我が国の経済は、2度にわたる石油ショックを経て、1980年代以降ほぼ順調な成長を実現してきました。この間高齢化が進行し、国民医療費も相当に増加しましたが、経済成長がそれを飲み込む形となり、国民医療費の国民所得に対する割合(以下「医療費の国民所得化」といいます。)は6%台前半が維持されてきました。
しかしながら、いわゆるバブル崩壊を契機として経済基調が変化した1992年度(平成4年度)前後から、国民所得の伸びが毎年せいぜい1%台にとどまっている中で、国民医療費は平均6%前後増加しています。
このため、国民の医療費の負担水準を示す医療費の国民所得比は急速に上昇し、1995年度(平成7年度)には7%を突破しました。
今後の国民経済の見通しとしては、これまでのような高い成長率は見込めないというのが、大方の見方です。
国民医療費と国民所得(NI)の関係