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第4回中央児童福祉審議会基本問題部会NO1
○部会長 それでは、始めさせていただきたいと思います。
本日は、大変お忙しい中をお運びいただきましてありがとうございました。中央児童
福祉審議会基本問題部会をただいまから開催させていただきたいと思います。
本日は、前回の議論の続きといたしまして、児童の保育施策について御議論いただく
ことになっておりますが、審議に先立ちまして、要保護児童施策、母子家庭施策に関連
する議論の当部会における進め方につきまして、事務局の方から御説明をいただきたい
と思います。
○企画課長 それでは、説明させていただきます。
第1回のこの基本問題部会においても御説明したところでございますが、要保護児童
施策、母子家庭施策の在り方については、事項が専門的なこともございますし、また、
審議会の開催回数の問題もあるため、部会委員の方々の中からこれらの問題にお詳しい
委員の方として、要保護児童施策につきましてはA委員、B委員、母子家庭施策につき
ましてはC委員、D委員と、これらの問題の専門家の方々からなる分科会的なものにお
いて御議論いただき、議論をまとめていただいた上で、基本問題部会に御報告いただき
、それについて部会で全体審議をいただく方式とさせていただきたく存じます。
○部会長 ありがとうございました。
ただいまの事務局の提案につきまして、御意見ございますでしょうか。
特段の御意見がないようでございますので、ただいまのような形で進めてまいりたい
と思います。
各項目の議論の取りまとめをいただく方について4人の委員のお名前が出た訳であり
ますが、その4人の委員と私とで御相談させていただいて、専門家の方々をお招きする
という形でよろしゅうございましょうか。(「異議なし」と声あり)
○部会長 ありがとうございました。
では、御一任いただけましたので、そのように運びたいと思います。
続きまして、前回の議論の続きといたしまして、審議に入りたいと思います。
分科会的なもので議論をいただく訳でありますが、それに先立ちまして、要保護児童
施策、母子家庭の置かれている状況についての認識などについて、委員の方々に特に御
意見があるようでございましたならば、この機会にお伺いしたいと思っております。ど
うぞ、御自由に御発言願いたいと思います。
保育については、その御意見を伺った後に始めたいと思いますので、若干の時間を取
って皆さんの御自由な御発言をちょうだいしたいと思っております。どなたからでも結
構でございます。要保護児童施策、母子家庭、ひとり親家庭と言った方がいいのかもし
れませんが、この2つのテーマについて御発言をいただければありがたいと思います。
○E委員 要保護児童施策につきまして、かつていろいろ論議したことがありますので
、御参考になればと思いますが、1つは、戦後のいわゆる浮浪児とか引揚げ孤児、そう
した戦後の処理の施策として児童福祉法が出来てから養護施設の事業が活発になった訳
ですけれども、それに関しまして、いわゆるホスピタリズム論という論議がなされまし
て、施設という人工的な生活の場所で親でない者が育てるということにつきましては、
いろいろな弊害がある。
例えば、知的発達の遅れとか、性格のゆがみというのものが指摘された訳ですけれど
も、そうした論議の中で、やはり一つの証拠としては、知能テストとか性格テストとい
う心理学的な諸テストが使われた訳です。
それを拝見していますと、どうもいろいろこういう研究に伴う先入観の問題というの
がありまして、施設の存在そのものをある意味で否定的に見ようという動きもあったか
に思われるんですけれども、その後、政策の進行の中でやはり問題になってきたのは、
かなりそういう要保護児童が施設入所前にいろいろな困難な生活経験というもの、ある
いは人間関係の深刻な体験をすることによって、精神的な外傷体験とまで言えるような
いろいろな負荷を持って再生活を営むということがあります。これは、よほど施設関係
者が勉強してそうした生活困難あるいは人格的な形成、発達困難な事態に対処しなけれ
ばならない。
その以前は、こうした親でもない人が子どもを育てるとか、あるいは家庭から隔離す
るというようなことについて一般に研究者たちは否定的な意見を出していた訳ですけれ
ども、私はむしろ積極的に、これはその人の否定出来ない運命のような、そういうこと
を消極的に見るということはむしろ人格的に非常に傷つけることになる。むしろそうで
はなくて、やはりいろいろな境遇が変わってきても人間はもっと前向きに積極的に生き
ていかないといけないんじゃないかというようなことで、積極的な養護理論というもの
を形成すべきだというふうに主張した訳です。
それはかなり現場の人に受け止められて、それで小舎制とか、あるいは家庭養育制度
というようなものが検討されてきたというふうにも考えられる訳です。勿論、それだけ
ではないんですが、そういう前向きの施設関係者がこれから対処していかなければなら
ないのは、文部省などでは学校でのいじめとか不登校の問題についてかなりいろいろ考
えておられるようですけれども、基本的には家庭とか親を失った要保護児童に対する対
策に勿論、重点が置かれる訳ですが、地域サービスまで考えるとするならば、養護施設
等の施設に要求される、これは施設がいいか悪いかという論議は別として、何らかの専
門的な活動隊というものが社会に必要ではないか。
それは、学校においても勿論必要ですけれども、いわゆる地域福祉の中でもそれは必
要ではないか。そういうふうに考える訳でありまして、その辺の専門性といいますか、
既に欧米諸国の中では情緒障害とか、学習障害とか、あるいは軽度の知的障害というも
のに対するいろいろな実践研究が進んでいるんですけれども、それはやはり社会制度と
の関係というものが大事ではないかと思いますので、要保護児童対策を考える場合には
、数とか、形態とか、そういうものもありますが、内面的な質の問題としてこれをどう
いうふうに制度の中に組み込んでいくのか。
これは養護施設の再生、今の養護施設のような状態でいいとは言えませんけれども、
そうした人格再形成とか発達促進援助というものについての観点、対応というものを是
非考えていかれたらいいんじゃないかと思う訳で、そういう意味の専門性の確立とか、
あるいは資格とか、そういうことに波及してくると思います。この前、発言もある程度
したと思いますけれども、重ねてお願いということで申し上げました。
○部会長 ありがとうございました。
養護施設の対象範囲ないしは機能ということについてのお話であったかと思います。
○B委員 ただいまのE委員の話のとおりでございまして、我々施設関係者としまして
は、これは何も養護施設だけではなくて、今のいろいろな児童福祉施設全体が、一つは
地域社会のいろいろな子育ての問題に対していろいろな支援をしていこうと現に進んで
いる訳でして、そういう意味合いで言えば、やはり専門性、特にコミュニティーワーカ
ー、ケアワーカーあるいはソーシャルワーカーの専門性というのが要求されるというこ
とは肝に命じて承知している訳でして、なお一層、現場としても専門性の向上に力を注
いでいきたいというふうに思っています。
いじめの問題がたまたま出た訳ですけれども、不登校の問題とかいじめの問題は、現
に施設の方にもそういった子どもたちが入所してきている訳ですが、これは厚生省の家
庭福祉課の方にお聞きしたいと思っているんですけれども、御承知のとおりいじめ問題
あるいは不登校の問題というのは、いわゆる教育の現場の中で起きてくる問題でして、
我々の方に児童相談所を通して入所に至るまでのケースは、どちらかというと養護性が
強いと言ったらいいんですか、ひとり親、父子家庭なり母子家庭なりそういったケース
がややもすると多いということで、そういうところでいわゆる学校教育の場でのいろい
ろな対応あるいは児童福祉の対応との狭間にある子どもたちが一体どうなっているのか
。ここでいじめ対策についても積極的に福祉的な対応をしていこうというふうなところ
では、そこら辺の問題をどうお考えになってきているのか。あるいは、児童相談所に対
してどういうふうな指導がなされているのか。そういうところでちょっとよく見えてこ
ないところがあるので、お聞かせいただければありがたいというふうに思っております
。
○家庭福祉課長 私どもは、いじめ問題は文部省だけの問題ではない、学校だけの問題
ではないという認識でございまして、今年の1月にも児相の所長さんを集めて、いじめ
問題をお互いに考え合おうということで、指導と情報交換とをさせていただいたところ
でございます。
基本的に、私どもが出来るということは3つぐらいあると思うんですけれども、福祉
ですと、1つ目は家庭の側にアクションをする、働き掛けるということでございます。
それから、2つ目は教育と学校とをつなげる。これは学校側からつなげていただけれ
ばいいんですけれども、なかなか学校が閉鎖社会でつながらないということで、私ども
の方からつなげていきたいということで、児童相談所の所長さん方にいろいろお願いし
ているところでございます。
3つ目は施設を使うということでございまして、先生も今、御発言なさいましたよう
に、養護施設には養護性が高いとはいえ、そういういじめられた子ども、結果としてい
じめだけではなくて虐待、不登校も含めてでございますけれども、教育現場から落ちこ
ぼれた子どもたちも入ってるということでございます。
そんなことで、私どももやることはたくさんある、教育だけではないというつもりで
進めさせていただいております。
○部会長 再度御質問があったり、御意見があれば御遠慮なく。
○B委員 今、施設側も地域に対する子育てのいろいろな相談に出ている中で、学校側
も対応出来なくなってきていて、でも、児童福祉の方のいろいろな援助に対して積極的
にそっちにすがっていこうというか、求めていこうというふうな、そういうのも必ずし
も積極的でもないような感じがして、もう少し児童福祉の分野で積極的に手を出してい
くというようなことで、これは今の児童相談所あるいは今の仕組みの中で児童相談所が
積極的に外へ出て、いろいろとそういうケースにかかわっていこうというふうなことが
、いろいろな意味合いでちょっと弱いのかなというふうに思っています。
そういう意味合いでは、どうも来るのを待つというふうなことで、そんなことから施
設での対応が少ないということもある訳でして、その施設の入所の基準をつくれとは言
いませんけれども、もう少し児童相談所側が積極的に動けるような、そういう体制なり
仕組みなりをつくっていってほしいというふうに思っております。
そういう意味では、先ほどE委員の方からも指摘があったように、これからの施設と
いうのは入所している、あるいは利用している子どもたち、あるいは家庭だけを対象に
ということではなくて、地域社会に積極的にもっといろいろな援助の手を差し伸べてい
くべきだというふうなことで私も賛成しておりまして、何か最後の最後に来て施設児童
福祉のサービスを利用するというような、そういう仕組みはどうしても変えなければい
けないかなというふうにも思っています。
○部会長 ほかの先生方で、何か御意見ございますでしょうか。
○D委員 既に議論として出ていることかも分かりませんが、いろいろ資料は送ってい
ただいて読ませていただいたんですけれども、感想としては、これはスタートに戻るん
ですが、基本問題を検討するということからすると、本当の基本がこの検討項目にない
のではないかという感じがする訳であります。
私はそういう意味で素人かも分かりませんが、例えば素人として見てみまして、なぜ
乳児院と養護施設が別々になっているんだろうかとか、あるいは保育所と児童館が別々
になっているのはどういうことなんだろうか。つまり、利用者の立場から見て、正に最
近では老人で言われていますように、サービスの総合化だとか、複合的なサービスを提
供する、そういう大きな視点が必要なのではないか。つまり、児童福祉全体を横断的に
見直すという視点が必要なのではないかという気がします。
それは利用者の立場からと言いましたけれども、もう一つ、運営の効率化という点か
らも言えることではないかなという気がいたします。それが1点です。
それからもう一つ、財源論というのもやはりセットにして考えるべきではないだろう
かという感じがいたします。
例えば、現在の補助金というのを基本に置いたとしても、それぞれの施策に補助金が
付いていく訳ですが、その辺も出来るだけ一括して補助金を流して、ある程度市町村が
自由に弾力的にそれを運用するというふうな工夫があってもいいのではないかとか、あ
るいは老人について見ますと、医療保険という従来のやり方と、それから公費の福祉サ
ービス、この辺をうまく融合しようという方向で今、動いているのが介護保険だという
ふうに思いますが、児童の世界にもそういったアイデアが可能かも分からないという感
じがする訳で、本当の基本というのはそういったところにあるのではないかと思うんで
すが、この検討会ではそこまで踏み込まないというのであれば、それはそれで結構です
けれども、その辺は局長にお聞きしておきたいと思います。
○児童家庭局長 結論から申し上げますと、正に今、委員御指摘のようなことを我々も
念頭に置いております。ちょっとこの問題の整理の仕方があるいは適当でなかったのか
もしれませんけれども、むしろ私どもの意識としては、現在ある個別個別の施設をどう
今後とも生き延びるような仕組みにするのかというような問題意識は余りありませんで
、新しい時代に即した施設全体の体系を含めまして、そこのところは白紙の状態で検討
していただければ、かえってその方がありがたい。資料は、これはなかなかそういう訳
にはいきませんから、現在の各施設なりの状況をお示ししているということでございま
す。
それから、財源論の問題でありますが、介護保険的なところまで含めた、実は幅広い
仕組みというものを我々は実際、今の段階で考えている訳ではありませんけれども、そ
ういったような方向は必要であるということであれば、大いに御提言いただきたいと思
いますし、そういった意味ではここまでとか、そういった枠組みは全く考えておりませ
ん。
ただ、逆に余り細かいところまでこの基本問題で検討していただくということは余り
必要ではないのではないか。むしろ、大きな枠組みを検討していただいたらいいのでは
ないか。こんな気持ちでありますから、そういった意味では今いろいろ御指摘のありま
したそれぞれの財源論も含めまして、問題点につきましては私どもも全く同じような考
え方を持っておりますので、是非そういうふうな発想で御検討いただければと考えてお
ります。
○部会長 それでは、F委員どうぞ。
○F委員 35年前の死別母子家庭体験者として一言、35年たっても余り変わっていない
のでびっくりしているところでございます。
というのは、まず私は母子世帯対策なんてせんじ詰めれば就労対策であって、さっき
D委員がおっしゃいましたことと、その意味で少し重なった上でまた広がり過ぎるんじ
ゃないかと思いながら申し上げるのは、これはもしかしたら厚生省の枠を超えて、労働
省の問題なのかもしれません。だけど、やはり諸外国の比較は余り存じませんけれども
、特に日本の一般世帯と離別世帯との収入格差というのは言語道断にひど過ぎる訳でご
ざいまして、父子家庭の方は日常生活にお困りでいらっしゃって、正に今、言われてい
る性別役割分業、ジェンダー的な部分が母子世帯、父子世帯で非常にはっきり表れてお
りますので、私はやはりその他に諸々いろいろなことがございますけれども、何よりも
母子世帯は就労対策、所得確保の問題に取り組んでほしいなと思っております。
それが1つと、それに関して母子世帯の認識の仕方でございますけれども、これは35
年ぐらい前からその兆しは出ておりましたが、今や圧倒的に多数が離別というか、生別
母子世帯でございます。離別母子世帯の方が標準的な収入が低いということは厚生省御
自身の調査ではっきり分かっているはずなんですが、今回いただいた調査に生別、離別
、そして何で離別の方が生別よりもまた低くなるかというような収入の内容あるいは就
労形態でございますね。これはまとめて書いてございますけれども、その就労形態がも
しかしたら離別の方が再就職が多くて、パートが多いのかなと思ったりしておりますが
、その辺の実態がよく分かりませんので、是非教えていただけたらと思っております。
○家庭福祉課長 先生おっしゃいますように、いつも生別の方が死別よりも平均収入が
低い訳でございます。実際に十分な分析が出来ていないというのは事実でございまして
、細かい資料はまた先生に個別にお目に掛けて、その辺は御説明させていただきたいと
思っています。
○部会長 今までの御意見と関連した御意見でも、そうでなくてもいいのでありますが
、私も先ほどB委員のお話を伺っていて、そしてまたE委員のお話を承っていて思った
んですが、養護施設の専門性という言葉が何回かあった訳ですが、今日御出席のすべて
の委員さんが養護施設そのものについて十分御承知いただいている方ばかりではないと
思いますので、今お話が出ておりました専門性、その内容について少しお話いただけま
せんでしょうか。
○B委員 これはE委員から話をしていただいた方がより正確なんじゃないかというふ
うに思ってはいますけれども、現場サイドから養護施設の専門性をどういうふうにとら
えているかというふうなことにつきましては、昨年、全社協で児童福祉施設の再編への
提言という報告書を出させていただいて、その委員会に私もメンバーの1人として参画
をしていて、養護施設あるいは乳児院等の専門性、いわゆる親と離れて、あるいは家庭
から離れてきた子どもたちをどういうふうに育てていくかというようなところで、例え
ば障害を持った施設あるいは若干教護院とか、あるいは情緒障害児の施設とかと違って
、障害児とか情短の施設はそれぞれ教育的な、あるいは治療的なそういうところに専門
性を求めている訳ですけれども、養護施設の場合には親から離れた子どもたちの、いわ
ゆる発達保障といいますか、自立支援というものをどういうふうに育てていくか。
それも、家庭で行われていることとやっていることはかなり似てはいますけれども、
家庭の場合には親と子という血縁の関係の中で、家庭といういわゆる小集団の中で、し
かも余り意図的な働き掛けということより無意図的なところが多い訳です。それに対し
て施設の養護というのは、どちからと言うと職員と子どもという形では非血縁的な関係
の中で、子どもの集団の中で子育てを行うというところは家庭とは違うところです。し
かも、いろいろな職種の職員がいる訳でして、そういった職員の集団の中で無意図的な
かかわりじゃなくて、かなりプログラム化した、メニュー化した意図的なかかわりでも
って子どもたちを育てていくということでは、生活総合性というところに専門性を求め
ている。つまり、生活全体の中で、子どもたちのそういった集団の中で意図的に職員と
子どもとの人格的な対応の中で子育てをしていく。つまり、自立支援あるいは発達保障
というものをしていくというところに専門性を一つは見いだしている訳です。
そのほかに最近では、かつては親のいない子どもたちであったのが、最近では両親が
そろっている子どもたち、あるいは一人親家庭の子どもたちというところでは、親への
いろいろな援助というようなところへの、特に施設に登場する親の場合には問題家族と
いうふうに言われている親たちもかなりいる訳です。そういった家庭への支援にはやは
り専門性が求められるだろうというところでの専門性とか、あるいは家庭が壊れて施設
に入所してきた。そういう意味では、かなり心に傷を持ってきている子どもたちもある
訳でして、あるいはそれが行動的に非行とか、不登校とかといった情緒障害的な問題を
抱えた子どもたちも少なからず入ってきている訳です。そういう子どもたちに対して、
生活を通して治療や教育をしていくというようなところでの専門性とか、あるいは社会
に自立をしていく、特に親に依存出来ない子どもたちが社会に巣立っていく自立支援と
いうところのでいろいろな働き掛けの専門性という形で、多様なところで専門性が求め
られていています。
特に最近では親への働き掛けと、それと同時に地域社会へのいろいろな子育ての支援
の専門的なかかわり方みたいなものも求められてきているということで、幾つかのとこ
ろでの専門性を見いだしてはいますけれども、基本的なところでは、やはり親から離れ
て傷ついた子どもたちが集団の中でどう発達し、その保障をしていくかというところで
のかかわり方についてのところで専門性を基本にと思っております。
○部会長 ありがとうございました。
それでは、要保護児童施策の問題と母子家庭の問題について、先ほど御承諾をいただ
きましたように、分科会的なもので議論を進めていくということになっておりますが、
そのための追加的な御発言であったということで、これで打ち切らせていただきまして
、児童の保育施策の方へ移らせていただきたいと思います。
それでは、資料の御説明をお願いいたしたいと思います。
○事務局 資料の御説明をいたします。本日お配りしました資料の1をごらんいただき
たいと思います。
「当面の審議項目」というふうに書いてございます。この中で網を掛けた部分がござ
いますが、これは実は本部会の第1回目の御議論のときに資料としてお出ししたもので
ございます。そのときに、当面の審議項目ということで全体をお示しした訳でございま
すが、本日以降、この5番目の「児童保育施策について」の御議論をいただくことにな
ります。本日以降の議論としましては、この順番に沿いまして審議いただくのがよろし
いのではないかというふうに思っておりますが、この際若干、今回は組み直しをいたし
た部分がございます。
まず最初に、(1)のアの「多様な保育ニーズをどのようなシステムで受けとめるべ
きか」というのが本日を含めての議論でございますけれども、この中に大きく認可保育
所の在り方について考えるべき部分と、それから認可外保育所でありますとか、ベビー
シッターでありますとか、そういうもののサービスをどう考え、位置づけていけばいい
のかということで、2つに分かれるのではないかということでこういう形で整理をいた
しております。
それと同時に、一番最後の(3)に「公費負担の在り方についてどのように考えるべ
きか」というのを今回付け加えさせていただいております。これは(1)の「多様なニ
ーズに対応できる子育てシステムはいかにあるべきか」というところと、それから
(2)の保育内容、保育水準というところにそれぞれかかわる話でございますけれども
、その中で、保育料の在り方ということについて、例えば応能負担であるべきか、応益
負担であるべきかというような事柄、これは(1)の1の「認可保育所の在り方」、多
様な保育サービスの受け止め方という中で御議論いただくのがよかろうかと思いますけ
れども、保育料の絶対的な水準といいますか、言い換えれば保育全体のコストのうち、
どこまでを保育料ということで負担をし、どこからを公費の負担とするのかというよう
なことにつきましては、(1)(2)それぞれにかかわる部分としてひとつ取り出して
御議論いただく場を設定した方がよろしいのではないかということで(3)をここに設
けております。この公費負担の在り方という中では、公費の負担の仕方として国が持つ
べきか、地方公共団体が持つべきか、あるいは企業か持つべきかということについても
、その役割と併せて御議論いただくというようなことにしたらいかがかと思います。
それで、この(1)から(3)までを、こちらの考えでございますけれども、5回ぐ
らい掛けて御議論をいただくというようなことにしたらどうかというふうにも思います
が、本日と、それから場合によっては次回においては、この(1)の1の部分の「認可
保育所の在り方」について御議論いただくというようなことにしたらいかがかと思いま
す。
それで、1の部分には4つばかり今回新たに細かく審議項目を書かせていただきまし
た。これは、議論が活発にあるいは効率的にされやすいために、我々事務局の方で考え
ます論点といいますか、あるいは我が方が期待をいたします論点として整理させていた
だいたものでございます。勿論、この場での議論はこれに限られるという訳ではないと
思いますけれども、まずはこのようなことについて御議論いただいてはどうかというこ
とで整理させていただいております。
NO2に続く
問い合わせ先 厚生省児童家庭局企画課
担 当 朝浦(内3113)
電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
(直)3595-2491
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