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5.介護保険施設等の指導等について

 (1)介護保険施設等の指導監督について

 ア 市町村(保険者)に対する指導監督について
 介護保険事業の適正な実施を確保するためは、保険者たる市町村の安定した事業運営が不可欠なところである。このため、次の点に重点を置いた市町村に対する指導の実施をお願いしたいと考えている。
 なお、具体的な指導監督の方針、内容等については、今後の介護保険制度に係る各基準、通知等の制定状況を踏まえた上でお示しすることとしている。

(ア) 適正な被保険者の資格管理
(イ) 適正な要介護認定・要支援認定
(ウ) 適正な保険給付
(エ) 適正な保険料の賦課・徴収
(オ) 適正な会計処理
(カ) 適正な介護保険事業計画の策定

 イ 介護保険施設等に対する指導監督について
 介護保険施設、指定居宅サービス事業者及び指定居宅介護支援事業者に対する指導及び監査については、介護保険事業の健全かつ円滑な運営、適正な保険給付確保の観点から実施する必要があること。このため、法令等の規定に従って保険給付が行われているか、保険給付に係る介護報酬の請求が適切に行われているか等を確認しながら必要な指導を行なわれたい。
 また、指導に従わず基準を満たさないとき、不正な請求を行っていたとき等不適正な事例については監査を実施し、必要な場合、指定の取消等の厳正な措置をお願いしたい。
 なお、具体的な指導監督の方針、内容等については、今後の介護保険制度に係る各基準、通知等の制定状況を踏まえた上でお示しすることとしている。

(ア) 介護保険施設の指導にあたっては、指定介護老人福祉施設及び介護老人保健施設については、原則として年1回は実地による指導を行い、介護報酬の請求を含め適正な保険給付の確保にあたられたいこと。また、指定介護療養型医療施設については、医療法による医療監視、健康保険法等による指導との関連もあることから関係部局と調整の上、指導方法等についてお示しすることとしている。
(イ) 居宅サービス事業者等の指導にあたっては、新たに介護保険制度下において事業の実施に取り組むこととなり、事業者数も相当数に上ることから、効率的な指導の実施方法について現在検討中であり、まとまり次第お示しすることとしている。

 ウ 老人福祉施設等の指導監督について
 老人福祉施設については、その設置目的に沿って利用者の意向・希望を尊重し、適切な入所者処遇を行うとともに、施設機能を活用した在宅福祉の推進に積極的な役割を果たしていくことが求められており、そのためにも、社会福祉法人・老人福祉施設が健全で安定した運営を確保していくことが不可欠である。
 このため、特に、地方分権に伴い老人福祉法上自治事務とされた老人福祉施設の都道府県等の指導及び監査の果たす役割は、一層重要であることから、次の事項に留意の上、適切な指導及び監査の実施をお願いしたい。
 また、老人福祉施設に対する指導にあたっては、その技術的助言等として、それぞれの事項に応じた「主眼事項、着眼点」を含む指導方針をお示しすることとしている。

(ア) 指導及び監査の充実強化等
(1) 老人福祉施設等を経営する社会福祉法人に対する指導及び監査は、これら事務が法定受託事務とされたことから、別途社会・援護局から「処理基準」が示されることとなっているので、それに従い実施し、老人福祉施設等の健全な運営の確保にあたられたい。
(2) 老人福祉施設の指導については、特に老人福祉施設の施設認可に当たっての厳正な審査は当然のことであるが、施設開設前後においても十分な指導をお願いしたい。
 また、問題を有する施設に対しては、重点的かつ継続的指導を実施するとともに、問題点について期限を付して改善を図るよう指導されたい。
 なお、是正改善が図られない場合には、措置者の協力を得て新規入所措置の停止、運営費の弾力運用を認めないなど厳正な対処をお願いしたい。
(3) 施設運営の基本は、地域との緊密な連携の下に、適切な入所者処遇を確保することにあるので、指導にあたっては、入所者の立場にたった施設運営が図られるよう、食事・入浴・排泄等の入所者処遇に重点をおいて実施をお願いしたい。
(イ) 厳正な監査の実施
 施設の運営状況をみると、施設運営費の不正流用、預り金の不適切な取扱い等不祥事が依然後を絶たない状況にあることから、これら不祥事案が発生した場合には、法律に基づく立ち入り検査等を行い、不正な事実があった場合には、行政処分として改善命令を発出し、その目的が達成出来ないときは、事業停止・廃止、認可取消を行うなど、個々の事例に応じ厳正な対応をお願いしたい。
(ウ) 措置の実施機関に対する指導について
 実施機関に対する指導等については、次の事項に重点をおいて実施をお願いしたい。
  (1) 適正な入所措置の確保
  (2) 適正な費用徴収事務の確保
  (3) 適正な遺留金品の処理


 (2)老人医療費適正化対策の推進について
 老人保健制度の安定的な運営を将来にわたって確保していくためには、老人医療費の無駄を省き、適正なものとすることが重要である。このため、従来から老人医療費の適正化対策の推進に努めてきたところであるが、高齢化の進行等に伴い、年々老人医療費が増加し続けている状況である。
 こうした中で、各市町村においては、老人医療費の増加要因の分析をはじめ、診療報酬明細書(レセプト)点検の充実強化、重複・頻回受診者に対する訪問指導の充実強化、交通事故等第三者行為による被害等の把握と求償事務の促進等医療費適正化対策を強力に推進する必要があるが、平成12年度においては、特に、次の諸点に取り組むこととしており、引き続き老人医療費適正化対策の一層の推進が図られるよう管下市町村を指導願いたい。

  ○ 高額医療費地域における適正化対策の強化
  ○ レセプト縦覧点検の強化
  ○ レセプト縦覧点検結果の保健指導への活用
重複・頻回受診者のうち個別の訪問指導が必要と思われる者の選定等
  ○ 重複・頻回受診者に対する保健婦等による訪問指導活動の推進
在宅保健婦や看護婦等の活用、先進的な市町村及び健康保険組合の経験の活用
  ○ 第三者行為求償事務の徹底

 老人医療費適正化を推進するための予算については、平成11年度から1人当たり医療費の高い地域(市部)において適正化を推進するための「高額医療費地域に対する適正化特別対策事業」を実施しているところであり、適正化対策の一層の充実強化を図ってきているが、平成12年度予算(案)においても、24億38百万円を計上している。
 各都道府県においても、このような状況を踏まえ、平成12年度の老人医療事務指導監査の実施に当たり、指導監査体制の充実に努めることはもとより、「老人保健法による老人医療事務の指導監査の実施方針について」(平成5年3月22日付老企第72号老人保健福祉局長通知)に従い、指導監査を実施し、老人医療費適正化対策の一層の推進が図られるよう管下市町村を指導願いたい。
 なお、老人医療費関係の所管については、平成12年7月から保険局となる予定である。


 (3)老人保健健康増進等事業について
 本事業は、老人の保健、健康増進、介護予防及び生活支援等を図るため、先駆的、試行的な老人保健、老人福祉等に対する助成を行い、老人保健福祉サービスや介護保険制度の基盤の安定化に資することを目的としている。
 平成12年度予算(案)においては、40億25百万円を計上している。
 本補助金は、本事業の趣旨に沿った先駆的、試行的な老人保健福祉事業に対して、単年度事業として、交付することとしているので、老人保健担当部門と老人福祉担当部門が十分な連携を図り、積極的な取り組み及び早期執行が図れるよう管下市町村等の指導をお願いしたい。


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