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第6回中央児童福祉審議会基本問題部会議事録NO4
次に5ページでございますが、ここで参考ということで児童館について多少触れさせ
ていただきたいと思います。といいますのは、放課後の児童の在り方を考える上で、児
童福祉法に位置づけられている児童館といいますのも放課後の児童が過ごす場所として
大変重要な位置を占めておりますため、ここで多少説明を加えさせていただきます。
先ほど申し上げましたとおり、放課後児童クラブのうち約2割が場所として児童館を
用いて行っているという状況にございます。まず児童館の数でありますけれども、(2)
の方を先にごらんいただきたいのですが、平成6年現在で 4,000か所ほどございます。
数は年々増加傾向にございます。これらは大半が公営ということであります。先ほどの
児童クラブ 8,600か所と対比しても、相当に普及しているということがお分かりいただ
けるかと思います。
次に(1)の方でございますが、市町村規模別の分布ということでございます。これ
は、見ていただきますと、10万人以上の市は 198市ございますが、そのうち 155市は児
童館があるということでございまして、50万人以上になりますと、すべての市または区
に児童館がございます。10万人以上のところは大半のところにあるということになって
おります。総括しますと、都市部に多く分布しているということがお分かりいただける
かと思います。
次に6ページでありますが、国庫補助事業でありますところの放課後児童対策事業の
予算的な数字について簡単に触れさせていただきたいと思います。
まず3番目の実施か所数の推移でございますけれども、平成8年度で 6,000クラブを
予算上は措置しております。緊急保育対策等5か年事業におきましては、平成11年度に
9,000クラブにするというのを目標にしているところでございます。
次に2番でございますけれども、1か所あたり単価というところで、平成8年度予算
では 221万円となっております。これは専ら人件費でございまして、若干の物件費を積
算しているものでございます。
1番でございますけれども、全体では8年度予算で約24億円を計上しているところで
ございます。
6番目でございますけれども、この負担割合はどうなっているかということでござい
ます。事業費のうちの2分の1は保護者負担としておりまして、残りの半分のうち3分
の1が国庫負担、3分の1が都道府県、3分の1が市町村という負担割合になっており
ます。
7ページでございます。ここで資料1にもありました検討項目というものを若干整理
しておりますものを掲げさせていただいておるところであります。
まず、事務局の問題意識としましては、1番目に「放課後保護者のいない児童の在り
方についてどのような形が望ましいか」ということでございます。御承知のとおり、女
性が社会進出することに伴いまして、放課後、母親が帰宅するまでの間、子どもの面倒
をどうするかということが実はありまして、放課後児童対策のニーズというものは増大
しているだろう。ところで、放課後の子どもと申しますのは、現実には多様な形態で過
ごしておりまして、放課後児童クラブだけではなくて、兄弟や近隣の子どもと遊んでい
たり、塾や稽古ごとなど多様な形態となっております。このような中で、基本的な問題
として、そもそもこれらの児童の在り方としてどのような形が望ましいかという問題が
ございます。例えば放課後の児童を1か所に集め、養育ないし管理することが果して望
ましいことなのかどうかという点もございます。あるいは逆に、自由に遊ばせておくの
が望ましいかということにつきましても賛否両論あろうかと思います。
それから2番でございますけれども、以上の放課後保護者のいない児童の在り方はど
うあるべきかという議論を踏まえまして、では、仮に放課後児童対策というような形を
とるとした場合に、それがどうあるべきかということがございます。1とパラレルなこ
とではありますけれども、児童を管理する形の事業が望ましいか、あるいは逆に、自由
に遊ばせておけばそれでよいのか。要するに、何が放課後児童クラブに求められている
機能なのかということが問題となります。その上で、(1)から(4)まで、いわば各
論としての問題がございます。
それぞれについて少し補足させていただきますと、まず(1)でございますけれども
、何歳までの児童を対象とすべきなのかどうか。放課後事業の児童数は、学年が上がる
につれて実際に減少しておりまして、また、学校の授業時間数というのは、4年生以降
は概ねフラットな形になっていますけれども、3年生までは授業時間数が少のうござい
ます。これを1つの目安とすればいいのかどうかということでございます。
それから(3)でございますけれども、これは(2)と関係いたしますが、現実に放
課後児童対策事業というのはさまざまな場所で行われており、また、指導も非常に多様
な形態で行われております。また、地域特性等を考えますと、この事業の必要度自体に
も実は地域によって差があるのではないかとも考えられます。現実に市町村の3分の1
しかこの事業を実施しておらないところでございます。放課後児童対策事業という形の
事業展開を考えますときに、これらの実態を一体どう考慮すべきであるかという問題が
ございます。さらに補足しますれば、学校が放課後に校庭開放事業という形で校庭を開
放して自由に遊ばせておくというような形の事業も近年増えておりますけれども、これ
らの学校の関係というのも1つの論点になるかと思います。
最後に4番目でございますけれども、こうした中で、放課後児童対策事業について一
体国や地方はどんな役割を果たすことが出来るのかということでございます。さらに、
保護者負担を含めまして、その費用負担が最後に問題になる、このように考えておりま
す。
以上、このようなことにつきまして御議論いただきますればと思います。
○部会長 ありがとうございました。放課後児童クラブの実施状況を中心にお話しいた
だいた訳でございますが、皆さん、いかがでございましょうか。
○O委員 まず、児童館の設置の趣旨と利用者を伺いたいのですが。今、教員需要が少
ないものですから、児童館の児童厚生員を受験して、それで正規の職員になって勤めて
いる者がたくさんいるんです。私は、イメージ的には児童館というのは幼児を遊ばせる
ところだと思っていたのですが、この間、そこでアルバイトをしている学生が来まして
、大変面白いことを聞いたんですが、実は児童館も小学校の低学年から、それから中学
生とか高校生の茶髪の子なんかが来るんだそうです。茶髪の子は何しに来るのかと思っ
たら、小さい子どもの面倒を結構みているというんです。そうすると、イメージ的には
幼児から小学校、場合によっては中学校、茶髪の高校生まで、放課後の子どもの家のよ
うな役割を果たしているのかなと思ったんですが、それは児童館の設置の趣旨とは違う
のかというのを1つ疑問に思ったのと、もう一つは、私、前にスウェーデンに行きまし
たとき、「フリーテス」という放課後の子どもの家がありまして、さっき私は、今、日
本の保育所というのは大規模で学校だというふうに申しましたけれども、それはアパー
トを1つ借り上げるんです。勿論、アパートといっても、向こうのアパートですから5
室ぐらいあって、それぞれ大変すばらしい。日本でいえば、タレントしか借りられない
ような、そういうすばらしいアパートでしたが、でも、それは普通のアパートを借り上
げて、そこにエプロン姿のお姉さんたちが何人かいまして、子どもは自由に、例えば低
学年であれば早く帰ってきますし、高学年はちょっと遅いんですが、帰ってきて、本当
に家にいるようにお姉さんたちのお世話を受ける訳です。余り宿題はしませんけれども
、ピアノのある部屋でピアノを弾いている者もいますし、お料理をつくっている者もい
ますけれども、学校と全然違うんです。私、それを見たとき、本当に放課後児童対策と
いうのはそうあるべきだというふうに思ったんです。
ちょっと先へいってしまうかもしれませんけれども、児童クラブの一日の漫画があり
ますけれども、これで見ると「今日は、何当番かな?」とか、「みんなで、話し合いを
します」と。これじゃ学校の延長なんです。こういうものをつくったのでは子どもは来
ない訳ですよね。遊びだって、別に覚えなくてもいいし、覚えてもいいし、とにかく家
のかわりに安全にそこで保護されて、したい人は勉強すればいい訳だし、そこから塾へ
行ってもいい訳ですし、もっと今までの保育所のようなイメージ、大規模保育、つまり
放課後児童対策というのは、学齢に達した者の保育所だろうと思いますけれども、範囲
もうんと広げるし、そこに勤める職員も、児童厚生員は受験するのですが、放課後児童
クラブの職員になっているのはいないんです。つまり、正規の職員じゃないのではない
ですか。パートタイムではないでしょうか。そうすると、いい人が行く訳ないんです。
ですから、私は、いつも保育の質というか、どういう人がどういうふうに子どもを扱う
かというのが一番大事で、マンパワーの問題だと思いますので、そのあたりも含めて、
児童館の設置の趣旨と、それから、パートタイムかどうかという学童クラブの現状を御
説明いただけたらと思うのですが。
○育成環境課長 今のO委員の御質問でございますけれども、児童館は、先ほどの表で
見ていただきましたように、昭和45年代に 1,400ぐらいございましたが、今はその3倍
ぐらいになっております。率直に申しますと、厚生省としては、放課後の子どもたちを
児童館の中でかなり対応出来ないだろうかという形でやってきた訳ですが、いずれにし
ろ、当時は数が余りなかった。それから、文部省さんの方で、学校を活用したやり方が
出来ないだろうかというのを40年代にずっとやってこられて、それが両方並行して走っ
ていたというのが率直なところであります。
先ほど申しました平成の時代になりましてから、むしろ積極的にいろいろな場所を活
用するとともに、私どもの方で出来る限りのことをやってみたいということにさせてい
ただくようになってから、今、具体的に児童館との結びつきも一生懸命努力していると
ころであります。
ただ、児童館の使い方の中で、これは先ほど説明の中にもございましたけれども、放
課後だけ来る子どもたちと一般的に出入りする子どもたちと年齢が違ったり、あるいは
家庭環境も違ったりするときに、一緒にいた方がいいのか。あるいは、少なくともラン
ドセルを置く場所は分けておいた方がいいのか等々、議論がまだ混乱しているところが
あるというのが率直なところであります。
それから、先ほどお話があったように、かなりきちんとした絵をここでは御披露させ
ていただきましたけれども、私どもが見せていただいたところが10か所ぐらいございま
すが、実際はこの絵よりももっと自由だなと。ちょっと誤解を解いておいた方がいいか
と思いますので、ただ、こういうきちんとしたところもある。それについての評価は分
かれるところだというふうに思います。
それから、指導員の方々のお話でございますけれども、実際問題として、勤めていら
っしゃる方で半分ぐらいが正規で、半分ぐらいが非常勤になっております。ただ、私ど
もの方で予算の補助をするときの考え方は、ある面では午後だけということなので、非
常勤のシステムになっていることは確かですが、実際に雇われているところは自治体の
方からお願いするというシステムでございますので、結果的には常勤の職員が半分ぐら
い、非常勤の職員が半分ぐらいというふうになっているのが実情でございます。
○J委員 この間、先月の子どもの日の前に学童保育を2か所見せていただいたんです
けれども、1つは東京都の区立小学校に併設されているもので、もう一つは、千葉県で
御両親がつくっている町会の施設でした。今、育成環境課長がおっしゃったとおり、こ
の絵とはちょっと違って、もっと雑然としていて、むしろ宿題なんか出来なくて、父兄
から「もっと学童保育で宿題をきちんとさせてくれ」というような要望もあるそうでご
ざいますが、とにかく私が見た感想は、1つは、施設間の格差がすごくて、市町村で全
く対応がまちまちという印象でございました。
例えば東京都の場合などは、1人月に 2,000円のおやつ代だけもらって、あとはほと
んど公費でやっている。これは指導員の給料から施設整備費、その他一切を出している
というようなところから、千葉県のある施設では御両親から月1万 6,000円取ってやっ
ている。これは自主運営的なやり方で、町会の施設のようなところを借りてやっている
んですけれども、そのほかに、民間アパートの一室で、すし詰めみたいになっているよ
うなところもあるということでございました。
人の問題も、今、パートというお話がありましたけれども、指導員も準備時間などが
あってフルタイムに近い形のところもありますし、東京都などの場合は、わりときちん
とした採用になっておりました。それと、先ほど必要かどうかというあたりから御議論
をというお話でありましたけれども、やはり小学校低学年で保育所はスポッと切れてし
まう。あとは家でかぎっ子的にやっているということに対して、何とかしてほしいとい
う要望は非常に強いし、お母さん、お父さんが自主的に集まってつくられているところ
もたくさんあるんです。そういう現状を見ますと、やはり必要だろうと思うんです。そ
れから、現実に今、 8,000幾つと数が増えておりますけれども、これも、たしか50年代
の倍ぐらいになっているはずでございまして、この勢いを考えても、社会にニーズがあ
ることは間違いないだろうと思います。
学童保育所の団体からも、是非、児童福祉法の中に学童保育をきちんと位置づけてほ
しいというご要望もございました。確かに、学童保育の位置づけというのは非常に不安
定で、これは何とかしなければいかんと思うんですけれども、先ほど申し上げましたよ
うに、施設の形態も非常に多様で、これをどういうふうにまとめて位置づけるかという
のはなかなか難しいという気もいたしました。それで、先ほどお話がありましたように
、現在、助成は20人以上ということですけれども、現実に20人という数字はなかなか難
しいところがありまして、これは指導員の数にすると 1.5人ぐらいの感じなんです。1
人だと少ないし、出来るだけ2人が相互監視といいますか、トイレも行けないというよ
うな状態では困る訳で、出来るだけ2人置きたいんですけれども、そうすると、この人
数だと1人で管理するには多いし、2人にすると、定員を切ってもらうと困るというよ
うな形になるんです。現実には、人数がたまたま今年は減って20人以下になって助成が
打ち切られるといけないというので、4年生、5年生になったんだけど、「しばらく通
ってよ」というような感じで人数合わせみたいなことをやっているような施設もあるよ
うに聞いております。そういういろいろな形があって、今は非常にカオスのような状態
です。ただ、先ほど申し上げましたように、これから女性が社会進出することとか、あ
るいは留守中に子どもさんが、特に小学校の低学年がかぎっ子になっているというよう
な、子どもの権利という観点からも、やはり必要な施設だろうと思う訳です。
○部会長 ありがとうございました。
○C委員 私は質問のつもりでしたけれども、J委員がみんなおっしゃってくださいま
したから、ほとんどいいんですけれども、保育所などが横ばいでいるのに対して、子ど
もの数は減っているのに、これだけ増えてきているというのは、この事業が認識されて
きたということと、やはり仕事を持つ母親が増えてきたことだろうし、何らかのもう少
ししっかりしたガイドラインぐらいは必要だろうと思っております。
ただ、先ほどO委員もおっしゃいましたように、この絵はイメージが悪いです。私は
、老人ホームへ入るときも当番のあるホームだけはやめようと思っていて、老人ホーム
で見ますと、軽費老人ホームの範囲は当番が絶対あるんです。かなり厳しくありますね
。有料老人ホームになると当番はないです。これは、やはり金のあるなしかなと思った
りしていて、そのお金の話ですが、聞き漏らしたかもしれませんが、補助率その他はよ
く分かりましたけれども、現実に父母の1人当たりがどのぐらい負担しているかという
数字をちょっと教えていただきたいということが1つでございます。
あと、J委員もおっしゃってくださったことですが、「19人以下」という言い方は、
子どもの数が少なくなってきますから。それと、地域性もありますし、むしろ逆に、大
ぜいの方を規制した方がいいぐらいじゃないだろうか。「30人以下とする」とか、ある
程度スケールメリットが必要だということはよく分かりますけれども、何だか学校から
帰ってまでもワサワサ大ぜいで、数の中に紛れ込んで自由を獲得するという意味も多少
分からなくはないけれども、と当時に、これもお金がないから仕方がないし、空教室を
使っていくということは一面で大事だと思っておりますけれども、子どもの立場から言
えば、出来れば放課後ぐらいは学校の外に今ある施設を利用していくなら、むしろ児童
館志向の方がいいのかなとも思っております。
ただ、学校自身が性格が変わりまして、例えば高齢者のデイセンターとか、時にはシ
ョートステイも含めて、いろいろな人が行くようになったときの学校ならいいだろうと
思っておりまして、ですから、質問としては数のこと、お金のことです。
○部会長 それでは、今のお金のこと、数のことについてお話しいただけますか。
○育成環境課長 これも千差万別でございますけれども、非常に大ざっぱに言いまして
、ごく少数のところは2万円ぐらいであります。1万円から2万円の間が大体3分の1
、それから月額 5,000円から1万円の間が3分の1、それから、あるところではおやつ
代金だけとさっきJ委員がおっしゃいましたけれども、おやつ代は 2,000円ぐらいで、
5,000円以下のところが3分の1。ですから、0〜 5,000円までが3分の1、 5,000円
から1万円ぐらいまでが3分の1。1万円以上が3分の1。大体そんな形で非常にばら
つきがございます。
○B委員 本当に先生方がおっしゃるとおり、放課後児童保育のニーズは大変増えてき
ていると思うんです。たしかアメリカでは、14歳未満の児童を1人で放っておいたら親
が監護責任を問われます。14歳ですと、中学生までベビーシッターをつけると、ベビー
シッターと子どもの年齢が2〜3歳しか違わないというようなこともあるので、それは
極端だと思いますが、やはり10歳前後まで全く1人で放っておくというのは都市化の中
で危険が増してくる。母親の就労が増えているというだけではなしに、社会参加も増え
ている中で、社会の安全性の方で危険度が高まっておりますので、そういった点でこれ
は大変重要な施策ではないかと思います。それが、たったと言っては怒られますけれど
も、24億円というのは本当にどうにかしなければならない。極端に少な過ぎる事業だな
というふうに見ております。
ただ、そのときにどういう方向を目指すのか。先生方の御意見はほとんど一致してお
りますけれども、学校の二の舞で、学校と同じような形で管理教育、育成指導、そうい
った方向は絶対に目指していただきたくない。私は、O委員がおっしゃったように、た
むろするような場というのでしょうか、自由に出入りが出来るような場というイメージ
が一番いいのではないかというふうに考えておりますが、その際にも、基準は、保育所
のところでも議論になっておりましたように、必要不可欠な最低基準については厳しく
設置をしておく。
余談になりますけれども、例えば私の子どもが行っておりましたのは民家・アパート
を借りた民立民営だったものですから、雨漏りがしたり、ヘビがニョロニョロ出てきた
りというようなところだったことを考えますと、最低基準だけは絶対にきちんと守らな
ければいけないし、これについては監査といいますか、監視といいますか、そうしたも
のをきちんと入れるぐらいの設備は必要だと思いますが、運営に関しては出来るだけ自
由に、レッセフェールでやっていただきたいと希望いたします。そして必要不可欠であ
る基準自体も営利・非営利、それから大人数型・少人数型、都市型・非都市型、複数の
基準が必要じゃないかと思います。全国統一で一定基準、均質の放課後児童施設という
ようなことは今後目指していただきたくないというふうに希望いたします。
○E委員 私も、こうしたものの充実は不可欠だと思います。私自身も含めてですけれ
ども、やはり働いている母親は、保育園の間は夕方まで子どもをみてもらって、1年生
になった途端に、特に1年生の間は学校もならし授業とかで「10時に迎えに来てくださ
い」とか、そういうような状態になったときに仕事を辞めるとか、パートに切り替える
という人も結構いる訳ですので、是非充実をしてほしいと思います。
それで、幾つかの点があるんですけど、1つは、いつでも入れたいと思えば入れられ
る場所が身近にないといけないと思うんです。全国3分の1の市町村にしかないという
ことは、市町村といっても大きいところもあると思うんですけど、1か所もなければど
うしようもない訳なので、1つの説には、小学校低学年ですと、半径 500m以内が自分
で安全に自由に行き来出来る場所というので、やはり各小学校区に1つぐらいはあって
ほしいと思うことと、それから場所にもよりますけれども、今、夏休みは開いていない
とか、親が働いていても全部の時間みてもらえないという時間の問題。あと、指導員に
つきましても、先ほど半数ぐらいは常勤という話がございましたけれども、学童保育の
連絡協議会がまとめたデータなどですと、2割程度が正規職員で、大半は臨時とか非常
勤とか、これは統計をとる場所にもよるんでしょうけれども、そんな話もありまして、
中には、4年目だけれども月収が7〜8万円で、とても結婚したら暮らしていけないの
で辞めるとか、そんな話もありますから、先ほどから話が出ているように、きちんとし
た処遇をする必要があると思います。
それから、中身につきましては、先ほどから出ていますように、本当に「ただいま」
とランドセルを置いたら自分の家に帰ったのと同じように自由に出来るようなところに
してほしい訳ですが、これは保護者の側の意識の問題もあって、安全性をどうしてくれ
るとか言い出すと切りがないので、その辺の合意をする必要があるのかなと思います。
その位置づけ方ですけれども、児童福祉審議会の部会でも、一昨年、法的位置づけも
含めて検討する必要があるという意見具申をしている訳ですね。ところが、保育制度の
改革が見送られたりしたこともあるのか、そのままになっておりまして、先ほどから確
かに多様性は認めなければいけないから、法的位置づけをすると画一的になるのが問題
だという話もありますが、中には、ない市町村で要求をしても、法的位置づけもないの
になぜつくれるかという自治体が現実にたくさんある訳なので、そういう意味では、私
は法的位置づけをきちんと児童福祉法の中にして、運用面をどうやって柔軟にするかと
いうところに知恵を働かせていけばいいんじゃないかと思います。
○部会長 ありがとうございました。
○K委員 先生方の御意見とほとんど一緒ですけれども、児童クラブの議論をする際、
あるいは法制化の議論が今なされましたけれども、私は、その前提として、必ず保育所
と児童クラブとの関わりとか差異とか、そういうことを一遍きっちり押さえておく必要
があるのではなかろうかということをいつも考えています。保育所というのは、当然の
ことながら幼児が対象でございますし、これは1対1の関係を基本にして養育をすると
ころでございましょうし、そうすれば保護的環境が必要だということだろうと思ってい
ます。
これに対しますと、児童クラブというのは学童を対象にするということでございます
。そうすると、学童期というのは一体どういうことなんだろうか。私は学問的なことは
余り分かりません。しかし、学童期というのは、親の規範というものを自分のものにし
て内面化して、そして行動規範に移し替える、そういうことをする時期ではなかろうか
というふうに思っています。ですから、その行動規範にのっとって、自らの存在という
ものを親と違った存在として振る舞っていく。そのトレーニングの期間ではなかろうか
というふうに思っています。
そういたしますと、もしも規範にたがった事をするようなときは注意をして支援しな
ければなりませんし、危険に陥るようなことがありますれば、「それは危ないですよ」
と教えてやらなければいけませんし、そういうことをした上で、自主的な自由な遊びと
いうものを保障してあげる、それが児童クラブではなかろうかというふうに思っていま
す。保育所と比べてここら辺をまず一度きちんと考えてみたいということをいつも思っ
ておるんです。女性の社会参加が増えてまいりますと、子どもさんが学校から家へ帰っ
て、一人も話し相手がいないということは何とも異常なことであります。やはりお子さ
んの人権を保障するという立場に立ちますと、しっかりと国が支援をしていく必要があ
るのではなかろうか。施策の積極化が必要ではなかろうかというふうに思っています。
NO5に続く
問い合わせ先 厚生省児童家庭局企画課
担 当 朝浦(内3113)
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