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8 児童福祉施設の整備及び運営について

(1)児童福祉施設の整備について

ア 施設整備については、平成11年度第2次補正において730億円、さらに平成12年度予算(案)として1,436億円、合せて2,166億円を予算計上し、特別養護老人ホーム等の介護関連施設、多機能保育所、障害者プラン等に係る施設整備の着実な推進を図ることとしており、児童家庭局関係としては次の内容となっている。

(ア)多機能保育所整備分として、従来からの整備量に加えて76億9,600万円を計上し、新エンゼルプラン(平成12年度〜平成16年度)を踏まえた老朽化している保育所の改築、地域の需要に応じた保育所の多機能化を図るための整備や都市部における保育所の分園等の整備を推進する。
(イ)老朽民間社会福祉施設緊急改築整備分として、従来からの整備量に加えて38億9,400万円を計上し、災害に強く、快適な居住空間を備えた施設への改築整備を引き続き推進する。
(ウ)一般整備分として100億4,300万円を計上し、上記以外のその他の施設整備についても所要の整備を推進する。

イ 設備整備費については、平成11年度第2次補正において57億、さらに平成12年度予算(案)として、121億円、合わせて178億円を計上し、施設整備量に対応した必要な額を確保したところである。

ウ 平成12年度の整備方針等
 児童福祉施設等の整備については、各都道府県等における老朽施設の 実態や近年の入所児童の動向など施設全体の状況を踏まえ、計画的な整備が図られるよう配慮されたい。
 平成12年度においては、次の事項を基本として整備を図ることとしているが、限られた財源を効率的かつ有効に活用する見地から、施設整備の事業内容を十分吟味した上で、必要な整備を行うこととしている。
 各都道府県・市におかれては、平成12年度に予定している整備計画の徹底した精査を行い、真に必要と認められる整備について厳選した対応に努めていただきたい。

(ア)「多機能保育所等の整備」については、平成11年12月19日大蔵・文部・厚生・労働・建設・自治大臣合意により、新たな5か年プランとして策定された「重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画」(新エンゼルプラン)を踏まえて、老朽化している保育所の改築、地域の需要に応じた保育所の多機能化を図るための整備や都市部における保育所の分園等の整備を推進する。
(イ)国民の生活水準の向上に対応した居住環境の向上を図るとともに、施設入所児童等の安全性を確保する観点から、災害に強く、ゆとりある居住空間を備えた施設とするため、老朽施設の改築、児童養護施設の大部屋解消等のための整備のほか、子育て支援短期利用事業等地域のニーズに合った、または地域に開放された事業を積極的に実施する整備及び火災、地震等の防災対策に配慮した施設の内部改修の整備を促進する。

エ その他の留意事項
 富裕団体向けの補助金等の調整については、平成12年度においても引き続き、補助金等の整理合理化の一環として調整措置を講ずることとしているので、了知願いたい。

オ 平成11年度第2次補正予算について
 次の事項については、社会福祉施設(設備)整備費において

(ア)多様な保育ニーズに対応した保育所(多機能保育所)の整備
 改築の際に、子育て相談等の多様な保育ニーズに対応できる保育所を整備する。
(イ)児童養護施設の心理療法器材の整備及び老朽施設の整備
 児童養護施設等に児童に対する箱庭療法用具などの心理療法に必要な器材を整備整備する。また、児童養護施設の老朽施設の整備を図る。
 こととしたので、積極的に取り組まれるようお願いする。
(ウ)また、医療施設等施設(設備)整備費においては、今回限りの措置として、医療機関に乳幼児を一時的に預かる乳幼児健康支援一時預り事業を実施するための部屋の整備(乳幼児健康支援一時預かり施設の整備)するための予算を確保したので、積極的に取り組まれるようお願いする。

カ 社会福祉施設整備業務の再点検について
 厚生省においては、平成9年3月31日にとりまとめた「施設整備事業等の再点検のための調査委員会報告書」で明らかにしたとおり、社会福祉法人等が行う契約事務については地方公共団体の契約手続きに準拠し、一括下請負の禁止などを補助金の交付の条件とすること等建設工事の適正化、補助金交付対象施設の明確化等の措置を講じ周知徹底を図ったところである。
 各都道府県・市におかれては、施設整備業務のさらなる再点検、会議等での関係者への指導の徹底や未然防止策の検討など再発防止対策の充実に万全を期されたい。

キ 社会福祉施設の防災対策について

(ア)防災対策の取り組み
 社会福祉施設の防災対策については、入所児童等の安全確保の観点から、「社会福祉施設における防火安全対策の強化について」(昭和62年9月18日付け社施第107号社会局長、児童家庭局長連名通知)等の趣旨を踏まえ、管下社会福祉施設に対し指導をお願いしているところである。施設の運営上、入所児童等の安全確保が最重要課題であることを再認識していただき、スプリンクラー設備、屋内消火栓設備及び夜間防火管理体制の整備など、施設における具体的、効果的な防災対策に万全を期すよう管下社会福祉施設に対する指導の徹底に努められたい。
 施設整備費においても、入所児童等の防災対策、処遇改善の観点から、防災対策に配慮した整備を優先して採択することとしている。また、措置費・保育所運営費においても、地域住民との連携による合同避難訓練や避難用具の整備等を行う総合防災対策強化事業が施設機能強化推進費のメニュー事業として算入されているところであり、これらの制度の積極的な活用を図り、社会福祉施設の防災対策の充実を図られたい。
 
(イ)地すべり防止区域等に所在する社会福祉施設の防災対策について
 地すべり防止区域等災害発生のおそれがあるとして指定されている地域等に所在している社会福祉施設については、「防災弱者関連施設に係る土砂災害対策の実施について(平成11年1月29日社援第212号)」をもって、文部省、林野庁、建設省及び自治省と連携して、社会福祉施設の立地状況を踏まえた総合的な土砂対策を講じるよう通知しているところであるが、各都道府県・市におかれても、関係部局との連携を強化し、指定区域等に所在する社会福祉施設の防災対策に留意されたい。
 
(ウ)被災施設の早期復旧
 社会福祉施設等災害復旧事務の取扱いについては、「社会福祉施設災害復旧費国庫負担(補助)の協議について」(平成7年3月30日付け社援施第76号社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連名通知)により、児童家庭局所管施設については、災害発生後速やかに児童家庭局企画課に報告するとともに、復旧事業の早期着工を図り、施設運営に支障が生じないよう指導の徹底をお願いしたい。

(2)児童福祉施設の運営について

ア 適正な運営管理の推進
 児童福祉施設の運営費の取扱いについては、従来から適正な指導をお願いしているところであるが、平成11年度において一部の保育所等において使途不明金が発覚するなどの不祥事が生じているところであり、こういった不祥事は、社会福祉施設に対する国民の信頼を著しく損なうこととなる。
ついては、指導監査の結果を踏まえた運営の指導にあたる等適正な施設運営について引き続き指導されたい。

イ 感染予防対策について
 児童福祉施設における感染症予防対策については、従来より特段の指導をお願いしているところであるが、昨年10月から11月にかけて保健医療局及び生活衛生局から結核、インフルエンザ及びレジオネラ菌等の感染に関する予防対策について各々通知が発出され、注意喚起が呼びかけられたことにともない、児童福祉施設においても十分な対応を図ることが必要である。
 特に、インフルエンザの対応については、毎年冬季に流行を繰り返し、患者数の多さや、症状の重篤性から国民の健康に対して大きな影響を与えている感染症であり、さらに、近年は、乳幼児における脳炎・脳症の問題等が指摘されているところであり、児童福祉施設においても十分な注意が必要とされているところである。
 ついては、「社会福祉施設における結核感染の予防について」(平成11年10月15日付社援施第40号)、「社会福祉施設における今冬のインフルエンザ総合対策の推進について」(平成11年11月17日付社援施第46号)及び「社会福祉施設におけるレジオネラ症防止対策について」(平成11年11月26日付社援施第47号)等を踏まえ、管下児童福祉施設に対して適切な指導を願いたい。


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