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○部会長代理  それでは、ただいまから中央児童福祉審議会基本問題部会を開催をさせ
ていただきます。
  本日、部会長が所用により御欠席でございますので、私が代わりに議事進行させてい
ただきますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
  それでは、審議に入りたいと思います。今日は第2回の部会でございますけれども、
最初の第1回におきまして、この基本部会での審議事項といいますか、検討事項につい
て厚生省から御説明がございました。そのときに、児童福祉法が出来ましてから今日ま
での社会経済の変化あるいは児童福祉をめぐるさまざまな状況あるいは施策の推移等に
ついての御説明があった訳でございますが、いわばそれを補足する意味で、今日また新
しい資料が用意をされておりますので、その資料説明から事務局にお願いしたいと思い
ます。よろしくお願いいたします。
○事務局  それでは、資料について御説明をいたしたいと思います。
  本日、事務局の方から資料として、資料1、資料2、資料3をお手元に配付いたして
おります。また、前回、御議論いただきました当面の審議項目について参考までに配付
させていただいております。
  本日の検討項目に関連する資料1につきまして簡単に御説明したいと思います。
  資料1は、子育てをめぐる現状などについての諸データを整理いたしたものでござい
ます。
  早速、1ページをお開きいただきたいと思います。子ども数の減少と合わせまして、
兄弟、姉妹の数も減少し続けているというデータでございます。兄弟、姉妹数の推移を
見ますと1994年、平成5年時点で55歳から59歳の年齢層、1935年から1939年生まれの方
の平均兄弟、姉妹数が、4.59人ということでピークになっておりまして、最も若い18歳
から19歳の年齢層では2.39人までに減少いたしております。
  それから、1965年以降に生まれた、29歳より若い世代につきましては、2人兄弟、2
人姉妹が半数以上というデータになっております。
  それから、2ページ目でございます。末子の年齢と妻の就業状況の数字を見てみたも
のでございますが、末子の年齢が高くなればなるほど妻の就業率が高くなっておる。ま
た、夫婦と子供から成るいわゆる核家族世帯と3世代世帯を比べますと、夫婦、子供と
親から成る世代の方が妻の就業率が高いというデータになっております。
  それから、3ページ目でございます。少子化が子供に与える影響についてのデータで
ございます。これについては、実証的なデータというものが現在のところ事務局の方で
ございませんので、ここでは一昨年こども未来財団が行ったデータに基づいて御説明し
たいと思います。
 このデータは、専門家の方1,000 名に対する郵送配布回収という形で調査をさせてい
ただきました。480 人の方から御回答がありまして、そのうち少子高齢社会の子供への
影響ということで、親の過干渉や集団で過ごす機会の減少などによって子供の主体性の
発揮が阻害されたり、子供の社会性が育ちにくくなるということで、その懸念を回答さ
れた方が85%に及んでいるということでございます。
  それから、4ページ目でございますけれども、NHKの国民生活時間調査において子
供の生活時間を見たものでございます。
  4ページ目は、1995年のデータでございます。
  5ページ目がその前、1970、1980年、1990年のデータを並べたものであります。
  1995年と1990年までのデータは連続性がございませんので、5ページ目の1970年、19
80年、1990年のデータの方で御説明したいと思います。
  これを見てみますと、特に小学生、中学生の生活時間でありますけれども、睡眠時間
、それから家事の時間が減少して、その分、学業の時間に振り向けられているというこ
とが言えるのではないかと思っております。
  それから、6ページ目でございます。総理府におきまして、子育てに関する親の意識
に関する世論調査をいたしておりまして、その中で、親の目から見て子供たちの生活に
ゆとりがあるかどうかという問い掛けをしている訳ですけれども、その中でゆとりがな
いと答えた方が59.3%ございます。
  そのゆとりがない原因として、複数回答でありますけれども、挙がってきております
理由として一番多いのは、学校の授業あるいは塾、家庭での勉強で忙しいということが
多く挙げられております。
  一方で、家事や家業の手伝いで忙しいというのはわずか1.1 %ということでございま
す。
 7ページ目は、最近の子供にはどんな体験が不足していると思うかという総理府の平
成5年の調査でございます。ここに載っておりますようなことが、体験が不足している
のではないかというふうに思われている訳でございます。
  それから、8ページ目でございますが、これは株式会社タカラというところの「3世
代少女文化調査」というものに載っておりまして、大正生まれの祖母、昭和30年代生ま
れの母親、昭和58年から63年生まれの子供がどこで遊んでいるかという調査をしたもの
でございます。これを見ますと、最近、自分や友達の家の中で遊ぶことが増えていると
いうことが分かると思います。
  それから、屋外の遊び場としては、昔は道路、路地あるいは原っぱ、神社といったと
ころから、最近は整備された公園で遊ぶというふうになってきているようでございます
。
  次の、9ページでございます。子供は一体どういったところに悩みを持っているのか
ということでございます。厚生省で行いました「児童環境調査」からでございますけれ
ども、これを見ますとやはり自分の勉強の進路についての悩み、それから自分の性格や
癖についての悩みが一番多いということが挙げられています。
  それから、学年が高くなるにつれまして親にだんだん相談しなくなるといった傾向で
すかとか、あるいは逆に学年が高くなるにつれて友達に相談するようになるといったこ
とが下の表で分かると思います。
  それから、10ページ目の資料でございます。家族それぞれが家の中で過ごす時間がど
のぐらいあるのかという表でございます。これもNHKの調査によりますけれども、こ
れを見ますと、家庭にいる時間がすべての分類におきましてここ20年間減っているとい
うことがお分かりいただけると思います。
  それから、下のグラフでございますけれども、中学生が午後6時から8時ごろまでに
掛けて家にいる率というのは、この20年間で減っております。また、男性の勤め人も夜
遅く帰る傾向にあるということがお分かりいただけるだろうと思います。
  それから、一番下のグラフでございますけれども、家庭婦人も、女性の勤め人も、昼
間家にいる率が若干減りつつあるというデータが出ております。
  11ページ目でございますけれども、子供と一緒に過ごす時間を国際比較したものでご
ざいます。父親と母親に分けまして調べてございますが、父親につきましては、父親が
子供と一緒に過ごす時間は我が国が最も短いという結果になっております。
  母親の方は、既婚女性の就業率の高さが恐らく反映しているんだろうと思いますけれ
ども、スウェーデンが最も短くなっておりまして、我が国がほぼ平均的な水準なのでは
ないかと思います。
  親子が一緒に過ごす時間を子供の年齢別に見ますと、我が国の場合、子供がどの年齢
層にあっても、父親が子供と一緒に過ごす時間は3時間ぐらいで、それほど大きな変化
はない。それに対して、アメリカを除いた国では育児負担の重いゼロから3歳に、父親
が子供と一緒にいる時間が長くなっているということが言えるのではないかと思います
。
  それから、次の12ページ目でございます。下の表で御説明したいと思いますけれども
、親子でよく一緒にすることを見ますと、上から順に、買物に行く、あるいは外食、テ
レビを見る、旅行など、親子のコミュニケーションの手段として消費の活動が多く利用
されていることが分かるのではないかと思います。
  年齢別に見ますと、特に一緒にすることはないという答えが未就学児の6.4 %から中
学生では17.3%に増加をするといった結果になっております。
  13ページでございますが、総理府の先ほどの調査で、子供との会話についてどのよう
な認識を持っているかという表でございます。これをごらんいただきますと、男性より
も女性の方がよく話をするという結果が出ておりまして、下の年齢別の結果を見ますと
、子供の年齢が高くになるにつれてだんだん話をしなくなるといった結果が出ておりま
す。
  14ページでございます。家庭婦人が子育てに掛ける生活時間について調べたものでご
ざいますけれども、左の方が幼児ありということで、小学校就学前の子供がいる家庭婦
人の場合でございます。右の方が小学校未就学の子供がいない家庭でございます。小学
校就学前の幼児を持つ女性が子供の世話にどのぐらいの時間を費しているかということ
を見ますと、平均1日当たり6時間となっておりまして、睡眠を除いた生活時間の半分
近くを子育てに充てられているということでございます。これを、小学校就学前の子供
のいない女性と比較しますと、子供の世話に要する時間が約3時間半多くなっていると
いう結果になっております。
  15ページ目に移りたいと思います。子育てをどういうふうに感じているのかというこ
とでございます。「喜び」「楽しみ」と「義務責任」がそれぞれ相半ばしている訳でご
ざいます。
  「義務責任」を挙げた者の割合は、40代から50代の男性に多い訳でございます。
  「楽しみ」「喜び」につきましては、20代、30代の女性に多い訳であります。
  「苦労」は30代、40代の女性が多く、「つらい」「苦痛」と感じている比率は30代の
女性に高くなっております。
  それから、「楽しみ」「喜び」「好き」を挙げた者の割合は専業主婦家庭の母親が多
くて、「苦労」を挙げた者の割合は共稼ぎ家庭の母親が多くなっております。
  次の16ページでございますけれども、国際比較をしたものでございます。子供を育て
るのは楽しいかどうかということを国際比較しますと、楽しいといつも感じる、あるい
はときどき感じると答えた者の割合は、各国とも100 %近くに達している訳ですけれど
も、2番目のグラフで表われていますが、我が国では子供が大きくなるに従って「いつ
も感じる」という割合がだんだん小さくなっている点が特徴的ではないかと思います。
  それから、17ページでございます。最近の子育ての機能の低下についてのアンケート
調査でございますけれども、4人に3人は家庭におけるしつけなど教育力が低下してい
ると考えていることがうかがわれます。その家庭の教育力の低下の内容としましては、
生活習慣ですとか、根気強さなどが多く挙がっております。
  それから、なぜ低下しているのかという理由でございますけれども、過保護、甘やか
し、過干渉というところが一番多くなっております。
  18ページでございますが、子育ての不安や悩みの種類、それから解決策についてのデ
ータでございます。
  子育てについての不安や悩みは、約半数の親が有しておりまして、その内容は、やは
り未就学と小学校就学で大きく変わることがうかがえます。未就学児童では、子供の性
格、あるいは健康、帰宅後のしつけといった生活しつけ面での悩みが多い訳ですけれど
も、小学校、中学以降は勉強あるいは進学に関することが第1位でありまして、年齢が
上がるにつれてこの比率が上昇いたしまして、中学校では4割以上を占めるということ
が分かります。
  それから下の表でございますけれども、不安や悩みの解決策としては、家族で相談す
るは68%、子供と話し合うは57%、信頼出来る人と話し合うが50%、保育園、幼稚園、
学校の先生が24%でございます。それから、専門家や公的機関に相談するケースは6.4
%と比較的少ないパーセントになっております。
  19ページは、地域における子育て機能の状況でございます。
  子育てについて夫婦以外に話し合ったり、助け合ったりする人の構成割合ということ
でございます。父親と母親に分けて取ってありますけれども、父親は家族、親戚のほか
、職場の人に相談するケースが多いです。
  ただ、全く相談相手がいないという方も3割弱いらっしゃいます。
  それから、母親は家族、親戚のほかに近所の人、それから学校、幼稚園、保育所、P
TAの人が相談相手となっております。
  次の下の表でございますけれども、地域の環境についての心配事といったことでは、
未就学、それから小学校1年から小学校3年生の低学年の児童につきましては、遊ぶ場
が近所に少ないですとか、近所に危険な場所があるという回答が多く見受けられます。
  20ページにまいりますけれども、子育てにかかわった人についての国際比較をしてみ
たものでございます。
  各国の家族の形態あるいは子育て支援に関する制度に深く関係すると考えております
けれども、例えば日本、イギリス、スウェーデンと比較してみますと、我が国において
は同居の親がよくかかわっておる。それに比較しますと、イギリス、スウェーデンでは
別居人がよくかかわっているということが言えると思います。また、ベビーシッターの
利用状況にも大きな違いがございます。
  それから、我が国に比べますと、イギリスでは幼稚園の利用が多くて、スウェーデン
では保育所の利用が多いということが言えます。それから、学童クラブの利用状況につ
いても、スウェーデンは3割近くになっておりまして、他の国よりはかなり飛び抜けて
いるのではないかと考えております。
  それから、21ページは育児休業の取得状況について調べたものがございます。平成5
年の調査が直近版でございますけれども、実は平成7年4月から育児休業制度がかなり
変わりまして、育児休業給付が支給されることになりまして、また適用事業所もすべて
の事業所に拡大されるといった制度改正がございましたので、これがこのまま実態を示
している訳ではございませんけれども、平成5年の調査によりますと50.8%の事業所で
育児休業制度が行われておりまして、取得者を見ますと、女性の場合は48.1%、男性の
場合は0.02%という数字になっております。
  次のページからでございますけれども、児童の育成責任についての考え方ということ
で、児童福祉法、幾つかの条約、それから中央児童福祉審議会、本審議会において行わ
れました議論、それから厚生大臣あるいは児童家庭局長の私的懇談会で行われました議
論を簡単にまとめたものでございます。ずっとそれが続いておりますけれども、簡単に
御説明したいと思います。
  まず22ページでございますけれども、児童福祉法の第2条におきましては、「国及び
地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負
う。」という規定を有しております。
  それから、23ページでございます。平成6年の2月に批准しました児童権利条約にお
きましては第18条で「父母又は場合により法定保護者は、児童の教養及び発達について
の第一義的な責任を有する。」ということで、まず、保護者に第一義的な責任があると
いう記述がされております。
  それから、ILOの156 号条約におきましては「(a)家族的責任を有する労働者が
職業を自由に選択する権利を行使することができるようにすること。
  (b)雇用条件及び社会保障において家族的責任を有する労働者の必要を考慮するこ
と。」というのが4条で規定されておりまして、第5条では、(b)で「公的なもので
あるか私的なものであるかを問わず、保育及び家族に関するサービス及び施設等にも社
会サービスを発展させ又は促進すること。」という規定がされております。
  24ページに移りますけれども、「健やかに子供を生み育てる環境づくりに関する関係
省庁連絡会議」、平成3年に出した報告の中で「基本的な考え方」としまして、3行目
ぐらいからでございますが、「今後、家庭を築き子どもを生み育てていく人々が、より
喜びや楽しみを感じることができる社会づくりに向け、政府として積極的に努力してい
く」。
  (2)で「結婚や子育ては個人の生き方、価値観に深くかかわる問題であり、政府と
してはその領域に直接踏み込むことなく、あくまでも結婚や子育てへの意欲を持つ若い
人々を支えられるような環境づくりを進めるとの視点に立って施策を推進していく必要
がある。」という記述が載っております。
  それから、一昨年、平成6年12月に定めましたエンゼルプランにおきまして、25ペー
ジに「基本的視点」ということが書かれておりますけれども、「今後とも家庭における
子育てが基本であるが、家庭における子育てを支えるため、国、地方公共団体、地域、
企業、学校、社会教育施設、児童福祉施設、医療機関などあらゆる社会の構成メンバー
が協力してシステムを構築すること。」という記述を示しております。
  26ページ目以降は、中児審の答申の概略でございます。
  昭和38年7月に「保育問題をこう考える」という特別部会の中間報告が出ましたけれ
ども、ここでは両親による愛情に満ちた家庭保育が最も必要なものである。それから、
愛情の深い母親が、子供の第一の保育適確者であり、また保育適確者になるよう努力す
ることが期待されるという記述になっております。
  それから、43年には乳児保育について触れております。まず「2〜3歳以下の乳幼児
期においては、先ず家庭において保育されることが原則でなければならない」と書いて
あります。
  次の黒点のところでございますけれども、「職業を持つ女性にとっては、仕事と家庭
保育の両立は難しく、家庭保育にのみ依存できない場合でも乳児の福祉が阻害されない
よう社会的に援助する必要がある。そのために乳児保育が必要。」ということになって
おります。
  それから、27ページでございますけれども、昭和51年12月の特別部会の答申でござい
ますが、ここでは延長保育について触れております。「母親が就労の機会を生かすこと
ができるよう保育所等の社会的対応措置が十分整備されることが望ましい。この場合に
、母親の就労にはその家庭の生計維持のため必須である場合といわゆる主体的な選択に
基づいて行われる場合とが並存しているという事情を考慮」する必要があるということ
でございます。
  それから2番目の黒点のところでございますけれども、最後のフレーズで、「保育時
間帯の拡大、保育内容の改善等多様な要望にも適切に答えていく必要。」があるという
ことでございます。
  それから、56年12月の中児審の意見具申でございますけれども、2番目の黒点「子を
持たない家庭と子育てをする家庭との間の社会的公平についても考えてみる必要。」が
あるという意見が出されております。
  59年の9月では、「児童の健全育成においては、何よりもまず適正な家庭養育が確保
されるよう、親は努めなければならない。また、行政も家庭の自助努力を喚起しながら
今日弱体化しつつある家庭養育機能の強化を図るよう、各般の援助を行う必要。」があ
るということが言われております。
  それから、少し飛ばしまして昭和63年11月、一番下の中児審の意見具申ですけれども
、下の黒点のところで「乳児保育に対するニーズは増加しているが、保育所の受け入れ
体制や育児休業制度の普及が十分でなく、ベビーホテル等の劣悪な保育環境に置かれて
いる乳幼児が少なくないので、育児休業制度の普及を図るほか、乳児保育対策の見直し
を行い、経済的社会的事由により保育に欠ける乳児に対して適切な乳児保育が確保でき
る方策を検討すべき。」であるということでございます。
  次のページは、「これからの家庭と子育てに関する懇談会」の報告書でございますけ
れども、最後のところで「子育てにおいて、親は中心的な役割を果たしており、親自ら
が子育てについての責任を持つことは子供の健全育成の基礎。子育てについての親の意
識を高めるとともに、特に父親の育児参加を促進させることが必要。」であるという記
述をしております。
  それから、平成5年の7月の「子供の未来21世紀プラン研究会報告書」でございます
が、これの真ん中ぐらいのところで「従来、児童の養育は専ら家庭の責任であり、国及
び地方公共団体は、家庭の養育機能が欠けた場合にはじめて事後的に責任を負う形で対
応されてきた。
  しかし、子供が将来の社会を担う存在であることや家庭や地域社会における育児機能
の低下などを考えると、子育てについては、保護者(家庭)を中心としつつも、家庭の
みに任せることなく、国や地方公共団体をはじめとする社会全体で責任を持って支援し
ていくこと」という視点が重要であるという記述になっております。
  それから最後に、平成6年に厚生大臣の諮問機関から出された「21世紀福祉ビジョン
の報告書」でございますけれども、「本来子育ては家庭のもつ重要な機能の一つである
。」という記述がございます。ずっとまいりまして「子供を生み育てることは健全な次
世代の形成に向けての社会全体の投資として捉えることもできる。」といった記述でご
ざいます。
 次に、31ページ目でございます。
  以上、申し上げました答申あるいは報告書等々を踏まえましてメモを作成をしており
ます。このメモは、本日御議論いただくことになります議論との関係で整理をしたもの
でございます。それぞれの考え方があろうかと思いますけれども、家庭における子育て
に対する社会的な支援につきまして、支援をする際に考えられる視点を5つほどに区分
して整理させていただいたものでございます。この整理は、飽くまで本日の議論をする
上での素材として提示したものでございます。
  簡単に、御説明をいたします。
  まず、補完的な支援ということでございます。養育が困難な児童のいる家庭への支援
というものが考えられるのではないか。これは、例えば養護施設への入所などでありま
す。それから、低所得者のために働きに出なければならなくて、子供の健全な養育が困
難な家庭への支援という考え方もあるだろう。これは保育所への入所でありまして、保
育所の入所につきましては御承知のとおり、負担能力に応じた保育料の徴収システムを
とっている訳でございます。
  次に、両立保障的な支援ということでまとめてみました。家庭のメンバーの中で、子
供以外のほかのメンバーの価値追求のために子育てや、あるいは子供への配慮が十分行
われないということを是正していく。例えば、子育てと仕事の両立支援といった観点で
の支援がある。これも、保育所の入所もそういった側面を持っておりますし、放課後児
童クラブもそういった側面を持っているのではないかと考えまして、ここに例として挙
げさせていただいております。
  それから、3番目に健全育成的な支援、子供の健康の保持・増進、それから潜在能力
の発達、保障を促進するための家庭への支援ということで、乳幼児健康診査ですとか児
童館、児童遊園を始めをする児童厚生施設における児童の健康の増進事業・情操の高揚
事業が挙げられますし、保育所における保育のこういった側面も合わせ持つというふう
に考えて、ここで例として挙げさせていただいております。
  それから、再配分的支援と書いてありますけれども、子育てが将来の経済社会を支え
る子供を養育するという面に着目いたしまして、子育て家庭と子供のいない無子家庭と
の負担の公平を確保するという観点からの子育て支援策というものが考えられ得るだろ
うといことで整理しております。
  それから、最後に人口政策的な支援ということでございます。将来の経済社会を支え
る子供につきまして、その数を増やしていくということを直接目的としました子育て家
庭の支援策というものでございます。
  以上、5つに整理させていただいて議論の素材としていただければと思っております
。以上でございます。
○部会長代理  ほかの資料につきましては、よろしいですか。
○事務局  2と3につきましては、次回に詳しい御説明をいたしたいと思っております
。
NO2に続く


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