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第5回人口問題と社会サービスに関する特別委員会議事録NO3
(引き続き大蔵省主税局)(2) 最近の税制改正
平成9年4月から消費税率が上がります。これについては見直し規定というの
がありまして、9月30日までに見直しをすることになっていますが、法律で定め
られているのは3%から5%へということです。
それに先行して、おおむね見合った減税を制度減税という形で平成7年から所
得税・住民税について減税を行っています。それに景気対策上から、特別減税が
上乗せされています。
11ページ、(3) 税制改革(平成6年11月)の基本的考え方をまとめています。
高齢化の加速・進展、所得水準の上昇・平準化、経済のストック化、消費の多
様化、サービス化、国際化など経済社会の推移を頭に置きながら税制改革を行っ
ています。
高齢化が進展すると、一つは勤労世代人口が相対的に減少します。もう一つは
社会保障等の財政需要の増加が見込まれますので、それを賄うために国民負担が
上昇します。その時に、今のような税構造でいいのか。その問題点が4つの枠で
書かれています。一番左側の枠は先ほど申しました税の基本的な問題ですので省
略しまして、残り3つですが、働き盛りの人に過重な負担がかかるような所得課
税に偏った税体系を少しずつ是正していく必要がある。子育てということを考え
ても、働き盛りの世代に過度の税負担がいくということは考え直さなくてはいけ
ない。働き盛りの人を中心に課税することになると世代間の税格差という問題が
起きてくるということが書かれています。
そういうことを踏まえて、今回、消費税率を引き上げ、所得税については累進
制を緩和するという税制改革を行ったわけです。その下の欄ですが、世代を通じ
た税負担の平準化、活力を発揮させる税制、安定的な税収構造、こういうことを
配慮した上で税制改革が行われました。
その中身は点線で囲ってあるところに書いてありますが、中堅所得者層を中心
とした累進制の緩和等による負担軽減のため3.5 兆円の所得税等を減税していま
す。一方で消費課税については充実を図っています。
12ページ、(4) 税制改革が各世代に与える影響
所得税を中心にして税を取ったらいいのか、あるいは消費課税を中心にしてい
ったらいいのか、これについてまとめたものがありましたのでお示ししました。
左側は所得税中心で財政収支の過不足を補った場合、右側は消費税を中心にし
て補った場合ですが、各年代別でどの程度負担が変わるのかということを示して
います。
左側は、1963年生まれの若い世代にとっては消費税重視型のほうが負担が少な
くなる。1953年生まれ以上の年の人は負担が少し重くなる。ということで、各世
代別の負担は少し平準化されるという図です。
右のグラフはライフサイクルでみてどうかということですが、いずれの場合も
消費税中心のほうが各世代の税負担が平準化されるという結果が出ています。
13ページからは答申等の要点を抜粋したものを載せていますが、説明は省略さ
せていただきます。以上で私の説明は終わらせていただきます。
大蔵省主計局 引き続きまして人口高齢化と財政について説明させていただきます。大
蔵省主計局の主査の米沢でございます。よろしくお願いいたします。資料6と7
ですが、まず7ををごらんください。人口高齢化と財政ということですが、まず
足元の財政がどのような状況になっているかということをご説明申し上げます。
まず1ページですが、財政事情の国際比較という表が出ています。左側の欄は
フロー・ベース、右側の欄はストック・ベースですが、フロー・ベースで見ます
と、日本は公債依存度が1990年に10.6%だったものが96年には28.0%まで上がっ
ている。歳出総額に占める利払費の割合は15.6%ぐらいで推移してる。
これに対して諸外国を見ますと、公債依存度については、財政赤字の削減が話
題になっているアメリカでさえ10.3%、イギリスで17.9%、ドイツで13.3%、フ
ランスで17.8%ですから、諸外国に比べてかなり悪い状況になっていることがわ
かります。
ストック・ベースで見ますと、長期政府債務残高の対GDP比は、日本は1990
年には45.6%だったものが96年には64.6%になっている。1990年代から財政赤字
が問題になっているアメリカでさえ60.2%であるのに、それを上回っているとい
うのが日本の財政の現状です。ヨーロッパ諸国に比べても極めて悪い状況にあり
ます。フロー・ベースで見てもストック・ベースで見ても日本の財政事情はかな
り深刻な状況であるというのがこの表から見てとれるかと思います。
2ページ、国及び地方の財政収支
フロー・ベース、ストック・ベースをそれぞれグラフにしてみたのが下の図で
す。OECDのエコノミック・アウトルックからとったものです。日本は太めの
実線になっていますが、急速に悪化している状況が見てとれるかと思います。
上の表をごらんいただきますと、日本の財政収支の赤字は1997年にはGDP比
は−7.5 %に達するであろうと予測されています。アメリカが−2.3 %、英国が
−2.8 %、ドイツが−2.3 %、フランスが−3.0 %、イタリアが−5.4 %ですか
ら、見通しの面においても悪い状況が予測されます。
注に書いてありますように、修正積立方式の年金制度を有する日本及び米国は
、実質的に将来の債務である社会保障基金を除いた値で示しています。仮にこれ
を含めると、以下のようになります。すなわち日本は1997年には4.1 %のインバ
ランスがあるだろうと予想されます。
年金制度において運転資金的な意味の積立金以外のものを有しているのは日本
とアメリカだけですので、そこを除いた数値で比較しています。これについては
いろんな議論がありましょうが、基本的に年金の将来の支払いの大きさからみて
、この積立金はそれを賄うのに十分なものではありませんので、その部分につい
ては年金制度において大きな債務を抱えているというふうにも考えられますので
、そこの部分を除いているということです。
3ページ、国及び地方の債務残高
先ほどのはフローでしたが、こちらはストックで見たものです。ストックで見
て対GDP比で、日本は1997年には97.3%の債務残高か予想されています。
下のグラフをごらんいただきますと、1997年に向けて日本は右肩上がりに債務
残高が上昇していることが見てとれるかと思います。
4ページ、平成8年度一般会計予算の内訳
このように諸外国に比べてフロー、ストックともに悪い状況が予算の面でどの
ように反映されているかということを示しています。
左の円グラフは歳出ですが、一般会計予算における国債費が16兆3752億円で、
全体の21.8%を占めています。これが先ほどのストックの悪さが予算に反映され
ているということになろうかと思います。地方交付税交付金が13兆6000億円、社
会保障が14兆2000億円ですから、一般会計の中で最大の支出項目であるという状
況になっています。これがストックの悪さが予算に影響しているということを表
しています。
右側の円グラフは歳入です。公債金収入が21兆円で、一般会計歳入総額の28%
を占めています。これがフロー・ベースでかなり悪い影響が歳入面に表れている
ということです。
5ページ、国民経済に占める財政の役割を国際比較した表です。
右端の一般政府総支出の対GDP比が出ています。日本は1993年で34.6%で、
これはアメリカとほぼ同じくらいの大きさです。高齢化が進んているヨーロッパ
諸国においてはそれより高めの数字になっていまして、スウェーデンでは72.4%
と極めて高い水準になっています。スウェーデンでは、このような状況を打破す
るためにさまざまな改革がなされていると聞いております。
6ページ、国民負担率の推移(対国民所得比)
いま財政の面からフローとストックが両方とも悪いという話をしましたが、今
度は負担という観点からとらえた場合にどのように推移しているかという表を示
しています。
右から2番目の国民負担の欄をごらんいただきますと、平成8年度には国民負
担率は37.2%になっています。過去最高だったのが平成2年の39.2%です。そ
の後、減少してきているのは、税負担が減少してきているからです。
4番目の社会保障負担の欄をごらんいただきますと、これは一貫して上昇を続
けてきています。
先ほど調査課長が申しましたように、国民負担率には足元の財政赤字が含まれ
ていないことにご注意をお願いしたいと思います。国債で歳出を賄うなら、この
数字で見るかぎりは国民負担率は小さめに出てきてしまう。しかしその負担は結
局はだれかが負わなければいけない性質のものですので、そこを考慮しなければ
いけないと考えております。
7ページ、国民負担率の国際比較
国民負担率は8年度で37.2%ですが、アメリカで36.5%、スウェーデンでは70
%です。
その下のグラフは老齢人口比率です。大ざっぱにいって高齢化の度合いが高い
ほうが国民負担率が高いようです。社会保障制度の組み方などによって変わって
きますので一義的にそうだとはいえませんが、そのような傾向がうかがえます。
これは足元のところですが、将来的にどのようになっていくかということについ
ては8ページの将来の老齢人口の推移を見るのが適当かと思います。
8ページ、65歳以上人口の対総人口比
左上の折れ線グラフをごらんいただきますと、太めの実線が日本の65歳人口の
対総人口比です。急激に諸外国を下から突き抜いて、2020年にはかなり高い水準
になってしまうということがうかがえます。今は1995年ですから、1990年と2000
年の間ぐらいのところを推移していますが、高齢化社会の到来はこれからが本番
ということです。
その下の表ですが、実数で見ても65歳以上人口が2000年から2020年までの間に
1,100 万人増加する。その前の1975年から1995年までの動きと比べると、老齢人
口は同じように増加していますが、20歳から64歳までの人口が逆になっていまし
て、2000年から2020年では−1,000 万人になる。これが高齢化社会を実数で見た
姿です。
このように高齢化が進んでいけば国民負担率は上昇していくことが予想されま
す。それにつきましては9ページに臨調答申を載せています。
昭和57年7月の答申では、「徹底的な制度改革の推進により現在のヨーロッパ
諸国の水準(50%前後)よりはかなり低位なとどめることが必要である」として
います。
平成5年の行革審答申では、「国民負担の水準について、第2次行革審が提言
した“高齢化のピーク時(2020年ごろ)において50%以下、21世紀初頭の時点に
おいては40%台半ばをめどにその上昇を抑制する”との目標を今後とも堅持し、
社会保障制度を始め行財政全般にわたり不断の改革努力を積極的に行っていく必
要がある」と述べられています。
これを政府は閣議会議において最大限尊重するという形で政府の目標とすると
いうことになっています。
時間が超過しておりますので項目だけご紹介しますと、10ページは高齢化が貯
蓄率に与える影響について書いています。日本は貯蓄率が高いんですが、それは
ライフサイクル仮説からみてそのように高いのか、あるいはそうでないのかとい
う研究がなされています。
13ページ以降に、今年の衆議院予算委員会の公聴会において野村総合研究所の
富田先生が公述された時の資料を載せています。
14ページの2.わが国財政政策へのインプリケーションのところでは、1)に
おいて産業構造調整との関係が述べられています。2)においても経済の国際化
との関係について述べられています。
3)貯蓄超過の急速な縮小が予想されること、のところでは、他の主要先進国
と同様に、財政赤字の弊害が顕在化する危険が高まるという指摘がなされていま
す。
15ページの3.国債の負担では、先ほど申し上げましたようにフロー、ストッ
クともに悪い状況にあり、現在もストック・ベースで債務を積み上げてるわけで
すが、これが将来に及ぼす影響について述べています。
1)財政硬直化による財政の対応力の低下。先ほどごらんいただきましたよう
に国債費が2割を超えている。
2)世代間の不公平をもたらす。国債は負担にならないんじゃないかというお
話もありますが、それについては(1) で、そうではないということが述べられて
います。
3)経済活力を阻害する。クラウディング・アウトの危険性について指摘がな
されています。
これは日本だけの状況ではありませんで世界に共通した問題点ですが、18ペー
ジに、欧米諸国の財政健全化への取り組み等という表を掲げています。
米国においては難航しておりますが、2020年までに財政収支均衡を目標として
財政改革を行っている。
英国においては1990年代終わりまでに財政収支均衡という見通しを立て、それ
に向けて財政赤字削減に取り組んでいる。
ドイツについては、同じように年金支給開始年齢の引き上げや公務員給与の引
き上げ停止等を発表して、歳出の削減に努めている。
フランスも昨年、大きなストライキが起きましたが、さまざまな歳出削減努力
を行っているという状況です。
日本も財政健全化への努力を続けていかなければならないということを意味し
ているのかなと考えております。以上です。
委員長 どうもありがとうございました。
ただいまの説明について、ご意見、ご質問をお願いします。
袖井 減税ををずいぶんやってらっしゃるんですが、これが効果があるのかどうか。
私は素人でよくわからないんですが、減税をやって国債を増やしてる。なんでこ
ういうことをしてるのかわからない。総額では何兆となるんですけど、1世帯当
たりになると微々たるものなんですね。これを何年もやってらっしゃるんですが
、これの効果をどういうふうに把握してらっしゃるのか知りたいと思います。
2番目は、人口高齢化になると働く人口が減ってくるんですが、高齢者から取
るということは考えていらっしゃるのかどうか。年金課税とか、退職金に対する
課税が有利になってますが、それをなんとかするとか、そういうことはお考えに
なってるのかどうか。
3番目は、国民負担率50%ということがいつも出てるんですが、それに深い意
味があるのかどうか。私はあんまり意味がないんじゃないか、内容の問題ではな
いかと思うんですが、どうしてこの数字にこだわり続けているのか、そのへんの
わけを知りたいと思います。
大蔵省主税局 経済政策を発動する際には、いろんな経済政策が絡みあって政策が打た
れるもんですから、その中で租税の効果がどの程度あるのかというのはなかなか
つかみにくい点があろうかと思います。減税政策は、一方では公共投資の政策も
あいまった形で行われてる、あるいは金融政策もそこに追加されてるというよう
な総合的なポリシーミックスの形になってるもんですから、それぞれがあいまっ
た形で、少なくとも見ているかぎりでは景気の下支え効果的なものはあったのか
なという気持ちでおります。
減税政策における効果だけについてみますと、経済白書の中ではそれについて
ある一定の評価がなされていると聞いております。どのくらいの効果があったの
か目に見える形で評価するのは難しいことですが、少なくとも経済に対してマイ
ナスの効果ではなかったといえようかと思います。国債を発行してまでこういう
ことをやる必要があるのかという点はご指摘の通りでして、今後の財政の状況を
考える時に、これだけ財政収支ギャップが続いてくる場合には、減税の効果を厳
密にチェックした上で考えていかなければいけない問題だと思っています。
高齢者に課税を考えるのかどうかという点につきましては、働いている者だけ
から所得に対して課税をするということになりますと勤労者にだけ重いウエイト
がかかってしまいます。したがって今後は社会の構成員が広く分かち合うという
意味で消費課税を考える必要があります。高齢者は資産をたくさん持っておられ
るというデータも出ております。かといって安易にすぐ課税ということにはなら
ないと思いますが、実態を十分踏まえた上で高齢者に対してなんらかの形で負担
を求めることができるのかどうかという点は今後の課題だと思っております。
大蔵省主計局 国民負担率ついては中身が重要であるというご指摘がありましたが、そ
の通りだと思います。中身が重要だというのは、国民負担率で表されている財源
をどのように使っているのかということに対する吟味が重要であるというご指摘
だろうと思います。それは全くおっしゃる通りで、社会保障のみならず租税から
賄われている歳出について中身を吟味して効率化していくことは重要であろうと
思います。
中身だけが重要なんで、全体としての数字に意味があるのかないのかというこ
とにつきましては、臨調答申にも書いてありますが、ヨーロッパ諸国の水準より
はかなり低位にとどめることということで、一定の目安として50%ということを
ここに掲げたわけです。
全体の負担としてそれぞれ1%を上下して、それが経済に対してどのような影
響を及ぼすかという定量的なモデルはないと思います。経済の活力を維持してい
くために、これが80%、90%でもいいのかというと、必ずしもそうではなかろう
ということで、臨調答申においても50%と設定されているのだろうと理解してい
ます。
委員長 資料7の6ページの表で、国民負担率は平成8年では37.2%ですが、公債の8.
8 %を足すと実際は46%になる。8.8 %の時系列的な数字はどんな具合になって
るのかということが一つです。
もう一つは、高齢者の課税の話がありましたが、資料8の1ページの公平の原
則のところで先ほどご説明いただきましたように、世代間の公平という基準を垂
直的公平と水平的公平に加えて掲げられています。これはいつごろから大蔵省と
して第3のメルクマールとして掲げたんでしょうか。
もう一つは、これを計る基準は何か。垂直的、水平的というのは所得税中心か
消費税中心かということで判断がつきますが、世代間の公平ということのメルク
マールとして何を考えておられるのか。ただいまの質問に重ねてお聞きしたいと
思います。
大蔵省主税局 現在示されている国民負担率に国の借金と地方の借金を合わせると34兆
なので、8.8 %相当になりますよという話を申し上げましたが、これは時系列で
ずっととってるわけではありません。いま時点でみてこの数字だなということで
、表にも何もお示ししているわけではありませんで、単に説明上使わせていただ
いただけです。
委員長 実際の負担になるわけですから、今後は表にも出したほうがいいと思うんです
が、そういうお考えはないんですか。
大蔵省主税局 そういう表はつくっておりません。実際には完全な形で100 パーセント
税なりなんなりで賄うということは、かつてでもなかったわけですので、8.8 と
いう数字が本来的に意味があるものかどうかというのは別途吟味しなければいけ
ない性格のものだと思います。それを足し合わせたらそんな数字になりますよと
いうことを申し上げただけで、それ自身を比較することに意味をもたせて説明し
たわけではありません。
世代間の公平という考え方ですが、この言葉が税政調査会の答申等で使われた
のは平成7年12月の答申が初めてだと思います。世代間の公平という考え方は絶
えず頭にはあったんですが、こういう表現が答申に盛り込まれたのは今回が初め
てだと思います。
これを計る尺度は何かということですが、世代間の公平についてどういう尺度
から見ていったらいいかというのはいろいろ議論があるところです。一つの考え
方としては、コトリコフの世代会計というパターンで受益と負担を比較したとこ
ろでやるのがいいのか、そうではなくて、また別の尺度で現時点における世代間
の負担を考えていったほうがいいのか、いろんな形で議論があるところだと思い
ますので、ここについては今後いろいろと議論していかなければならない問題点
だと思っています。
宮武 初歩的なことなんですが、国民負担率というのは、どこの国もこういう分母と
分子で数字をはじいてるんでしょうか。OECDは分母のほうはGDPかでやっ
てるんじゃないかと思うんです。GDPでやった場合は比較が変わってきますか
、それとも同じでしょうか、そのへんを教えてください。
大蔵省主計局 OECDはGDPでやっていると聞いています。これは分母を統一すれ
ばすむ話だと思いますが、概念的にどちらが正しいかというのは議論の余地があ
ろうと思います。例えば原価償却費を加えて考えて、それを率として単に比較す
る時と、その率自体に何かインプリケーションを持たせようとする時とでは若干
違うのかなと個人的には考えますが、分母を統一すれば比較ができる話です。
宮武 日本のように分母を国民所得でとるのとGDPでとるのとではだいぶ違ってく
るのかなという疑いがあるんですけど、それはどうなってるんですか。
大蔵省主計局 国民所得とGDPは違いますから、数字は当然変わってきます。
宮武 OECDの統計に合わせてお出しになった数字はありますか。
大蔵省主計局 それはないと思います。
宮武 なぜなさらないのか不思議でしょうがないんですけど。
大蔵省主税局 OECDの統計を見れば、その比較で日本も出てるんだと思いますが、
日本はかなり前から国民所得対比でずっとやってきています。日本は所得税中心
主義なもんですから、所得税を基幹税として位置づけるという考え方のもとに、
したがって所得との対比で見たほうが、より所得に対してどれだけ負担がありう
るのかということで見やすいだろうという意味で、日本の場合はこういう尺度で
やっております。
例えば生産に対してどれだけ負担があるのかという観点から比較したいという
場合はGDP比という形で比較したほうがより正確になると思います。もう一つ
いえるのは、間接税についてはNIから除かれるなど、いろんな点がありますの
で、そういうことを考えると、間接税中心主義のところはGDP比のほうがより
正確に出てくるとか、いろんな要素があります。日本の場合は所得税中心主義だ
ったという流れから、かつてから国民所得比という形でとってるもんですから、
時系列でとる場合に途中から変えてしまいますと非常に難しいという面があって
、いまだにこういう形になっているのだと理解しています。
NO4に続く
問い合わせ先 厚生省大臣官房政策課
担 当 真鍋(内2250)、大内(内2931)
電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
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