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3.難病対策の見直しについて


(1)見直しの考え方
 難病対策については、平成7年12月の公衆衛生審議会難病対策専門委員会の最終報告に基づいて各種施策を推進しているところであるが、制度発足後25年間の医学・医療の進歩に伴い、患者を取り巻く諸環境が大きく変化してきたことを受け、平成9年9月に同委員会から新たな報告(今後の難病対策の具体的方向について)がなされたところである。
 厚生省としては、この提言等を踏まえ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などに代表される重症難病患者のための入院施設の確保や在宅療養支援の充実など、重症者に重点を置いて保健福祉施策の大幅な充実を図るとともに、治療研究事業(医療費公費負担制度)について、定額の患者一部負担の導入や調査研究との連携強化など、その効率化を推進するものである。
○ 公衆衛生審議会難病対策専門委員会の報告概要(平成9年9月8日)
ア 調査研究の推進
イ 難病患者の療養環境整備
 入院(入所)施設の確保と地域に根ざした在宅療養支援対策の充実
ウ 居宅生活支援事業の改善
エ 治療研究事業の見直し
 対象疾患の見直し、対象疾患における重症度基準の導入、全額公費負担の見直しの3方式を検討。
 研究事業としての本事業の性格から見れば、対象疾患の見直し、重症度基準の導入を適切とする指摘が多かったものの、現状では全額公費負担の見直し(事業の福祉的側面に配慮しつつ、公費負担分の一部に患者負担の導入を行うこと)もやむを得ないと提言。

(2)平成10年度予算案における対策

ア 重症患者に重点を置いた難病対策の質的充実
(ア) 入院(入所)施設の確保
(地域における拠点病院、協力病院の確保
等)
(イ) 在宅療養支援の強化
(重症患者への訪問相談の実施、患者別療養
支援計画の策定・評価の実施等)
(ウ) 居宅生活支援事業の拡充
(訪問介護員(ホームヘルパー)派遣等の年齢制限の撤廃等)
イ 治療研究事業(医療費公費負担制度)の効率化
(ア) 疾患の追加 39疾患→40疾患
(平成10年5月1日神経線維腫症を追加予定)
(イ) 全額公費負担の見直し(平成10年5月1日実施予定)
(重症患者への全額公費負担を継続するとともに、それ以外の患者には、月額で入院14,000円、入院外2,000円(1医療機関)を限度とする一部負担を導入)
(ウ) ALS等人工呼吸器使用在宅患者への訪問看護の充実
(エ) スモン治療研究事業の補助率の改定
(スモン恒久対策との位置づけから1/2→10/10)
ウ 患者の生活の質(QOL)改善のための調査研究の強化



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