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9.高齢者の生きがい・健康づくりの推進について


(1)高齢者の生きがいと健康づくり推進事業について

ア 「都道府県明るい長寿社会づくり推進機構」については、全都道府県で整備を完了したところであり、今後は、活動内容の質的向上はもとより、設立の趣旨を踏まえ、高齢者の生きがいと健康づくりを単に福祉分野にとどめることなく、教育、経済等のあらゆる分野を視野におきながら広範な団体等と連携することによって、社会全体の運動に発展させる役割が期待されている。
 このため、これまで以上に、市町村をはじめ各種関係団体等との連携を強化するとともに、今後、特に重要となるサラリーマンOB対策等を中心に、創意工夫を凝らした効果的な事業を積極的に取り組むよう推進機構へ指導願いたい。
 なお、推進機構に対する国庫補助については、平成9年度に人件費相当分を一般財源化したところであるが、事業費についても、新ゴールドプランの終了する平成12年度までに、国と地方の経費負担の在り方を検討する中で見直しする予定である。

イ 「高齢者の生きがいと健康づくり推進試行的市町村事業」については、平成9年度において指定した事業を継続して実施するほか、平成10年度の新規指定分については、これまでのような事業の仕組みに加えて、高齢者の生きがいと健康づくり対策がより効率的かつ効果的に実践されるよう、新たに「高齢者の生きがいと健康づくり総合推進試行的市町村事業」として、寝たきり老人ゼロ運動や在宅生活支援事業と一体的に推進する「健やかで活力ある地域づくり推進事業」及び生涯学習や農山漁村における各種活動支援事業などの高齢者向け事業と連携しながら総合的に実施する事業を行うこととしているところである。
 このため、本事業の推進にあたっては、生涯学習、農林水産担当部局をはじめ、推進機構並びに都道府県・政令指定都市老人クラブ連合会等と十分、協議、検討されるとともに、市町村の実情等を反映した事業の展開が図られるよう適切に指導願いたい。

ウ 「高齢者訪問支援活動推進員養成推進試行的事業」については、高齢者の社会活動への積極的な参加と高齢者による高齢者援護の推進を図ることをねらいとして平成8年度から実施しているものである。具体的には都道府県・政令指定都市・中核市の老人クラブ連合会を中心に、一人暮らしの高齢者等を訪問し、話し相手、外出介助、家事援護等の活動を行う指導的な実践者の養成を図るものであるが、未実施の都道府県等にあっては管下の老人クラブ連合会とも協議するなど取組の検討を願いたい。

(2)老人クラブ活動について

 老人クラブ活動については、平成6年8月、全国老人クラブ連合会が中心となり策定した「老人クラブ21世紀プラン」に沿って、高齢者自身の生活を豊かにする活動と地域を豊かにする社会活動のバランスに配慮しながら推進されているところであるが、来るべき高齢社会にあって、老人クラブ活動はより重要な役割を担っていくものと考えており、厚生省としても、引き続きこれを支援していくこととしている。
 また、新ゴールドプランにおいても、「高齢者の社会参加・生きがい対策の推進」として、老人クラブ活動の支援等を通じた高齢者の社会参加の推進を図ることとされている。
 さらに本年度からは、老人クラブが主体となり一層の健康活動を推進するための医療と薬に関する学習実践活動を自主的に実施することとしているので、都道府県におかれても、そうした趣旨を踏まえ、老人クラブ活動への支援と活性化になお一層の努力と協力を願いたい。

(3)高齢者能力開発情報センターについて

 「高齢者能力開発情報センター」については、シルバー人材センター等の類似施策が整備されてきたことなどから、一部のセンターには中心的な業務となっている就労斡旋の実績が良好と言えないものがあり、平成6年の総務庁における行政監察においても、著しく実績の低調なセンターについて廃止が勧告されたところである。
 このため、これまで事業の見直しなど所要の対策を講じてきたが、全体的には依然低調な実績で推移しており、加えて財政構造改革に伴う補助事業の見直しが必要になったことから、平成10年度から3か年計画で補助対象箇所及び事業費を縮小して、平成13年度には補助金の廃止を行う考えである。関係道府県におかれては、高齢者能力開発情報センターを設置している管下市町に対し、今後の対応について適切な指導を願いたい。

(4)全国健康福祉祭(ねんりんピック)について

ア 第11回全国健康福祉祭愛知・名古屋大会
(ねんりんピック’98愛知・名古屋)
・テーマ 年の輪 人の輪 元気の輪
・期 日 平成10年10月31日(土)〜11月3日(火)
・会 場 名古屋市 他18市町

イ 本大会に対する選手等の派遣
 本大会の趣旨である高齢者の社会参加及び地域間、世代間の交流を積極的に推進するため、推進機構とも連携しながら、各催しにおける参加者の裾野を広げるよう努めるとともに、十分な参加体制が確立されるよう配慮願いたい。
ウ 今後の開催予定
第12回(平成11年度)  福井県
第13回(平成12年度)  大阪府・大阪市
第14回(平成13年度)  広島県・広島市
第15回(平成14年度)  福島県
第16回(平成15年度)  徳島県
第17回(平成16年度)  群馬県
エ 地域における高齢者のスポーツ・文化活動等の推進
 ねんりんピックの目的、理念を地域に浸透させ、健康増進、文化活動の推進を図る観点から、各地方自治体においても、地域の実情に応じて地方版ねんりんピックを開催するなど積極的な取組について配慮願いたい。

(5)財政構造改革を推進する観点から、平成10年度より3年間は「集中改革期間」と定められ、いわゆる奨励的補助金等については原則一割削減とされたところである。このため、平成10年度においては、高齢者の生きがいと健康づくり推進事業、老人クラブ活動等社会活動促進事業等について国庫補助の削減を行ったところであるがこれら補助対象事業の重要性は何ら変わるものでない。各都道府県におかれては、これらの事業の重要性に鑑み、その活動の活性化、積極的な展開につき十分な指導を願いたい。



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