4.歯科医師需給問題について
(1) 昭和61年の「将来の歯科医師需給に関する検討委員会」の最終意見においては、平成37年には歯科医師数の2割程度が過剰になるとの見通しが示され、平成7年を目途に歯科医師の新規参入を最小限20%削減することが提言された。その結果、歯科大学・歯学部の入学定員(募集人員)の削減の努力が行われ、平成6年度には削減率は19.7%に達したところである。
(2) しかし、今後の公的介護保険制度の動向、保健予防サービスの需要等を踏まえ、平成9年8月に与党医療保険制度改革協議会の「21世紀の国民医療」において、医療従事者の資質の向上と適正な確保が求められていることから歯科医師の需給についても、さらなる見直しが必要とされているところである。
(3) そのため、昨年7月に「歯科医師の需給に関する検討会」を設置し、現在、地域偏在の是正等の新たなる観点を含め、将来の歯科医師数を適正に確保していくための検討を行っており、今年度内を目途に意見を取りまとめることとしている。
5.歯科衛生士・歯科技工士について
(1) 歯科衛生士について
- 地域保健法の全面施行により、歯科保健事業の一層の拡大等が期待される中、地域における歯科保健を推進していく上で、住民に対する歯科衛生士による歯科保健指導が充実されることが重要となることから、歯科衛生士の役割は今後とも増大していくことが予想される。
このため、歯科保健サ−ビスを担う歯科衛生士に対して、義歯の取扱い等を始めとする歯科保健の指導法の研修及び地域保健医療についての研修を行い、地域住民により良質で適切な歯科保健の充実を図るため、平成10年度も引き続き地域保健医療推進歯科衛生士研修を各都道府県に委託をして行うこととしているので、協力方お願いしたい。
また、「歯科衛生士の資質の向上に関する検討会(仮称)」を設置し、歯科衛生士の業務、教育及び研修について検討することとしている。
(2) 歯科技工士について
- 良質な歯科技工物を供給するため、歯科技工所の作業環境を改善・整備することを目的した「歯科技工所運営マニュアル作成検討会」において、平成8年4月に意見がまとめられ、既に、歯科技工所の適切な運営の参考として活用いただいているところであるが、今後とも、歯科技工所の適切な運営が図られるよう貴管内関係方面への周知をお願いしたい。
また、歯科技工所の運営に関し、無資格者が技工業務を行ったことによる歯科技工士法違反として判決が下された事例等が報告されており、今後とも、法に基づき適正な運営が行われるよう、よろしく御指導願いたい。