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6.エイズ対策について


(1)エイズ対策の基本的方向

 厚生省としては、エイズの流行阻止を目指して以下の目標に沿って平成6年度から西暦2000(平成12)年までの7年計画で施策の推進に取り組んでいるところである。
〈西暦2000年までの目標〉
ア 特効薬及びワクチンの開発
・ウイルスの増殖等のメカニズムの解明・開発の促進
・国際共同研究の推進等
イ 我が国におけるエイズの流行阻止
・相談、指導体制の整備・検査、医療体制の整備
・患者、感染者の社会的受入の促進等
ウ アジア地域におけるエイズの流行阻止のための支援
・国連合同エイズ計画への支援・アジア地域に対する支援

 このような取り組みにもかかわらず、HIV感染者が増加し続けており、予断を許さない状況が続いている。エイズ予防のためには、患者のみならず国民全員が正しい知識を持つことが重要であることから、地域住民との接点となる都道府県において、正しい知識の普及啓発を一層充実するようお願いする。また、治療法の進歩など、エイズを取り巻く社会的な変化が著しいことから、各都道府県においてはエイズ治療・研究開発センター及び地方ブロック拠点病院から発せられる最新の情報を受け取り、適切にエイズ拠点病院、地域の医療機関及び関係機関に還元するとともに、新しい情報に基づいたエイズに関する施策の企画立案をお願いしたい。更に、保健所は、電話相談及び匿名HIV検査を含む個別相談を通じて、感染の不安を持つ者が最初に接する機関であることから、相談等の一層の充実に努めていただきたい。

(2)平成10年度予算案における対策

(9年度予算) (10年度予算額案)
〈エイズストップ7年作戦〉 18,629百万円 14,376百万円

 上記目標達成にむけて平成6年度に策定した「エイズストップ7年作戦」を引き続き展開する。
 また、昨年のHIV訴訟の和解に基づく治療研究体制等の立ち上げ整備を踏まえ、エイズ患者・感染者が医療従事者との信頼関係のもとに安心して医療が受けられるよう医療体制の整備を継続するとともにエイズに関する正しい知識の啓発普及を推進する。
医療体制の充実 4,020百万円
(ア)エイズ拠点病院医療従事者海外実地研修
拠点病院の医師、看護婦等をエイズ診療の経験が豊富な海外の医療機関
へ派遣することにより、臨床実地研修を行う。
相談・指導体制及び検査体制の充実 1,057百万円
研究及び国際協力の推進 5,872百万円
(ア)エイズ治療に関する研究の推進
(イ)第12回国際エイズ会議研究者等派遣事業
正しい知識の啓発普及 2,547百万円
(ア)「世界エイズデー」啓発普及事業
全国8地域(北海道、東北、関東・甲信越、東海、北陸、近畿、
中国・四国、九州)におけるエイズ予防街頭啓発普及活動の実施
(2ヶ所→8ヶ所)
都道府県によるエイズ対策の推進 880百万円



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