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臓器移植対策室

1.臓器移植対策

(1)臓器提供意思表示カード及びシールについて

 臓器提供の意思の有無を明らかにする「臓器提供意思表示カード」の普及については、都道府県等衛生部局及び保健所に配布するとともに、照会に対し対応されることについては既に通知しているところであるが、今般その様式を一部改訂されたところである。
 また、意思表示の一つの手段として医療保険の被保険者証や運転免許証を活用することについて関係機関の協力を得られるようになったことを受け、被保険者証及び運転免許証に貼付する「臓器提供意思表示シール」を作成し、関係機関の御協力の下に普及を進めているところである。
 なお、警察関係部局におけるカード及びシールの配備については既に通知しているところであるが、円滑な配備ができるよう御協力をお願いする。

(2)臓器提供施設について

 脳死下での臓器提供については「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(ガイドライン)」において提供可能な施設を限定しているが、平成11年4月30日現在、施設内での整備を整えた臓器提供施設は236施設(公表について同意した施設232施設)である。今後、更に臓器提供体制の充実を図るよう関係団体とも協議しながら、その環境整備に努めてまいりたい。

(3)臓器移植の普及啓発について

 臓器移植に関する普及広報については、各自治体においても各種の活動に御尽力いただいているところであるが、国民への移植医療の理解を深めていくことが国及び地方公共団体の責務であると臓器移植法第3条にも明文化されているところであり、引き続き臓器移植の普及啓発に一層の御協力をお願いしたい。
 また、毎年10月を「臓器移植普及推進月間」として普及啓発を行っており、平成11年度においては10月19日に北海道札幌市で全国大会が開催されたところであり、来年度においては大阪府で開催される予定である。
 今後の推進月間等の広報活動の詳細については関係団体等と検討していくこととしている。引き続き臓器移植の普及啓発に一層の御協力をお願いしたい。

2.骨髄移植対策

 白血病や重症再生不良性貧血等の血液難病患者に対する有効な治療法である骨髄移植の推進を図るため、平成3年12月から「日本骨髄バンク」事業を実施しているが、当該事業の円滑な推進には骨髄提供者の確保が最重要課題である。事業開始以来満8年を経過し、骨髄ドナー登録者数は12万5千人を超え、また、骨髄バンクを介して行われた移植件数も累計で2千3百例に上っているところである。各都道府県におかれては従前より普及啓発活動等により当該事業の推進に御協力いただいているところであるが、来年度においても「ドナー登録者30万人」の目標に向け、一人でも多くの方に骨髄移植の機会を提供できるよう一層の普及啓発等に御尽力願いたい。
 また、「骨髄ドナー休暇」制度については、既に全ての都道府県において制定されているが、市町村において未だ制定されていないところもあるので、その制定につき御理解、御協力くださるよう市町村に対する御指導のほどよろしくお願いいたしたい。
 さらに、平成6年度から実施をお願いしている一部保健所におけるドナー登録受付事業については、各都道府県の御協力により全都道府県で実施されているところであり御礼申し上げるとともに、一層の受付事業の充実をお願いする。なお、来年度からは、補助先が都道府県の他に政令市及び特別区を新たに追加したので、当該事業の積極的な執行及び予算の確保をお願いいたしたい。また、多くの骨髄提供希望者を確保するため、毎年12月に実施している「骨髄バンク推進月間」や各都道府県で開催する各種イベントに併せて休日における登録保健所の開設等も併せてお願いいたしたい。
 また、日本骨髄バンクは、骨髄移植を望む患者の移植の機会を拡大するため、平成9年4月より米国骨髄バンク及び台湾骨髄バンクと、また、平成11年5月には韓国骨髄バンクと、それぞれ提供希望者の相互検索等の事業を開始したところである。これにより、日本国内では骨髄提供者が見つかりにくい方に一人でも多くの移植の機会が提供できることとなった。今後も、世界各国の骨髄バンクと協力していくとともに、30万人のドナー登録に向け、普及啓発等一層の推進を図ることとしている。

3.さい帯血移植対策

 さい帯血移植とは分娩後、通常は廃棄されていた胎盤及びへその緒に含まれているさい帯血を採取し、その中に含まれている造血幹細胞を移植して、造血機能を再生させる方法であり、白血病や再生不良性貧血等の血液難病の有効な治療法として研究されているものである。我が国では平成11年7月末現在、非血縁者間移植で129例が実施されている。この移植は採取量が少ないものの産後のさい帯と胎盤から採取するため、母体にも児にも影響はなく、必要なときに移植できる等の利点を有している。
 厚生省においては、平成9年12月24日に保健医療局及び医薬安全局両局長の私的検討会として「臍帯血移植検討会」を設置し、技術面並びに運営面について幅広く検討を進め、平成10年7月27日にとりまとめられた「中間まとめ」等の報告書に基づき体制整備を進めているところであり、平成11年度予算において、約4億円を計上し、平成12年度予算(案)においては約5億7千万円を計上したところである。
 なお、当該事業の情報の共有・安全性の確保等の共同管理を行うため、地域のさい帯血バンクや学識経験者等で構成する「日本さい帯血バンクネットワーク」が昨年8月に設置されたところである。
 平成12年度においては、日本さい帯血バンクネットワークを中心として、安全なさい帯血移植実施体制の緊急整備(目標2万個程度)のため、年間5千個の保存さい帯血を確保するとともに、全国的な情報ネットワークの整備等を図ることとしている。
 各都道府県におかれては、今後、更に整備されるべく当該事業内容について、その趣旨につき御理解、御協力くださるようお願いいたしたい。


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