トピックス HOME 本文目次 前ページ 次ページ


6 保育対策について

(1)新エンゼルプランと保育対策

 新エンゼルプランにおいては、冒頭に「保育等子育て支援サービスの充実」が掲げられており、各地方公共団体においても、それぞれの地域のニーズを的確に把握して、計画的にサービス提供体制の整備に努め、新エンゼルプランに沿って保育施策を強力に推進されるよう、特段の配慮をお願いしたい。

(2)低年齢児(0〜2歳)の保育所受入れ拡大等待機児童の解消について

 平成11年4月1日における全国の保育所入所待機児童数は、関係地方公共団体の取組みの効果もあって前年に比べやや減少しているものの、なお約3万2千人と多数に上っている。
 平成12年度においては、運営費について、入所児童数に合わせて待機児童数も考慮して推計し、予算上低年齢児のみならず3歳以上児の待機児童すべてが入所しても対応できるような受入枠の拡大を図ることとし、また、所要の施設・設備整備経費計上を行っている。さらに、今後、保育所運営に関する規制緩和も予定している。
 各地方公共団体においては、待機児童の解消に向け、これらを活用するとともに、引き続き、入所定員の弾力化措置、少子化対策臨時特例交付金、平成11年度補正計上の施設・設備整備経費、分園制度などの措置を活用して、待機児解消に向けて一層の取組みをお願いしたい。なお、平成12年度においては、併せて、待機児解消に係る応急措置として家庭的保育事業も実施することとしている。

(3)特別保育事業について

 特別保育事業については、新エンゼルプランの「多様な需要に応える保育サービスの推進」及び「在宅児も含めた子育て支援の推進」の観点から積極的・計画的な推進を図られたい。
 平成12年度予算案においては、以下のとおり、か所数増・補助要件の緩和等を行うこととしている。

1)多様な需要に応える保育サービスの推進

平成11年度 → 平成12年度予算案
ア. 延長保育の推進 7,000か所 → 8,000か所
延長保育促進事業
・11時間を超える開所(11時間丁度は対象外) 年額 454万円
・30分延長 年額加算 30万円
・1時間延長
(6人以上。人数に応じて加算額増額) 年額加算121万円以上
・5人以下 年額加算 30万円
・補助率 国1/2、都道府県1/4、市町村1/4(指定都市・中核市1/2)
長時間延長保育促進基盤整備事業
・11時間超で、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間の延長へ の補助
・6〜9人2時間延長は年額162万円等、人数と時間による単価。
・定額補助
イ. 休日保育の実施 100か所 → 100か所
・11年度の試行事業を、12年度は「本格事業」に切り替え。

2)在宅児も含めた子育て支援の推進
ア.地域子育て支援センター事業の推進
 1,500か所(小規模型900か所含む)→1,800か所(小規模型1,100か所含む)
・付設対象施設を、保育所等のみから医療施設にも拡大。
・小規模型で保健相談等を行う場合に保健相談加算を新設
 年額139万円
・選択対象事業を1事業追加
 (家庭的保育者−地単事業等を想定−との連携)
イ.一時保育の推進 1,500か所 → 1,800か所(小規模事業900か所含む)
・利用人員5人以下の小規模型の新設
・利用人員が多くなった場合の加算の新設
 
※ 乳幼児健康支援一時預り事業の実施対象施設に保育所を追加するとともに、同事業の枠に訪問型の一時保育を追加。
 
3) 以上のほか、平成12年度予算案においては以下の改善を行うこととしている。
 〇 年度途中における乳児の受入れを促進するための「乳児保育促進等事業」
・乳児保育促進事業1か所当たり年額227万円(補助率1/3)
・乳児保育環境改善事業1か所当たり年額200万円(補助率1/3)を実施することとし、現行の低年齢児保育促進事業、産休・育休明け入所予約モデル事業、年度途中入所円滑化事業は廃止することとした。

 〇 保育所地域活動事業については、夜間保育推進事業の補助額の引上げ(120万円→150万円)を行うとともに、選択対象事業を1事業追加(家庭的保育者−地単事業等を想定−との連携)することとしている。
 〇 障害児保育事業は、対象人員の増(9,081人→9,443人)を行うこととしている。
 〇 双生児のいる家庭のリフレッシュのため、年一度、在宅保育サービスの利用料の一部を助成する「双生児家庭へのベビーシッター訪問事業」を実施することとしている(団体経由)。

(4)保育所の整備について

ア 現在の保育所は、昭和40年代から昭和50年代にかけて、多数整備されたが、その多くは非鉄筋施設であり、順次耐用年数を経過してきており、その際には、多様な保育ニーズに対応した多機能保育所としての整備を図っている。
 新エンゼルプランにおいては、多機能保育所等の保育所の整備として、平成11年度補正予算の活用を含め平成16年度までに2,000か所の整備を目標に掲げたところであり、積極的・計画的な整備について特段の御配慮をお願いしたい。
イ 保育所の整備に当たっては、既存の社会資源の有効活用を図る観点から、公立学校の余裕教室等の保育所乃至その分園への転用が推進されるよう、引き続き、各地方公共団体において、保育担当部局が教育委員会や教育関係者等と十分な連携を図られたい。
 また、保育所における木材の活用に関しては、「保育所木材利用状況調査研究事業報告書(木のぬくもりを保育所に)」が作成されており、保育所で木材使用を計画する際の参考資料として活用されるよう周知をお願いしたい。

(5)保育所の規制緩和について

ア 最低基準を満たす認可保育所をつくり易くし、待機児童の解消等の課題に各地方公共団体が柔軟に対応できるようにする観点から、以下のような規制緩和を実施する予定である。
1) 保育所の民間参入(設置主体制限の撤廃)
現在、地方公共団体又は社会福祉法人が原則とされている認可保育所の設置経営を、民間企業、NPO、生協、農協等社会福祉法人以外の民間主体についても認める。(都道府県知事・指定都市市長・中核市市長が地域の実情に応じて認可。)
2) 定員要件の緩和
現在、最低30人とされている認可保育所の設置要件を、要保育児童が多い等の要件を満たす場合には20人に引き下げる。
3) 賃貸方式の認容 現在、自己所有が原則とされている保育所の土地・建物について、賃貸方式を認める。
イ 現在、実務的な検討を部内で進めており、11年度中に所要の措置を講じて実施に移す予定である。

(6)新保育所保育指針について

 現行の保育所保育指針は、前回の改訂(平成2年)後9年余りを経過しており、その後の少子化の一層の進行や女性の社会進出の増大、家庭や地域の子どもへの養育機能の低下など保育を取り巻く環境の変化及び児童福祉法の一部改正、児童の権利条約の批准、幼稚園教育要領の改訂などの動向を踏まえ、先般改訂されたところである。
 本年4月の施行に向けて、この周知徹底及びこれに沿った保育の普及について管下の地方公共団体及び保育所の指導をお願いしたい。

 

家庭的保育事業について

12年度新規 1,287百万円

(要 旨)
 増大する低年齢児の保育需要に対し、保育所の受入れの運用拡大や保育所の増設・新設だけでは追いつかない等の場合がある。このため、応急措置として、家庭的保育(保育所との連携を図りながら、保育者の居宅において少人数の3歳未満児を保育すること)事業を行う市区町村に対し、必要な経費の補助を行う家庭的保育事業を実施する。

(事業内容)
区 分 内 容
実施か所数 対象児童数 5,000人
保 育 所 200か所
単 価(基準額) 児童1人当たり (月額) 7.7万円
連携の1保育所当たり (年額)125.0万円
要件 児童の
要件
・満3歳に達した年度末までにある乳幼児であって、日々保育に
欠けるもの
保育者
の要件
・保育士又は看護婦の資格を持っていること
・保育者の居宅で保育すること
・保育する児童の人数は3人以下であること
・保育時間はおおむね9時間で、延長保育に対応できること
保育所
との連携
・保育所は、家庭的保育を行う者のあっせん、指導、定期的な保育所での保育への参加、家庭的保育を行う者が休まざるを得ない際には保育所で預かる等の事業を実施
市区町村
の要件
・当該市区町村内に0歳児保育を行う保育所を有し、かつ、施設の増設又は定員を増員させていく計画があること
事業実施主体 市区町村
補助率 (1) 家庭的保育助成事業
 国1/2,都道府県1/4,市区町村1/4(指定都市・中核市は1/2)
 保護者負担については数段階の徴収基準額表を予定
(2) 家庭的保育制度支援事業
 国1/2,都道府県1/4,市区町村1/4(指定都市・中核市は1/2)

イメージ


トピックス HOME 本文目次 前ページ 次ページ