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栄養・食生活

1.はじめに
 栄養・食生活は、生命を維持し、子どもたちが健やかに成長し、また人々が健康で幸福な生活を送るために欠くことのできない営みである。身体的な健康という点からは、栄養状態を適正に保つために必要な栄養素等を摂取することが求められ、その一方で食生活は社会的、文化的な営みであり、人々の生活の質(QOL)との関わりも深い。
 日本人の食生活が、第二次世界大戦以降約50年間に高塩分・高炭水化物・低動物性たんぱく質という旧来の食事パターンから、動物性たんぱく質や脂質の増加等、大きな変化を遂げたことは、感染症や脳出血などの減少の一因1)となった。しかし一方で、現在、がん、心疾患、脳卒中、糖尿病等の生活習慣病の増加が深刻な問題となってきており、これらの発症に栄養・食生活の関連がみられるものも多い。従って、栄養対策も従来の栄養欠乏から過剰栄養に焦点をあてたものへと転換を図ることが求められている。
 また食生活を取り巻く社会環境の変化に伴い、朝食欠食率の増加、加工食品や特定食品への過度の依存、過度のダイエット志向、食卓を中心とした家族の団らんの喪失などが見受けられ、身体的、精神的な健康への影響が懸念される現状にある。人々の健康で良好な食生活の実現のためには、個人の行動変容とともに、それを支援する環境づくりを含めた総合的な取り組みが求められている。
2.基本方針
 栄養・食生活は、多くの生活習慣病との関連が深く、また日々の生活の中でQOLとの関連も深い。そこで国民の健康及びQOLの向上を図るために、身体的、精神的、社会的に良好な食生活の実現を図ることを目標とする。
 すなわち、健康・栄養状態の是正を図るとともに、国民すべてが良好な食生活を実践できる力を十分に育み、発揮できるような平等な機会と資源を確保することを目的とする。
 栄養・食生活分野の目標設定に際して、最終目標である健康及びQOLの向上のためには、1)「栄養状態」をより良くするための「適正な栄養素(食物)摂取」、2)適正な栄養素(食物)摂取のための「行動変容」、3)個人の行動変容を支援するための「環境づくり」が必要であることから、大きく3つの段階に分けた2)
 
3.現状と目標
(1)疾病・健康との関連−栄養状態、栄養素(食物)摂取レベル−
 栄養・食生活との関連が深いとされる疾病には高血圧、高脂血症、虚血性心疾患、脳卒中、一部のがん(大腸がん、乳がん、胃がん)、糖尿病、骨粗鬆症などがある。これら疾病と関連のある栄養素摂取レベルについては、エネルギー(消費とのバランスとして)、脂肪、ナトリウム、カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミン、カルシウムなどがあげられる。
 エネルギーの摂取過剰について、消費とのバランスで評価する必要があるが、そのバランスの評価をエネルギー量で行うことは難しいので、エネルギー摂取と消費のバランスが反映された栄養状態として「肥満」を指標とする。成人の肥満(BMI≧25.0)は、特に男性では20〜60歳代で20年前の15.8%から平成9年で24.3%に増加しており、女性では40〜60歳代で平成9年で25.2%を占めている。肥満は各種疾病のリスクファクターであり、肥満予防が疾病発症の予防につながることから、肥満者の割合は20〜60歳代男性で15%以下に、40〜60歳代女性で20%以下にすることを目標とする。また肥満予防は幼少期からの課題でもあり3)、児童、生徒の肥満(日比式による標準体重の20%以上)の割合は、20年前の7.2%から、平成9年で10.7%に増加していることから、この増加傾向をとめ、7%以下にすることを目標とする。一方、若い女性ではやせ(BMI<18.5)の増加が著しく、20歳代女性で20年前の14.2%から23.3%に増加していることから、15%以下にすることを目標とする。
 脂肪エネルギー比率は、その増加にともなって動脈硬化性心疾患の発症率や乳がん、大腸がんによる死亡率の増加が認められており、適正摂取比率は成人で20〜25%、17歳以下で25〜30%とされている4)。脂肪エネルギー比率は、昭和20年代以降30年余りで3倍近くの急激な増加を示し、若年成人でその増加が著しく、平成9年では20〜40歳代で1日あたり平均27.1%に達していることから、この年代の脂肪エネルギー比率を平均25%以下にすることを目標とする。また、すでに7〜14歳で脂肪エネルギー比率が平均31.0%に達していることから、その上昇を抑えることも重要である。
 食塩については、高血圧予防の観点からは、諸外国では6g以下が推奨され、日本では10g未満が推奨されている5)。平成9年では成人1日あたり平均摂取量13.5gと依然過剰摂取の状況にあることから、平均摂取量10g未満を目標とする。
 また、カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミンなどの摂取は、循環器疾患やがんの予防に効果的に働くと考えられている6)〜8)が、特定の成分を強化した食品に依存するのではなく、基本的には通常の食事として摂取することが望ましい。これらの摂取量と食品摂取量との関連を分析すると、野菜の摂取が寄与する割合が高く、平成9年で成人の野菜の1日あたりの平均摂取量は292gであるが、前述の栄養素の適量摂取には、野菜350〜400gの摂取が必要と推定される9)ことから、平均350g以上を目標とする。またカルシウムについては、成人で600〜700mgの摂取量が必要とされているが10)、平成9年の成人の平均摂取量は571mgである。カルシウムの適量摂取には牛乳・乳製品、豆類、緑黄色野菜の寄与する割合が高い9)ことから、平成9年の成人の平均摂取量牛乳・乳製品107g、豆類76g、緑黄色野菜98gに対し、各々130g、100g、120g以上を目標とする。

−栄養状態、栄養素(食物)摂取レベル−

○適正体重を維持する者の割合の増加
 ・成人の肥満者(BMI≧25.0)の減少
   目標値:20〜60歳代男性15%以下、40〜60歳代女性20%以下
   基準値:20〜60歳代男性24.3%、  40〜60歳代女性25.2%
                      (平成9年国民栄養調査)
 ・児童・生徒の肥満児(日比式による標準体重の20%以上)の減少
   目標値:7%以下
   基準値:10.7%(平成9年国民栄養調査)
 ・20歳代女性のやせの者(BMI<18.5)の減少
   目標値:15%以下
   基準値:23.3%(平成9年国民栄養調査)

○20〜40歳代の1日あたりの平均脂肪エネルギー比率の減少
   目標値: 25%以下
   基準値: 27.1%(平成9年国民栄養調査)

○成人の1日あたりの平均食塩摂取量の減少
   目標値:10g未満
   基準値:13.5g(平成9年国民栄養調査)

○成人の1日あたりの野菜の平均摂取量の増加
   目標値:350g以上
   基準値:292g(平成9年国民栄養調査)

○カルシウムに富む食品(牛乳・乳製品、豆類、緑黄色野菜)の成人の1日あたりの平均摂取量の増加
   目標値:牛乳・乳製品130g、豆類100g、緑黄色野菜120g以上
   基準値:牛乳・乳製品107g、豆類76g、緑黄色野菜98g(平成9年国民栄養調査)

(2)行動変容に関わる要因−知識・態度・行動レベル−
 前述の栄養状態、栄養素(食物)摂取レベルの課題を解決し、目標を達成していくためには、国民一人ひとりが食行動を変容することが必要である。個人の行動変容には、態度の変容、知識の習得が関連する11)。従って、個人の行動、及び知識・態度レベルの目標設定を行った。
 行動レベルとして、まず肥満者の割合の減少のためには、各人が適正な体重コントロールを行うことが求められる。平成10年で、自分の適正体重を認識し、体重コントロールを実践する者は15歳以上男性で62.6%、女性で80.1%であることから、90%以上にすることを目標とする。
 朝食の欠食は、20年前に比べて、20歳男性で20.1%から32.9%へ、30歳代男性で9.2%から20.5%へと増加が著しい。朝食欠食の健康に及ぼす影響については報告がみられるが12)、国民栄養調査結果の分析でも、朝食の欠食が栄養素摂取の偏りのリスクを高める要因であることが確認された13)ことから、20〜30歳代男性で15%以下にすることを目標とする。また、平成9年国民栄養調査結果において、欠食の始まりが「中学・高校生頃から」という者が多くみられたことから、中学・高校生については朝食の欠食をなくすことを目標とする。
 また、1日の食事のうち朝、昼、夕食の3食ともに量的に偏りがみられる者が10〜15%みられ、このように著しく偏る者の割合を減らすには、1つには、1日最低1食、きちんとした食事の確保が重要である14)。「きちんとした食事」とは1日あたりのエネルギー必要量及び各種栄養素密度について一定条件満たす食事とした9)。また、「食事に問題がある」という自己評価と食生活を中心とした生活習慣に関する20項目とを分析すると、男性では「外食」「1人での食事」「ゆっくり時間をかけない」「多様な食品をとらない」こととの関連が強く、女性では「インスタント食品等の利用」「ゆっくり時間をかけない」「多様な食品をとらない」こととの関連が強かった15)。また食事に望むものとしては、特に夕食では「家族との団らん」をあげる者も多くみられた16)
 そこで「1日最低1食、きちんとした食事を、家族等2人以上で楽しく、30分以上かけてとる」者の割合を70%以上にすることを目標とする。なお、現時点では「適量の食事を、家族や友人等と一緒に、ゆっくり時間をかけてとる」者の平成8年の56.3%を参考値とした。また幼少期においては、家族と一緒に食事をとる子どもの割合が減少しており24)、健全な心身を育成し、生涯を通じて良好な食生活を実践する力を育むために、家族との食事や食事づくりを楽しむ機会を増やすことは重要と考えられる。
 一方近年、外食の機会が多く、昼食の外食率は20〜30歳代の男性で3人に2人、20歳代女性で2人に1人という状況にある17)。また食生活の改善のために「市販食品や外食の栄養価の表示」をあげるものが20歳代で22.8%みられる18)ことから、「外食や食品を購入する時に栄養成分表示を参考にする」ことを目標とする(なお平成11年調査で基準値を把握することとしているので、目標数値はその時点で設定する)。
 知識レベルとしては、食事量や内容に関する知識の習得が必要であり、特に適正体重を維持するのにどれだけ食べればよいかを知ることが重要なことから、「自分の適正体重を維持することのできる食事量を理解している」ことを目標とする。なお、現時点では「自分にとって適正な食事内容や量を知っている」者の平成8年の成人男性65.6%、女性73.0%を参考値とした。
 また、態度レベルとしては、「食生活に問題がある」とする者は「ない」とする者に比べ各種栄養素摂取量も低いことから、まず食生活に問題があると思う場合に、改善しようとする意欲をもつことが必要である。平成8年で「食生活に問題がある」とする者は成人男性31.6%、女性33.0%であり、このうち改善意欲のある者は男性で55.6%、女性で67.7%であることから、80%以上にすることを目標とする。
 以上のように、知識・態度・行動レベルの課題を解決することは、栄養状態、栄養素(食物)摂取レベルの課題を解決し、身体的に良好な食生活をもたらすだけでなく、「家族や友人等の一緒の楽しい食事」「ゆっくり時間をかけた食事」は人々のニーズが高いものであり、精神的に良好な食生活の実現にもつながる。
 

−知識・態度・行動レベル−

○自分の適正体重を認識し、体重コントロールを実践する者の割合の増加注)
  適正体重:「[身長(m)]×22」を標準 (BMI=22を標準とする)
   目標値:90%以上
   基準値:15歳以上男性62.6%、女性80.1% (平成10年国民栄養調査)

○朝食の欠食率の減少
   目標値:20、30歳代男性15%以下、中学・高校生でなくす
   基準値:20歳代男性32.9%、30歳代男性20.5%、中学・高校生 6.0%
                         (平成9年国民栄養調査)
○量、質ともにきちんとした食事をする者の割合を増加
 1日最低1食、きちんとした食事を、家族等2人以上で楽しく、30分以上かけてとる者の割合の増加
 注)きちんとした食事:1日あたりのエネルギー必要量及び各種栄養素密度について一定条件をみたす食事。
 家族等2人以上で楽しく:家族とのふれあいの場としての食事は、子どもの健全な心身の育成や生涯を通じて良好な食生活を実践する力を育むために重要。
   目標値:70%以上
   参考値:「適量の食事を、家族や友人等と共に、ゆっくり時間をかけてとる」成人56.3%
                               (平成8年国民栄養調査)
○外食や食品を購入する時に栄養成分表示を参考にする者の割合の増加
   基準値:(平成11年国民栄養調査)

○自分の適正体重を維持することのできる食事量を理解している者の割合の増加
   目標値:80%以上
   参考値:「自分にとって適切な食事内容・量を知っている」成人男性65.6%、女性73.0%

(平成8年国民栄養調査)
○自分の食生活に問題があると思う者のうち、改善意欲のある者の割合の増加
   目標値:80%以上
   基準値:「自分の食生活に問題があると思う」
        成人男性31.6% 女性33.0%
       このうち「改善意欲がある」
        成人男性55.6%、女性67.7%
(平成8年国民栄養調査)

(3)行動変容を支援する環境づくり−環境レベル−
 個人の行動変容を図るには、それを支援する環境整備が必要である。人々の良好な食生活の実現には、食物や情報へのアクセスといった食環境面での整備が有効とされ、海外では介入研究による検証も行われている19)
 食物へのアクセスについて、食物の生産・加工・流通に関して企業等の関わりは大きく、国民の健康に配慮した提供の推進が求められる。特に外食の機会が多い20〜30歳代については、食生活改善のために飲食店でのバランスのとれたメニュー提供を望む声が大きく、一方で20〜40歳代男性では職場での食生活改善の支援が強く求められている18)
 情報へのアクセスについては、「食事や栄養について必要な情報を得ている」者は、成人男性で42.0%、女性で62.6%であり、20歳代男性では28.2%、30歳代男性では34.1%にすぎず20)、人々にとって必要とされる情報が十分に提供されている状況とは言い難い。今後は、地域、職域で、健康や栄養に関する学習の場を提供する機会を増やし、特に若年層が参加できる環境整備が必要とされる。
 こうした食物や情報へのアクセスの整備を図るには住民や地区組織、企業等がそれぞれの立場で参加することが必要である。住民参加、住民活動の強化はヘルスプロモーションの推進に不可欠とされ21)、またヘルスケアの企画や実施に住民自身が参加することは権利であり、義務でもあるとされる22)点からも、住民や各種機関の自主的な活動の推進を図る必要がある。人々が健康や栄養に関する情報源としてあげるものは、マスメディアが最も多く、次いで家族・友人であり、専門家や行政機関等をあげるものは少ない23)ことからも、地域や職域における自主グループを増加させ、情報交換のネットワークの充実を図ることが必要とされる。
 以上のように、環境レベルの整備を図ることは、食生活に関連した資源の確保と機会の平等を保障するとともに、食生活を通した人間関係の豊かさを形成するなど、社会的、精神的に良好な食生活の実現につながる。

−環境レベル−

○職域等における給食施設、レストラン、食品売場において、ヘルシーメニューの提供比率を上げ、その利用者を増加
   基準値:(平成12年調査)
地域、職域で、健康や栄養に関する学習の場を提供する機会を増やし、それに参加する者(特に、若年層)を増加
   基準値:(平成12年調査)
○地域、職域で、健康や栄養に関する学習や活動を進める自主グループの増加
   基準値:(平成12年調査)

4.対策
(1) ライフステージに対応した推進
 対策の推進にあたっては、各ライフステージの特徴に応じた展開が求められる。栄養・食生活は、一生を通じての健康づくりの基本であり、生活習慣病予防の観点からも、幼少期からの健康的で主体的な食習慣の形成が重要となる。また高齢者については、生活習慣病予防、日常生活動作能力(ADL)の低下予防、生活の質(QOL)の向上など高齢者の心身の状態に応じた展開が求められ、そのための食物や情報へのアクセスが確保されるような環境づくりを進めることも重要である。

(2)個人に向けての普及啓発
 今回策定した目標値は国民全体を1つの集団として設定した値であり、特に栄養素・食品摂取については、現状を踏まえ、2010年に目標とする平均値を示しており、個人に対する目標値ではない。個人に対しては、地域や対象者の特性に応じて、各々の場で目標設定し、普及啓発を進めることが基本であるが、成人の場合、当面「日本人の栄養所要量」も踏まえ、下記のような目標が考えられる。ただし、本来個々人の健康・栄養状態等によって異なるものであり、あくまでも1つの目安とするものである。

−成人に対する個人目標(例)−

○適正体重を維持する。
 注)適正体重:「[身長(m)]×22」を標準
 (BMI(Body Mass Index)は「体重(kg)/[身長(m)]」で求められ、BMI=22を標準とする。)
○1日あたりの脂肪エネルギー比率を20〜25%にする。
○1日あたりの食塩摂取量を10g未満にする。
○1日あたりの野菜摂取量を350g以上にする。 
○カルシウムに富む食品(牛乳・乳製品、豆類、緑黄色野菜)の摂取量を牛乳・乳製品130g、豆類100g、緑黄色野菜120g以上にする。
○自分の適正体重を認識し、体重コントロールを実践する。
○朝食を食べる。
○1日最低1食は、きちんとした食事を、家族等2人以上で楽しく、30分以上かけてとる。
○外食や食品を購入する時に栄養成分表示を参考にする。
○自分の適正体重を維持することのできる食事量を理解する。 
○自分の食生活に問題があると思う場合は、改善に努める。

 また、国民が食生活を改善するのにわかりやすい具体的な目標としては「食生活指針」を策定し、その普及を図ることが重要である。

(3)環境も含めた普及啓発
 各ライフステージごとの栄養・食生活における課題を明確にし、行動変容をねらいとした個人に対する働きかけと、その行動変容を支援する環境整備とをあわせて推進するために、家庭、学校、地域、職域、企業、マスメディア、ボランティア団体等が、それぞれの特性を生かし、連携して、その課題解決に取り組む必要がある。特に、健康や栄養への関心の薄い層に対して情報提供が可能な新たなコミュニケーションチャネルの開発が必要である。

(4)栄養・食生活モニタリングシステムの確立
 栄養・食生活の現状及び目標達成状況を評価するための包括的なモニタリングシステムの確立を図るとともに、各種測定指標に関する研究を推進する必要がある。


◎目標値のまとめ
1.栄養状態、栄養素(食物)摂取レベル
○適正体重を維持する者の割合の増加
 ・成人の肥満者(BMI≧25.0)の減少
  目標値:20〜60歳代男性15%以下、40〜60歳代女性20%以下
  基準値:20〜60歳代男性24.3%、40〜60歳代女性25.2%(平成9年国民栄養調査)
 ・ 児童・生徒の肥満児(日比式による標準体重の20%以上)の減少
  目標値:7%以下
  基準値:10.7% (平成9年国民栄養調査)
 ・ 20歳代女性のやせの者(BMI<18.5)の減少
  目標値:15%以下
  基準値:23.3%(平成9年国民栄養調査)

○20〜40歳代の1日あたりの平均脂肪エネルギー比率の減少
   目標値:25%以下
   基準値:27.1%(平成9年国民栄養調査)

○成人の1日あたりの平均食塩摂取量の減少
   目標値:10g未満
   基準値:13.5g(平成9年国民栄養調査)

○成人の1日あたりの野菜の平均摂取量の増加
   目標値:350g以上
   基準値:292g(平成9年国民栄養調査)

○カルシウムに富む食品(牛乳・乳製品、豆類、緑黄色野菜)の成人の1日あたりの平均摂取量の増加
   目標値:牛乳・乳製品130g、豆類100g、緑黄色野菜120g以上
   基準値:牛乳・乳製品107g、豆類 76g、緑黄色野菜98g
                       (平成9年国民栄養調査)

2.知識・態度・行動レベル
○自分の適正体重を認識し、体重コントロールを実践する者の割合の増加注)
 適正体重:「[身長(m)]2×22」を標準(BMI=22を標準とする)
   目標値:90%以上
   基準値:15歳以上男性62.6%、女性80.1% (平成10年国民栄養調査)

○ 朝食の欠食率の減少
   目標値:20、30歳代男性15%以下、中学・高校生でなくす
   基準値:20歳代男性32.9%、30歳代男性20.5%、中学・高校生6.0%
                       (平成9年国民栄養調査)

○量、質ともにきちんとした食事をする者の割合を増加1日最低1食、きちんとした食事を、家族等2人以上で楽しく、30分以上かけてとる者の割合の増加
 注)きちんとした食事:1日あたりのエネルギー必要量及び各種栄養素密度について一定条件をみたす食事。
   目標値:70%以上
   参考値:「適量の食事を、家族や友人等と共に、ゆっくり時間をかけてとる」
        成人56.3%          (平成8年国民栄養調査)

○外食や食品を購入する時に栄養成分表示を参考にする者の割合を増加
   基準値:(平成11年国民栄養調査)

○自分の適正体重を維持することのできる食事量を理解している者の割合の増加
   目標値:80%以上
   参考値:「自分にとって適切な食事内容・量を知っている」成人男性65.6%、女性73.0%
                        (平成8年国民栄養調査)

○ 自分の食生活に問題があると思う者のうち、改善意欲のある者の割合の増加
   目標値:80%以上
   基準値:「自分の食生活に問題があると思う」
        成人男性31.6% 女性33.0%
       このうち「改善意欲がある」
        成人男性55.6%、女性67.7%   (平成8年国民栄養調査)

3.環境レベル
○職域等における給食施設、レストラン、食品売場において、ヘルシーメニューの提供比率を上げ、その利用者を増加
   基準値:(平成12年調査)

○地域、職域で、健康や栄養に関する学習の場を提供する機会を増やし、それに参加する者(特に、若年層)を増加
   基準値:(平成12年調査)

○地域、職域で、健康や栄養に関する学習や活動を進める自主グループの増加
   基準値:(平成12年調査)



参考文献等
1) Heizo Tanaka, Momoko Yamaguchi, et al : Nutrition and Cardiovascular Disease - A Brief Review of  Epidemiological Studies in Japan.  Nutrition and Health 8, 107-123, 1992.
2) 付録1参照
3) K Kotani, M Nishida, et al : Two decades of annual medical examination in Japanese obese children: Do obese children grow into obese adults ?  Int J obesity 21,912-921, 1997.
4) 付録2参照 
5) 付録3参照 
6) Suter PM : The effect of potassium, magnesium, calcium, and fiber on risk of stroke. Nutr Rev 57(3), 84-88, 1999.
7) Ness AR, Powles JW,Khaw KT : Vitamin C and cardiovascular disease : a systematic review. J Cadiovasc Risk 3(6), 513-521, 1996.
8) World Cancer Research Fund in Association with American Institute for Cancer : Food, nutrition and prevention of cancer, A global perspectives, American Institute for cancer, Washington, D.C., 1997.
9) 参考資料1参照
10) 厚生省:第6次改定日本人の栄養所要量(カルシウム所要量), 1999.
11) 付録4参照
12) BY C.H.S Ruxton, T.R.Kirk : Breakfast : a review of associations with measures of dietary intake, physiology, and biochemistry  Bri J nutr 78,199-213, 1997.
13) 参考資料2 結果2)参照
14) 参考資料2 結果1)参照
15) 参考資料3参照
16) 厚生省:国民栄養の現状(平成9年国民栄養調査結果),p.58, 1999.
17) 厚生省:国民栄養の現状(平均9年国民栄養調査結果),p.43, 1999.
18) 厚生省:国民栄養の現状(平成8年国民栄養調査結果),p.128-130, 1998.
19) 付録5参照
20) 厚生省:国民栄養の現状(平成8年国民栄養調査結果),p.121-126, 1998.
21) 島内憲夫訳:ヘルスプロモーション−WHOオタワ憲章−,垣内出版, 1990.
22) 宮坂忠夫,川田智恵子,吉田亨編著:健康教育論,p.57-61,メヂカルフレンド社,1999.
23) 厚生省:国民栄養の現状(平成6年国民栄養調査結果),p.155, 1996.
24) 厚生省:国民栄養の現状(平成5年国民栄養調査結果),p.68-70,1995.

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