6.医療機能評価について
(1) 平成6年9月の「病院機能評価基本問題検討会報告書」の提言を踏まえ、病院等の医療施設の機能について、学術的な観点から中立的な立場で評価し、その改善を支援することを目的として、平成7年7月に財団法人日本医療機能評価機構が設立された。
事業開始に当たって、当初の約2年間を運用調査期間と位置付け、機能評価の方法論に関する実証的な検討を行い、その結果を踏まえ平成9年度から本格的に、病院機能評価事業を実施しているところである。
(2) 当該財団においては、本事業における評価結果として、地域における役割を適切に担い、医療の質の向上とサービス改善に取り組み、 一定の成果をあげていると認められた場合には、認定証を発行することとしている。
また、評価結果の情報公開については、積極的に、かつ適切な時期に公表することを原則とし、平成9年12月末日現在で、認定証の発行を受けた32の病院名が公表されているところである。
7.医療計画について
(1)医療計画の見直しについて
- 医療法改正(3次改正)は、平成9年12月17日に公布され、本年4月1日施行予定である。したがって来年度以降の医療計画は、改正後の医療法により作成された医療計画となるので留意願いたい。
新しい医療計画作成指針については、現在「必要病床数等に関する検討会」での検討結果等を踏まえて、出来るだけ早い時期にお示ししたいと考えている。
医療計画の法改正は、2次医療圏ごとの医療を提供する体制が明らかになるよう、
- 1)地域医療支援病院、療養型病床群の整備目標に関する事項を追加。
2)今まで任意的記載事項とされていた項目についても必ず記載する。
- とされている。
なお、今後とも医療計画等の見直しに当たっては、試案が作成された時点で、指導課に説明いただくようお願いする。
(2)必要病床数の算定方式の見直しについて
- 必要病床数の算定方式については、各方面からの指摘もあり健康政 策局においては「必要病床数等に関する検討会」を設置し、見直しを 進めているところである。
また、医療提供体制等の抜本的改革を示した与党医療保険制度改革協議会の「21世紀の国民医療」においても「急性期病床と慢性期病床(療養型病床群)とに区分して、それぞれの必要病床数を算定する」と指摘されている。
こうしたことから、必要病床数の算定方式の見直しについて検討がまとまった段階で抜本改革のひとつとして必要な制度改正を図る考えである。
(3)特定の病床の特例について
- 医療法施行規則第30条の32第1項に規定する特定の病床に係る特例については、いわゆる病床過剰地域において適用されることとなるが、その適用に当たっては、既存病床の転換等により特定の病床の充実を図ることを検討し、当該地域及び都道府県の医療事情を十分踏まえた上で真に必要なものに限り適用するなど、安易な増床とならぬようお願いする。
なお、各都道府県における取扱いの均衡を図るため、事前に指導課へ説明いただいているところであるが、十分な時間的余裕をもって説明いただくようお願いする。
また、例年、当該特例病床の利用状況の調査に御協力いただいているところであるが、未だ要件以外での使用が見受けられるので、今後とも不適正な使用については厳正な指導を行うとともにその改善を図られるよう努められたい。
(4)医療計画における勧告について
- 1) 昨年、医療計画に定める必要病床数を超える病院開設の中止勧告に関わらず、新規病院の開設許可に至らざるを得なかった事例が報告されている。医療計画の実施により、各都道府県において適正な医療提供体制の確保に努めていただいているところであり、これらについては遺憾と考えている。
今後とも、開設を希望する者に対し十分な説明、指導を行うとともに、医療提供体制の確保に最大限の力を注ぐべく、各県とも連絡を密にしていきたい。
なお、病床過剰地域における保険医療機関の新規病床数の制限等について、法的にも明確にするために、健康保険法の改正を図ることとしている。
- 2) 勧告を行う場合にあっては、都道府県医療審議会の審議の確保などその適正手続に今後とも十分配慮ありたい。
また、複数の病院開設許可申請等が重なった場合における勧告の取扱い及び事前の検討等については、地域の実情を踏まえ、かつ、公平性を期する観点から、その地域の関係行政機関、医療関係団体等との協議の場(地域保健医療協議会等)を活用し、開設者間の調整を行うなど、今後とも透明性の確保に努められたい。