トピックス HOME 本文目次 前ページ 次ページ


4.臓器移植対策について


(1)臓器移植の推進について
ア 臓器提供意思表示カード及びシールについて

 臓器提供の意思の有無を明らかにする「臓器提供意思表示カード」の普及については、都道府県等衛生部局及び保健所に配布するとともに、照会に対し対応されることについては既に通知しているところであるが、平成11年度予算(案)においては、2,000万枚の作成費が計上されたところであり、引き続き配布に係る御協力をお願いする。
 また、意思表示の1つの手段として医療保険の被保険者証や運転免許証を活用することについて関係機関の協力を得られるようになったことを受け、被保険者証及び運転免許証に貼付する「臓器提供意思表示シール」を作成し、普及を進めていくこととした。被保険者証用のシールについては、検認、更新等の機会を捉えて各保険者を通じて配布するものとし、また、運転免許証用のシールについては、運転免許試験場(センター)や運転免許証の更新手続を行う警察署に配備するよう御協力をお願いしたところである。
 なお、警察関係部局におけるカード及びシールの配備については既に通知しているところであるが、円滑な配備ができるよう御協力をお願いする。

イ 臓器提供施設の拡大について
 脳死状態からの臓器提供については「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(ガイドライン)」(以下「ガイドライン」という。)において提供可能な施設を限定しているが、法の施行後、死亡された方で臓器提供意思表示カードを所持されていた事例が報告されていることに鑑み、法の基本理念である本人意思の尊重という観点から、昨年6月26日付けでガイドラインの一部改正を行い、それまで脳死状態からの臓器提供に関して最初の数例については大学附属病院の本院及び日本救急医学会の指導医指定施設のいずれかによるものと限定していたものを、最初の症例から日本脳神経外科学会の専門医訓練施設のA項及び救命救急センターとして認定された施設等まで広げることとした。このことに伴い新たに臓器提供が可能となった施設には、同日付けで施設の長あて協力を依頼したところである。
 平成10年10月1日現在、施設内での整備を整えた臓器提供施設は168施設(公表について同意した施設167施設(別添1))である。今後更に臓器提供体制の充実を図るよう関係団体とも協議しながら、その環境整備に努めてまいりたい。
ウ 臓器移植の普及広報について
 臓器移植に関する普及広報については、各自治体においても各種の活動に御尽力いただいているところであるが(意思表示カードの広報については別添2を参照)、国民への移植医療の理解を深めていくことが国及び地方公共団体の責務であると臓器移植法第3条にも明文化されているところであり、引き続き臓器移植の普及啓発に一層の御協力をお願いしたい。

(2)骨髄移植の推進について

 骨髄移植の円滑な推進のためには骨髄提供者の確保が最重要課題である。平成3年12月に発足した「日本骨髄バンク」事業も満7年を経過し、昨年8月には、骨髄ドナー登録者数が当初の目標の10万人を達成したところである。しかしながら、未だに適合するドナー候補者を見つけることが出来ない患者さんも数多くおられる実態があることが現実である。
 日本骨髄バンクは、一人でも多くの患者さんに生きる希望やチャンスを届けようと、「ドナー登録者30万人」を新たな目標として運動を開始しているところである。
 各都道府県におかれては、保健所における登録受付、普及啓発、その他各地域における独自の取り組み等を積極的に実施されるようお願いする。

(3)臍帯血移植の推進について

 白血病などの血液難病患者の方々に関する施策の充実を図るため、造血幹細胞移植の一つである臍帯血移植についても推進することとしている。このため、平成11年度予算(案)においては、臍帯血移植推進経費として、新たに、約4億円を計上したところである。
 具体的には、地域における臍帯血バンクの活動を支援しながら、1)安全な保存臍帯血の緊急整備(5年間を目途として2万個程度)、2)全国的な情報ネットワークの構築等のための事業を行うこととしている。
 なお、情報の共有・安全性の確保等の共同管理を行うため、地域の臍帯血バンクや学識経験者等で構成する「臍帯血バンク連絡協議会(仮称)」が設置されることとなっている。
 各都道府県におかれては、今後、更に構築されるべく当該事業内容について、その趣旨につき御理解、御協力くださるようお願いいたしたい。



トピックス HOME 本文目次 前ページ 次ページ