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96/03/13 第1回中央児童福祉審議会基本問題部会議事録NO4
○F委員 児童福祉法の改正というのが大きな柱としてあるんですけれども、10月まで
に児童福祉法の改正も念頭に置きながら、こういう議論をする。しかも、いただいた資
料だと、児童福祉法をみてみても、児童福祉法の中には余りいろんなことを決めていな
いんですね。何かあるかが書いてあるだけで、それをどういうふうな中身なのか、運営
なのかというのも、また、それに基づく細かい予算であったり、基準であったりします
ので、どういうふうに実際に議論はなっていくんだろうかというのはよく浮かんできま
せん。しかも、いろんな問題があって、先ほどいただいた15ページに、子どもの年齢か
ら見ると、こういうことがありますよというふうな一覧をいただいた訳です。行政の側
からとても出しにくいのかもしれませんけれども、例えば施設数でどれだけだとか、そ
こに何人入っているか、充足率がどうだとか、そういう数字なんですけれども、私たち
がここで議論をするための助けになるように、例えば保育所はここに柱が出ていますけ
れども、もう少し具体的に、多少抽象的でもいいですから、例えばここに書いてある障
害者施設の整備運営、こういうところというのは一体どういう問題が抱えているのか、
行政として課題として挙がっているのがみんなあると思うんです。それの発表の仕方が
難しければ、それはまたここで考えたらいいんじゃないかと思いますけれども、そうい
うのを少し出していただいたらどうなんでしょうか。そして、そういう見ながら、今度
は子どもは全体の中のどういう状況なのか、そして家庭と社会との関係とか、そういう
話が出てくると思いますから、いずれにしても、50年も歴史が経っていれば、施設運営
も、中身も、人もいろんな意味でいろんな問題を抱えていると思うんです。それが時代
にマッチしているかどうかということと関係してくると思いますから、一つ一つについ
て、例えばこんなことありますというふうな形を出してもらうと私どもも早く全体像が
つかめるんではないかという気がしますので、部会長さんと事務当局の方で検討してい
ただけるとありがたいと思います。
○部会長 ありがとうございました。
○児童家庭局長 いまのF委員のお話なんですが、ちょっと御説明が足りなかったと思
いますので、補足させていただきますと、今日は第1回目ということでお願いした訳で
すが、そういった意味では、むしろ当面の審議項目という案を出しましたのは、全体像
として大きな枝ぶりとしてどういう議論をしていただこうかということの項目を一応た
たき台として出させていただいたということでありまして、さらに、そういった大きな
枝ぶりとして、こういうようなところをやったらいいんじゃないかとか、そういう御議
論をいただいて、またやっていく中でさらに追加するということは当然あると思います
から、当面の審議項目ということでお決めいただいておいたらよろしいんではないか。
そうすると、それに沿って我々の方もいろんな資料等々も用意しやすいという問題もあ
りますから、そういった意味でまずこれをお願いしようかと思います。それからもう一
つの資料2の方は、これはある意味では、一般的な資料ということで出させていただい
た、こういうことで御理解をいただきたいのであります。
それで、今後どういうふうに進めさせていただきたいと考えているかと申しますと、
例えば今ここに1、2、3、4と挙がっておりますけれども、これはかなり大きな枝ぶ
りだと思うんですけれども、例えば1の問題、「子育てをめぐる現状と問題点について
どのように認識するのか」、こうありますが、これに絡む現在における各界のいろんな
意見とか、あるいは問題点、それに対する案とか、これまでも議論されているようなこ
とがいろいろあると思いますから、そういった問題については網羅的に整理したものを
出させていただこうと思っています。恐らくここに用意した資料をつけ加えるような意
見というより、むしろ、その中でそれぞれの意見をどう判断するのかという議論がメイ
ンになってくるんじゃないかというふうに思っていますけれども、そんなようなことで
、そこのところはまさにFさんがおっしゃるようなことで、これだけで、さあ、議論し
てくださいと、こういうことではありませんので、その辺、事前に委員の御就任をお願
いした際に、当然お話ししていただいたと思っておったものですから、そこを省略をし
てしまったんですが、そこはそんなふうに考えております。ですから、そういう意味で
は、これから進めていく上において、そういった角度で整理したい、相当議論はなされ
ているというふうに思っておりますから、それを整理したものをお出しをしていきたい
。それに関連するバックデータとか、そういった資料というものも十分整えてお出しし
たい。
それからもう1点、場合によっては、時間的な問題があって間に合わないということ
もあるかもしれませんが、出来るだけといいますか、原則として事前に各委員に資料は
お送りしておきたい。お忙しくて大変恐縮でございますけれども、出来ましたら、事前
にざっと目を通しておいていただいて、ここの場での資料説明は簡略にさせていただく
。そしてまた、その資料に対する御意見等があれば、もちろんしていただいてしていい
んですが、そんなことで出来るだけ議論の時間というものをとりたい。そういった意味
では、ちょっと長くなるんですけれども、1回の審議時間を2時間半ぐらい覚悟してい
ただけないかなと、30分ぐらいを私どもの方から概略資料を御説明させていただいて、
あと2時間をたっぷり御議論いただく、そんなようなことを考えております。それは原
則でありますから、その状況状況によって、もちろん違うと思いますが、そんなことで
考えておりますので。この資料が出せないとか、あの資料は隠しているとか、そういう
ことはありませんので、そこのところは御理解を賜りたいというふうに思います。
それからもう一つ、先ほどD先生の方からちょっとお話がございました他省庁の分野
についてなんですが、私は、先ほど会長の方でおまとめいただいたことでいいと思って
おりまして、私どもは、もうちょっとリベラルに考えておりまして、そこは自由に議論
していただいていいんじゃないか。ただ、この中央児童福祉審議会というのは厚生省の
審議会なものですから、労働省が出てきて、ここで説明しろとか、文部省が出てきて、
ここで説明しろという訳には−−もちろんどうしても必要だということであれば、ちょ
っと来てくださいということでお願いはしますけれども、基本的にはそういうものでは
ないので、そこら辺のところの制約はお許しいただきたい。だけれども、この議論の場
においては大いに御議論いただいた方がいいだろうと思います。ただ、それを世の中に
まとめとして出すときに、どういうかっこうで出すかというのは、またこれはそのとき
の御相談ということになろうと思いますから、ここからここまでが守備範囲だから、こ
こから一歩も出ないというつもりは私どもはありませんで、むしろ、もっと自由闊達に
お願いした方がいいかなと思っております。ちょっと補足させていただきます。
○部会長 ありがとうございました。Fさんからお話がありましたように、どういう順
番でどういうふうに資料を用意してというふうなことにつきましては、お許しいただく
ならば、私がそれぞれの担当の部署の方と御相談しまして、審議に必要なものを具体的
にお示しするということにさせていただきたいと思います。
それから、今の母子か、父子かというふうなお話なども、表記は、これはあくまでも
「当面の審議項目」とありますが、私は「当面の審議が期待されておる項目」と、こう
いうふうに思っておりますし、さらに(案)と書いてありますので、これは何もないと
話にならないから時間の短縮のために用意されたものだという程度に理解しております
。ですから、ただいままでの御発言を十分踏まえて審議項目をまた改めて順序を整理し
たりなどさせていただきたいと思っております。−−ほかにございますでしょうか。
○C委員 少し教えていただきたいんですけれども、この基本問題部会の議論の目的が
、例えば保育所とか、あるいは要保護児童施策とか、児童福祉関係全体のうちの特定の
分野に焦点を絞って、ある程度のまとまった提言をする機能を期待されているのか、そ
れとも先ほどE先生がおっしゃいましたように、子育てとか、児童の健全育成とかとい
う視点からいろいろな考え方を開陳して、収束することは考えない。どちらの方向で考
えるべきなのでしょうか。私はむしろ保育所とか、あるいは一人親家庭施策とかという
ふうにかなり範囲をしぼり、土俵を決めた議論で新しい保育制度のあり方を提言すると
いうふうに思っていたんですが……。
○児童家庭局長 私ばかり申し上げていますが、むしろ、この場でお決めいただいて結
構なんでありますが、私どもの期待を申し上げるならば、今回の御議論というのは、現
行制度にとらわれずに、これからの時代を見据えたかっこうの議論をいただいた方がい
いんじゃないか。そういう意味では、そうはいっても現行制度というものをベースに考
えた方が分かりやすいということで、一応この検討項目はこういうふうに整理しており
ますが、そういった意味では、幅広く議論いただいてもいいんですが、ただ、C委員の
後者の方の問題意識が具体的な問題としてどういうふうなことか分かりませんが、現行
制度の体系の枠組みだけで、子どもの問題というのをとらえていく必要は私はないと思
っていまして、そういった意味では幅広くとらえていいんじゃないか、そんな気持ちで
考えております。ですから、例えば子育ての問題も、保育所だけをとらえてやるという
んじゃなくて、まさに子育てのシステムといいますか、オギャーと生まれてから、どこ
までターゲットに考えていくのかということを含めまして、そこのところは、むしろ御
議論いただいた方がよろしいのではないか。今後具体的にどう制度化をしていくのかと
か、そういう問題がありますし、それから、現行制度との関係というものをどうしてい
くのかという問題があるはずであります。恐らく今回の議論というのは、そこまではな
かなかいかないだろう。かなり思い切り議論していただいて、それじゃ、現行制度との
関係をどうしていくのか、あるいは制度化をどういうふうにしていくのか、それは今後
の議論の進捗を見ないと分かりませんが、恐らくそこは私どもの仕事だろう。そして、
そこのところをどういうかっこうでお諮りするかはまたありますけれども、一番ストレ
ートにお諮りするとすれば、それをまた一つの案として、たたき台として、それでは、
こういうような形の制度改革というものをどう考えるかということで、今度第二段とし
てお諮りするのかなと、こんな気持ちで実はおる訳であります。
したがって、この議論をしていただく中で、かなり意見の開きがあるもの、それから
制度化に向けて意見の集約が出来るもの、いろいろあるんだろうと思います。そういう
中で意見の集約がかなり進んで制度化に結びつけられるというものは制度化をしていく
。そういった意味では出来るものから具体的に制度の創設なり、制度の変更なり、そう
いうことでやっていくのがよろしいんじゃないか。やはりこういう問題というのは、価
値観が多様化しておりますから、なかなか一遍にまとまらないという問題もあろうと思
います。私どもとしては、出来るだけ方向性がまとまったようかっこうでおまとめいた
だけるといいなと思っております。そこは今後の審議の状況で考えていきたい。
したがって、そういった中で、10月ごろまでには大きな方向というものを出していた
だければ、そこから先、第2ステップの議論というものにつなげていけるんではないか
。そして可能であれば、来年の国会なりに制度改革ということでお願いをしていく、私
どもとしては、今後の進め方として頭に描いている訳であります。
○部会長 すみません。先に部会長代理から御発言をお願いします。
○部会長代理 今の局長の御説明で大体分かったんですけれども、これは全体として非
常に難しい大きなテーマなんですね。ここへ1から7項目までの審議項目というのが書
いてありますけれども、強いて分ければ1、2、3、4が総論的なことで、5、6、7
というのは各論的なことだろうと思うんですね。先ほど厚生省は何を考えているのか、
問題点をもっと整理して出せという御意見がございましたけれども、ある段階でそうい
うものを出していただくことも当然必要だと思いますが、いわば総論的な1、2、3、
4の問題についてせっかくこれだけ子どもの問題、あるいは児童福祉の問題について、
それぞれ御専門の方々、あるいは問題意識を持っておられる方がお集まりをいただいた
訳ですから、むしろ、それぞれの先生方から、自分としてはこういうことが一番問題だ
と考えているというようなことを最初の段階ではいろいろ出していただいて、ある程度
共通の認識といいますか、問題意識を持った上で各論に入っていく、あるいは役所は一
体どう考えているのかというふうなことでないと、最初から役所に整理したものを出し
なさいというやり方は、役所の審議会ではそういうことが多いんですけれども、少なく
ともこの審議会ではそういうやり方というのはどうだろうか。また、そういうやり方よ
りも、むしろ皆さんの方からいろんな問題を出して、それを踏まえて各論的な議論に入
っていって、最後に今の法律をどう改正したらいいのかというところに持っていきたい
というのが、私は、最初委員に御依頼を受けた時にお話をしたんですけれども、そんな
感じを持っておりますので、これからの御参考にしていただければと思います。
○部会長 それでは、どうぞ。
○G委員 今、部会長代理の方からお話がありましたので、私自身が関心を持っている
ことといいますか、そのことは現在の仕事を通してやっていて、子どもの幸せを考える
ことにおいては誰もが変わりがないんですけれども、親の考えている子どもの福祉のあ
り方と、子ども自身にとってみて、それが必ずしも幸せにつながっていかないといいま
すか、親の権利と子どもの権利が相反してしまう、そういった場面が現実問題としてか
なり起こっている訳です。それについては今の児童福祉法でもそれなりの整理はついて
いるんですが、現場で仕事をしていますと、その中でどんなふうに考えていったらいい
のか、どうやったら子どもの立場なり、権利なりを守ることが出来るのかということで
悩むことも多いものですから、これらについてもう少しはっきりした整理が出来ればあ
りがたいと、こんなふうに思っています。
それからもう1点は、先ほどの説明の中に子どもたちの自立の問題の話がありました
けれども、いろいろな子どもたちの持っているハンデ、育てられ方もありますし、本人
の持っている能力もありますし、いろんなハンデからして、いまの社会にすんなり適応
していくためにはかなりの年数がかかる。そういう中で18歳という法律の中だけで自立
していくのが非常に難しい。具体的にはいろんな政策がとられていて、延長されている
面もあるんですが、それについてももう少しきちんと整理出来ればいいかなと、こんな
ふうに思ってます。
○H委員 私は小児科医で三十数年若い母親とか、小さいお子さんと接してきた訳です
けれども、さっき局長さんが広い視野でと言われたので、こういう教護施設とか、保育
所とか、一人親とかという特殊なことだけでなく、一般の子どもが現在置かれている立
場がどうなのかというところから、施策に結びつくかどうか分かりませんけれども、考
えていただきたいなというのが一つあります。
というのは、いろいろなところでも紹介されていますけれども、いま若い母親は育児
不安に置かれています。育児不安に置かれている母親に育てられる子どもというのは、
伸び伸びとした環境には育っていない訳です。ですから、母親だけでなく、子どもも支
援する。先ほど保育課長さんが支援という体制についてちょっとお話になりましたけれ
ども、私どもも痛切に感じているのは、母親と子どもをいかにして支援して−−指導じ
ゃなくて支援して、子どもが伸び伸びと育つような環境がつくれないのかなということ
についていつも頭を悩ませておりますので、ここで、私の意見を述べさせていただくの
と同時に、今後支援対策につながってほしいというのが1つと。
それからもう一つは、今、医療が非常に進んでいますので、昔は育たなかった子ども
が育つようになってきました。例えば超未熟児−−500 gとか、700 gの子どもとか、
重い糖尿病とか、腎臓透析を受けながらのお母さんの子どもとか、昔は育たなかったと
いう子どもが生まれてきていますが、その子も結局完全に正常児としては生まれてきて
いないんですね。あらゆる意味での支援を必要としているんです。ですから、よく新聞
なんかに500gの子どもが育ったということが記事になって、その次は400gとか、300
gとか、何だかギネスブックのような感じがなきにしもあらずなんですけれども、結局
その子たちは生命はとりとめたけれども、その後の発育、発達に関しては絶対的に支援
が必要なんですね。そういうのが児童福祉の法律のどこかに入るのかなと。支援体制が
是非とも必要なお子さんがだんだん増えてきている訳で、そういう社会情勢の中で、そ
の子たちに福祉対策が適用出来るのかなと。出来たら、私はそういう立場でこれからも
発言していきたいと思いますけれども、最初にちょっと発言させていただきました。
○部会長 ありがとうございました。ほかの先生で、I委員さん、どうぞ。
○I委員 今の御意見と私も一部ダブるかというふうに思うんですけれども、母子寮と
か、養護施設とか、教護院とか、定員割れしている。それは問題の方たちが少なくなっ
た訳ではなくて、むしろグレーゾーンがすごく増えているような気がするんですね。救
貧というようなことをもとにした福祉施策というのはだんだん減ってきている訳ですけ
れども、虐待一つとってみても、それが日常化してきている。児童相談所に駆け込んだ
り、母子寮に駆け込んだりするのではない虐待の日常化、育児不安の増大、非常に幼児
化したお父さんとお母さんが多くて、日常的に子育て放棄のような状態が慢性的に続い
ているというような状況があって、児童福祉というよりも、家庭福祉支援とか、地域福
祉支援みたいな観点を入れながら考えていかなければ、時代にマッチしてこない部分と
いうのが出来てくるんではないかなという気がするんですね。そういうことは行政とか
、施策の対応は非常に難しい部分ではあるんですけれども、そこをきちんと何とかサポ
ート出来るようなものをつくっていかないと、何か時代に浮いてしまったものに結果的
にこの答申がなってしまうような気がいたしますので、日常的な虐待、日常的なノイロ
ーゼ状態みたいなものをどうすくい上げていくか、家庭地域支援というような視点でや
っていく必要があるのではないかというふうに思います。
○部会長 ありがとうございました。じゃ、E委員さん。
○E委員 今、Iさんの方から、そういうような状況の報告があったんですけれども、
実際に、我々養護施設の方でも、戦後50年、当初、戦災孤児から出発して、いまはほと
んど親のいる子どもたちばかりで、中には両親がそろっている子どもたちも2割弱いる
というような状況の中で、そういった大きな変化とかで定員割れで、先ほど説明があっ
たように確かに養護施設が8割しか子どもが入っていない。それじゃ、ニーズはないの
かというと決してそうじゃなくて、多様なニーズがありまして、これも説明があったア
ドボケーター事業で、私どもで電話相談で地域でいろいろな相談を受けて、ネットワー
クでいろいろと対応しているんですけれども、これだけ親の養育機能が落ちてしまった
のかと思うようなケースがたくさん出てきたりとか、あるいはついこの間も私どものと
ころに一時保護をしたんですけれども、小学校4年生の女の子が自分で交番に駆け込ん
で、虐待されていて、家に帰ったら自分はだめになるということで是非施設に入れてく
れと。高校生ぐらいだったら話は分かるんですけれども、小学校4年生の女の子がそう
やって駆け込んでくるというような状況になってきているということで、そういったニ
ーズが必ずしも浮かび上がってこなくて、というのは、いま養護施設等を中心とした児
童福祉施設の提供するサービスとニーズ等がどうもすれ違いを起こしているというふう
なことで、そういう意味で、先ほどFさんが状況がよく分からないというふうなことで
は、部会長代理が言ったような形で明確に問題点を出していった方がいいなというふう
に思っておりまして、ニーズといままでのサービスの仕方の大きなすれ違い、ミスマッ
チが児童福祉法をいじくり直さなければだめなんじゃないかというふうなことで私なん
かは期待して参加をさせていただいている訳ですけれども、そんなことです。
○部会長 ありがとうございました。ほかの先生でまだ御発言いただけない方がありま
すが、J委員さん、どうぞ。
○J委員 先ほどお話にありました他省庁とのかかわりということなんですが、保育、
特に0歳児保育に関しましては、育児休業と密接に絡む部分があると思うんです。昨年
から全面施行されて、しかも、社会保険料も本人負担分を免除するだとか、あるいは育
児休業給付もつけるというところまで進んできたんですが、それが実際にどのような取
得状況になっているのか、うまく進んでいるのか、進んだことによって保育所の利用が
どのように変わったのか、あるいは進んでいないとすればどこに問題があるのかといっ
たようなことを労働省あたりでつかんでいる資料があれば御紹介いただきたいし、ある
いは現場に一番近いところにいらっしゃるF委員からのお話もいただけたらというふう
に思います。
○部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
○K委員 私は、経験は多少あるんですけれども、学識がないので、この席に列席させ
ていただいて果たしてお役に立つかどうか心許ないのでありますが、先ほど部会長代理
が、非常に基本的なことについて検討すべきではないかというような御発言があったよ
うに思います。この部会の名前も基本問題部会ということでありますから、その辺につ
いても踏み込んだ意見の交換があってしかるべきではないかと思うんです。
私の周りにも、そういう事例があるのも承知しておりますが、私の場合は、もっぱら
新聞、あるいはいろいろなメディアを通じて、非常に深刻な問題があることを承知して
おります。恐らくこの基本問題部会では、それに対する対応策といいますか、対処療法
的なところにとどまらずに、例えばいまのチャイルド・アビュースの問題だとか、いろ
んな問題について、それでは、そのアビュースを受けた子どもを保護するとか、救済す
るとかいうことにとどまらず、アビュースそのものを起こらないするようにするにはど
うしたらいいかというところまで踏み込んで検討すべきではないかという気がいたしま
す。非常に難しい問題で、社会的なトレンドというものが厳然として存在する訳であり
ますから、その根源にまでタッチするということは非常に難しいと思いますし、人それ
ぞれにいろいろな価値観を持っている訳でありまして、それに対して余り強過ぎる社会
的な規制、あるいは社会的規範の押しつけみたいなことをするのは、場合によりますと
、民主主義の基本に触れるようなことになるかもしれませんが、私自身、決して道学者
でもありませんし、そんなに立派に人間でもないんですけれども、しかし、どうも戦後
の民主主義の中での価値観の多様化というものが少しく行き過ぎてしまっている面があ
るはしないか。もう少しみんなで日本の社会、あるいは人類社会のあり方みたいなもの
を考えて、いわゆる根本、基本の問題にまで踏み込んで、この部会では議論をすべきで
はないかなと、こんな感じを持っております。
○部会長 ありがとうございました。−−どうぞ。
(NO5に続く)
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