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結核感染症課
1.結核対策

(1)結核の活動性分類、医療の基準の改正等について

平成7年10月23日の公衆衛生審議会において、
ア 従来、我が国における結核の診断、治療及び管理はエックス線所見に重点を置いて行われてきたが、結核診断技術の進歩等を踏まえ、菌所見を中心とした対策に改めるべきであり、このため、活動性分類を菌検査所見を中心とした分類に改定し、患者管理をより効果的、効率的に行うことが必要であること
イ 結核化学療法の進歩を積極的に取り入れ、治療初期2カ月にピラジナミド(PZA)を加える初期強化短期療法を初回標準治療方式の一つとして採用し、治療の強化、短期化を図ること
ウ 結核の疫学像の変貌、地域的配置などを考えると、今後の結核病床については、結核病床を特定の医療機関に集中させる「集中型」と、病室単位で患者を収容する「分散型」の両者を併用した形で結核病床を確保することが必要であること等を内容とする「結核の活動性分類、医療の基準の改正等について(意見)」が出されたところである。
 これを受け、平成7年12月26日厚生省告示第213号をもって「結核医療の基準」の改正を行うとともに、患者管理に関する諸通知を改正し、活動性分類については平成8年1月1日から、結核医療の基準については平成8年4月1日からそれぞれ適用しているところである。
 各都道府県におかれては、これらについて、引続き関係機関への周知方をよろしくお願いする。




(2)結核の病院内感染の防止について

 近年、病院内での結核の集団感染事例が続発している実情を踏まえ、「結核の病院内感染の防止等について(平成9年8月20日健医感発第12号・医薬安第20号厚生省保健医療局結核感染症課長・厚生省医薬安全局安全対策課長通知)」により、結核の集団感染防止対策の適切な実施をお願いしたところである。
 今後とも、結核の病院内感染の防止について万全を期すよう、管下関係機関等に対する指導の徹底をお願いする。




(3)結核予防法に基づく医師等の行う届出について

 結核予防法に基づく医師及び病院管理者の行う届出については、従来よりその適正な実施についてご配意いただいているところであるが、昨年、大阪府内の医療機関における届出の遅延問題が大きく取り上げられたところである。
 また、毎年当局において実施している事務指導監査においても、法定届出期限が遵守されていない事例が多数見受けられている。
 これら届出については、患者管理の基本であり、二次感染防止の観点からも重要な事業であるので、今後とも、管下関係機関等に対し、法定期限を遵守するよう指導の徹底をお願いしたい。

(4)結核予防法における公費負担の取扱いについて

 結核予防法第34条の規定に基づく一般患者に対する医療の公費負担の取扱いについては、「結核予防法による公費負担及び命令入所取扱要領について(昭和36年9月22日衛発第757号公衆衛生局長通知)」の別添「結核予防法による公費負担及び命令入所取扱要領」により執り行われているところであるが、公費負担のそ及承認事例が多数見受けられるため、「結核予防法における公費負担の取扱いについて(平成8年7月23日健医感発第74号エイズ結核感染症課長通知)」をもって、本取扱要領の趣旨に沿って適正な運用を図るよう、再度管下保健所、指定医療機関等関係機関に対する周知方をお願いしたところであり、引続き、公費負担の取扱いに遺漏のないよう関係機関等に対する指導方よろしくお願いする。




(5)結核対策特別促進事業費補助金について

 従来より、結核予防対策については、結核予防法による定期の健康診断及び予防接種の着実な実施を図りつつ、結核のり患率、有病率の高い地域において、地域の実情に応じた重点的な結核対策事業を実施するために、本補助金の積極的な活用をお願いしてきたところであるが、昭和50年代前半から始まった結核り患率の低下傾向の鈍化、地域格差の存在、既感染者の高齢化に伴う再発事例の増加、在日外国人の結核患者の増加、病院内での結核集団感染事例の増加、HIV感染合併結核、多剤耐性菌感染など結核を取り巻く様々な問題点を踏まえ、現在行われている結核対策事業を見直すとともに、地域の実情に応じた重点的な結核対策を再度検討していただき効果的な結核予防対策を行っていただきたい。




(6)その他

 結核患者の収容モデル病室の整備については、「結核患者収容モデル事業の実施について(平成4年12月10日健医発第1415号保健医療局長通知)」の別添「結核患者収容モデル事業実施要領」により実施しているところであるが、その実施件数は、現在まででわずか6件にとどまっている。
 本事業は、平成3年5月17日公衆衛生審議会意見具申「結核患者収容施設のあり方について」の趣旨を踏まえ、結核患者の高齢化等に伴って複雑化する高度な合併症を有する結核患者に対して、医療上の必要性から、一般病床において収容治療するためのより適切な基準を策定するためにモデル事業として実施しているものであるので、各都道府県におかれては、本事業の医療機関へのさらなる周知をお願いするとともに、実施施設の推薦について格段のご協力をお願いする。





2.予防接種対策

(1) 予防接種対策については、公衆衛生水準や医療水準の向上、予防接種に関する国民の意識の変化等を踏まえ、平成6年に予防接種法等の改正を行い、新しい制度による円滑な推進を図っているところである。
 都道府県におかれては、今後とも以下の点に留意しつつ、管下各市町村への周知・指導方よろしくお願いする。

ア 有効かつより安全な予防接種を推進する観点から、個別接種体制を整備するようお願いしているところであるが、引き続き未整備の市町村にあっては、早急に個別接種体制を整備されるよう指導方お願いしたい。やむを得ず集団接種により実施する場合であっても、的確な予診の実施を徹底し事故防止に万全の配慮を期されたい。
イ 予防接種の意義及びその重要性について周知徹底を図り、予防接種が円滑に実施されるよう指導方お願いしたい。
ウ 適切な情報提供のため(財)予防接種リサーチセンター(東京都新宿区新宿1-29-8 電話03-3341-8864)において、保護者・医療従事者向けのパンフレットの作成・配布のほか、保護者に対して予防接種ホットラインによる電話相談(電話045-671-1858)を行っているところであり、その活用等について周知指導方併せてお願いしたい。
エ 予防接種による健康被害者に対する救済措置については、障害年金等救済給付金の支給が円滑に行われるよう指導方お願いする。また、(財)予防接種リサーチセンターにおいて行う保健福祉相談事業の充実に努めているところであり、これが事業の円滑かつ効率的な実施につき、支援・協力方お願いする。更に、予防接種健康被害者が重症心身障害児施設等への入所を希望する場合に、手続き等が円滑に行われるよう関係部局とも連携を図るなどのご配慮をお願いしたい。





(2) 予防接種後の副反応情報提供については、平成6年の制度改正に伴い、当該市町村から都道府県を通じて予防接種後副反応報告書の提出をお願いしているところであり、その調査結果について、貴管下市町村を通じ地域住民等へ情報提供するようお願いしているところである。これまで平成6年10月から平成9年3月までのものを報告書No.1〜3として情報提供しているところである。
 また、予防接種後健康状況調査についても、報告いただいている平成8年度分をとりまとめ、本年2月中を目途に情報提供することとしているので了知願いたい。今後も引き続き協力方お願いする。



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