(1) 乳児保育の一般化(予算成立後省令改正予定)
○ 最低基準(省令)の乳児に対する保母の配置基準を6:1から3:1に引き上げる方向で検討。
(2) 短時間勤務保母の導入(2/18通知発出)
○ 最低基準上の保母定数は、子どもを長時間にわたって保育できる常勤の保母をもって確保することが原則。
○ しかしながら、保育所本来の事業の円滑な運営を阻害せず、保育時間や保育児童数の変化に柔軟に対応すること等により、入所児童の処遇水準の確保が図られる場合で、次の条件の全てを満たす場合には、最低基準上の定数の一部に短時間勤務(1日6時間未満又は月20日未満勤務)の保母を充てても差し支えないもの。
(3) 調理の業務委託(2/18通知発出)
○ 調理業務について保育所が責任をもって行えるよう施設の職員により行われることが原則。
○ しかしながら、保育所内の調理室を使用し、栄養士による必要な配慮が払われるなど、施設の管理者が業務上必要な注意を果たし得るような体制及び契約内容により、施設職員による調理と同様な給食の質が確保される場合には、入所児童の処遇の確保につながるよう十分配慮しつつ、当該業務を第三者に委託することは差し支えないもの。
○ 調理業務を全て委託している施設については、調理員の必置規制を緩和。
(4) 定員の弾力化(2/13通知発出)
○ 原則として、市町村において待機の状況がある場合に、当分の間、年度当初において定員の概ね1.1倍まで保育の実施を行うことができること。
○ 年度途中においては、定員の概ね1.15倍まで保育の実施を行うことができること。ただし、特定の場合には、概ね1.2倍まで保育の実施を行うことができること。
○ 定員超過の状態が恒常化する場合には、定員の改定を行うこと。
○ 最低基準を下回ってはならないこと。
(5) 開所時間の弾力化(予算成立後通知発出予定)
○ 開所時間(従来は7:00〜18:00)については、利用者の需要を踏まえ、保育所が自主的に設定。
【 これまでの経緯 】
○ 臨時教育審議会答申(昭和62年8月)
3 保育所と幼稚園の施設の共用化等について
幼稚園・保育所はその目的は異なるが、幼児教育に重要な役割を果たしており、就園希望、保育ニーズに適切に対応できるよう、それぞれの制度の中で整備充実を進める。 |
○ 地方分権推進委員会第1次勧告(平成8年12月20日)
少子化時代の到来の中で、子どもや家庭の多様なニーズに的確に応えるため、地域の実情に応じ、幼稚園・保育所の連携強化及びこれらに係る施設の総合化を図る方向で、幼稚園・保育所の施設の共用化等、弾力的な運用を確立する。 |
○ 教育改革プログラム(平成9年1月24日)
国民のニーズに的確に応えるための幼稚園と保育所の在り方について、地方分権推進委員会の勧告等をも踏まえ、厚生省と共同で検討する。当面は、地域の実情に応じた幼稚園と保育所の施設の共用化について弾力的な運営が図られるよう検討を進め、平成9年度中に具体的な方針をまとめる。 |
【幼稚園と保育所の在り方に関する検討会】
○ 地方分権推進委員会や教育改革プログラムを踏まえ、平成9年4月に国民の多様なニーズに対応できるよう、幼稚園と保育所の在り方について、望ましい運営や施設の在り方を幅広い観点から検討するため、厚生・文部両省共同して「幼稚園と保育所の在り方に関する検討会」を発足。
○ 検討会(両省課長レベル)では、当面、平成9年度中に両施設の共用化等に関する具体的方針をまとめることを中心に検討。また、検討会の下に両省事務担当者によるワーキンググループを設置し詳細な検討を実施。
○ 検討会は現在までに6回開催。また、施設の共用化の状況を把握するため、平成9年7月に「幼稚園と保育所の施設等に関する実態調査」を実施。
【施設の共用化等に関する指針】
○ こうした検討結果を踏まえ、今回、幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針を策定し、先般、厚生省・文部省の連名局長通知を発出。
○ 幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針案
1 目的 多様なニーズに的確に対応できるよう、幼稚園と保育所の施設・運営の共用化、 職員の兼務などについて地域の実情に応じて弾力的な運用を図り、幼児教育環境の質的な向上を推進し、共用化された施設について保育の内容等運営が工夫され、有効利用が図られることを目的とする。 2 内容 (1) 幼稚園及び保育所について、保育上支障のない限り、その施設及び設備について相互に共用することができる。 (2) 共用化された施設について必要とされる (3) 幼稚園と保育所が共用化されている施設における職員の数については、それぞれ幼稚園設置基準、児童福祉施設最低基準により算定するものとする。 (4) 幼稚園及び保育所に備えられている園具・教具・用具について、幼稚園及び保育所は相互に使用することができる。 (5) 幼稚園と保育所が共用化されている施設においては、教育・保育内容に関し、合同で研修を実施するように努める。 (6) 施設整備の維持保全、清掃等の共通する施設管理業務について一元的な処理に努める。 |
現行の法令上、児童福祉施設において、保育に従事する女子を「保母」といい、男子については、特に規定なし(女子の規定を準用) |
男女共通の名称として「保育士」とする(平成11年4月1日施行) |
【見直しの必要性】
○ 男子の保育従事者の名称問題については、
【 経 緯 】
昭和23年 | 児童福祉法制定時、保育に従事する者は女子に限定 |
昭和52年 | 中央児童福祉審議会の報告を踏まえ、男子も保育に従事できるよう改正(名称については特に規定なし) |
平成6年7月 | 長崎県の行政相談員が男子の保育従事者から「名称を公的に位置づけてほしい」との苦情相談を受付 → 行政苦情救済推進会議に付議 |
平成9年9月29日 | 総務庁から保育に従事する男子の名称又は男女共通の名称を法令上規定するよう検討する旨あっせん |
【 当事者の意見 】
○ 全国保母会 : | 男女共通名称としての「保育士」。国家資格等の課題については引き続き検討を望む。 |
○ 全国男性保育者連絡会 : | 男女共通名称としての「保育士」 |
・ 保育所保母数
ア 平成8年10月1日現在の専任及び兼任保母数
(社会福祉施設調査報告)
保 母 数 (人) | 保育所数 (か所) |
入所児童数 (人) |
||
合 計 | 専 任 | 兼 任 | ||
230,693 | 208,424 | 22,269 | 22,438 | 1,701,655 |
イ 保育所入所児童数及び保母数(兼任を含む)の推移 (単位:人)
年次 | 昭和52年 | 平成2年 | 平成8年 |
入所児童数 | 1,832,269 | 1,723,775 | 1,701,655 |
保 母 数 | 151,474 | 195,073 | 230,693 |
(うち女子) | (151,191) | (194,360) | (229,437) |
(うち男子) | ( 283) | ( 713) | ( 1,256) |
(各年10月1日現在。社会福祉施設調査報告)