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          第4回中央児童福祉審議会基本問題部会NO2
  この4つばかりの項目について御説明したい訳でありますけれども、まずは今の制度
なりがどういうふうになっておるかということを理解いただいた上で、ここで書きまし
たような問題について御説明させていただいた方が理解がしやすいかと思いますので、
資料の方は本日の資料番号でいいますと2の方に進ませていただいて、こちらの説明を
させていただきたいと思います。
  資料の2の「児童保育施策関係資料」は、認可保育所の在り方ということを議論する
際に必要なものと思われる資料を整理したものでございます。
  まず1ページをお開きいただきますと、ここには保育制度に対する要望として調査し
たものが出ております。これは今の保育の制度なり、あるいはサービスなりが抱えてお
る問題として、利用者サイドが考えておることというふうに言えるかと思いますけれど
も、この調査は労働団体の連合が保育所あるいは小学校3年生以下の子どもを現に持た
れておる女性の方に対し、傘下の労働組合を通じてアンケートをとったものでございま
す。
  結果を見ますと、この一番上の段には全体のパーセンテージが出ておりますけれども
、こういう項目を提示をいたしまして、その中から3つあなたが必要と思うものを選ん
でくださいということでアンケートをとったものでございますが、全体で見ますと一番
高いのは保育費の負担を軽減してほしい、あるいは負担の不公平を解消してほしいとい
うものが51%で一番多いということになります。これは、回答者のうち51%の者がこの
項目に丸を付けたという数字でございます。
  2番目を見ますと、左から2つ目の早朝保育あるいは延長保育の充実を望みますとい
うことがあり、3番目には産休明け保育所の増加を望みますというのが出ております。
その他、ここにありますようないろいろな項目についてそれぞれ要望があるということ
でありますけれども、これを年齢別とか、あるいは雇用形態別で見ますと、例えば最初
の「産休明け保育所の増加」のようなところは、母親の年齢が高くなるにつれて、この
項目の要望というのは相対的に高くなっておりますが、左から4つ目の「休日保育の実
施」はむしろ年齢が高くなるにつれて低くなる傾向があります。
  これは、恐らくそれぞれの職場においてされておる仕事の内容とか、あるいは地位と
いうようなものによって、保育サービスに対するニーズについて差があるということだ
ろうと思います。
  また、雇用形態別に見ましても、フルタイムの正社員の場合と、例えば派遣労働者の
場合で比較いたしましても、「産休明け保育所の増加」と「早朝保育・延長保育の充実
」、この2つをとりましても、フルタイム正社員の場合には早朝保育なり延長保育の充
実の方がむしろ高いパーセンテージとして出ておるのに対して、派遣労働者の場合には
産休明け保育所の増加の方が相対的に高いパーセンテージとしてニーズが出ておるとい
うようなことでございます。
  それから、居住地域で見ました場合には、「都市規模」の欄でございますけれども、
大都市圏というところにお住まいの方で一番高いのは「早朝保育・延長保育の充実」と
いう項目でありますが、町村部で見ますと保育費の負担が重いこと、あるいは不公平が
あること、この辺りが一番多いということになっております。この辺りは、通勤時間で
ありますとか、所得の自治体、住んでおられるところによる格差でありますとか、ある
いは現実には市町村が保育料を定めておりますから、その地域差というようなものによ
って、この保育ニーズも差があるということが分かろうかと思います。就労形態によっ
て、あるいはその地域によっても保育ニーズについては、相対的に見ますと高い、ある
いは低いの差があるということが確認出来ます。
  資料の3ページに進んでいただきますと、これはそういうニーズに対してどれほどま
でサービス供給がなされておるかというものを見たものでございます。特別保育の実施
状況ということで見た数字でございますが、一番上の欄に書いてございますけれども、
全国で保育所は2万2,000 か所ほどございます。そのうち6割近くが公立であり、4割
が民営でありますけれども、その保育所で乳児保育を行っておるところが上から5つ目
の欄でありますが7,636 か所、公立保育所は2,551 か所、民間は5,085 か所となってお
りまして、その下に括弧がくっ付いておりますのは公立保育所全体1万3,000 か所の中
で、この乳児保育の実施箇所2,500 か所が何%の割合になるかということで書いたもの
でございます。
  時間延長型の保育については、そこから更に5つばかり下の欄にありますけれども、
全体で2,200 ぐらいの保育所で行われておるということでございます。
  全体を見まして、公・民ということでこの数字は整理しておりますけれども、概ね現
にある保育所の中でこういうサービスに取り組んでおるのは民間保育所の方が多いとい
うのがこの資料でございます。
  4ページでございますけれども、その保育サービスに対する需要と現にある供給との
ギャップ、あるいは潜在的ニーズということが出来るかもしれませんが、それを定量的
にとらえた一つの数字でございます。延長保育なりのニーズについても、そういう潜在
ニーズがどれくらいあるかということを把握することは可能かもしれませんけれども、
入所枠としてどれくらい足りないかということについては、保育所の入所は市町村に対
して申請をし、市町村が入所決定をいたしますので、申請に対してどれくらい入所が決
定出来ておるかということで、待機という数字をもってその需給ギャップを見ることが
可能でございます。
  それを都道府県別に見たのがこの表でございます。これは平成7年4月1日現在の数
字でありますけれども、一番下の欄の数字は全国計の数字を表しておりまして、年齢別
に見ますと零歳児の場合には全国で4月1日現在の入所数というのが5万1,000 人ばか
りに対し、待機状態にある児童数というのが5,000 人ぐらいあります。パーセンテージ
で見ますと9.8 %ということで、以下1、2歳児の場合、3歳児の場合、4歳児の場合
ということで、この待機率が出ております。都道府県別に見ますと、零歳児のような場
合には、やはり概ね都市部の方が待機のパーセンテージは大きいというようなことがこ
の資料の示すところでございます。
  5ページの資料は、同じ待機状況を10月1日現在ということで見たものでございます
。年度途中に零歳児が生まれ、あるいはその入所需要が発生するというようなことから
、4月1日の時点に比べて年度途中であります10月1日の時点では、全体の数で見まし
ても、あるいは都道府県ごとに見ましても、待機数あるいは待機率というのは高くなる
状況にございます。
  以上が保育に対するニーズのデータでありますけれども、6ページ以降は保育所の制
度に関する資料でございます。
  6ページのところは、第1回目の部会でお出しした資料でございますけれども、現行
の保育あるいは健全育成ということで学童保育、児童クラブを含めましての体系であり
ますが、多様なニーズをどういうシステムで、どういう形で、どこまで行政が受け止め
ておるかというものを一覧的に示したものでございます。
  今回の議論としてかかわりますのは、この「就学前児童」のところに「就労等の保護
者の場合」、共働きである親の子どもの場合にどういう形でニーズを受け止めておるか
ということでございますけれども、こういうふうに示した形になっております。認可保
育所でサービスを提供するということでありますが、この点線で囲った中の事業は、す
べての保育所でこれを行うというよりは、指定された保育所において保育所のオプショ
ン的な事業としてこういうものを行うということにし、別途の補助金を保育所に対して
流すというような仕組みにしておるということでございます。
  7ページにまいります。今の制度の中で、保育所に入所をするときの手続あるいは保
育に掛かる費用をどういう形で負担をしておるかという資料でございますけれども、保
育所の入所についてまず、この1ということで保護者の方から市町村に対して申請がな
されます。保育サービスの提供事業といいますか、それは市町村の事業ということで現
行法制度上なされておりまして、その保育所が公立であるか、あるいは民間であるかに
かかわらず、入所申請は住所地の市町村に対して行うという形になります。
  それに対して、市町村がその保育所に対する入所を決定をいたしますのが、この2の
矢印でありまして、この際、下の丸の2番目に書いてありますように、保育所の入所対
象者であるかどうか。これは、保育に欠けるというような要件に該当するかどうか。端
的にいいますと、これは共働きかどうかということになる訳ですけれども、それを市町
村が判断をすると同時に、自治体で用意されておる保育所の入所枠が申請に対して足ら
ないような場合には、だれを優先的に入所させるかというような判断が自治体の側でな
されます。これが2のところでございます。
  3のところで、児童が保育所に入所をし、その保育所において4の保育が行われると
いうことになりますけれども、その保育サービスの提供に必要となる費用につきまして
は、5のところでございますが、市町村が保育サービスの提供主体ということになって
おることの裏腹ということで、市町村が費用の支弁義務を負っておりますので、民間保
育所の場合であっても、その保育サービスを民間保育所が提供するのに必要なすべての
費用は、市町村から委託費という性格を持ちます措置費というふうに呼んでおりますけ
れども、それで支払われることになります。保育サービスを提供するのに必要なフルコ
ストは市町村のこの委託費によって賄われるということでありまして、民間保育所の場
合であったとしても、保育サービスの提供費用を民間保育所が独自に財源調達をすると
いうような仕掛けにはなっておりません。
  この措置費でありますけれども、そういう性格でございますので、措置費の水準とい
いますか、措置費の積算内容といいますか、そういうものが逆に保育所のサービス内容
というものを決めるということになります。
  丸の4つ目でございますけれども、保育所定員等によってこの措置費というのには差
がありますが、そういうものが同じであれば、すべての保育所を通じて措置費というの
は同一水準になるような仕組みになっております。それによって、逆に個々の保育所で
行われるサービス水準というものについても同じにするというような考え方でございま
す。
  丸の一番最後のところは、その保育サービスの提供に必要な費用の一部分につきまし
ては利用者が負担するという仕掛けになっておりまして、これを保育料あるいは費用徴
収というふうに呼んでおります。6のところですけれども、保護者はその定められた保
育料を市町村に対して支払うということになります。
  その保育料でございますが、保護者の所得に応じて保育料が違うという仕掛け、応能
負担ということになっておりまして、市町村が定めた保育料、保護者の所得状況によっ
て違ってまいりますが、その保育料を市町村に対して保護者は払います。保護者の所得
が同じであれば、どこの保育所に入所していても、この保育料というのは同じであると
いう仕組みになってございます。保育所ごとに、あるいはその保育所において現に受け
たサービス内容が違う場合もございますけれども、そのことによって保育料が違うとい
うような仕掛けにはなっておりません。
  備考の欄には「時間延長型保育サービス」というふうに書いてございまして、延長保
育のようなものは別の補助事業として仕組んでおりますけれども、基本的な仕組みは今
、御説明したようなところと同じでございまして、延長保育の利用対象者であるかどう
か、あるいは利用させるかどうかというようなことについても市町村が決定をいたしま
すし、市町村に申込みをいたしますし、それから延長保育を受けるに当たって必要とさ
れる利用料というものも市町村が決めるということになり、その部分は市町村に対して
保護者が支払うという仕掛けになってございます。
  8ページのところですけれども、保育コストの費用負担がどういう形になっておるか
を示したものです。国の基準でいいますと、保育事業費全体は1兆1,000 億円程度にな
っております。そのうち、保護者負担の部分が50%程度でございまして、それ以外の部
分を国が2分の1、都道府県が4分の1、市町村が4分の1ずつ負担をするというルー
ルになっておりまして、結果として、このような費用負担割合になっております。これ
はマクロ的に見た費用負担区分でございますので、個々の保育所ごとに見た場合には、
この負担区分は違ってくる場合もございます。その保育所の保護者に所得の多い層が多
きければ、保護者負担の部分がこれよりは大きくなるというようなことはございますけ
れども、マクロ的に見ればこういうふうな負担水準でございます。
  それから、この全体の事業費のようなものも国の基準で考えました事業費でございま
して、実際にはこのほかに市町村とか都道府県で別に補助が保育所に対してなされてお
ったりすることもございますので、その場合にはこの事業費全体がふくらんでおるとい
うこともありますし、それから保育料の水準につきましても、国の基準で見た場合にこ
うなるということでありまして、実際には市町村ごとに保育料を定めますので、それに
よってはこの負担水準が違ってくるということもございますが、ここは国庫の基準とし
て見た場合の負担割合でございます。
  9ページ以降はその保育料、費用徴収についてのあらましでございますが、一番上の
ところには根拠となる条文を掲げてありますけれども、扶養義務者の負担能力に応じて
保育料は市町村がこれを徴収するというふうになっております。
  具体的な事務の流れで見ますと、2の(1)でありますが、利用者、保護者が保育所
入所を申請します際に保育料を定めるに当たって必要となるデータ、具体的には税額証
明ということになりますけれども、それを提出をいたします。応能負担の能力というも
のを、実際に税をどれくらい払っておるかということによって見るのが通例でございま
すので、税額証明書を市町村に対して提出をする。それを見て、市町村は費用徴収基準
額表に当てはめて納めてもらうべき保育料を決定するという仕組みになります。
  この流れ図の中で4、5、6のところは市町村が実際に定めております保育料と、国
が自治体に対して国庫負担をいたします際の保育料基準とに相違があるものですから、
というより、実際の保育料は市町村が独自に定めるということになっております関係上
、4以降の手続が発生をするということで示したものでございます。
  10ページにまいります。国が定めております保育所の保育料の基準表でございます。
生活保護世帯から始まりまして、こういう所得税を納めておるかどうか、あるいはその
納めておる額に応じて、所得能力を10階層に区分をいたしております。ここに書きまし
た階層区分の税額がどれぐらいの年収に相当するのかということを見たものが推定平均
年収でございまして、この年収は共働きの場合ですので父母を合算した年収でありまし
て、大体左の税額区分というのが年収ベースで見るとどれくらいになるのかということ
を示したものでございます。
  それから、構成比の欄でありますけれども、全国で保育所入所児童数は160 万人ぐら
いでありますが、その160 万人の児童あるいはその保護者が、所得状況で見た場合には
、この1から10のうちどれくらい分布をしているかということを示したものでございま
す。
  右端の2つは保育料でありますけれども、年齢によって保育料は異なっております。
3歳未満の子どもの場合の保育料、それから3歳以上の子どもの場合の保育料、いずれ
もここで掲げましたのは月額これぐらいの保育料を払うことになっておるということで
ございます。ここで保育単価というふうになっておりますのは、保育を提供するのに必
要なトータルのコスト全部を保護者から徴収する場合、それが保育単価という形で示さ
れておるものでございますけれども、その保育単価は下の参考の欄に書いてございます
が、月額でこれぐらいになっております。児童の年齢が高くなるにつれて、1人の保母
が担当いたします児童の数が多くなるものですから、逆に児童年齢が低いほど保育単価
は高い形になっておりますけれども、保育サービス提供に必要な月額コストというのは
国の基準ではこれぐらいの金額になります。
  それに対して、一番右端は平均徴収額でございますけれども、平均的に見た場合、保
育料はどれくらい払っておるのか。これは、親の所得によってこういうふうに違う訳で
ございますけれども、国の計算でいきますと、全体の5,000 億円程度の費用徴収額を人
数で割り返すことによって、平均的に見れば3歳未満の子どもの場合には月額3万5,00
0 円程度、4歳以上の子どもの場合には月額2万4,000 円程度の保育料を払うというこ
とになっておるというものでございます。
  11ページ以降の数ページは、所得階層が上がっていくに従って保育料がどういうふう
に上がっていくかというものを図示したものでございます。階段上にこういう形で保育
料は上がっていくということを示したものでございます。11ページが3歳未満児の場合
、12ページが3歳児の場合、13ページは4歳以上児の場合です。3歳児の場合と4歳以
上児の場合で差がありますのは、全額徴収するところの保育単価が年齢によって違いが
ありますので、2つに分けて資料をつくっておる訳でございます。
  14ページのところは今、申し上げましたような階層区分別の保育料というものが親の
収入に占める割合がどれくらいなものかというのを示したものでございます。階層区分
が高くなるに従って、絶対額としての保育料は上がってまいりますけれども、それと合
わせて、この図を見て分かるように、親の所得に占める割合というものもだんだん上が
ってまいります。収入が高くなるにつれて保育料も高くなるという累進的な構造になっ
ておるというのが、この14ページの資料の示すところでございます。
  15ページは、国の階層区分の設定の経緯でございます。1番上に50、51というふうに
出ておりますのは昭和、平成の年度でございまして、左の方から右の方に経緯がこうい
う形で流れてまいります。これをごらんになって分かりますように、一番下の12とか13
というふうに打ってあるところは、保育費用全コストを費用徴収をする階層であります
けれども、この階層区分の部分を徐々に小さくしてきておるというのが今までの経緯で
ございます。  昭和62年に、その階層区分が大きくなっております。階層ブラケットの
部分が広い形になっておりますが、これは昭和62年に保育所の事務の性格というものを
変えまして団体事務化をし、保育料というものをそもそも市町村が独自に定めていいも
の、定めるべきものということを明確にいたしまして、その際、国庫の基準というのを
簡素化する。自治体に対して費用負担するときの区分を簡素化するために、区分を10階
層にまとめたことによって、62年以降こういうふうな形になっております。
  16ページに移らせていただきます。これは、その保育所入所者の保護者の所得状況を
年次的に見たものでございます。昭和35年から平成7年に至るまで、保育所入所者の所
得状況を見たものでございますけれども、保育所利用者のうち生活保護世帯であります
とか、あるいは所得税非課税世帯でありますとか、そういうものが占めるウェートとい
うものが逐年低下をいたしまして、所得税を課税される世帯というのがだんだん増えて
きておるということが分かります。母親が働きに出るというようなことでなければ、日
々の生活が成り立たない世帯の利用がかつての保育所の主だった姿でございましたけれ
ども、今はそれが所得階層というようなことで見ましたときには、一般化あるいは普遍
化してきておるというのがこの図の示すところでございます。この16ページの資料は、
第1回目の部会のときにもお出しをし、説明をした資料の再掲であります。
  17ページは、その保育料についてどうするべきかということについてアンケートをと
ったものでございます。これは、厚生省の所管法人であります財団法人こども未来財団
が、いわゆる有識者ということで郵送アンケートの方法で調査をしたもののうちの一つ
でございます。一番下の欄の資料の3というところに示したような質問を出しまして、
その質問に対して上の保育料算定の基準が3つございますけれども、この3つのうちか
らどれか1つを選んでいただくということで答えていただいたものでございます。
  全体の総数で見ますと、現行の仕組みのままでいいというのが23%程度。負担の公平
性という点から納税額にかかわらず、サービスの内容に応じて一律の保育料を徴収する
方がいいという割合が7.1 %。原則として一律の保育料ということでいいけれども、負
担能力のない低所得者に対してはその一律水準から更に減免をする方法がいいというの
が62.9%というふうな回答になっております。
  以上、ここまでが保育料の説明資料でございますが、18ページのところは保育所に対
する規制の一覧を示したものでございます。保育所を設置する場合には、地方公共団体
が関与いたします。都道府県知事の届出の受理ないし都道府県知事の認可が必要という
ことになります。この認可なりを受けることによって、行政の規制を受けることになる
反面、その保育サービスの運営に掛かる費用について委託料という形での措置費が市町
村から支弁されるということになります。
  その規制の内容でございますけれども、ここの真ん中辺りに「児童福祉施設最低基準
」というふうに出ておりますが、こういう基準を国の方で設定をし、指導監督をいたし
ております。ハード面、設備面で見ますと、ここに書きましたような設備が必要という
ことで、いわゆる必置義務を課しまして、それからソフトの面でいきますと、職員につ
いてこのような規制がございます。保母、嘱託医、調理員を置かなければならないとい
うことにし、置かなければならないの反面として、そういう業務は保育所の中で行われ
なければならない。外部委託をすることは出来ないという基準をつくり、それから保母
の配置については子どもの年齢に応じてこのような基準になっております。
  こういう形で、置くべき人数については、常勤で職員を配置しなければならないとい
うことにしまして、通常の職員に比べて短時間勤務をするような職員、その数をもって
ここで出てまいります基準に見合う数としてカウントすることは出来ないということで
規制をしております。こういう最低基準に合致しておるところに対して認可を与え、認
可を得続けるためには、またこういう基準をずっとクリアしておかなければならないと
いうことになります。
  19ページに書いてありますのは、先ほど御説明いたしました運営費、措置費でありま
すが、もう一つのサービス水準担保策ということで、措置費、運営費の使用についても
規制をいたしております。措置費の積算内容が、逆に言えば、サービス提供の主体であ
り、あるいはまた委託者である市町村のサービスに対する意向を示すということになり
ますので、独自にこの措置費を使うということが出来ないことになっておりまして、人
件費に使うべきもの、事業費に使うべきもの、こういうものについて規制がございます
し、民間保育所の場合であっても、職員の給与水準についてもその措置費として積算し
たところから、それほど懸け離れたものであってはならないというようなことで指導い
たしたりする訳でございます。
  20ページは、保育内容あるいは保育サービスの向上策といいますか、あるいはその内
容の担保策ということで、実験的に実施を始めたものの御紹介でございます。「保育内
容等の自己評価のためのチェックリスト」ということでありますが、平成6年度、外部
の学識経験者から成ります委員会においてこういうものをつくり、個々の保育所で使っ
ております。これは、保育所の所長でありますとか、あるいは保育所を経営する法人の
理事長なりが自ら提供している保育について、自己点検をする際の着眼点をこういう形
で整理をし、これを用いて自己評価をするというようなことの参考的なものとしてつく
ったものでございます。現時点では、これは保育関係団体を通じてそれぞれの保育所に
配られて、それぞれの保育所なりのやり方で使われておるというものでございます。
  この構成は、幾つかのこういう項目ごとに質問をつくりまして、その質問に対してそ
の保育所がやっておることが当てはまるのか、当てはまらないのか、それぞれチェック
をしていくというようなことになっております。こういうふうな項目でなければならな
いということではないと思いますけれども、いずれにせよ日々の保育の極めてソフト的
な面での内容向上のために、このようなやり方が必要ではないかということで試みに始
めたものでございます。
NO3に続く
    問い合わせ先 厚生省児童家庭局企画課
     担 当 朝浦(内3113)
          電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
                  (直)3595-2491


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