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予 算 概 要

保健医療局

平成12年度歳出予算(案)の概要
(新規事項及び主な改正内容)

1 健康づくり・生活習慣病対策

131,505百万円 → 141,564百万円

(1)健康日本21の推進等

111,707百万円

○健康日本21の推進体制の整備
 すべての国民が、健康で明るく元気に生活できる社会の実現に向けて、壮年死亡の減少、痴呆や寝たきりにならない状態で生活できる期間(健康寿命)の延伸等を目標とした健康日本21を推進するため、「健康日本21推進全国会議」等の設置・運営、厚生省ホームページの開設等の普及啓発活動等の展開並びに各地域特性を勘案した地方自治体における地方計画の策定に対する支援を実施する。

○各種保健事業の総合的・一体的推進
 老人保健事業における健康診査の結果等を用いた健康度評価に基づく個別健康教育の実施等各種保健事業を健康日本21と整合性をとりながら総合的・一体的に推進する。

○総合的たばこ対策の推進
 広く国民にたばこと健康に関する正しい知識を周知するとともに、分煙が効果的に実施されているかを判定するための客観的な基準を策定し、我が国の喫煙率の低減と非喫煙者に与える受動喫煙の害の減少等を図る。

○こころの健康づくり対策等の推進
 こころの健康に関する正しい知識の普及啓発及び適切な相談・指導体制の整備・充実を図るととともに、アルコールが健康に及ぼす影響について、正しい情報提供を行うための体制を整備する。

○生活習慣病対策の推進
 循環器疾患基礎調査の実施、がん克服新10か年戦略の着実な推進及び、「食事摂取基準」の策定と「国民栄養調査」の充実についての企画検討等を行う。

(2)地域保健対策

29,858百万円
○地域における健康危機管理体制の整備(新規)
 昨今の健康危機事例の発生をを契機として、地方公共団体の保健衛生部門における健康危機管理体制の実態を把握するとともに、その役割をそれぞれ明確にし、適切な健康危機管理体制の整備を図る。

2 臓器移植対策

2,081百万円 → 2,976百万円

(1)臓器移植に対応した推進体制の基盤整備

708百万円

○連絡調整者(コーディネーター)等の増員
 臓器提供について医学的に評価するために、医師の連絡調整者を設置するとともに、臓器のあっせんを担うコーディネーターの増員及び資質の向上を図る。

(2)骨髄移植の着実な推進

970百万円

○骨髄連絡調整者(コーディネーター)の増員
 コーディネート期間の短縮を図るため、コーディネーターを増員し、体制を充実・強化することにより、白血病患者の救命治療の推進を図る。

○骨髄ドナーに対するHLA型(白血球の型)検査体制の充実
 「ドナー登録者30万人」の目標に向け、HLA型(白血球の型)適合検査人数を拡充することにより、骨髄移植の円滑な推進を図る。

(3)さい帯血移植推進のための体制整備 571百万円

○安全なさい帯血移植の推進のため、さい帯血の採取及び保存体制の緊急整備(目標2万個程度)を図る。 (年4,000個→年5,000個)

3 免疫・アレルギー対策

3,776百万円 → 10,114百万円
 (注:計上金額は、免疫・アレルギー対策以外の研究経費が含まれた総額である。)

(1)免疫・アレルギー疾患に関する研究の拡充

10,006百万円

○感覚器障害及び免疫アレルギー等研究経費(厚生科学研究費補助金)
 アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息、慢性関節リウマチ等の免疫・アレルギー疾患の病因、病態の解明及び治療法の開発に関する研究の拡充。

○保健医療分野における基礎研究推進事業
 (医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構基礎研究出資金)
 免疫・アレルギー疾患の治療に用いる医薬品等開発のための基礎研究の推進。

○ヒトゲノム・再生医療等研究経費(厚生科学研究費補助金)
 (バイオテクノロジー応用食品の安全性確保のための総合研究)
 遺伝子組換え技術を応用し、食品中から特定のアレルゲン(アレルギーの原因となる抗原物質)を除去した食品の開発の推進。

(2)免疫・アレルギー診療・研究ネットワークの構築

 上記研究を効果的に推進し、その成果及び最新の医療技術の全国的な普及を図るため、全国の関係医療機関や研究機関、研究者等との診療・研究面での連携協力体制(ネットワーク)の構築を図る。

○既存の研究組織及び予算を活用し、省を越えた研究の推進及びその成果等の普及のための診療・研究連携協力体制(ネットワーク)を構築。 (既定予算で対応)
○国立相模原病院に免疫異常の臨床研究センターを設置し、研究体制等を拡充。
108百万円

4 感染症対策

7,940百万円 → 8,175百万円

(1)感染症の発生・拡大に備えた事前対応型行政の構築

2,133百万円

○感染症研究等協力機関体制整備費(新規)
 感染症法に規定する感染症ごとに国立感染症研究所、国立国際医療センター、大学病院、地方衛生研究所等を感染症研究等機関(感染症リファレンスセンター)として指定し、国立感染症研究所を含めた全国の研究機関を厚生省協力機関としてネットワークの整備を図る。

○感染症発生動向調査事業
 医師等からの感染症に関する情報を全国規模のコンピューター・オンラインシステムにより迅速に収集、専門家による解析を行い、国民・医療関係等への提供・公開を図るとともに、必要に応じ感染症発生状況、動向及び原因を明らかにするための調査を行うなど情報提供体制を充実する。

(2)人材育成の充実及び国際協力の強化

1,099百万円
○国際寄生虫対策支援事業(新規)
 我が国で社会的、経済的困難を克服し寄生虫疾患を征圧した経験を基に、寄生虫対策の進め方を疾患毎にまとめた寄生虫疾患制圧の手引きを作成し、これを途上国に配布し、寄生虫疾患の制圧のための効果的な手法を提示・助言することにより、国際的な寄生虫対策に貢献する。

○ポリオ根絶証明式典開催等経費(新規)
 我が国において予防接種導入等により征圧に成功した経験を、西太平洋地域の国々に技術援助を通じ移転するなど、国際協力を推進したことにより西太平洋地域でのポリオ根絶にいたったことを記念して国際会議を我が国で行う。

(3)感染症の発生予防・防止措置及び調査研究体制の充実等

・良質かつ適切な医療提供体制の整備 677百万円
・感染症の発生予防・防止措置の充実 2,060百万円
・新興・再興感染症の調査研究体制の充実 2,123百万円
・動物由来感染症対策 82百万円

5 予防接種対策

1,076百万円 → 1,125百万円

(1)予防接種センター機能推進事業の実施(新規)

14百万円

○全身性発疹を起こすおそれ等があり、慎重に予防接種をする必要のある者等に対する予防接種、医療相談及び情報提供を行う予防接種センター機能の整備を行う。

(2)手 当 等

958百万円
○物価スライドの特例
 (平成11年の消費者物価指数の下落が見込まれるが、平成12年度の手当・年金額は前年度と同額とする。)

医療手当 (入院月8日以上)
(入院月8日未満)
(通院月3日以上)
(通院月3日未満)
36,330円
34,330円
36,330円
34,330円
障害児養育年金 1級(年額)
2級(年額)
1,555,200円
1,244,400円
障害年金 1級 (年額)
2級(年額)
3級(年額)
4,972,800円
3,976,800円
2,983,200円
死亡一時金 43,500,000円

○介護加算及び葬祭料の改善

介護加算 (11年4月〜) (12年4月〜)
 1級(在宅) 864,000円 866,400円
 2級(在宅) 576,000円 577,600円
葬祭料 176,000円 179,000円

(3)健康被害者保健福祉事業の推進

102百万円
○予防接種ガイドラインの作成・配布

6 エイズ対策

13,865百万円 → 12,720百万円

(1)医療体制の充実

2,414百万円

○エイズ治療拠点病院における専用外来診療室(個室)の整備
(保健衛生施設整備費の補助対象の拡大)

(2)相談・指導体制及び検査体制の充実

955百万円

(3)研究及び国際協力の推進

5,951百万円

(4)正しい知識の啓発普及

2,519百万円

(5)都道府県等によるエイズ対策促進事業

880百万円

○保健所におけるエイズストップ作戦関連事業を統合
(エイズ対策促進事業への事項の追加)

7 結核対策

11,064百万円 → 12,226百万円

(1)再興感染症として結核対策の推進

35百万円

○再興感染症としての結核緊急実態調査の実施(新規)
 健康診断の実態把握、BCG接種の現状分析、結核患者の合併症や再発の状況、治療内容とその効果、薬剤耐性の結核菌に関する調査を行う。

○再興感染症としての結核問題の重要性についての国民への普及啓発の実施(新規)

 国民一人一人が結核の脅威を再認識し、正しい知識を修得することが極めて重要であることから、再興感染症としての結核の再認識と知識等の普及啓発を行う。

(2)多剤耐性結核等拠点施設整備

1,422百万円

○都道府県又は都道府県域を越えた広域圏の結核医療の拠点的な役割を果たすため、国立療養所等を中心とした多剤耐性結核患者等に対する広域圏拠点施設(国立病院・療養所8ヶ所・その他2ヶ所 合計10ヶ所)及び都道府県拠点施設(国立病院・療養所46ヶ所)の整備を図り、その診療のネットワークを構築する。

(3)結核病棟改修等整備事業(医療施設近代化施設整備事業のメニュー化)

○結核病棟改修等整備事業は、老朽化した結核病棟又は結核病室の改修等を行うことにより病院における結核患者の療養環境、衛生環境等の改善を図る。

(4)結核発症の高危険群等に対する積極的な対応

○高齢者に対するINH(イソニコチン酸ヒドラジド(イソニアジド))の投与事業

 結核を再発(発病)させる危険性の高い基礎疾患を持つ高齢の既感染者を対象にINHの投与を行い、結核の発症を防ぐ。

○大都市における結核の治療率向上(DOTS)事業

 住所不定者の多い地域の患者に対し、服薬状況の確認させるとともに健康管理を強化させ、結核を治癒させることを通じて他人への感染防止を図る。

8 難病対策

36,309百万円 → 38,115百万円

(1)難病特別対策推進事業の推進

759百万円
○重症難病患者入院施設確保事業

 重症患者のための拠点・協力病院による医療体制を都道府県ごとに整備推進

○難病患者地域支援対策推進事業

 患者ごとの在宅療養支援計画の策定・評価や重症患者への訪問相談事業の実施など、在宅療養支援を実施

(2)難病患者等居宅生活支援事業の充実

1,927百万円
 介護保険法、老人福祉法、身体障害者福祉法等の対象とならない難病患者及び慢性関節リウマチ患者に対するホームヘルプサービス等を実施

ホームヘルプサービス事業、ホームヘルパー研修事業、短期入所事業
日常生活用具給付事業(6品目→9品目)

(3)特定疾患治療研究事業の推進

22,587百万円

○疾患の追加(44疾患→45疾患)

○介護保険の医療サービスへの対応
 介護保険で給付される医療サービスのうち、従来、特定疾患治療研究事業の対象であったものは引き続き対象

・居宅サービス: 訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導
・施設サービス: 介護療養型医療施設(療養型病床群、老人性痴呆疾患療養病棟、介護力強化病院)サービス

○患者一部負担は現行水準どおり

(4)特定疾患対策研究事業の推進

2,088百万円

9 原爆被爆者対策

160,307百万円 → 163,462百万円

(1)手当等

110,362百万円

○物価スライドの特例

 (平成11年の消費者物価指数の下落が見込まれるが、平成12年度の手当額は前年度と同額とする。)

医療特別手当(月額) 139,600円
特別手当(月額) 51,550円
原子爆弾小頭症手当(月額) 48,050円
健康管理手当(月額) 34,330円
保健手当(一般分月額) 17,220円
保健手当(増額分月額) 34,330円
家族介護手当(月額) 21,920円

○介護手当及び葬祭料の改善

  (11年4月〜) (12年4月〜)
介護手当 重 度 108,000円以内 108,300円以内
中 度 72,000円以内 72,200円以内
葬 祭 料 176,000円 179,000円

(2) 原爆死没者追悼事業等

2,302百万円
○原爆死没者追悼平和祈念館
 広島:施設整備(平成14年度開館予定)
 長崎:施設整備(平成15年度開館予定)

10 保健衛生施設等整備

15,697百万円 → 22,697百万円

(1)施設整備費

18,465百万円
○補助対象メニューの新設
・精神障害者地域生活支援センター施設

○補助対象の拡大
・エイズ治療拠点病院施設
 外来診療室の整備
・老人保健施設
 民間立分の整備
・老人訪問看護事業所
 民間立分の整備

(2)設備整備費

4,232百万円

○補助メニューの新設
・精神科救急情報センター設備
・精神障害者地域生活支援センター設備
・アイバンク設備
・老人保健施設設備
 民間立分の整備

○補助対象の拡大
・さい帯血バンク設備
・精神科救急車
・老人訪問看護事業所設備
 民間立分の整備

11 ハンセン病対策

42,232百万円 → 42,121百万円
○社会交流の促進
・地域住民と療養所入所者との交流の促進


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