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全国児童福祉主管課長会議 目次

平成10年3月16日


(企画課関係)

児童福祉法の改正に伴う施行等について
エンゼルプラン及び緊急保育対策等5か年事業の推進について
児童に対する相談支援体制の充実について

(1)虐待や非行に対する対応について
(2)児童家庭支援センターについて
(3)児童相談所運営指針の改定について
児童家庭局の組織改正について

(児童福祉監査指導室関係)

平成10年度児童福祉行政指導監査の実施について

(施設調整室関係)

児童福祉施設の整備について
平成10年度児童保護措置費(運営費)の実効方針等について
施設の感染症防止対策について
社会福祉施設の防災対策について

(家庭福祉課関係)

児童養護施設等入所児童の自立支援について
児童自立支援施設における学校教育実施促進事業について
児童自立生活援助事業について
懲戒に係る権限の濫用禁止について
母子家庭等自立支援施策の充実について
児童扶養手当制度の運用等について

(育成環境課関係)

平成10年度児童手当勘定予算案の概要
児童手当の所得制限について
児童厚生施設の整備等について

(1)児童厚生施設の整備について
(2)児童厚生施設の運営について
(3)地域組織活動(母親クラブ)について
放課後児童健全育成事業について
児童環境づくり基盤整備事業について
(1)児童育成事業臨時安定運営等対策事業について
(2)児童育成基盤整備等推進事業(地方版エンゼルプラン)について
児童委員主任児童委員活動の推進について
児童福祉週間について
少子社会に関する広報啓発活動について

(資料1)児童館等の設置状況
(資料2)児童育成計画(地方版エンゼルプラン)策定状況
(資料3)児童健全育成関係地方交付税について

(保育課関係)

平成10年度予算案関係
最低基準等の見直し
保育所と幼稚園の施設の共用化等について
「保母」等の名称の見直しについて

(母子保健課)

少子社会に対応した総合的母子保健対策の推進等について
病棟保母配置促進モデル事業の創設について
小児慢性特定疾患治療研究費の適正化及び研究の推進について
妊産婦健康診査費等の一般財源化について
母乳中のダイオキシン類に関する調査の実施について
母子健康手帳の改定について


(企画課関係)

1 児童福祉法の改正に伴う施行等について

(1)児童と家庭を取り巻く状況の変化を踏まえ、子育てしやすい環境の整備を図るとともに、次代を担う児童の健全な育成と自立を支援することを目的とした「児童福祉法等の一部を改正する法律」は、平成9年6月11日公布され、本年4月には、施行されることとなる。この間のご協力やご支援に対し御礼申し上げるとともに、円滑な施行に向けての更なるご協力、ご支援をお願いしたい。

(2)これまで、法改正に伴う政令、省令の改正及び留意事項等についての通知等の発出を行ってきたところであり、また、随時、全国児童福祉主管課長会議等を通じご説明してきたところであり、これらに留意の上、遺漏なきよう願いたい。

(3)また、保育所における乳児に対する保母配置基準の見直し(6:1→3:1)をするための省令の制定や児童家庭支援センターの設置運営の基準を定める通達等、予算に関連するもの通達等については、予算成立後、速やかに公布、発出することとしているのでご承知おき願いたい。

2 エンゼルプランの推進について

(1)平成6年12月16日に、厚生・文部・労働・建設4大臣合意により策定された「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について」(エンゼルプラン)は、少子化が子どもの成長や社会経済に大きな影響 を及ぼすことが懸念される中で、子育て支援に社会全体で取り組み、総 合的・計画的に推進するために策定されたものであり、厚生省としても、関係諸施策を着実に推進することとしている。

(2)エンゼルプランの施策の具体化の一環として、女性の社会進出の増加等に伴う、保育需要の多様化等に対応するため、当面緊急に整備すべき保育対策等について、大蔵・厚生・自治の3大臣合意により、平成11年度末までの目標を定めた「当面の緊急保育対策等を推進するための基本的考え方」(緊急保育対策等5か年事業)に基づく低年齢児保育や延長保育等の多様な保育サービスの充実のために、平成10年度予算案において、総額2、621億円(前年度予算2、431億円、対前年度比7.8%増)の予算を確保し、その推進を図ることとしている。

(資料1参照)

3 児童に対する相談支援体制の充実について

(1)虐待や非行に対する対応について

 近年、児童や家庭を取り巻く環境の変化等に伴い、児童相談所への虐待相談件数が急増するなど児童虐待の増加が指摘されている。児童虐待は人格形成期にある児童の心身に重大な影響を与えるものであって、児童福祉の観点から看過しがたいものである。
 一方、ナイフを使用した非行等問題行動が多発している状況にあり、この問題は、政府を挙げて、また、社会全体で取り組むべき大きな問題であることから、内閣総理大臣の下で、青少年の心や行動の問題、家庭や学校の在り方、放送、出版等青少年を取り巻く環境の問題等について幅広い観点から検討を行うため、関係審議会の代表者等の有識者で構成する「次代を担う青少年について考える有識者会議」が開催されることとなり、その第1回会合が3月6日に総理官邸で開催されたところである。
 児童虐待や非行問題については、早期発見・早期対応を図ることが肝要であり、そのためには関係部局が一丸となって取り組んでいく必要があり、本庁においても、教育委員会、県警本部、司法当局等による連絡会議の開催等、横断的な情報交換・協議の場を積極的に持たれたい。
 また、児童相談所についても、児童虐待や非行の通告又は相談を受けた場合は、保護者や学校等関係機関とも十分連携を図りつつ迅速かつ的確な取り組みをお願いする。
 また、児童相談所は児童福祉に関する専門的な行政機関であり、児童福祉司の任用に当たっては、その職務の専門性に鑑み、児童福祉法の趣旨を十分踏まえた任用をお願いするとともに、研修等を通じた児童相談所職員の資質の向上に努められたい。

(2)児童家庭支援センターについて

 児童家庭支援センターについては、今般の児童福祉法の改正により新たな児童福祉施設として創設され、先般「児童福祉施設最低基準等の一部を改正する省令」及び「児童福祉法施行規則等の一部を改正する省令」が公布され、児童家庭支援センターが新たに規定されたところである。
 平成10年度予算成立後、児童家庭支援センターの運営にかかる通知を発出することとしており、別添の次の内容を予定しているところである。
 また運営費の国庫補助については児童福祉事業対策費等補助金に児童家庭支援センターの運営事業を新たに追加し、交付要綱の一部改正を予定している。
 なお、運営費の国庫補助にかかる協議については、追って連絡することとしているので御了知願いたい。


児童家庭支援センターの運営について

1 目 的

 児童家庭支援センターは、地域の児童の福祉に関する各般の問題につき、児童、母子家庭その他の家庭、地域住民その他からの相談に応じ、必要な助言を行うとともに、保護を要する児童又はその保護者に対する指導を行い、あわせて児童相談所、児童福祉施設等との連絡調整等を総合的に行い、地域の児童、家庭の福祉の向上を図ることを目的とする。

2 設置及び運営の主体

 設置及び運営の主体は、地方公共団体並びに民法(明治29年法律第89号)34条の規定により設立された法人及び社会福祉法人とする。

3 児童福祉施設への附置

 児童家庭支援センターは、児童養護施設等の児童福祉施設の相談指導に関する知見や、夜間・緊急時の対応、一時保護等に当たっての施設機能の活用を図る観点から、乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設及び児童自立支援施設に附置する。

4 事業内容等

 児童家庭支援センターは、以下に定める事業を実施する。

(1)地域・家庭からの相談に応ずる事業

 地域の児童の福祉に関する各般の問題につき、児童、母子家庭その他からの相談に応じ、必要な助言を行う。

(2)都道府県(児童相談所)からの受託による指導

 児童相談所において、施設入所までは要しないが要保護性があり、継続的な指導措置が必要であるとされた児童及びその家庭について、指導措置を受託して指導を行う。

(3)関係機関等との連携・連絡調整

 児童や家庭に対する支援を迅速かつ的確に行うため、児童相談所、福祉事務所、児童福祉施設、民生委員、児童委員、母子相談員、母子福祉団体、公共職業安定所、婦人相談員、保健所、市町村保健センター、精神保健福祉センター、学校等との連絡調整を行う。

5 事業の実施

 事業の実施に当たっては、次の点に留意するものとする。

(1)住民の利用度の高い時間に対応できる体制を採るよう配慮するものとする。

(2)支援に当たっては、児童、保護者その他の意向の把握に努めるとともに、懇切を旨としなければならない。

(3)当該児童及び家庭に係る援助計画を作成し、これに基づく援助を行うなど、計画的な援助の実施を図る。

(4)処遇の適正な実施を図るため、相談者に係る基礎的事項、援助計画の内容及び実施状況等を記録に止める。
 なお、個人の身上に関する秘密が守られるよう、記録は適切に管理するものとする。

(5)援助計画の作成に当たっては、問題点の把握、援助目標・援助方法を明確にするとともに、これに基づく計画的な処遇を行うとともに、随時計画の再評価を行うものとする。また、必要に応じて関係機関との連絡・調整を図り、それぞれの役割分担についても計画に盛り込むこと。
 特に児童相談所からの指導委託を受託する場合には、児童相談所の指導の下援助計画を作成する等、児童相談所の処遇指針との整合性を図る。

(6)児童相談所から指導委託を受けた時は、正当な理由がないかぎり、これを拒んではならない。

(7)児童相談所から指導委託を受けた事例について、訪問等の方法による指導を行い、定期的にその状況を児童相談所に報告するとともに、必要に応じて児童相談所の指示及び助言を求めるなど、児童相談所と密接な連絡をとるものとする。

(8)夜間等の緊急の相談等に迅速に対応できるよう、あらかじめ、必要な関係機関等との連絡方法等の対応手順について附置される施設、児童相談所等の関係機関等と協議の上、定めるものとする。

(9)附置される児童養護施設等は、緊急時等において当該施設で実施する在宅福祉事業等の利用及び児童相談所からの一時保護委託が可能となるよう体制を確保しておくものとする。

(10)相談を受けた場合等は、訪問や通所等の方法による援助をはじめ、必要に応じ関係機関との調整を図る等、柔軟かつ速やかに必要な援助活動を展開するものとする。
 なお、複雑・困難及び法的対応を必要とするような事例については、児童相談所等の関係機関に通告またはあっせんを行う。

(11)相談の実施に当たっては、母子相談員、婦人相談員、家庭相談員、児童委員等との連携を図り、例えばこれらの相談員等が同一日に相談に応ずる「総合相談日」等を設ける等の配慮を行うものとする。

(12)児童相談所、児童福祉施設等との連絡調整を行うに当たっては、支援を迅速かつ的確に行うことができるよう円滑にこれを行わなければならない。

6 職員の配置等

(1)児童家庭支援センターの運営管理責任者を定めるとともに、次の職種の職員を配置するものとする。

ア 相談・支援を担当する職員(常勤1名及び非常勤1名)

 児童福祉法第11条の2各号のいずれかに該当する者。児童福祉事業の実務経験を十分有し各種福祉施策に熟知していることが望ましい。
 なお、附置される児童養護施設等入所者の直接処遇の業務は行わないものであること。

イ 心理療法等を担当する職員(非常勤1名)

 児童及び保護者に対し、心理学的側面からの援助を行う。

(2)職員の責務

ア 職員はその職務を遂行するに当たっては、個人の身上に関する秘密を守らなければない。(児童福祉法第44条の2第3項)
イ 職員は、児童家庭支援センターの果たすべき役割の重要性に鑑み、各種研修会及び異種職との交流等あらゆる機会をとらえ、相談・支援等の技術等に関し自己研鑽に努めるものとする。

7 児童家庭支援センターの設備

 次の設備を設けるものとする。
 ただし、附置される児童福祉施設の入所者の処遇及び当該施設の運営上支障が生じない場合には、附置される施設と設備の一部を共有することは差し障えない。
 なお、設備については利用者の個人の身上に関する秘密が守られるよう十分配慮するものとする。

(1)相談室・プレイルーム
(2)事務室
(3)その他必要な設備

8 広報について

 児童家庭支援センターの利用促進を図るため、その目的や利用方法等について、地域住民が理解しやすいように工夫された広報活動を積極的に行うものとする。

9 経費の補助

 国は、都道府県(指定都市を含む)が児童家庭支援センターの運営のために支出した費用について、別に定めるところにより補助するものであること。


(3)児童相談所運営指針の改定について

 児童相談所の運営及び活動の要領については、平成2年3月5日児発第105号厚生省児童家庭局長通知「児童相談所運営指針について」により行われているところであるが、児童福祉法の改正や、近年の児童虐待の増加、非行の低年齢化等を踏まえ、現在改訂作業を行っており、近々通知(年度内)することとしている。
 改訂の柱は次の内容を予定しているところであり御了知願いたい。

児童相談所運営指針の改訂の柱(案)

背 景
(1) 児童福祉法等の改正
(2) 児童虐待の増加
(3) 児童の権利擁護と十分な説明と同意
(4) 少年犯罪の凶悪化、低年齢化
(5) 施設入所児童の処遇の困難化と自立支援への要請
(6) 地域援助活動への要請
(7) 専門性の向上への要請
1 児童福祉法改正への対応
・児童福祉審議会への意見聴取の手続き等を規定
・児童家庭支援センター等との関係を明確化
・児童自立生活援助事業の手続き等を規定
・その他
2 児童虐待への取組み強化
・地域の関係機関のネットワークづくり、連絡会議等の開催等により、地域における援助活動の展開に児童相談所が主導性を発揮すべき。
・ケースワーク→ソーシャルワーク(関係機関との調整等、地域活動に重点)
・児童の権利を最優先した取組み(児童福祉法第28条、同33条の活用、警察との連携等)
・緊急かつ柔軟な対応(即日の受理会議、複数職員による調査、児童自身に対する観察等)
・幅広い情報収集と情報源の秘匿
・相談、通告を促すため児童相談所についての広報強化
・非審判的態度、受容と共感の重要性を強調
3 関係機関との連携強化(非行への対応、児童の自立支援等の取組み強化)
・児童相談所による地域援助活動の強化
・処遇困難児童や退所児童の自立支援に向けた児童福祉施設との連携強化
・援助の効果的・計画的実施、関係機関との連携強化を図るため、処遇指針の重要性を強調し、指針に盛り込むべき内容等について詳述
・学校との連携強化(相互理解に立った連携、スクールカウンセラーとの連携等)
・家庭裁判所送致の考え方等について詳述
4 児童等の権利擁護
・施設入所児童からの相談への対応について記述
・施設入所児童の意向等の把握
・児童相談所の体制や業務等についての十分な説明と同意
5 職員の資格要件と資質向上
・児童福祉司の資格要件について詳述
・体系的研修の実施の必要性
・スーパーバイザーの要件等について記述

4 児童家庭局の組織改正について

(1)今般、児童福祉法の改正等に伴う政省令の改正により、厚生省組織令(昭和27年政令第388号)及び厚生省組織規程(昭和59年厚生省令第30号)がそれぞれ改正され、児童家庭局関係の所掌事務等が改正され、本年4月1日から施行されることとなっているが、その主な内容は次のとおりであるので、ご承知おき願いたい。

○家庭福祉課関係

・児童家庭支援センターの創設に伴う事務の追加
・児童自立生活援助事業の法定化に伴う事務の追加
○育成環境課関係
・放課後児童健全育成事業の法定化に伴う事務の追加
○母子保健課関係
・虚弱児施設が廃止、児童養護施設への移行に伴う規定の整備(なお、児童養護施設は家庭福祉課が所管)
○国立児童自立支援施設関係
・教護院が児童自立支援施設となることに伴い、国立教護院(国立武蔵野学院及び国立きぬ川学院)を国立児童自立支援施設に名称変更、目的を見直し
・併せて、国立武蔵野学院附属教護事業職員養成所を同学院附属児童自立支援専門員養成所に名称変更
○その他、児童福祉法改正に伴い児童福祉施設の名称変更等に伴う所要の整備

(2)また、厚生省の内部組織に関する訓令(昭和36年厚生省訓令第5号)の改正により、企画課施設調整室の廃止を予定しており、これに、伴い従来の児童保護措置費負担金の事務については、次により行うことを予定しているのでご了知願いたい。

・保育所運営費国庫負担金(従来の保育所措置費)の執行を保育課で行うこと。
・保育所以外の児童保護措置費の執行を家庭福祉課(障害児施設関係は従来どおり大臣官房障害保健福祉部障害福祉課)で行うこと。
・なお、乳児院、助産施設の児童保護措置費の執行以外の運営に関する指導等は従来どおり母子保健課で行うこと。

(児童福祉監査指導室関係)

1 平成10年度児童福祉行政指導監査の実施について

1 児童福祉行政指導監査関係

(1)社会福祉法人及び児童福祉施設の運営の適正化について

 入所児童等の処遇の確保及び職員処遇の確保等適正な施設運営については、引き続き指導監査を通じて指導の徹底を図られたい。
 特に、社会福祉法人の運営状況を見ると、理事会機能や監事監査等について、依然として是正又は改善を要するものが認められる。
 不祥事等の事例でも、社会福祉法人の理事会等が十分機能していなかったり、会計事務に関する内部牽制体制が確立されていないこと等に起因することが多いので、事件の発生を未然に防止する見地からも法人運営、施設運営の実態を常時把握し、その責任者に対して社会福祉事業の趣旨及び厳正な経理の取扱等について十分な理解と認識を求める必要がある。
 なお、問題を有する法人及び施設に対しては、問題発生の原因や経緯を把握し、解決に向けた具体的方針等を持って継続的に指導されたい。

(2)保育所入所事務の適正実施について

 今般、保育所入所の仕組みが、市町村や保育所の提供する情報に基づき、保護者が希望する保育所を選択して申し込みを行うよう改正されたところであるが、特に、市町村における入所児童の選考に当たっては、児童の家庭の状況、地域の実情等を十分に踏まえて、市町村が定める客観的な選考方法等に基づき公正に行われるよう指導するとともに、情報提供の実施状況あるいは広域入所の取り組み等についても先般の施行通知(平成9年9月25日児発第596号児童家庭局長通知)の趣旨を十分踏まえ指導を徹底されたい。
 また、都市部を中心に低年齢児の待機児童が生じている状況にあるが、一部保育所において定員に余裕のある事例も見受けられるので、地域における保育需要を的確に把握してきめ細かな施策を講ずるとともに、年度当初及び年度途中の入所定員の弾力化措置を活用するなど、待機児童の解消に向けた施策の実施についての指導を徹底されたい。
 なお、平成10年度から短時間勤務保母の取扱や調理業務の委託について新たな方針を示したところであるが、それぞれの施行通知の趣旨を踏まえ、その適正な実施についての指導に努められたい。

(3)保育所運営費負担金等関係事務の適正実施について

 保育所運営費及び児童入所施設措置費等関係事務の適正な執行を確保する上から、実施機関における負担金等の支弁及び徴収等経理事務に対する指導監査について遺憾のないようされたい。
 特に、保育所入所に係る徴収金の世帯階層区分の認定については、保護者から必要な書類を求める等により課税状況の把握に努めるとともに、税務関係機関と連携を図り確認する等不適正な事例が無いよう引き続き指導を徹底されたい。

(4)入所児童等の適正な処遇等の確保について

 児童養護施設等入所児童の処遇については、先に改正された児童福祉施設最低基準等を踏まえて、体罰等懲戒権が濫用されていないか、入所児童の意見を表明する機会が十分確保されているか等人権に配慮した適切な運営が行われるよう指導するとともに、児童の自立支援に向けた取り組みが一層図られるよう適正に指導されたい。
 また、母子生活支援施設においては、個々の母子の生活の状況と稼働の実態に応じた適切な支援を行い入所者の自立が促進されるよう指導を徹底されたい。

(5)認可外保育施設の指導監督について

 認可外保育施設に対する指導監督については、乳幼児の処遇、安全や衛生の確保を期するために、設備面のみならず、処遇面についても引き続き点検指導の徹底を図られたい。

2 児童扶養手当支給事務関係

 本制度は、手当の支給要件が複雑多岐にわたり、かつ、事実関係等に変動要因が 多いことから、支給要件に係る事実を常に的確に把握することが必要である。
 特に、市町村における認定請求書の受理及び事実の審査、公的年金の受給資格の審査、現況届未提出者等に対する提出指導及び受給資格喪失届提出の励行等支給事務がより適正に行われるよう指導の徹底を図られたい。

3 重点事項及び着眼点等

 平成10年度の都道府県、指定都市及び中核市が実施する指導監査の重点事項及び着眼点は別紙(案)のとおりとするが、各都道府県、指定都市及び中核市においても自ら実施した指導監査の結果等を考慮して、さらに細目を定める等実効ある指導監査の実施に努められたい。


別紙

平成10年度児童福祉行政指導監査の重点事項及び着眼点(案)

重 点 事 項 着 眼 点
[市町村等実施機関における入所事務等の適正実施]  
1 保育所入所事務等の状況 (1)低年齢児(0〜2歳)の入所状況、開所・閉所時間、保育時間、育休・産休明け保育、年度当初・途中入所等の保育需要を適切に把握し、これらに対する対応計画を立案しているか。
(2)市町村、保育所等の情報提供の方法、内容等が適正に行われているか。
(3)保育所入所手続き(申込窓口(保育所の代行も含めて)、申込書類、申込時期、保育の実施期間、入所承諾書の交付等)は利用者の利便に配慮しているか。
(4)希望どおり定員まで入所させているか。
(入所させていない場合はその理由)
(5)入所の選考(選考する場合の条件・選考基準の制定・内容・公表)は適正に行われているか。
(6)「保育に欠ける状況」の確認は適正に行われているか。
(7)広域入所を行っているか。関係市町村との連絡調整等が行われているか。
2 徴収金に係る階層区分の認定状況 同一世帯内の扶養義務者の把握、その課税額確認(特に住宅取得認定状況控除)の方法、付加準適用は適正に行われているか。
3 保育所運営費負担金等の経理状況 (1)負担金等の支弁(各種加算費(特に民改費の設定、額の算定等)は適正に行われているか。

重 点 事 項 着 眼 点
  (2)負担金等の精算(実支出額、支弁額、徴収金基準額)は適正に行われているか。
[社会福祉法人運営の適正化]  
1 定款の整備状況 (1)事業内容、基本財産は定款と一致しているか。
(2)定款変更手続が適切に行われているか。
2 理事会運営・監事監査の状況 (1)役員の選任及び構成は適切に行われているか。
(2)理事会の開催時期及び審議内容は適切か。
(3)監事監査は適切に行われているか。
3 会計経理・資産管理の
状況
(1)会計経理(特に契約事務)は適正に行われているか。
(2)資産管理及び財政基盤は適正か。
ア 基本財産、運用財産の管理運用は適正に行われているか。
イ 償還財源は適切か。
ウ 借入金の償還は適切に行われているか。
[施設運営の適正化]  
1 入所児童等の処遇状況 [保育所]
(1)開所・閉所時間、保育時間、開設日数は適切か。
(2)入所児童の年齢制限を行っていないか。
(3)情報提供が適正に行われているか。
(4)入所児童の発達に応じた適切な保育が行われているか。
(5)短時間勤務保母が採用されている場合、その配置・処遇は適切に行われているか。
(6)調理業務の委託が行われている場合、契約内容等は適切に遵守されているか。

重 点 事 項 着 眼 点
  [入所施設]
(1)処遇計画の設定及び実施状況は適切か。
ア 児童等の個別特性に対応した適切な処遇が行われているか。
イ 生活指導、職業指導は適切に行われているか。
ウ 児童の意見を表明する機会が十分に確保されているか。
エ体罰等懲戒権が濫用されていないか。
(2)自立支援への取り組み状況は適切か。

[共通事項]
(1)給食の状況

ア 必要な栄養量が給与されているか。
イ検食、保存食は適正に行われているか。
ウ給食材料及び食器の保管は衛生的に行われているか。
エ 食中毒対策は適切に行われているか。
(2)健康管理は適切に行われているか。
ア 健康診断は定期的に行われているか。
イ 居室、食堂及び衣類等は清潔に保たれているか。
ウ 給食関係者の衛生管理(検便等)は適切に行われているか。
(3)安全管理は適切に行われているか。
ア 事故防止対策は適切か。(設備、遊具等)
イ 消防計画の作成、避難・消火訓練は適切に行われているか。
ウ 消防設備、警報設備等の点検は適切に行われているか。
(4)保護者、関係機関及び地域との連携が適切に行われているか。
(5)入所児童等の預り金等の取扱いは適切に行われているか。(使途、保管方法等)

重 点 事 項 着 眼 点
2 職員処遇の状況 (1)職員は充足されているか。
ア 直接処遇職員(加算職員を含む。)は適正に配置されているか。
イ 施設長は職務に専念しているか。
ウ 育児休業、産休等代替職員は確保されているか。
(2)就業規則、給与規程等は適正に整備されているか。
ア 職員の勤務時間(週40時間)、休憩時間、夜間の勤務、休暇等の取扱いは適切に行われているか。
イ 給与水準、初任給、昇給、給与改定等は適正に行われているか。
ウ 労働基準法第24条、第36条の労使協定は締結されているか。
(3)職員の健康管理は適切に行われているか。
(4)職員の研修への参加は適切に行われているか。
(5)社会福祉施設職員等退職手当共済制度を活用しているか。
ア 退職手当制度への加入状況は適正か。
イ 社会福祉・医療事業団に提出されている本俸月額は適正か。
3 会計経理の状況 (1)予算の編成、執行は適正に行われているか。
(2)決算は適正に行われているか。
(3)経理事務処理の状況。
ア 寄付金品、利用料収入等の取扱いは適切か。
イ 契約、支払は適切に行われているか。
ウ 貸付金は年度内に補てんされていか。
エ 対象外経費の支出が行われていなか。

重 点 事 項 着 眼 点
  (4)本部会計への繰り入れ及び引当金への繰り入れは適切か。
(5)現金、預金の保管管理は適切に行われているか。
(6)物品管理は適切に行われているか。
(7)内部牽制体制が確立され適正に機能しているか。
(8)繰越金(欠損金)の発生原因の分析及び取り崩し協議・承認は適切に行っているか。
(9)延長保育・一時保育利用料及び私的契約児利用料の取扱いは適切に行われているか。
[認可外保育施設の指導監督強化] 施設の実態把握と指導基準等の適合状況の確認
ア 保育に従事する者は適切に確保されているか。
イ 保育施設の構造設備に非常災害及事故防止対策が講じられているか。
ウ 保内容、給食等は適切に行われているか。
エ給食関係者の検便は適切に行われているか。
[児童扶養手当支給事務の適正化]  
1 制度の広報の状況 (1)制度の広報は十分行われているか。
(2)受給者に対し制度(各種届を含む。)の周知が十分行われているか。
2 認定請求書の受理状況 (1)窓口における認定請求書の作成指導は適切に行われているか。
(2)認定請求書の受理時において添付書類が整備されているか。

重 点 事 項 着 眼 点
3 認定請求書の審査及び進達の状況 (1)配偶者、子、扶養義務者との身分関係及び生計維持関係等についての事実関係の確認は十分行われているか。
(2)受給資格者、配偶者及び扶養義務者の所得等の確認は適切に行われているか。
(3)戸籍担当部門、住民基本台帳担当部門、年金担当部門、施設入所担当部門等関係機関との連携は十分図られているか。
(4)受理から進達までの事務処理期間は適切か。
4 現況届の処理状況 (1)現況届の受理時における添付書類は整備されているか
(2)受給者及び扶養義務者の所得、年金の確認は適切に行われているか。
(3)未提出者に対する提出指導は適切に行われているか。
5 受給資格喪失者に係る事務処理の状況 (1)資格喪失届の提出指導は適切に行われているか。
(2)資格喪失届の審査(資格喪失時点の確認を含む。)は適切に行われているか。
(3)資格喪失届の進達処理は適切に行われているか。


(施設調整室関係)

1.児童福祉施設の整備について

(1)平成10年度社会福祉施設整備費予算(案)の状況

ア 社会福祉施設等施設整備費

(ア)施設整備費については、「財政構造改革の推進に関する特別措置法」の趣旨、今年度実施した建設工事費等に関する「三省合同実態調査結果」及び「公共工事コスト縮減対策に関する行動指針(平成9年4月関係閣僚会議決定)」等を踏まえ、対前年度比9.7%減(204億円減)の1,905億円を計上したところであり、児童家庭局関係としては次の内容となっている。
(1) 「緊急保育対策等5か年事業」、「新・高齢者保健福祉推進十か年戦略(新ゴールドプラン)」、「障害者プラン」分については、施設整備計画に基づく必要な整備量を確保したうえで、国庫補助基準単価の見直しだけにとどめ、対前年度比7.5%減とした。
 緊急保育対策整備分については、平成7年度を初年度とする5か年計画の4年次目として、従来からの整備量に加えて77億1,200万円を計上し、昭和40年代から昭和50年代にかけて多数整備された保育所について、改築整備を行うとともに、多機能化のための整備を推進する。
(2) 老朽社会福祉施設緊急改築整備分として、従来からの整備量に加えて40億3,100万円を計上し、災害に強く、快適な居住空間を備えた施設への改築整備を引き続き推進する。
(3) 一般整備分として177億500万円を計上し、上記以外のその他の施設整備についても所要の整備を推進する。

(イ)平成10年度における改定事項は次のとおり。
(1) 補助基準単価の見直し

 補助基準単価については、三省合同実態調査結果及び公共工事の費用縮減を含め、施設種別ごとに改定する。(別紙資料1参照)

(2) 情緒障害児短期治療施設の面積改善

 情緒障害児短期治療施設については、児童福祉法の一部改正により対象児童の年齢要件(12歳未満)が撤廃されることに伴い、児童の居住環境を確保する観点から、居室等の面積を改善する。
 ・1人当たり補助基準面積 24.7平方メートル → 28.6平方メートル

(3) 児童家庭支援センターの設置

 児童養護施設、母子生活支援施設等に附置して、地域における児童やその家庭等に関する相談に応じ、必要な助言を行う児童家庭支援センターを新たに整備する。(法改正により、児童福祉施設として新たに位置付け)
 ・1か所当たり補助基準面積 84.4平方メートル

(4) 児童自立支援施設(通所部門)の設置

 家庭環境その他環境上の理由により生活指導等を要する児童の自立を支援するため、児童自立支援施設に新たに通所部門を整備する。
 ・1人当たり補助基準面積 14.6平方メートル加算

(5) 保育所の分園方式の導入等

 都市部等における入所待機児童の解消や過疎地等における入所児童の減少等に対応するため保育所の分園方式を導入し、増築整備の取扱いに準じて整備する。
 また、地域における子育て支援のための子育て支援相談室等の補助対象に食堂を加える。

イ 社会福祉施設等設備整備費

(ア)設備整備費については、対前年度比7.0%減の135億円を計上し、施設整備量に対応した必要な額を確保した。
(イ)補助基準単価の改定

 補助基準単価については、消費者物価指数(家具、家事用品)の実績値に基づき、改定を図ることとしている。

(ウ)新たな施設整備に伴う初度設備費の補助
(1) 児童自立支援施設(通所部門)の設置に伴う初度設備
 ・初度設備 108千円×利用(増加)定員
(2) 保育所の分園方式導入に伴う初度設備
 ・初度設備 43千円×利用(増加)定員

(2)平成10年度の整備方針等

 児童福祉施設等の整備については、各都道府県市における老朽施設の実態や近年の入所児童の動向、児童福祉施設最低基準の改正など施設全体の状況を踏まえ、計画的な整備が図られるよう配慮されたい。
 平成10年度においては、次の事項を基本として整備を図ることとしているが、施設整備費については極めて厳しい予算(案)となったことを踏まえ、限られた財源を効率的かつ有効に活用する見地から、施設整備事業内容を十分吟味したうえで、必要な整備量の確保を図ることとしている。
 各都道府県市におかれては、来年度に予定している整備計画の徹底した精査を図り、真に必要と認められる整備について厳選した対応に努めていただきたい。

ア 「緊急保育対策等5か年事業」に基づき、老朽化している保育所の改築整備を促進するとともに、地域のニーズに応じられるよう保育所の多機能化を図るための整備を促進する。

イ 国民の生活水準の向上に対応した居住環境の向上を図るとともに、施設入所児童等の安全性を確保する観点から、災害に強く、ゆとりある居住空間を備えた施設とするため、老朽施設の改築、大部屋解消のための増・改築及び火災、地震等の防災対策に配慮した施設の内部改修の整備を促進する。

(3)社会福祉施設整備業務の再点検について

 平成8年度国の決算検査報告において、会計検査院から社会福祉施設整備費で実施した整備事業において、不適切な最低制限価格の設定や建築工事契約の二重契約、不適切な値引き処理及び補助対象外事業への補助等により補助金が過大に交付されていたとして指摘を受けたところである。
 厚生省においては、平成9年3月31日に取りまとめた「施設整備事業等の再点検のための調査委員会報告書」で明らかにしたとおり、社会福祉法人等が行う契約事務については地方公共団体の契約手続きに準拠し、一括下請負の禁止などを補助金の交付の条件とすること等建設工事の適正化、補助金交付対象施設の明確化等の措置を講じ周知徹底を図ったところである。
 各都道府県市におかれては、施設整備業務のさらなる再点検と今般の会計検査院の指摘を踏まえ、各都道府県市における関係会議等での指導の徹底や未然防止策の検討など再発防止対策の充実に努めていただきたい。

(4)社会福祉施設等における木材利用の推進について

 「社会福祉施設等における木材利用の推進について(平成9年3月6日社援施 第37号厚生省大臣官房障害保健福祉部長、社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連名通知)」により、木材の積極的な活用についてご配慮をお願いしているところであるが、今般、林野庁から「公共施設等における木材の利用促進について(平成10年1月14日9ー10林野庁木材流通課長通知)」により、木材の利用の一層の協力依頼があったところである。
 社会福祉施設の整備にあたっては、児童や高齢者等にとって精神的なゆとりと安らぎのある生活環境づくりが求められているところであり、木材を内装等に積極的に活用されるようご配慮をいただくとともに、管下市町村及び社会福祉法人等に対しても木材の利用促進の周知方よろしくご配慮願いたい。

(別紙資料2参照)

(5)既存施設の活用について

 近年の児童及び生徒数の減少により生じた余裕教室等を、地域の実情に応じ放課後児童健全育成事業の用に供する施設や児童館等に転用するなど有効活用を図ってきたところであるが、その転用手続きについて「公立学校施設整備費補助金等に係る財産処分の承認等について(平成9年11月20日文教施第87号文部省教育助成局長通知)」が発出され、対象施設の拡大と財産処分手続きの一層の簡素化が図られたところであるので、各都道府県市におかれては、管下市町村に対し、周知願いたい。
また、サービスの効果的・効率的提供、土地の有効利用等の観点から他の社会福祉施設や地域の公共施設との合築、併設など複合的な整備について配慮願いたい。 (別紙資料3参照)


2 平成10年度児童保護措置費(運営費)の実行方針等について

I 平成10年度予算(案)の内訳

(単位:億円)
区 分 9年度予算額 10年度予算案
児童入所施設 545 565
保育所 3,118 3,370
3,663 3,935

II 平成10年度児童保護措置費等の実行方針(案)

第1 児童入所施設関係の改正点及びその運用について

1 事務費関係の改善

(1)入所児童の自立支援(事務費一般分保護単価に算入)

1施設当たり年額   1,975,970円
児童養護施設、児童自立支援施設、情緒障害児短期治療施設、母子生活支援施設
(2)業務省力化等勤務条件の改善費
週所定労働時間40時間の実施

(1) 児童指導員、保母等直接処遇職員
職員1人年額   288,600円 → 291,000円
(2) 調理員
職員1人年額   244,920円 → 247,520円

(3)年休代替要員費
ア 直接処遇職員
職員1人年額   95,840円 → 96,800円
イ 調理員
職員1人年額   75,360円 → 76,160
(4)社会保険料事業主負担金   14.756 % → 14.823 %

(5)管理宿直専門員

1施設当たり年額   1,115,090円 → 1,126,930円
(6)職員健康管理費
常勤・非常勤職員   3,412円 → 3,522円
(7)ボイラー技士雇上費
職員1人年額   2,441,512円 → 2,468,082円
(8)非常勤保母賃金
職員1人年額   234,359円 → 236,706円
(9)非常勤調理員賃金
職員1人年額   1,477,642円 → 1,493,402円
(10)児童自立支援施設学科指導員講師手当
1施設当たり   7,583,520円 → 7,687,120円
(11)養護児童特別指導費等、母子生活支援施設特別生活指導費
職員1人年額   1,881,322円 → 1,900,212円
(12)嘱託医手当
児童養護施設等入所施設
嘱託医1人年額   327,360円 → 331,920円
(13)協力医療機関委託費
乳児院
1施設年額   709,280円 → 719,160円
(14)入所児童(者)処遇特別加算
400時間 〜 800時間
800時間 〜 1,200時間
1,200時間以上
385,000円
642,000円
900,000円


389,000円
649,000円
909,000円
(15)除雪費
定員1人(母子生活支援施設にあっては1世帯)年額
5,680円 → 5,790円
(16)降灰除去費
1施設当たり年額 130,310円 → 131,570円

2 事業費関係の改善

(1)一般生活費

児童養護施設等 児童1人月額 47,390円 47,820円
里親 ・乳児 〃 48,030円 48,460円
・乳児以外分 〃 47,640円 48,070円
乳児院 〃 54,680円 55,170円
情緒障害児短期治療施設〃 47,810円 48,240円
母子生活支援施設      
・入所措置者 1人月額 3,540円 3,580円
・保育室保育措置児童      
3歳未満児 児童1人月額 8,880円 8,960円
3歳以上児 〃 5,490円 5,540円

(2)教育費

・特別加算金 児童1人年額 50,500円 → 51,600円
(3)見学旅行費
・小学校第6学年 児童1人年額 20,300円 → 20,400円
・中学校第3学年    〃    55,500円 → 55,600円
(4)特別育成費特別加算費
児童1人年額 50,500円 → 51,600円
(5)期末一時扶助費
児童1人年額 5,080円 → 5,120円
(6)児童用採暖費

区 分 5級地 4級地 3級地 2級地 その他
の地域
児童養護施設等 6,880円 5,270円 3,400円 2,540円 1,270円
乳児院 7,270円 5,700円 3,620円 2,640円 1,270円
母子生活支援施設 1,140円 970円 590円 380円 190円

(7)就職支度費

1件当たり   51,000円 → 53,000円
(8)就職支度費特別基準
1件当たり   135,120円 →137,070円
(9)葬祭費
1件当たり   128,200円 →131,300円
(10)分娩介助料
1件当たり   103,140円 →103,570円
(11)里親手当・保護受託者手当
児童1人月額 24,000円 → 25,000円
(12)情緒障害児短期治療施設における家族療法事業費
非常勤指導員1人、訪問活動費
年 額   1,993,262円 → 2,009,752 円

第2 保育所関係の改正点及びその運用について

 乳児保育の一般化に伴い、乳児保育単価(保母配置3:1)を新設することとし、年齢区分について4区分の保育単価により支弁を行うこととなる。

1 業務省力化等勤務条件改善費の改善  
2 年休代替要員費の改善           児童入所施設に同じ
3 職員健康管理費             
4 非常勤調理員賃金            
5 入所児童(者)処遇特別改善費      
6 降灰除去費

7 社会保険料事業主負担金 16.862 % → 16.894 %

8 事務職員雇上費単価

一般保育所(週3日分 156日)
 年 額   734,760円 → 742,560円
特別保育実施保育所(週4日分 208日)
 加算年額   244,920円 → 247,520円
 〃 (定員121人以上施設)(週5日分 260日)
 加算年額   489,840円 → 495,040円
9 嘱託医手当・嘱託歯科医手当
1施設当たり年額   177,320円 → 179,790円
10 除雪費
児童1人年額   1,520円 → 1,550円
11 一般生活費
・3歳未満児 児童1人月額   9,542円 → 9,627円
・3歳以上児   〃        6,459円 → 6,518円
12 児童用採暖費

5級地 4級地 3級地 2級地 その他の地域
1,140円 970円 590円 380円 190円

13 主任保母の専任化加算

1施設当たり年額   3,103,675円
定員91人以上の保育所で、延長保育等を複数実施している保育所に加算
14 夜間保育所の加算
・事務費 1施設当たり年額 2,080,881円
・事業費 児童1人当たり月額
・3歳未満児 4,735円
・3歳以上児 6,313円

第3 交付申請等の手続きについて

 平成10年度より、「児童福祉法による入所施設措置費(児童家庭局所管施設)国庫負担金」と「児童福祉法による保育所運営費国庫負担金」の交付申請等の手続きについては、それぞれ別建てとすることとしている。


3 施設の感染症予防対策について

 腸管出血性大腸菌O157等による感染症の予防等衛生管理の周知徹底については、先般の全国厚生関係部(局)長会議において指示したところであるが、昨年8月にお願いした自主点検の実施結果を活用するなど効果的な指導をお願いする。
 なお、自主点検の結果、改善措置が必要な施設について改善指導をお願いしているところであるが、改善指導の未実施が相当見受けられるので、これについても遺漏のないよう指導願いたい。
 また、本年は新型インフルエンザが流行し、死亡者も確認されているところであり、児童福祉施設についてもその予防に十分留意する必要がある。
 なお、先般、「特別養護老人ホーム等におけるインフルエンザ予防対策マニュアル」が、各都道府県に配布されているので、施設においてもその活用を図られるようご配意願いたい。
 おって、管下児童福祉施設に対するこれら感染症の予防等衛生管理の指導に当たっては衛生部局と緊密な連携を図られるようお願いする。

4.社会福祉施設の防災対策について

(1)防災対策の取り組み

 社会福祉施設の防災対策については、入所児童等の安全確保の観点から、「社会福祉施設における防火安全対策の強化について」(昭和62年9月18日社施第107号社会局長、児童家庭局長連名通知)等の趣旨を踏まえ、管下社会福祉施設に対し指導をお願いしているところである。施設の運営上、入所児童等の安全確保が最重要課題であることを再認識していただき、スプリンクラー設備、屋内消火栓設備の整備及び夜間防火管理体制の整備など、施設における具体的、効果的な防災対策に万全を期すよう管下社会福祉施設に対する指導の徹底に努められたい。
 施設整備費においても、入所児童等の防災対策、処遇改善の観点から、防災対策に配慮した整備を優先的に採択することとしている。また、措置費においても、地域住民との連携による合同避難訓練や避難用具の整備等を行う総合防災対策強化事業が施設機能強化推進費のメニュー事業として算入されているところであり、これらの制度の積極的な活用を図り、社会福祉施設の防災対策の充実を図られたい。

(2)被災施設の早期復旧

 社会福祉施設等災害復旧事務の取扱いについては、「社会福祉施設災害復旧費国庫負担(補助)の協議について」(平成7年3月30日社援施第76号社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連名通知)により、児童家庭局所管施設については、災害発生後速やかに児童家庭局企画課に報告するとともに、復旧事業の早期着工を図り、施設運営に支障が生じないよう指導の徹底をお願いしたい。


(家庭福祉課関係)

1 児童養護施設等入所児童の自立支援について

 児童養護施設等の生活指導等について、児童の自立支援を目的とする旨を明記したことに伴い、措置費の事務費保護単価の一般分保護単価に非常勤職員の配置と活動費(1か所当たり年額 1,975,970円)を算入することとしており、平成10年2月18日児家発第6号家庭福祉課長通知「児童養護施設等における児童福祉施設最低基準等の一部を改正する省令の施行に係る留意点について」に基づき、児童の自立支援が積極的に行われるよう各都道府県・指定都市において各施設への指導に努められたい。(概要:別紙1)

2 児童自立支援施設における学校教育実施促進について

 児童自立支援施設における学校教育の実施については、平成10年2月24日児発第95号児童家庭局長通知「児童養護施設等における児童福祉法等の一部を改正する法律の施行に係る留意点について」をすでに発出したところであるが、都道府県・指定都市におかれても教育委員会をはじめとする関係機関の理解と協力が得られるよう、協議の促進を図るなど学校教育が早期に実施されるよう特段の配慮を願いたい。また、施設内に分教室、分校を設置する場合には、施設内の使用許可を行うなど積極的な協力をお願いしたい。
 なお、従来から行われている福祉・教育機関合同研修事業と合わせて、児童自立支援施設、児童相談所、教育委員会等の関係者による学校教育実施のための検討会議を行うための経費を児童福祉事業対策費等補助金に盛り込んでいるので、児童自立支援施設において学校教育が速やかに実施に移されるよう努められたい。また、平成9年5月29日児発第380号児童家庭局長通知「福祉・教育機関合同研修事業の実施について」を改正し、学校教育実施促進事業実施要綱(案)を通知するこ とを予定しているが、その内容は別紙2を予定しているところである。

3 児童自立生活援助事業について

 児童自立生活援助事業については、今般の児童福祉法の改正により法制化され、一層の発展が望まれており、各都道府県・指定都市におかれてはその趣旨を活かし積極的に取り組まれたい。
 平成10年度予算成立後、昭和63年5月20日児発第464号児童家庭局長通知「自立相談援助事業の実施について」を廃止し、新たに児童自立生活援助事業の実施にかかる通知を発出することとしており、別紙3の内容を予定しているところである。
 また運営費の国庫補助については従来と同様の補助方式を予定している。
 なお、運営費の国庫補助にかかる協議については、追って連絡することとしているので御了承願いたい。

4 懲戒に係る権限の濫用禁止について

 児童福祉施設最低基準に、新たに第9条の2(懲戒に係る権限の濫用禁止)を設け、児童福祉施設の長は、入所中の児童に対し身体的苦痛や人格を辱める等その権限を濫用してはならない旨、平成10年2月18日障障第16号、児企第9号障害福祉課長、企画課長通知「懲戒に係る権限の濫用禁止について」を発出したところである。
 各都道府県においては、運営指導・指導監査及び児童福祉施設の職員研修等あらゆる機会を通して、懲戒に係る権限の濫用の防止が図られるよう改めて指導の徹底を図られたい。

別紙1

児童養護施設等入所児童の自立支援について

1.趣 旨

 児童養護施設等に入所している児童等の処遇にあたっては、入所児童個々の態様及び母子の生活実態等に応じた自立支援計画を策定し、入所から退所後までを含めた自立のための継続した指導を実施するものである。

2.実施施設

 児童養護施設、児童自立支援施設、情緒障害児短期治療施設、母子生活支援施設

3.実施方法

 入所児童及び母子に対する自立支援については、平成10年2月18日児家第6号家庭福祉課長通知「児童養護施設等における児童福祉施設最低基準等の一部を改正する省令の施行に係る留意点について」及び平成10年3月5日児家第9号家庭福祉課長通知「児童養護施設等における入所者の自立支援計画について」により、施設長はじめ職員が協力して自立支援計画の策定、生活指導、職業指導、職場開拓・調整、家庭環境調整、退所後指導等各援助領域を通じ、関係機関と連携して入所から退所後までの間の継続的指導を行うこと。

4.経費の補助

 自立支援に要する経費については、別に定める児童福祉法による入所施設措置費国庫負担金の交付基準についてによるものとする。

5.その他

 本事業の実施にともない、昭和62年5月20日児発第450号本職通知「児童福祉施設等における施設機能強化推進費について」における「養護施設入所児童早期家庭復帰促進事業」は廃止する。

別紙2

学校教育実施促進事業実施要綱(案)

第1 趣 旨

 児童福祉法等の一部を改正する法律が平成10年4月に施行され、児童自立支援施設において、学校教育が実施されることとなったが、教職員の確保やその実施方法について地元教育委員会をはじめ関係者の理解と協力が不可欠である。本事業は、関係者による学校教育実施の検討会議を行い、児童自立支援施設において学校教育の実施促進を図るものである。
 あわせて、児童自立支援施設において学校の教員と児童自立支援施設の職員が研修し、児童をめぐる状況について共通の理解を得られるようにして、福祉関係者と教育関係者の相互理解と連携を促進するものである。

第2 実施主体

 本事業の実施主体は都道府県(指定都市を含む。以下同じ)とする。

第3 内 容

1.学校教育実施促進検討会

(1)事業の実施方法

ア.検討会は、本庁で計画的に実施するものとする。
イ.検討会は、都道府県主管課、児童自立支援施設の他、児童相談所、県教育委員会、施設所在地の教育委員会等、関係機関の職員により実施し、連携を密にして効果的に実施する。

2. 福祉・教育機関合同研修事業

(1)事業の実施方法

ア. 研修は、児童自立支援施設において、概ね1週間入所児童と生活を共にしながら教員と児童自立支援施設の職員が合同で行うものとする。

イ.研修の実施時期は、小中学校の夏・冬休み等を利用して行うものとする。

ウ.研修に当たっては、対象児童への理解を深めるとともに、関係者相互の理解も深まるよう努める。

エ.研修に参加する者は、児童の秘密保持について十分留意する。

(2)研修対象者

ア. 対象は、原則として、児童自立支援施設の職員及び教育委員会の推薦による小・中学校の教員とする。ただし、必要に応じ、児童相談所等福祉関係機関の職員、教育委員会等教育関係機関の職員も対象としてさしつかえない。

イ. 研修対象者は、概ね10人程度とする。

(3)実施に当たっての留意事項

ア. 本事業を効果的に実施するために、児童自立支援施設、学校、教育委員会、児童相談所等の関係機関の密接な連携が確保されるよう留意する。

イ. 研修内容は、広く児童に関する問題全般にわたる課題に取り組むこととし、教育・福祉両分野の共通理解が得られるよう努める。

第4 国の助成

 国は、都道府県が本事業のために支出した費用を、別に定めるところにより補助するものとする。

別紙3

(案)

児発第※※号
平成10年※月※日

 都道府県知事
各          殿
 指定都市市長

厚生省児童家庭局長

児童自立生活援助事業の実施について

 義務教育終了後、児童養護施設等を退所し、就職する児童等の社会的自立を促進する事業として、昭和63年5月20日付本職通知「自立相談援助事業の実施について」(以下、本職通知という。)に基づき「自立相談援助事業」が実施されてきたところであるが、今般、施設退所後の児童等に対する支援の強化のため、児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「法」という。)の改正により、同事業を「児童自立生活援助事業」とし児童居宅生活援助事業の一類型として法定化するとともに、「児童自立生活援助事業実施要綱」を別紙の通り定め、平成10年4月1日より適用することとしたので、その適正かつ円滑な実施を図られたく通知する。
 なお、本通知の施行に伴い、本職通知は廃止する。

児童自立生活援助事業実施要綱

第1 目 的

 児童自立生活援助事業は、児童の自立支援を図る観点から、義務教育終了後、児童養護施設、児童自立支援施設等を退所し、就職する児童等に対し、これらの者が共同生活を営むべき住居(以下「自立援助ホーム」という。)において、相談その他の日常生活上の援助及び生活指導を行うことにより、社会的自立の促進に寄与することを目的とする。

第2 実施主体等

(1) 自立援助ホームへの援助措置の実施主体は、都道府県・指定都市とする。

(2) 自立援助ホームの運営主体は、地方公共団体及び社会福祉法人、民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された法人等であって都道府県知事が適当と認めた者とする。

第3 対象児童

 この事業の対象児童は、義務教育を終了した18歳未満の児童(法第31条第4項に規定する場合にあっては、20歳未満の者。)であって、次の各号のいずれかに該当するものとして法第27条第9項の規定に基づき措置されたものとする。

(1) 里親に委託する措置又は児童養護施設、情緒障害児短期治療施設若しくは児童自立支援施設に入所させる措置を解除されたもの
(2) 前号に規定する児童以外の児童であって、都道府県知事又は指定都市市長が当該児童の自立のために援助及び生活指導が必要と認めたもの

第4 対象人員

 この事業の対象人員は、おおむね5名から20名とする。

第5 自立援助ホームの設備等

(1) 日常生活を支障なく送るために必要な設備を有し、職員が入居児童に対して適切な援助及び生活指導を行うことができる形態であること。

(2) 個々の入居者の居室の床面積は、一人当たり3.3平方メートル以上とすること。なお、一居室当たりおおむね2人までとすること。

(3) 居間、食堂等入居者が相互交流することができる場所を有していること。

(4) 保健衛生及び安全について配慮されたものでなければならないこと。

第6 事業内容

 この事業は、児童が自立した生活を営むことができるよう、当該児童の身体及び精神の状況並びにその置かれている環境に応じて適切な援助及び生活指導を行うものであり、その内容は次に掲げるものとする。

(1) 就労への取り組み姿勢及び職場の対人関係についての援助・指導
(2) 健康管理、金銭の管理、余暇の活用、食事等日常生活についての援助・指導
(3) 職場を開拓するとともに、安定した職業に就かせるための援助・指導
(4) 児童の家庭の状況に応じた家庭環境の調整
(5) 児童相談所及び必要に応じて児童家庭支援センター、児童委員、公共職業安 定所等関係機関との連携
(6) その他必要な援助及び生活指導

第7 職 員

 援助及び生活指導を行う者は、児童の自立支援に熱意を有し、次の各号のいずれかに該当する者をもってあてるものとする。

(1) 児童福祉施設最低基準(昭和23年厚生省令第63号)第43条に定める児童指導員の資格を有する者
(2) 児童福祉法施行令(昭和23年政令第74号)第13条又は第22条に定める保母
(3) 児童福祉事業及び社会福祉事業に2年以上従事した者

第8 入居及び退居時の報告等

(1)実施主体は、法第27条第9項の規定に基づく措置あるいは法第31条第4項の規定に基づき援助を継続する措置を採る時、措置の変更又は解除を行う時は、自立援助ホームの運営主体の長の意見を聞くこと。

(2)自立援助ホームの運営主体は、この事業による援助及び生活指導を要すると認める児童を発見した場合は、これを実施主体に報告するものとする。

(3)自立援助ホームの運営主体は、入所児童が死亡したとき、あるいは法第27条第9項に基づく措置を変更または解除する必要があると認める場合は、これを実施主体に報告するものとする。

(4)運営主体の所在する都道府県以外の都道府県が、法第27条第9項の規定に基づく措置を行う時あるいはその措置を変更又は解除する必要があると認める時は運営主体の所在する都道府県に協議するものとする。

第9 実施に当たっての留意事項

(1) 事業の運営に当たっては、児童の内面の悩みや生育環境、現在の状況に対する深い理解に基づき、児童との信頼関係の上に立って援助及び生活指導を行うこと。

(2) 事業の運営に当たっては、児童相談所、福祉事務所、児童福祉施設、児童委員、入所児童の雇用先事業所、公共職業安定所、学校及び入所児童の家庭等と密接に連携をとり、入所児童に対する援助及び生活指導が円滑かつ効果的に実施されるよう努めなければならない。

(3) 援助及び生活指導を行うに当たっては、児童及び保護者の意向を把握し、懇切を旨とするとともに、秘密保持について十分留意すること。

(4) 入居者負担金を徴収した場合は、それを適正に処理するとともに、これに関連する諸帳簿を整備すること。また、事業運営に係る会計に関する諸帳簿を整備すること。

第10 入居児童の費用負担

 入居児童本人に帰属する家賃、飲食物費、光熱水費及びその他共通経費については、入居児童に負担させることができるものとする。

第11 経費

 国は、予算の範囲内において、都道府県及び指定都市がこの事業のために支出した費用について、別に定めるところにより補助するものとする。

5 母子家庭等自立支援施策の充実について

(1)母子家庭等就労支援体制の整備について

 平成10年度予算案において、訪問介護員(ホームヘルパー)2級養成研修の拡充を図ったところであるが、母子家庭の母等の雇用条件の良い就労先の確保のため、訪問介護員(ホームヘルパー)2級の資格取得は、極めて有益であることから、その趣旨をご理解のうえ積極的な実施をお願いしたい。その際、母子家庭の母等が参加しやすい日時(休日、夜間等)に養成研修を開催する等の配慮を図られたい。なお、平成9年度において、訪問介護員(ホームヘルパー)2級養成研修を実施しているのは、5県・市であり、就労と直接結びつきにくい講習科目を設定しているところも見受けられることから、今後講習科目の見直しを含めた検討をお願いしたい。
 また、平成10年度より、養成講習会の効果的な実施及び母子家庭の母等の雇用の促進を図るため、訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修受講修了者の名簿を、管下市町村、都道府県福祉人材センター、都道府県社会福祉協議会等に送付し、養成講習会終了後も継続的に就労支援を行うこと等を検討しているところであり、ご了知願いたい。
 さらに、母子家庭等介護人派遣事業についても、技能習得のための通学、就職活動等自立促進に必要な事由及び社会的事由にまで利用要件を緩和し、養成講習会への受講等の際にも、本事業を利用できるような内容を盛り込んでおり、母子家庭等が円滑に利用できるよう周知をお願いしたい。
 また、母子家庭等に関わる関係機関の連携強化等による総合的な就労支援体制の整備を行う就労促進支援事業を新たに追加したところであるが、本事業の実施要綱等については、現在検討中であるが、内容の概略については、別紙のとおりであり、各都道府県等におかれては、地域の母子家庭の置かれている状況等を十分踏まえたうえで、本事業が円滑に実施されるよう特段のご配意を願いたい。

(2)母子相談員の効果的活用について

 母子家庭等の自立支援を図るうえで、母子家庭等に身近な母子相談員の役割が極めて重要であるが、相談内容の多様化、就労関係機関との連携等業務内容の複雑、多様化に伴い、母子相談員の資質の向上が求められているところである。資質の向上には、母子相談員個人の自己研鑽のみならず、行政機関の関わりも必要となることから、研修会の実施、相談指導マニュアルの作成等母子相談員の活動を支援する体制の整備を図られたい。なお、平成7年から平成16年までの間は、「人権教育のための国連10年」とされており、研修の実施に当たっては、母子相談員の人権意識の普及、高揚が図られるようその内容に配慮願いたい。
 また、今回新たに追加した就労促進支援事業において、母子家庭等の就労支援計画の策定を内容に盛り込んでいるが、地域における母子家庭等の実態を正確に把握するうえで、母子相談員の役割は極めて重要であり、策定委員のメンバーに加える等その積極的な活用をお願いしたい。

(3)母子生活支援施設における自立支援体制の整備について

 全国厚生関係部局長会議でお示ししたように、児童保護措置費の中に、非常勤職員の配置と活動費が盛り込まれたが、自立支援計画の策定等施設において入所者の就労支援及び退所後のアフターケアを含めた自立に向けた手厚い支援を継続 的に行っていく体制の整備が本措置の目的である。自立支援体制の整備には、施設職員の役割がより一層重要視されることが想定されるが、一部公立施設において、少年指導員及び調理員等が基準定数を下回っている施設があり、自立支援を行ううえで支障が生じる恐れもあることから、職員の充足についての指導の徹底をお願いしたい。
 また、自立支援体制の整備を図るうえで、就労関係の公共職業安定所及び民間企業等関係機関との連携、強化が今後益々必要となることから、施設と関係機関との連携が円滑に図られるよう一層のご配意をお願いしたい。

(別 紙)

◯ 母子家庭及び寡婦自立促進費

就労促進支援事業について(案)

1.趣 旨

 訪問介護員(ホームヘルパー)等養成講習会の実施主体である都道府県等が、母子家庭の自立支援に携わる関係機関間の連携、強化等を積極的に推進し、養成講習会の開催から雇用促進及び就労先の確保等、幅広い観点から地域の実情を踏まえた母子家庭の総合的な就労支援体制の整備を図るものである。

2.事業内容

(1) 母子家庭等就労支援計画策定委員会の設置及び母子家庭等就労支援計画の策定

・ 都道府県担当課、市町村、母子相談員及び公共職業安定所等から構成される母子家庭等就労支援計画策定委員会の設置。
・ 策定委員会において、地域における母子家庭等の実態把握、分析等を行い、就労支援を効果的に行うための方策を検討し、母子家庭等の就労支援体制の整備を図るための支援計画を策定。

(2) 関係機関間連絡調整会議の開催

・ 月1回程度、福祉事務所、母子相談員及び公共職業安定所等関係機関による連絡調整会議を開催。

(3) 公共職業安定所、民間の事業所等との情報交換及び就労支援のための啓発活動

・ 雇用促進を図る上で必要な就労関係の情報収集、意見交換等を行うとともに、就労先確保のための啓発活動を実施。

(4) その他母子家庭の総合的な就労支援体制の整備を図るために必要となる事業

3.実施主体 都道府県・指定都市・中核市(委託は、不可)

4.実施か所数 25都道府県・市を指定

5.補助額 1か所あたり 4,617千円

6.補助率 1/3(負担割合 国:1/3・都道府県等:2/3)


6 児童扶養手当制度の運用等について

(1)平成10年度児童扶養手当関係予算案について

・手当額の物価改定(平成10年4月実施予定・政令改正事項)

  (現行)   (平成10年度)
全部支給
一部支給
41,390円
27,690円

42,130円
28,190円

・所得制限の見直し(平成10年8月実施予定・政令改正事項)

・本人(2人世帯:収入ベース)
  (現 行)   (10年8月〜)
全部支給
一部支給
204.8万円
407.8万円

据 置
300.0万円
・扶養義務者(6人世帯:収入ベース)
(現 行)   (10年8月〜)
946.3万円 600.0万円

(2)所得制限の見直しに関する留意事項

(1) 適用時期等

 今回の所得制限の見直しによる、受給者及びその扶養義務者の所得による手当の支給制限については、平成10年8月以降の月分の手当から適用されることとなる。
 したがって、受給者(支給停止者を含む。また本年6月末日までに児童扶養手当の認定請求が行われ、受給資格の認定を受ける者を含む。以下同じ。)の平成10年8月以降の月分の手当に係る支給制限の有無の決定については、受給者より提出される児童扶養手当現況届の平成9年分の所得により行われることとなるので、その提出期限等を受給者に明確に伝えること等により、受給者への手当の支給制限の有無の決定に関する通知等が迅速に処理できるよう配慮されたい。

(2) 受給者等に対する所得制限見直し等の周知について

 所得制限の見直しについては、所得制限限度額を改める政令の公布後に行うこととなる受給者への概要の周知について、特段のご協力を願いたい。なお、基本的な文例、周知の時期及びその方法等については、追って連絡する。

(3) 周知を行うまでの所得制限の適用に関する照会の対応について

 上記(1)に示す所得制限限度額については、母子2人世帯等の収入額を例示的に示したものであるが、これについて受給者等から手当の支給制限に関する問い合わせがあった場合には、次の点に特に留意され、適切な対応が図られるようお願いしたい。

・所得制限の適用時期は、上記(2)の(1)に示した内容であること。
・手当の所得による支給制限は、政令に定める方法により計算される所得が、その者の扶養親族等の数に応じて、今後、政令で定められる額以上の場合に行われるものであり、収入額との比較では単純に判断できないこと。
・所得による手当の支給制限の該当の有無については、新規の者については児童扶養手当認定請求書を、受給者については児童扶養手当現況届を必ず提出して、所得の審査を受けるよう伝えること。(特に認定請求の場合は、法第6条2項に規定される請求期限についても併せて説明すること。)

(4) その他

 所得制限の見直しに伴い、児童扶養手当認定請求書及び児童扶養手当現況届等の様式の所要の改正を行う予定であるので留意されたい。


(育成環境課関係)

1.平成10年度児童手当勘定予算案の概要

  9年度予算額 10年度予算額
(案)
差引増
△減額
備 考
(歳入) 千円 千円 千円 拠出金率
1.1/1000
(前年同率)
拠出金収入
一般会計より受入
積立金より受入
雑収入
前年度剰余金受入
149,716,111
27,939,942
0
210
122,220
177,778,483
151,578,391
25,427,306
2,997,550
249,789
1,103,147
181,356,183
1,862,280
-2,512,63
2,997,550
249,579
980,927
3,577,700
(歳出)
児童手当交付金
業務取扱費
諸支出金
児童育成事業費
予備費
139,700,098
6,104,188
186,210
28,287,987
3,500,000
177,778,483
138,840,326
5,992,963
37,330
32,985,564
3,500,000
181,356,183
-859,772
-111,225
-148,880
4,697,57
0
3,577,70
 

2.児童手当の所得制限について

 児童手当(本則給付)及び特例給付の所得制限限度額については、受給資格者の所得状況等を勘案して、それぞれ引き上げることとしているので認定権者等(市町村長等)へ周知方願いたい。(平成10年6月実施予定)

平成10年度 児童手当所得制限限額表(案)

(単位:万円)

扶養親族
等 の 数
所 得 制 限 限 度 額
児 童 手 当 特 例 給 付
0人 152.9 344.5
1人 182.9 374.5
2人 212.9 404.5
3人 242.9 434.5
4人 272.9 464.5
5人 302.9 494.5

1) 所得税法に規定する老人控除対象配偶者又は老人扶養親族がある者についての限度額(所得額ベース)は、上記の額に当該老人控除対象配偶者又は老人扶養親族1人につき6万円を加算した額。
2) 扶養親族等の数が6人以上の場合の限度額(所得額ベース)は1人につき30万円(扶養親族等が老人控除対象配偶者又は老人扶養親族であるときは36万円)加算した額。

3.児童厚生施設の整備等について

(1)児童厚生施設の整備について

 平成10年度においては、前年度に引き続き、児童館、児童センター並びに県立児童厚生施設(通常型・宿泊型)の整備の促進を図ることとしている。
 児童厚生施設の整備に当たっては、児童の健全育成事業の拠点として地域の健全育成対策に積極的に取り組んでいく必要があることから、地域の実情に応じ、以下の点について適切に対応されているか精査いただきたい。

・開館日及び開館時間帯が、利用者の需要に応じ適切に設定されていること
・母親クラブ等ボランティアを活用した健全育成事業を積極的に実施すること
・放課後児童健全育成事業を実施するための児童クラブ室を設置すること
 なお、これらを踏まえ、未設置市町村において創設整備するもの、児童育成計画等に基づき創設整備するもの及び他の社会福祉施設等との合築等、複合的整備を図るものについて優先的に採択する方針であること。
 また、社会福祉法人等民立の児童館については、法人の運営状況、設置後の施設の事業計画等に十分留意されたい。

(2)児童厚生施設の運営について

 児童館については、新たに法制化された放課後児童健全育成事業の主要な実施場所として位置づけられたところであり、積極的に活用されていくことを期待している。
 平成10年度予算案においては、民間児童厚生施設等活動事業費の補助か所数の増を図ることとしている。
 また、「児童福祉施設最低基準等の一部を改正する省令」(平成10年厚生省令第15号)が本年2月18日付け公布(同4月1日施行)され、児童厚生員に関する規定の改正が行われた。その概要は次のとおりであるが、これは地方分権推進委員会の勧告の趣旨を踏まえ、地方分権、規制緩和の観点から、児童厚生員の職務上の名称に関する規制を廃止し、また都道府県知事(又は指定都市市長)の権限である児童厚生員の認定について、市町村長も認定者に加えるとともに、その認定の基準を明確にしたものであるので、ご了知願いたい。

○ 都道府県知事(指定都市にあっては市長)の権限である児童厚生員の認定について、市町村長も認定者に加えるとともに、「児童厚生員」を「児童の遊びを指導する者」にすること。
 また、児童の遊びを指導する者の認定の基準を明確にすること。(平成10年4月1日施行)

(3)地域組織活動(母親クラブ)について

 児童館等を拠点として活動している母親クラブは、親子及び世代間の交流、文化活動、児童養育に関する研修活動、児童事故防止活動等地域における児童健全育成に寄与しているが、昨年から本年にかけて、児童に関わる凶悪で深刻な事件や家庭における児童虐待が多く発生している中、その活動の重要性がますます増しているところである。
 平成10年度予算案においては、補助対象か所数を増やし、また母親クラブ活動の一層の推進を図るため、引き続き都道府県・指定都市単位の母親クラブ連絡協議会に対して、県内研修会等の事務に要する経費に対する助成を行うこととしている。
 なお、都道府県・指定都市・中核市単位での母親クラブ連絡協議会が本年度中に新たに3県で発足する予定であるが、未組織の府・県・市におかれては、その組織化に引き続き努められたい。


4 放課後児童健全育成事業について

 本事業は、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校低学年児童(おおむね10歳未満)に対し、授業の終了後に児童厚生施設等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図るものであり、昨年の児童福祉法の改正により新たに法律上位置づけられ(平成10年4月1日施行)、事業の一層の普及を図ることとした。

(1)平成10年度において、開設日数に応じた補助基準単価の設定及び本事業に従事する職員の資質向上のための経費の助成を行うこととしている。

○か所数の増

6,900クラブ → 7,900クラブ
○補助基準単価の改善
・基本額(児童数概ね20〜35人)
@2,237千円 @3,014千円
(開設日数280日以下は@2,322千円)

※ ただし、1/2は保護者負担
・大規模加算(児童数36人〜70人及び71人以上)の創設

ア 児童数36人〜70人
@1,939千円(開設日数280日以下は@1,608千円)
※ ただし、1/2は保護者負担

イ 児童数71人以上
@3,878千円(開設日数280日以下は@3,216千円)
※ ただし、1/2は保護者負担

○都道府県・指定都市・中核市が実施する、放課後児童健全育成事業に従事する職員の資質向上のための研修会等の費用

1県・市当たり @500千円(国1/3補助)
 なお、法律の施行に伴い、本事業の実施要綱を改正することとしているが、事業の趣旨、目的、対象児童、実施場所等の基本的事項については、従前の考え方を踏襲することとしている。

(2)法制化に伴い、第二種社会福祉事業として本事業を実施する場合においては、その事業実施者は、社会福祉事業法の定めるところによりその管轄の都道府県知事、指定都市市長、中核市市長に対し、本年4月から6月までの間に事業開始の届出が必要となるので、遺漏のないよう取り扱われたい。その際、今回に限り、市町村が本届出を取りまとめて都道府県に提出することなどは差し支えない。

(3)公立学校の余裕教室を放課後児童健全育成事業の用に供する施設等に転用する場合の事務簡素化等について、昨年11月、文部省から「公立学校施設整備費補助金等に係る財産処分の承認等について」(平成9年11月20日文教施第87号文部省教育助成局長通知)が発出されたところである。本事業についても、転用手続の簡素化が図られたところであるので、その一層の有効活用を図られたい。

5.児童環境づくり基盤整備事業について

 近年の少子化の進行、夫婦共働き家庭の一般化、家庭や地域の子育て機能の低下、子どもたちが切磋琢磨しながら友達関係を育む機会の減少など、子どもや家庭を取り巻く環境の変化を踏まえ、次代を担う子どもたちの自立性や社会性を最大限に伸ばし、子どもたちが心身ともに健やかに生まれ育ち、親や社会も子どもたちと心豊かに生活する環境づくり基盤整備の充実を図るため次のような助成を行うこととしている。

(1)児童育成事業臨時安定運営等対策事業について

 従来、児童家庭局企画課で所管していた児童福祉事業適正化対策特別事業については、児童福祉事業の普及啓発等の一層の効率化を図るため、平成10年度から児童育成事業臨時安定運営等対策事業に統合することとしたので、ご了知願いたい。なお、その内容については次のとおりである。

(1)事業の名称 児童育成事業臨時安定運営等対策事業

(2)実施主体 都道府県、指定都市、中核市、市町村

(3)事業内容

ア 児童手当・児童育成の普及啓発事業
イ 児童福祉の向上に資する各種研修会・連絡会議
ウ 児童健全育成に資する模範的・奨励的事業
エ 児童福祉の推進に関し児童福祉施設・地域住民・ボランティア等に対する普及啓発事業
オ 児童福祉行政事務等の効率化を図るための開発・研究事業
カ その他上記に準ずる事業
(4)補助率 定額(10/10)

(5)平成10年度予算額(案) 650,000千円→ 902,000千円

(2)児童育成基盤整備等推進事業(地方版エンゼルプラン)について

 子育て支援社会の構築は、都道府県や市町村等が一体となって取組みを進めることが極めて重要である。
 このため、都道府県版児童育成計画と連携を図りながら自主的に児童育成計画を策定する市町村及び市町村版児童育成計画の策定率が低い都道府県において、市町村が自主的に策定する場合等に対し優先的に助成を行うこととしている。

(平成10年度予算案)
補助か所数
市区町村1か所当たり
100か所
2,000千円

6.児童委員、主任児童委員活動の推進について

 昨今の少年による問題行動の多発、また、家庭にあっては母親の孤立等に起因する育児不安や家庭内での児童虐待など児童や家庭を取り巻く環境が複雑・多様化してきている。
 このような状況の中で、地域住民に最も身近な児童委員、主任児童委員には、地 域の状況等について的確に把握するとともに児童相談所等の関係機関との連携により、早期発見、早期対応への取り組みが重要と考えており、各都道府県におかれては、児童委員、主任児童委員への一層のご指導、ご協力をお願いする。
 なお、主任児童委員の次期改選時期は平成12年1月1日であるが、都道府県等から要望の強い民生委員・児童委員との改選時期の統一については、本年12月1日の民生委員・児童委員の一斉改選時において、統一を図ることとしている。
 統一に当たっての取扱方針は、詳細が決定次第、通知する予定である。

7.児童福祉週間について

児童福祉の向上を図るため、昭和22年以来、毎年5月5日から1週間を「児童福祉週間」と定め、各都道府県等の協力の下に、多様な取組みが展開できるよう努めているところである。各都道府県等におかれても、次代を担う子どもたちの自主性や社会性を最大限に伸ばし、子どもたちが心身ともに健やかに生まれ育ち、心豊かに生活できる環境づくりを進めるために一層の児童福祉の理念の普及と啓発に取組まれたい。
 なお、平成10年度児童福祉週間の標語について、全国公募を行ったところ 2,739点の作品が寄せられた。この中から、主催者である厚生省、(財)こど も未来財団、(社福)全国社会福祉協 議会で選定した結果、次の作品に決定した ところである。
 標語の募集に当たり、各都道府県等をはじめ関係各位の格別のご尽力をいただいたことに厚く御礼申し上げる。

 「生まれたね! ちいさな君と 大きな未来」 
草野 公子さん(長崎県)の作品

8.少子社会に関する広報啓発活動について

 少子化の進行は将来の我が国の社会経済に深刻な影響を与えることが懸念されており、その現状や影響等について、国民に広く訴えていくことが求められている。
 このため、国としても昨年度に引き続き、広報啓発につとめることとしているが、都道府県、市町村においても、昨年11月に開催した「少子社会を考える国民会議」や人口問題審議会が取りまとめた報告書等を参考にして、広報啓発活動を実施されることを期待する。
 また、少子社会に関する各種会議の開催を次のとおり予定しているので、ご承知願いたい。

(1)少子化に関するシンポジウムの開催

(1)主 催 こども未来財団
(2)後 援 厚生省、日経連等
(3)開催時期 平成10年6月22日(月)
(4)開催場所 日経ホール(東京都千代田区大手町)
(5)参加人員 600名

(2)少子社会の広報啓発事業

(1)主 催 厚生省、兵庫県
(2)開催時期 平成10年7月30日(木)
10:00〜17:00
(3)開催場所 ポートピアホール(神戸市中央区港島中町)
(4)参加人員 1,300名

(資料1)

児童館等の設置状況

都道府県名 児童館数 児童遊 園数 母 親 ク ラ ブ
か 所 数 会 員 数
01北 海 道 278 36 ◎117
02青 森 県 123 45 ◎ 188
03岩 手 県 138 110 177
04宮 城 県 ☆〇 77 259 ◎ 80
05秋 田 県 ☆〇 116 ◎ 1,673
06山 形 県 91 109 ◎ 119
07福 島 県 74 25 ◎ 105
08茨 城 県 ☆〇 43 20 ◎ 41
09栃 木 県 ☆〇 47 20 34
10群 馬 県 ☆〇 50 ◎ 39
11埼 玉 県 102 20 57
12千 葉 県 67 710
13東 京 都 ☆〇 606 123 ◎ 240
14神奈川県   43 180
15新 潟 県 ☆〇 76 122 ◎ 27
16富 山 県 ☆〇 46 22 ◎ 245
17石 川 県 ☆〇 85 ◎ 110
18福 井 県 94 ◎ 296
19山 梨 県 36 10 23
20長 野 県 145 24 61
21岐 阜 県 63 14 ◎ 29
22静 岡 県 44 220 ◎ 91
23愛 知 県 ☆〇 229 930 ◎ 152
24三 重 県 ☆〇 41 11 11
25滋 賀 県 42 57 29
26京 都 府   49 17
27大 阪 府   44
28兵 庫 県 ☆〇 76 56
29奈 良 県 54 12 13
30和歌山県 110 ◎ 622
31鳥 取 県 48 12 ◎ 104
32島 根 県 33 12 ◎ 28
33岡 山 県 ☆〇 43 16 ◎ 155
34広 島 県 42 ◎ 25
35山 口 県 ☆〇 40 85 ◎ 198
36徳 島 県 49 38
37香 川 県 56 ◎ 145
38愛 媛 県 27 15 ◎ 709
39高 知 県   30 44 28
40福 岡 県   49 539 16
41佐 賀 県 29 15 ◎ 19
42長 崎 県 34 73 14
43熊 本 県 44 11 ◎ 34
44大 分 県 26 26 ◎ 47
45宮 崎 県 66 275 ◎ 152
46鹿児島県   36 14 ◎ 14
47沖 縄 県 43 ◎ 20

都道府県名 児童館数 児童遊 園数 母 親 ク ラ ブ
か 所 数 会 員 数
48札 幌 市   12
49仙 台 市   51 39 ◎ 49
50千 葉 市   11
51横 浜 市  
52川 崎 市   59 167
53名古屋市   18 17
54京 都 市 81 70
55大 阪 市   22
56神 戸 市 108 103
57広 島 市 91 ◎ 71
58北九州市 42 ◎ 24
59福 岡 市  
60秋 田 市       27
61郡 山 市      
62宇都宮市      
63新 潟 市       ◎ 2
64富 山 市       ◎ 42
65金 沢 市       ◎ 29
66岐 阜 市      
67静 岡 市       ◎ 9
68浜 松 市      
69堺 市      
70姫 路 市      
71和歌山市       ◎ 155
72岡 山 市       ◎ 6
73長 崎 市       23
74熊 本 市       ◎ 9
75大 分 市       ◎ 2
76鹿児島市      
合 計 4,259 4,172 7,383

資料: 児童館・児童遊園数は、厚生省報告例(平成9年5月1日現在)
母親クラブ数は、育成環境課調べ(平成9年4月1日現在)
児童館数欄の☆は、県立児童館を設置している都県、○は、児童館連合会をもつ都道県・指定都市
母親クラブか所数欄の◎は、連絡協議会を設置している都道県・指定都市・中核市

(資料2)

児童育成計画(地方版エンゼルプラン)策定状況

策定済:42都道府県、184市区町村
策定中: 5府県、195市区町村 (平成10年2月末現在)
都道府県名 策定年月日 市区町村の状況
策定済 策定中 合計
北海道 平成9年2月 4   1   5 7   2   9 14
青森県 平成9年3月 2   3   5 1       1 6
岩手県 平成8年4月 4   1 1 6 3   1 2 6 12
宮城県 策定中 1   2   3         0 3
秋田県 平成9年4月 3   4   7 2   1 1 4 11
山形県 平成8年3月 5   3   8 1   2   3 11
福島県 平成7年3月 1       1         0 1
茨城県 平成9年3月     1   1 5   1 1 7 8
栃木県 平成8年3月 5   1   6 3       3 9
群馬県 平成8年3月 3       3 3       3 6
埼玉県 平成8年4月 12   7   19 15   7   22 41
千葉県 平成8年3月 2       2 4       4 6
東京都 平成9年4月 3 8     11 5 4     9 20
神奈川県 平成9年3月 4       4 5     1 6 10
新潟県 平成7年3月 6   3 2 11 6   4 3 13 24
富山県 平成9年3月 2       2     2   2 4
石川県 平成8年3月 2       2 1       1 3
福井県 平成8年3月 1   1   2 2       2 4
山梨県 平成9年3月         0         0 0
長野県 平成8年4月 3   1 1 5     1   1 6
岐阜県 平成8年6月 5   5 1 11 2   4   6 17
静岡県 平成8年3月 5   1   6 5   2   7 13
愛知県 平成9年3月 2   1   3 3       3 6
三重県 平成8年3月 1       1         0 1
滋賀県 平成9年10月     1   1 4       4 5
京都府 平成9年3月 1       1 2       2 3
大阪府 策定中 6       6 8       8 14
兵庫県 平成9年5月 2   3   5 9   4   13 18
奈良県 平成7年3月         0         0 0
和歌山県 平成9年3月 1   1   2       1 1 3
鳥取県 平成8年3月 4   2   6     1   1 7
島根県 平成8年5月 2   3 2 7 3   10 1 14 21
岡山県 平成8年4月 3       3         0 3
広島県 平成7年4月 1       1 6   1   7 8
山口県 平成8年3月 5   3   8 2   2   4 12
徳島県 平成8年3月 1   1   2     1   1 3
香川県 平成9年3月 1       1         0 1
愛媛県 平成9年6月 1       1         0 1
高知県 策定中         0 3       3 3
福岡県 平成9年3月 1       1 1   1   2 3
佐賀県 策定中 1       1         0 1
長崎県 平成9年9月         0 3       3 3
熊本県 平成9年5月 2       2 3   1 1 5 7
大分県 平成8年3月 2   5 1 8 1   5   6 14
宮崎県 平成9年3月 1       1 1   1   2 3
鹿児島県 平成9年3月 1       1 3       3 4
沖縄県 策定中 1     1 2 4       4 6
合計 113 8 54 9 184 126 4 55 10 195 379

(資料3)

児童健全育成関係地方交付税について

(健全育成対策推進事業)

 地方自治体において、直接住民を対象とした各種児童健全育成事業等(単独事業)の企画調整を図り実施するための経費について、平成5年度より地方交付税に算入されているところであるが、平成9年度の単位費用積算基礎は次のとおりである。

(平成9年度単位費用積算基礎)

○道府県分(標準団体の行政規模 人口 1,700,000人)
社会福祉費

(細目)青少年対策費
(細節)青少年保護育成費
(経費区分)需用費 健全育成対策推進事業

(児童育成交流こどもリーダー養成等)
<25,460>
28,300千円

○市町村分(標準団体の行政規模 人口 100,000人)
社会福祉費

(細目)児童福祉費
(細節)青少年福祉対策費
(経費区分)需用費 健全育成対策推進事業

(親子ふれあいイベント等)
<4,300>
4,700千円

※< >内は、平成8年度の額である。


(母子保健課関係)

1 少子社会に対応した総合的母子保健対策の推進等について

(1)市町村移譲について

 平成6年の母子保健法の改正により、平成9年4月から住民に身近な市町村にお いて健康診査や訪問指導が行えるよう主たる実施主体を市町村に移譲したところで ある。
 今後、市町村が行う母子保健事業を円滑に実施していくためには、都道府県が市町村相互間の連絡調整を行い、市町村の求めに応じ、技術的事項についての指導、助言や必要な技術的援助を行うことが重要であることから、各都道府県におかれては、引き続き、その円滑な実施が図られるよう特段の御配意を願いたい。

(2)総合的な母子保健対策の推進について

 母子保健は、生涯の健康の基礎であり、また、次の世代を健やかに生み育てるための基礎であることから極めて重要であると認識しており、住民の多様なニーズに対応した母子保健対策の一層の推進を図ることが必要となっている。
 このため、平成10年度においても、(1)生涯を通じた女性の健康支援事業、(2)周産期医療対策費、(3)子どもの心の健康づくり対策事業及び(4)都道府県母子保健医療推進費等、少子社会に対応した総合的な母子保健対策の推進を図ることとしている。各都道府県、指定都市、中核市におかれては、引き続き、これらの事業が積極的に行われるようご尽力願いたい。

2 病棟保母配置促進モデル事業の創設について

(1)趣 旨

 小児慢性特定疾患などで長期にわたり入院、療養生活を続ける子ども達にとって、医療以外の生活面を重視し、クオリティオブライフ(QOL)を維持・向上させることは、重要な課題である。
 こうしたことから、医療機関への保母の配置を促進することにより、特に、親から離れて病院で長期にわたり生活している慢性疾患児等に対し、保母による相談指導、遊びを通じた心身の発達の助長等を行うとともに、家族との連絡・相談指導等を実施することにより患児及びその家族の不安の解消を図るため、新たに事業を創設するものである。
 事業の概要は以下のとおりであるが、詳細については、後日、送付することとする。

(2)事業概要

ア 事業内容

 慢性疾患等により長期入院している児童が一定数いる医療機関に対し、一定期間保母を配置するための経費を助成する。

イ 実施主体 : 都道府県、指定都市、中核市(補助か所数 5か所)

ウ 予算額案 : 6,494千円

エ 補助率 : 1/3


3 小児慢性特定疾患治療研究費の適正化及び研究の推進について

 標記については、昨年12月26日に通知したところであるが、その内容は以下のとおりである。

ア 小児慢性特定疾患対策協議会について

(1) 各実施主体毎に本協議会を必ず設置すること。
なお、協議会は他の実施主体と合同で設置して差し支えないこと。

(2) 協議会には、各疾患区分ごとに専門家を置くこと。
なお、委嘱にあたっては、公的医療機関等の医師から選任することが望ましいこと。

(3) 協議会は、毎月開催するとともに、適宜登録事業の結果を活用し、本事業の評価等を行うこと。

イ 意見書の様式について

 本事業の申請に当たっては、申請書に医師の意見書を添付することとしているが、今後は審査の適正化を図るため、疾患区分ごとに診断等の根拠となる検査項目を示した書式を定めること。

ウ ヒト成長ホルモン治療の対象とする基準について

 本事業における成長ホルモン分泌不全性低身長症(下垂体性小人症)等により成長ホルモン治療を行う場合の基準を新たに定めたこと。

エ アレルギー性紫斑病の審査について

 本事業は、慢性疾患を対象としていることから、アレルギー性紫斑病のうち一過性のものは対象とせず、発病後2か月を経過したものを対象とすること。

オ 対象疾病等の登録管理について

 従来、本事業の報告は、国庫補助金の事業実績報告時に「小児慢性特定疾患治療研究報告書」として行われていたが、今般、治療研究の一層の推進を図るため、対象疾病ごとに登録することとしたので別途通知するところにより、意見書に記載されたデータについて報告すること。

(主な登録項目)

 疾病名、年齢、性別、発病時期、症状、診断の根拠となった検査等の結果、合併症、経過等

カ 施行時期

 ア、イ及びオについては4月から、ウ及びエについては、平成10年2月申請(継続)分から適用。

キ その他

 ア及びオについては、平成10年度に必要な補助基準の改訂を行う。

4 妊産婦健康診査費等の一般財源化について

 平成10年度予算案において一般財源化をする事業は、いずれも、制度創設後相当の年数が経過し、ほとんどの市町村で実施されており、地方公共団体の経常的な事務事業として同化・定着していることから一般財源化するものである。
 既存事業の見直しは、地方分権推進委員会の第2次勧告の趣旨に沿ったものであり、これにより、地方公共団体の自主的・自立的な行政運営の実現に資するものと思料される。
 なお、一般財源化に必要な財源は地方交付税措置されているので、一般財源化によって事業の低下を招くことのないよう管下市町村を指導願いたい。

(平成9年度予算額)
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
妊産婦に対する集団健康診査(昭和23年度創設)
医療機関に委託して行う妊婦健康診査(昭和44年度創設)
妊婦B型肝炎検査及び事後指導(昭和60年度創設)
母子保健訪問指導事業(昭和33年度創設)
家族計画等相談指導事業(昭和35年度創設)
14百万円
2,478百万円
552百万円
391百万円
10百万円

5 母乳中のダイオキシン類に関する調査の実施について

 母乳中のダイオキシン類の濃度の測定及び母乳を通じて乳児に移行するダイオキ シン類の総量を推計するとともに、ダイオキシン類の濃度に影響を与える因子を探 ることを目的として、平成10年度において、生活安全総合研究のダイオキシン類総合対策予算の中で実施することとしており、対象都道府県は今後調整する予定である。
 なお、平成9年度は、厚生科学研究において、4都府県(埼玉県、東京都、石川県、大阪府)を対象に実施しているところである。

6 母子健康手帳の改定について

 母子健康手帳は、平成3年における様式の大幅な改正や予防接種法の改正に伴う接種項目の改正等により現在に至っているところであるが、最近の学会での報告、医学の知見等による様式等の見直しの必要性に鑑み、中央児童福祉審議会母子保健部会において記載事項等の改正の検討を進めてきたところである。
 先般、平成9年12月17日の部会においてとりまとめられた意見及び母子保健法施行規則第7条各号に係る部分の具体的記載内容の改正案を各都道府県あて通知したところである。
 出生率が低下している現在、子どもを健やかに生み育てるための環境づくりの一環として、母子健康手帳をより魅力あるものにしていくためにも、管下市町村に対し、これらの周知及びその実施に遺漏なきを期されたい。
 なお、幼児の身長体重曲線の追加、保護者の記録の記載内容の改正等の省令改正を伴う事項(規則第7条に定める様式第3号)については、経過措置を設ける等により、すみやかに行うこととする。


問い合わせ先
  厚生省児童家庭局企画課   電 話 代表[現在ご利用いただけません](内線3115)


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