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第5回人口問題と社会サービスに関する特別委員会議事録NO2
経済企画庁 おっしゃる通りでございまして、それに関連するところは2ページの2の
(2) の労働時間1800時間の達成・定着というところです。労働時間1800時間とい
うのは今回の計画で初めて出したのではありませんで、前の前の計画から出して
るんですが、労働時間トータルではかなり改善されています。最近のピークは昭
和62年の2120時間で、この時は欧米と大きな差がありました。平成6年末で1903
時間ですから、もう少しで1900時間を切るところまできています。これはヨーロ
ッパの独仏に比べるとまだまだですが、アメリカに比べると低くなっています。
ただし、先生がおっしゃいましたように、問題は年次有給休暇の消化率が非常に
悪い。したがいまして、これから労働時間を減らしていく一番のポイントは年次
有給休暇の取得促進ということです。2番目が完全週休2日制の普及促進です。
大企業はかなり完全週休2日制になっておりますが、中小企業等でなっておりま
せんので、一に年次有給休暇の取得促進、二に完全週休2日制の普及促進という
ことになっております。
年次有給休暇の取得促進につきましては具体的には労働省なり個別の官庁でや
られると思いますが、私どもが計画の中で指摘しておりますのは、リフレッシュ
休暇制度とかボランティア休暇制度とか、各企業も労使の話し合いで取りやすい
制度をつくっておりますので、そういう多様な休暇制度の普及に努めるようにと
経済計画では規定しております。
阿藤 そもそも論みたいになるんですけど、市場経済型の日本のような経済で、こう
いう経済計画がどういう意味をもつのかということをお聞きしたいんですが。各
省庁が5年、10年の計画をしているようなものを総合化していってプランとして
出されているのか、あるいは経済企画庁自身が先導的にプランをつくられて、そ
れを各省庁にアピールしていくのか、どちらの方向なんですか。
経済企画庁 両方というのが実態ですが、私どもとしては後者のほうを目指しておりま
す。これから日本の経済社会を総体としてどうしていくかという総論部分は経済
企画庁が独自の案を提示して議論していただくという形になっています。先ほど
岡沢先生からご指摘がありましたように、どのように有給休暇を増やしていくか
という個別の議論になりますと、司々の省庁がありますので、そちらの政策もか
なり取り入れさせていただいております。
市場経済における経済計画の役割ということですが、私どもは3つあると考え
ています。日本における経済計画は政府部門と民間部門に対する役割が違います
。1番目はその両部門にあたるんですが、日本の経済社会のこれからの正しい展
望を示すことです。私どもも過去の蓄積がありますし、いろんな方のご意見をお
聞きして、これから日本経済はこうなっていくだろうという確度の高い展望を示
すことによって政府部門、民間部門両方の指針となる。それぞれの主体が自分た
ちの計画をつくる時のよりどころになるということです。
2番目は政府部門に対する役割ですが、これは閣議決定の計画ですので、政府
部門に関しては強制力があります。したがって経済計画に規定した政府がする施
策については政府が国民に対してコミットメントしたという形になりますので、
政府の中長期の経済政策のコミットメントという役割があります。
3番目は主に民間セクターに対する役割ですが、ガイドライン機能というもの
です。1番目の正しい予測と若干ダブるかもしれませんが、民間セクターのいろ
んな分野の方が自分たちのプログラムをつくる時のよりどころとなるということ
です。市場経済における経済計画の役割は私どもはこの3つを主なものと考えて
おります。
高山 全体を伺っていると結構な話ばかりなんですが、本当にこんなことが2000年に
できるのかしらというのが率直な印象なんですね。夢をばらまくのはいたしかた
ないのかもしれませんが、2000年時点で何をするのかということをもうちょっと
語ったほうが政府に対する信頼が上がるのではないかと思うんですけどね。
具体的にいいますと、3.構造改革の必要性のところで、1番目に自由で活力
のある経済社会の創造、2番目に豊かで安心できる経済社会の創造と書いてある
んですが、これが同時達成できるのかしらという気がするんですね。今後はどっ
ちに優先順位を置くのかという問題になると思うんです。自由で活力のある経済
社会を徹底的に追求していけば、今より格差が広がるおそれがある。日本人は平
等志向が強いんですが、この際、そのへんは少し変えていこうではないかという
呼びかけをしようとしてるのかどうか。2番目に豊かで安心できる経済社会の創
造という言葉がついてますから、いや、そうではないんだという話になっちゃう
だろうと推察するわけです。いったい何をやろうとしているのか、2000年に何が
できるのかわからないという感が強いんですけど。
経済企画庁 非常に耳が痛いご指摘でして、その通りと思うところがたくさんあるんで
すが、考え方を変えなくてはいけないんだという思いがあるのは事実です。大量
生産、大量消費、大量廃棄型の活動を変えていかなくてはならないという指摘も
その通りです。
具体的な施策が見えないということですが、それについては二つ指摘させてい
ただきます。1点目は、経済計画の役割は総論を示すことですので、だからとい
って各論がなくてもいいとは申しませんが、まず総論として日本経済をこれから
どうしていくかという議論があります。各論についつ申しますと、各省の政策に
なりますので、経済計画の中に全部書ききれないものがありますが、いま高山先
生がおっしゃったようなことを我々も反省しまして、なるべく具体的な施策を入
れたいと思っています。
その例が二つありまして、その一つが先ほど申しました高コスト構造是正の行
動計画です。パンフレットの5ページ、6ページに10の行動計画がありますが、
10の分野を具体的に選んで目標を定めています。このパンフレットには書いてお
りませんが、経済計画本体においては10の分野で何をするのかという具体的な対
応策もかなり細かく書いています。
例えばエネルギー分野のガソリンで申しますと、セルフサービス方式の取り扱
いの検討を進めていくとか、これまでいろいろといわれておりました商慣行を見
直していくとか、ガソリンの輸入を事実上制限していた特石法という法律を廃止
するとか、具体的な目標も入れた行動計画をつくっています。
もう1点は、15ページ、16ページに社会資本の整備目標を示しています。今ま
での社会資本整備目標というのは道路なら1万4千キロつくるということで、1
万4千キロつくったら我々の暮らしはどうなるのかということがわからない。利
用者の立場からみてそういう目標をつくってほしいということになりまして、前
の生活大国5カ年計画の時に27目標つくりましたが、今回はそれを整理して32目
標としています。
ここにありますように中を3つに分けています。快適な生活環境の形成、安全
で安心できる生活の確保、新しい日本経済の発展基盤の構築、この3つですが、
それぞれについて目標を細かくつくっています。
少子・高齢社会でいいますと、真ん中の上から2番目に低年齢児向け保育所の
整備というのがあります。これは今回の計画で初めて入れた目標値です。現在の
45万人を1999年度には60万人にする。保育所への入所希望者がほぼ全員入れると
いう数字が60万人です。
このように利用者の立場に立って生活という観点から具体的な施策をなるべく
入れるように努力しているところですが、不十分な点もありますので、それは今
後の課題としていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
河野 資料1の2ページの(2) に労働市場の整備とありますが、外国人労働者に対す
る政策はどうお考えになっているのかということが一つです。
2番目は、先ほど人口推計にもう少しバリエーションを出すということでした
が、具体的にどういう…。今までは出生率に関して中位、高位、低位、あるいは
出生率一定というのがあったわけですが、どういう変数に関してバリエーション
を出してもらいたいとお考えになっているのか。
3番目は、経済計画の場合、先ほどからお聞きしてますと人口は労働力のとこ
ろに入るんですが、そのほかに人口という外生変数は経済計画のどういうところ
に影響を及ぼすのか。人口成長率ということが一つ入るのか。労働力推計といっ
ても、質的な労働力とか、教育程度によるものであるとか。教育程度が高くなっ
てるから質が高くなってると思うんですが、そういう点はどうなのかということ
をお聞きしたいと思います。
経済企画庁 まず人口推計のバリエーションにつきましては、経済企画庁の中でも、も
っとバリエーションがあればいいというだけでして、私どももどこをどうという
のはなかなかないんですが、一つには、いま先生がおっしゃった通り、この前提
条件をこういうふうに変えたらどうなるか。合計特殊出生率が1.8 に回復するに
しても、回復する時期がこの時期ならこうとか、この時期ならこうとか、そうい
う前提条件をいろいろ変えたバリエーション、その前提にはそういう前提条件が
ありうるという推計がおありになると思うんですが、ありうべき前提条件が今よ
りもたくさんあるのであれば、それを示していただければありがたいというのが
今まで出てきた意見でして、個別具体的にこういうケースがほしいというわけで
はありません。
外国人労働者のことですが、今回の経済計画では外国人労働者についてはあま
り取り扱っておりません。今回は外国人も暮らしやすい社会ということで、暮ら
しのほうで、外国人労働者も含めて日本で暮らしやすいというところでとらえて
います。片手落ちではないかといわれるかもしれませんが、経済計画というのは
その時期の課題を受けますので、前の生活大国の時は労働力不足で外国人労働者
が増えてくるという予測がありましたので重視したんですが、今回は失業率が高
い時につくっておりますので、外国人労働者が増えていくという状況にはないだ
けに、今回はあまり扱っていないというのが実情です。
労働力の質ですが、これは計量的な推計には出にくいところがあります。しか
し私どもは重視しておりまして、3ページの4.共通発展基盤の(1) に人材の育
成・能力開花型社会の構築とあります。労働のみならず個人の人材のいろんな能
力がいろんな意味で社会の発展に寄与していくだろうということで、労働力の質
、職業教育を含めて重視しているところです。
経済計画の中で労働力以外に人口をどういうふうに使うかということですが、
直接に外生変数としてモデルの中に使うのは労働力関係と、もう一つ高齢者人口
の比率というのがあります。年金の問題で直には我々のモデルには入れておりま
せんが、間接的にいろんな社会保障の問題の前提となっていますので、年金、介
護などの問題についても間接的に使わせていただいております。
委員長 雇用、労働力関係で1点だけお尋ねします。資料2に雇用の創出効果、2枚目
に国内生産額の創出効果とありますが、雇用ベースで見た場合は医療保健・福祉
関連、余暇・生活関連が高く、生産ベースで見ると情報通信関連が高い。これは
その通りなんですが、生産と雇用の問題を考える場合、失業率だけじゃなくて生
産性の問題が絡んでるわけですね。7領域別に雇用効果が高くても生産性が低い
場合と、そうでない場合とではだいぶ違いますが、生産性というものはこの計画
の中でどう位置づけられているのか。特に資料2の分野別についてそういう点検
がなされているのかどうか、そのへんを補足していただければと思います。
経済企画庁 人がかかわる部分が多い分野は資本装備率でやる分野に比べて生産性が低
くなる傾向がありますので、この7分野の中で、どれだけ人に頼る分野が多くて
、どれだけ資本と人に頼る分野が多いかということになりますが、情報通信関連
分野が生産性が一番高くなります。したがって金額ベースの生産額が増えていく
ことになります。
委員長 そうじゃなくて、資本装備率がどう変わるとか、そういう検討は…。
経済企画庁 それは内部的な作業としては当然やっております。
委員長 外には出していただけないんですか。
経済企画庁 前提にしているものは資本装備率以外にもたくさんあるんですが、それを
そのまま使っているのではありませんので、モデルを何本もやってみますといろ
いろ齟齬が出ます。内部の議論で一番確からしいのをとっておりますので、この
装備率を使ったからこうなるというものでもないわけです。
岡沢 失業率の算出の方法は国によって違うと思うんですが、日本的な失業率の出し
方はどういうふうにやってるんですか。
経済企画庁 これは労働省の分野でして、私もうろ覚えでは知ってるんですが、不正確
ですので。
岡沢 失業率1%というと実数は何人ぐらいなんですか。
経済企画庁 日本の労働力人口は6700万人ぐらいですから、1%というと67万人ぐらい
です。
委員長 まだまだお聞きしたいことがたくさんあると思いますが、だいぶ時間を超過し
ました。ぜひここだけはということはございますか。もしございましたら、あと
でまとめてお尋ねするかもしれませんので、よろしくお願いいたします。どうも
ありがとうございました。
それでは次に、大蔵省に説明をお願いします。
大蔵省主税局 大蔵省主税局の調査課長をしております西原でございます。資料5に基
づきまして説明をさせていただきます。税の観点から少子・高齢社会にどう取り
組んでいくのかという観点から説明したいと思いますが、税の基本的なあり方を
中心にお話をさせていただきたいと思います。
まず1ページですが、I.税制の機能と基本理念について書いています。
左側に税収の確保とあります。税制の機能は、公共サービスを提供するために
裏打ちとなる財源を確保する機能が一番重要な機能となります。そのほかの機能
として所得再分配機能、景気調整機能などがありますが、ここでは税収確保と、
これから少子・高齢化時代に向かっての公共サービスを賄う財源でもあるわけで
す。
税金をどういう形で徴収するのかという基本理念を右側に3本立てでお示しし
ています。公平、中立、簡素、これが基本理念ですが、この委員会に関係がある
のは公平という概念かと思いますので、これを中心にご説明いたします。
2つ目の○に、垂直的公平はもとより重要であるが、水平的公平がより一層重
要である。更に近年の高齢化の進展に伴い世代間の公平も重要であるとあります
。垂直的公平というのは、高い所得のある人からはより多い税金をいただき、所
得の少ない人からはなるべくいただかないようにという累進構造の考え方です。
水平的公平というのは、同じ所得のある人からは同じだけ税金をいただこうとい
う考え方です。世代間の公平というのは、世代間を通じてできるだけ公平な課税
のあり方を追求していきたいということです。ほかの理念については説明を省略
させていただきます。
2ページ、II.税体系
(1) 税体系のあり方ー所得・消費・資産等の課税バランス
基本理念に基づいてどういう税体系が構築されているのかというと、所得・消
費・資産等のうち何に課税をするのかという課税ベースそれぞれごとに組み合わ
せをして課税のバランスをとっているということになります。
上の枠の中に昭和61年の「税制の抜本的見直しについての答申」が出ています
。「いかなる税目も何らかの問題点を伴うことは避け難い」。すなわち所得課税
、消費課税、資産課税等それぞれに長所がある反面問題点もあります。例えば個
人所得課税を考えますと、累進制の構造をとっておりますので、垂直的な公平を
図る意味では非常に優れた制度である。しかしながら一方で水平的な公平、すな
わち同じ所得がある人から同じ税金をという場合に、所得を把握することが非常
に難しいという側面があります。したがって、多種多様な所得者、あるいは納税
者間で実質的な公平を確保するには自ずから限界があります。そのほか累進制が
あまり強すぎると働く意欲を損なってしまうという問題とか、景気に左右されや
すいという税収の安定性の問題が指摘されます。
消費課税の場合はどうかと申しますと、垂直的な公平という観点からは逆進性
があるのではないかと言われます。それに対して水平的な課税の面からは公平性
が保てるということも指摘されています。同じものを買うかぎりはだれでも同じ
税金を納めていただくという点で公平性があるということです。
先ほど申しましたように所得課税は所得が把握しにくいという問題があるわけ
ですが、消費活動においては皆さんに税金をきちんと納めていただく。仮に、不
当行為により利益をあげ、その利益に対する所得税や法人税を納めていない人が
いたとしても、その人が消費活動を行うことで消費税は納められます。例えば、
高級車を購入すれば3%、飲み食いすればそれにも3%という具合です。さらに
消費課税は働く意欲は阻害されないし、税収の安定性という特徴があるます。
いずれにしても、それぞれの税目にはなんらかの問題点があることは避けがた
いものですから、特定の税目に依存しすぎる場合には、ここに書いてあるように
いろいろ問題が増幅されますので、これらを適切に組み合わせることによってバ
ランスのとれた税体系をつくっていく。我々はタックスミックスという言葉を使
いますが、そういうことが必要になってこようかと思います。
下の枠には平成5年11月の「今後の税制のあり方についての答申」が出てい
ます。望ましい割合はどうなのかというと、「その時々の個々の税制の仕組みや
その下での経済諸活動の推移に応じて変化するものである」としています。少子
・高齢化ということも念頭に置きながら税制のあり方を考えていかなければなら
ないということです。
3ページの表は、戦後の経済、社会、国民生活等の推移を示しています。各項
目ごとに、昭和25年のシャウプ勧告当時、昭和40年ごろ、現在に分けて、どんな
状況かということを示しています。
下から2番目に(人口の高齢化)という項目があります。詳しくはご説明しま
せんが、今後、総人口に占める65歳以上人口が10%以上増え、働く人口は10%弱
下がっていくことが見込まれています。
その一つ上に(消費の多様化、平準化、サービス化)という項目があります。
昭和40年代には贅沢品だったものが現在はごく普通に普及してきている。昔は物
品中心の消費だったのがサービスが盛んになってきている。こういうことを考え
ますと、個別物品税というのは時代に合わなくなってきている。したがって課税
ベ−スの広い消費税が入ってくる背景になっているということです。
その二つ上に(所得水準の平準化)という項目があります。ここでは第1分位
と第5分位の平均実収入を比較した倍数で書かれています。所得階級を階層別に
並べて5分位にして、一番高い層と一番低い層の格差を比較したものです。昭和
26年には5.8 倍だったのが現在は2.7 倍となり、所得がだんだん平準化されてい
る。これは何をいわんとしてるかといいますと、格差が是正されてくると所得税
の累進制の構造がそれほどきついものでなくてもいいのではないかという問題が
起きてきます。したがって時代の流れは所得税の累進制が緩和される方向にある
ということです。このような社会の流れに応じて税制が次第に変わってきている
というのが現状です。
4ヘージ以下で、どのような実態かということをお示ししています。
(2) 国税の税目
国税の税目に基づいて円グラフで直間比率を示しています。3分の2ぐらいが
直接税で、所得税、法人税、消費税、この3税を合わせると4分の3、75%程度
を占めているというのが実態です。
5ページの(3) はOECD各国で所得課税、消費課税、資産課税等がどのよう
な割合になっているかということを比較したものです。ご参考までに示させてい
ただきました。
6ページ、(4) 民負担率の国際比較
これはのちほど主計のほうでも資料がありますので、ここでは簡単に見てみた
いと思います。
下のグラフは、我が国における国民負担率の推移です。下の黒い部分が租税負
担率、上の白抜きの部分が社会保障負担率です。バブル時には税収規模が極めて
高い水準になっていましたが、最近は税収が概ね経済成長に見合った水準になっ
ています。さらに平成6年から8年にかけては特別減税という形で景気対策上、
消費税率のアップに先行する形で大きな減税をやっておりますので、その関係で
このように23.1という非常に低い数字になっています。平成9年においては消費
税率が5%に上がる、あるいは特別減税なしということになると、これが25%近
くまでいくだろう。したがって昭和61年、平成4年当時の水準になるということ
です。
注意しなければいけないのは、23.1という租税負担率は、これで賄えない部分
、税として負担していただけなかった部分は借金で賄ってるわけです。したがっ
て国と地方を合わせた借金は平成8年度では34兆円にのぼります。これを国民負
担率に換算すると8.8 %に相当します。これを37.2という国民負担率に足し合わ
せますと46%にまでいってしまうというのが実情です。
7ページ、III.税収
(1) 税収の決算額と試算額の対比
景気がよくなれば税収はどんどん伸びるではないかといわれますが、なかなか
そうはいかないということをお示しするためのグラフです。
黒線が税収決算額、点線が税収試算額です。これまでの経験値から、名目成長
率の1.1 倍という形で税収が上がってきます。これの乖離があるのはバブルの時
で、通常の経済のもとにおいては点線と実線がほぼ一致します。
新経済社会計画では今後の名目経済成長率は3.5 と考えられていますが、そう
すると実際に税収はそれほど上がらない。昭和50年代は名目成長率は平均8.3 %
です。そういうことを考えると税収はそれほど上がってこないということがおわ
かりになろうかと思います。
8ページ、(2) 主要税目の税収の推移
上に高く出ています二つの棒グラフは所得税、法人税で、これは波が激しい。
それに対して下のほうの白抜きの消費税は景気に左右されにくくて安定的である
という姿がわかります。
9ページ、IV.税制改革
(1) 近年の主な税制改革の流れ
経済の流れに沿って、いろんな形で考えられています。平成元年を中心とした
抜本改革において消費税を導入し、所得税を大幅に減税しています。
それに続く更なる改革として、平成7年以降、所得税減税を先行させる形で消
費税率の引上げを来年4月から実施することになっています。これにつきまして
は10ページをごらんいただきたいと思います。
NO3に続く
問い合わせ先 厚生省大臣官房政策課
担 当 真鍋(内2250)、大内(内2931)
電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
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