トピックス 医療保険制度改革へ戻る 前ページ 次ページ

医療保険財政の現状


以上、医療保険制度の抱える問題点について中長期的な視野から説明してきました。 一方、各医療保険制度の財政を見ると、年々赤字幅が拡大し、基金の取崩しなどに よるやりくりも、もはや限界に来ています。

政府管掌健康保険を例にとれば、平成8年度(1996年度)の赤字幅は約5,500億円、同 年度末の資金残高は約3,200億円と見込まれ、このままで推移すれば平成9年度(1997 年度)には資金が枯渇し、医療費が払えない状態に陥ることも予想されています。健 保組合においても赤字組合数が増加し、その赤字幅も増加しているほか、国民健康保 険においては低所得者を多く抱える中で、被保険者の高齢化が進むなど、各保険者の 財政とも年々厳しさが増しています。

医療保険制度の改革は、待ったなしの状況にあります。

医療保険各制度の財政状況

政府管掌健康保険
図
(注1)平成4年度より、概ね5年程度を見通して収支の均衡が保たれる保険料率を設定するとともに事業運営安定資金を活用して短期的な景気変動等の影響を吸収して保険料率の安定を図る「中期的財政運営」をとっている(現行の期間は平成8年まで)
(注2)平成5年度以降の単年度収支の赤字により、8年度末の事業運営安定資金は3,253億円にまで減少すると見込まれている。

組合管掌健康保険
図
(注)平成7年度予算では4,700億円を法定準備金等から取崩すこととなっている。 〔法定準備金等残高2兆5,000億円(平成7年度当初予算ベース)は昭和63年以来の低水準。〕

国民健康保険(市町村一般被保険者分)
図
(注1)国民健康保険の収入は、基金繰入金・繰越金等を除き算出したもの。 また、市町村の法定外一般会計繰入金2,585億円(平成6年度)を含んでいる。
(注2)平成6年度末における基金の残高は、合計で4,626億円となっている。


トピックス 医療保険制度改革へ戻る 前ページ 次ページ