疾患による死亡の状況

  ア.平成7年の状況

   平成7年の心疾患の死亡率は、男99.7、女58.4である。
 男女ともに日本海側で低く、近畿西部で高い傾向がある。男の死亡率の低い県は沖縄、秋田、新潟、福井、福岡等となっており、高い県は青森、和歌山、徳島、兵庫、大阪等となっている。
 女の死亡率の低い県は沖縄、島根、熊本、富山、長野等となっており、高い県は和歌山、大阪、埼玉、愛知、兵庫等となっている。(図12)

 

図12 心疾患の都道府県別年齢調整死亡率 −平成7年−

図12

 イ.年次比較

   心疾患について、昭和50年と平成7年の死亡率を比較すると、全国では男で150.0から99.7、女で106.3から58.4と男女とも低下し、都道府県別にみても男女とも全都道府県で低下している。(図13)

図13 心疾患の都道府県別年齢調整死亡率の年次比較

図13(男) 図13(女)

注:

 平成7年に心疾患の死亡率が低下している理由として、死亡診断書の改正の影響があげられる。


HOME 目次へ戻る 前ページ 次ページ