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第6回中央児童福祉審議会基本問題部会議事録NO3
○部会長 ありがとうございました。今のお話は、先生からも御指摘がありましたよう
に、3つの今日の論点の中の2番、3番にもわたったお話であったというふうに思って
おりますが、今、私は第1の論点だけ申し上げております。認可がいいかどうかという
問題、あるいは無認可というものがあってもいいのかどうかという問題は別にして、現
在は認可保育所という形をとっておる訳ですから、それとそうでないものとの間に、今
、長所といいましょうか、あるいは問題点といいましょうか、現状の御報告をそれぞれ
いただき、御発言があった。そういう中に、その存在価値というものは評価していいの
ではないかというお話だったというふうに1の場合には思った訳でありますが、よろし
ゅうございましょうか。
そして、その中で、F委員のお話にありましたように、一体いかにあるべきかという
ことについて、認可外保育所の職員の配置、施設設備の水準をどう考えるかというとき
に、基本となるものは、認可も認可外もないじゃないか、同じでなければならないとい
う今のお話だったと思うのですが、この第2の論点について皆さんの御意見を伺いたい
と思うのですが、いかがでしょうか。
○G委員 保育を行う人とか場所で、今、認可保育所とその他といったとき、日本は世
界的に見てやや特殊な国の1つだと思うんですが、認可保育所というのは、児童福祉法
で保育所が定められているので認可保育所ということになるかと思うんですが、子ども
にとってどんな保育の受け方があるか、どんな保育環境で育つかという点で言いますと
、やはり対応としては、どこで保育を受けるかという場所とグループ、非常に多人数か
少人数か、そういうことで幾つかのタイプに分かれていると思います。日本は、保育と
いいますと、イコール保育所と受けとめられるぐらい、集団保育による家庭外の場での
保育というのが余りにも常識的に固定観念で固まり過ぎているのではないかというふう
に思います。従って、認可された保育所以外がすべて認可外保育所になってしまってい
るかと思います。
実際には、世界的に見ましても、あるいはアジアの一部もそうですが、日本とか、少
数のアジアの国々を除きますと、家庭外の場で、集団のかなりグループの大きい保育を
行って、それだけを制度なりシステムとして公的な枠組みに入れているという国はむし
ろ非常に少ないと言った方がいいのではないかと思います。
先ほど来いろいろお話が出ておりますように、例えばもっともっと小規模な、子ども
の定員もそうですが、職員の数、それから物理的な面積とか設備とか、余りにも小規模
であれば、これは認可外と受けとめるかどうかですが、そういうことも含めて、そのよ
うな規模なり対応の保育所があっていいと思うんですが、そういうものが世界的には結
構多く見られます。つまり、定員60人以上とか、30人以上でもいいですが、それよりも
っともっと小さい規模の保育施設というものも子どもにとっての環境としては十分あり
得る訳で、先ほど委員の何人かの先生方がおっしゃられたような部分は現実に十分考え
なくてはいけない点だと思います。それから、非常に欧米中心に行われている保育で、
日本が完全に国の制度としてないのは、今日も御説明のあった家庭福祉員とか、いわゆ
る保育ママだと思います。家庭外で子どもが保育を受ける、その家庭外というのが集団
の施設ではなくて、ある家庭の中でいわゆる母親がそこで保育をする。これは制度的に
は世界的にもよく普及している例でありますし、日本で言えば、むしろこれが措置の中
に入っていないということが逆にだんだん目立ってきているのではないかというふうに
私は思います。
さらに、子どもにとって一番安定する自分の家庭に保育者が来て行う、先ほどベビー
シッターの説明がございましたが、訪問保育とか在宅保育、これはどの程度位置づける
か非常に議論があるかと思うんですが、歴史的には最も古くから行われていた訳でして
、子育ての歴史でこれは非常に重要な意味を持っていたと思います。例えば住込みとか
、ナニーとか、あるいはガバニスとか、そういう歴史を見ますと、欧米は特にそうです
し、日本でも子守りのような形であった。その部分が制度的になじむかどうかというの
はいろいろ議論があるところかと思います。しかし、イギリスでは、1989年の新しい児
童法で明らかにナニーという名称でシステムの中に加えております。しかも、現実には
、いわゆる無認可と言われるところでの保育サービスがこれほど広がり、間隙を埋める
とか補完するというだけではなくて、それぞれの役割をいろいろ持ち出しているという
ことを考えますと、ここの議論の中で改めて保育システム全体をどう受けとめて、公的
な責任で行う保育の制度をどうするかということは大変重要な議論かと思いますし、も
う一つ、日本では里親制度という中に中間里親というのが制度上はずうっとあった訳で
して、必ずしもこれは形骸化している訳ではなくて、自治体によっては昼間里親という
いわゆる保育ママになる訳ですが、これをうまく運用しているところもあります。
そういう点も含めて、保育を必要とするような子どもたちにとっての環境を制度的に
どう整備するか。私は、最低限、いわゆる個人の家庭での保育、それから家庭外であっ
ても小規模の保育、これは制度のシステムとしては十分考慮に入れなくてはいけない。
その意味でも、前回議論のありました多様なサービスを選択出来るということとも関連
してくるかと思います。
もう一つは、今、御指摘のありました点で言いますと、公的な責任の度合いが強けれ
ば強いほど、いわゆる公的な経費が出ますし、基準も非常にシビアになる部分は当然あ
るかと思いますが、例えばベビーシッターとか、そのほかさまざまな一時的な、その時
その時必要なサービス、ニーズに十分対応出来るきめ細かな部分というのは、制度とし
ては置くにしても、従来の措置制度的なものよりは、むしろ事業助成型といいますか、
あるいは利用する人が経費を払ったとき、それがバック出来るような部分での公的助成
とか補助の性格の方がいろいろな意味でなじむのではないかというふうに思います。そ
れが、やはり子どもの福祉ということでこれから考えていった場合に、家庭をサポート
するという点で、必ずしもすべてが公的責任で、保育をすべて抱えましょうという必要
のない部分もあるかと思いますので、そことのバランスを考えながら進めていくことが
重視出来ますし、そうなりますと、どのような保育サービスを行っても、いわゆる専門
性というのでしょうか、保育者の養成とか研修とか、あるいは時には資格ということも
もう一回全部見直す必要があるのではないかというふうに思います。
○部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまのお話を含めて、認可外保育
所ということをあえて申し上げましたのは、とりあえず認可外保育所というものが大き
なグループになっておりますので、その保育所の在り方ということから考えると、認可
外保育所だから低い次元でもよろしいという考え方はとらない方がいいんじゃないかと
いうお話であったということで2番目の論点は終わらせていただきまして、3番目、行
政はどこまで、どういう形で関与するかというときに、先ほど来のお話のように、さま
ざまな保育形態があって、それを選択することは喜ばしいことである。その場合に、保
育形態というのは、現在ある保育所や現在ある認可外保育所だけじゃなくて、もっと考
えてもいいんじゃないかというふうな御意見であり、G委員の御意見は、その中でナニ
ーのお話もございましたが、そのようなことも考えるべきだと。それを果して制度とし
て、あるいは公的なお金をどうするかという問題についてどうするかという話とは全く
別に、保育という視点で考えたらそういうことになるのではないかというお話ではなか
ったかと思うのですが、3番目の「行政は、どこまで、どういう形で関与するか」とい
う中に、どうぞさまざまな形でやりたい人はやってもいいんですが、やはり基本的な問
題については規制があって然るべきだという御意見があったように思います。「規制」
という言葉がいいかどうか分かりませんが、「基準」と言った方がいいのかもしれませ
んが、あって当然でしょうか。いかがでしょうか。
○H委員 今の部会長の御質問にきちんと答えられるかどうか疑問ですが、今までずっ
と論議されてきたことの中で、認可保育所の存在について、1つは、その費用を公費で
すべて賄っているという措置制度に関わるいろいろな御意見ではなかったかというふう
に受けとめた訳です。それで、実際にいろいろ問題が出てきているところは、現在の認
可保育所のサイズの問題、あるいは職員の労働条件は非常によくなってきているという
こともありますけれども、人員がそれを補うような形では配置されてこない。というの
は、足りないというのではなくて、いわゆる社会の状況の進行の中でそういう問題が出
てきたのではないかというふうに考えられる訳であります。
そこで、いわゆる認可保育所について定められている基準というものの中でも、例え
ば人数などについては、ある一定の数が必要になってきて、小規模なものは認可されな
い訳ですから、当然そこで小規模保育所というものをどう考えるかという、そういった
認可の基準を多様化していくということが1つは考えられるということ。
それから、基本的に安全化とか、そういうものの規制は必要ですけれども、その場合
はいわゆる杓子定規で形をきめられるものでいいのかどうかという問題が1つある訳で
ありまして、実際私が言いたいことは、どうも規制というものは出来るだけ抑えていっ
た方がいいんじゃないか。絶対に必要だと思うものに限定した方がいいんじゃないかと
いう考えであります。例えば、今の無認可保育所の問題についても、認可福祉施設を運
営する前は職員の意欲も非常に高いし、また自発的であるのですが、それが認可施設に
なると同時に変わっていく訳です。また、その中で別に無認可の保育所を始める必要性
があって始めてくると、恐らく最初のような自発的な、いわゆるある種の意欲を持った
集団ではないけれども、組織の上に乗って、ある種の積極的な関与というものが無認可
なるがゆえに起きてくるということもあるんです。しかし、残念ながら、もう少しお金
が欲しいというようなことも実際は起きてきます。というのは、赤字経営にならざるを
得ないということがあります。
そういった経験の中で、これは本当に基本的にこれからの課題だと思っている訳です
けれども、行政との関係で、行政の中で心ある人は非常に理解してくださる訳ですけれ
ども、組織とか制度の上でそういうものが弾力的に取り入れられないということが多々
ある訳です。こういった問題はこれから解決していかなければならない問題であって、
例えば無認可保育所とか、認可保育所と今分けていますけれども、保育で分断があって
はならないと思う訳ですから、当然ながら無認可保育所の基準を上げていかなければな
らない。そうすると、上げていくと、今度はそこで全体の経費というか、今ある枠では
どうにもならないということになれば、ある部分は認可保育所をそこで変えていかなけ
ればならないということも出てくるだろうと思うんです。
そういうふうな考え方を現実にとれるのかどうかということがこれからの問題になる
訳ですけれども、私はやはり基準というものは、弾力的に運用出来れば多様な運営経営
の形態が可能になってくるだろうと思うんです。今、認可保育所というふうに言ってい
ますけれども、それは公立の保育所であり、かつまた民間の社会福祉法人が設置運営し
ている保育所なんです。そういう内容もやはり違いがある訳で、公立保育所としての認
可保育所をどうするかという問題と、民間の運営している認可保育所をどうするのかと
いう問題もあろうかと思います。いろいろありますけれども、要するにその差を縮めて
いくことによってある種の共通基準が出せると思いますし、専任職員を何名配置しなけ
ればならないという前に、基本的に活動出来る専任職員の数は幾つであるか、それから
非常勤はどういうふうに組み合わせてくるか。ボランティアの活用というような考え方
をすれば、職員数をある種の基準として抑えるということにも問題が出てくるのではな
いかというふうに思う訳で、その辺の弾力的な運用も含めて、心ある人が保育事業に手
を出して、それがある程度自由にやれるようなこれは、さっきG委員の言ったような形
の在宅支援というような保育事業も含めて、行えるようにした方がいいということが一
つ。
それから、行政の関与としては、行政にはかなりいろいろ情報が集まってきているは
ずですから、内容についての評価というものがかなり出来ると思うんです。ただ、行政
が関与しないということは、内容に関与することによって、そうした援助組織の主体性
とか民意の自由な表現を抑えるということがあって手を控えられるんでしょうけれども
、今までの日本の社会福祉の現場の中で、これは保育所もそうですけれども、行政がど
う考えているかということ。それから、それで出してきたいろいろな政策的なメニュー
については、現場はそれによってかなり刺激をされて動いてきているという事実があり
ます。
そういう意味では、私は、いろいろな形の関与の仕方がある訳ですから、行政に集ま
ってきた情報をもとにして、是非そういう事業の中に目を届かせていって、それによっ
て評価をして、そのことによっていいものと悪いものの選別が出来るだろうと思うんで
す。同じ無認可の保育所でも、確かにおっしゃるようにピンからキリまであるんですが
、それは関与する仕組みが出来ていないということが問題だというふうに思う訳で、そ
れには第三者機関等を活用するということも考えていいのではないかというふうに思っ
ております。いずれにしろ、こうした仕事の基本的な問題は、従事する人の質の問題だ
ろうと思うので、その質の問題については是非この会でもどこかで取り上げていただけ
ればと思います。 以上です。
○I委員 先ほどE委員がおっしゃったように、非常にひどい営業事例もある訳ですか
ら、子どもの安全のために必要最小限度の基準を設けるということは是非必要だと思う
んですけど、それが必要最小限であるということも大変大切なことじゃなかろうかと思
います。非認可の営業でもいろいろな形態があって、やはり問題を起こすのは保育事業
そのものによって利潤を上げて、利潤追求の方に重点がいく場合だろうと思うんです。
ですから、基準を設ける場合もいろいろあると思うんですけれども、まず、それ自体に
よる営利目的をしている保育事業、それから、それ自体による営利目的はないけれども
、非営利で、あるいはほかの営利目的で事業をやっている場合があるんです。普通の業
態規制法を見ますと、業としてやるという場合も全部基準を設けて規制対象にするので
すが、私、それは要らないのじゃなかろうかと。非営利でやっている場合、あるいはそ
れ自体によって利潤を上げようとしているのでない営利の保育事業、こういうものは基
準になじまないのではなかろうかと思うんです。
例えば、アメリカなどの例でありますけれども、企業が子どもを預かり、お年寄りも
預かるというのがあって、勤めている女性、あるいは男性もそうですが、お年寄りと子
どもを一緒に積んできて、そこへ預けて、自分は働いて、帰るときに連れて帰る。です
から、そこでは子どもとお年寄りが一緒に楽しそうにやっている訳ですよね。それは日
本でも大変お勧めなので、これは都市部では無理ですけれども、地方のいろいろな大工
場などは可能なので、それは企業の営利目的の保育事業といえば保育事業だけれども、
それ自体によって利潤を上げようという気持ちはない訳ですよね。こういうものは別に
規制とか基準を設ける必要がないんで、やらせておいた方がよほどいいのではなかろう
か。ですから、問題が起こるのは、それ自体による営利目的でやる人が本当に心なしに
営利だけでやる、そういう業態に限るだろう。それに限っては必要最小限度の基準を設
けるのはやむを得ないのかなと、そういうふうに思います。
○部会長 ありがとうございました。
○A委員 F委員の言ったことについて一言。今までの論議を、特にF委員の提案につ
いて私なりに整理して、例えばこういう類型化をしてみたんです。横軸に基礎的なニー
ズで、左にいけばいくほど多様的なニーズで、縦軸にどういうサービスを受けるか、一
番下に選択、上が必需性と言ったらいいのか、そういった形で見ますと、基礎的で必需
的なものは今の通常保育で、これは措置かというふうに考えた訳です。今、盛んに出て
きている問題は、あるいは保育ニーズとして要求されてきているのは、多様性だけど、
でも必需的なものなんだという形で、例えば先ほど厚生省の方から説明があった夜間保
育とか、延長保育とか、0歳児保育とか、そういうものはどこに入るのか。やはり公的
サービスとして提供していくべきじゃないか。
その下の部分で、選択でも基礎的なものは、保育内容なり水準が違って、自己責任で
それを受けたいということであれば、それは選択でやる。多様的なもので選択というこ
ともあり得る訳で、それは選択で自己責任でやるというような、そういう仕組みをつく
っていくということを考えてみたのです。そのためには、行政として保育所だけを重点
的に施策として保育施策を考えていくという形じゃなくて、やはり民間の企業を誘導す
るような誘導的な役割というのも行政にありはしないかというふうに思っております。
公的なサービスとか、いろいろな民間のサービス、あるいは第三セクターとか、企業型
というようなサービスの相互補完をしていく役割というのも行政にこれからは求められ
るのではないかというふうに思ってF委員の話を。ただ、多様性のところをどこまで公
的サービスでみるかということが、F委員と私とちょっと違うかなというふうに思って
いるのですが。
○部会長 ありがとうございました。それでは、3番目の論点のところでございますが
、必要最小限の規制が必要ではないかというふうなお話であり、助成については余りお
話が出ませんでしたけれども、次に進ませていただきたいと思います。と申しますのは
、次回以降に保育児童の範囲、保育所の施設設備、保育を担うマンパワーの問題、公費
負担の在り方の問題というのが話題になることにしておりますので、今日おっしゃりに
くかった点はその方で御発言願いたいというふうに思います。では、続きまして「放課
後児童対策について」の論議に入りたいと思います。御説明をいただきたいと思います
。
○事務局 それでは、資料3でございますけれども、「放課後児童クラブ」について御
説明させていただきたいと思います。
「放課後児童クラブ」と申しますのは、「学童保育」と呼ばれることもありますけれ
ども、ここでは小学校の放課後に児童を集めまして何らかの活動を行っているものを相
称してこの言葉を用いることとさせていただきたいと思います。これらの中には、国庫
補助であるものですとか、地方公共団体が独自で行っているものですとか、あるいは民
間が独自で行っているもの、さまざまな形がありますが、まず1ページ目でございます
。1といたしまして、国の補助事業である放課後児童対策事業について、どのようなも
のであるかということを簡単に説明させていただきたいと思います。
放課後児童対策事業と申しますのは、平成3年から予算補助事業として行われている
ものであります。ここに掲げておりますのは、その事業の内容でございます。活動内容
といたしまして、遊びの活動への意欲と態度の形成でありますとか、児童の遊びの活動
状況の把握と家庭への連絡というものをうたっております。それから対象児童でござい
ますけれども、対象児童は主として小学校の低学年の放課後児童。児童数でございます
けれども、1クラブ当たりの児童数が概ね20人以上であることを要件といたしておりま
す。それから実施場所でございますけれども、児童館、保育所、学校の余裕教室、団地
の集会室など、身近な社会資源を活用して行うこととなっております。ここはかっちり
した基準がある訳ではございませんが、身近な社会資源を活用していただくということ
にしております。それから指導員でありますけれども、放課後ケアワーカーを置くとい
うことにいたしております。放課後ケアワーカーと申しますのは、特に資格がある訳で
はございませんが、児童厚生員の資格を有する者が望ましいということでございまして
、児童厚生員と申しますのは、母子指導員、保母さんなどがこれに当たるんですけれど
も、あるいは教師免許の保持者ですとか、あるいは大学で心理学等々をおさめられた方
ということでございますが、これらの資格を有する方が望ましいということを言ってお
る訳でございます。全体としてかなり緩やかな、柔軟の形の事業運営になっているのが
お分かりいただけるかと思います。
2ページでございますけれども、放課後児童クラブがどのような活動をしているかと
いうことについて、典型例をとりまして若干御説明させていただきたいと思います。そ
こに書いてございますけれども、運営主体、実施場所、活動内容等は地域によってさま
ざまでございますけれども、典型例は大体このような通りであるということでございま
す。
活動場所と運営主体でございますが、まず活動場所につきましては、児童館内で行っ
ている場合が約2割強ございますけれども、児童館内に専用室を設けまして行っており
ま す。運営主体につきましては、市町村の児童福祉担当課が運営しているというパタ
ーンでございます。2つ目が、学校におきまして余裕教室でありますとか、あるいはプ
レハブ等で専用施設をつくりまして、そこで事業を行っている。これが4割弱ほどござ
いますが、教育委員会が中心となりまして事業を行っております。それから3番目に、
公民館や保育所等の公的な施設を使いまして、ここで事業を行っているというものもご
ざいます。さらに、一番右側になりますけれども、民家やアパート等を利用しまして行
っている。これにつきましては、そこに父母会等とございますが、これは児童の父母が
中心となってつくった自主的な組織で運営しているという場合もございます。
それから開設時間でございますが、平日の12時から17時ないしは18時、要するに学校
が終わってから夕方までの時間というのが通例でございます。
それから、一番下になりますけれども、対象児童は小学校1年生から3年生を対象と
しているというのが通例でございます。中には、4年生以上でありますとか、2年生ま
でというところもあるようでございます。
活動内容につきましては、まず、イメージを持っていただくために3ページの方をご
らんいただきたいと思いますが、ここに参考として掲げておりますのは、東京都のある
児童クラブの活動から取ったものでございます。まず、学校が終わりますと、児童が帰
ってまいりまして出欠の確認をいたします。その後、宿題ですとか遊びという形で放課
後児童クラブで過ごす訳でございますが、例えば宿題につきまして、どこまで指導員が
「やりなさい」という形で強制的に指導するか、あるいは遊びについて全く自由に遊ん
でいるというのか、あるいは共同の遊びを指導するというような方針というものは、ク
ラブによってさまざまでございます。この間、おやつが出されるというのも普通の形で
ございます。それで、大体夕方ぐらいまでそのような活動をいたしまして帰るというよ
うな活動をしております。
2ページに戻っていただきまして、活動内容の下から3番目の・でございますけれど
も、外出につきましては、これもいろいろでございまして、原則禁止しているクラブで
すとか、行き場所や時間を登録すれば出掛けて行ってもいいというようなクラブなど、
クラブによりましていろいろな方針がございます。それから、早退等につきましても、
理由が明確な場合には比較的自由にさせているクラブが多いようでございます。
次に4ページでございますが、「放課後児童クラブの実施状況」ということで、ここ
に「放課後児童対策」とありますが、これは一般的に放課後児童クラブの実施状況とい
うことで説明させていただきます。ここにありますデータは、平成8年5月1日現在で
厚生省が都道府県を通じて調査したものでございます。調査対象は、国庫補助対象クラ
ブのみではなくて、国庫補助対象外のもの、すなわち地方単独で行っております事業で
すとか、あるいは民間独自の事業というのもこの中には含まれております。
まず、(1)のか所数でありますが、 8,605か所ということでございまして、これは
実施市町村で見ますと、全体の約3分の1の市町村において事業が行われているという
ことでございます。
次に運営主体別でございますが、6割弱が公立公営、2割が公立民営、これは事業主
体としては市町村でありますが、民間委託を行っているというものでございます。それ
から、2割強が全くの民立民営で行われているという状況にございます。
3番目に実施場所でございますけれども、これも極めて多様な形となっております。
まず児童館・児童センターが全体の2割強。それから、学校の空室ですとか、学校敷地
内に専用施設をつくっているようなものが4割弱ございます。それから、中ほどに民家
・アパートというのがございますが、これが1割強ございます。
次に4番目でございますけれども、何人ぐらいの児童がいるかと申しますと、概ね20
人〜70人というエリアに大半が含まれているという格好でございます。19人以下も16%
ほどございますが、これは国庫補助の対象外となっております。
それから、学年別に児童の数を見てみますと、学年が上がるにつれて減少するという
ような傾向にございます。トータルでは32万人の児童が現実にこのクラブで過ごしてい
るということでございます。
NO4に続く
問い合わせ先 厚生省児童家庭局企画課
担 当 朝浦(内3113)
電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
(直)3595-2491
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