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96/03/13 第1回中央児童福祉審議会基本問題部会議事録NO3
○家庭福祉課課長補佐 35ページからは母子家庭施策がありますけれども、35ページが
母子家庭施策の全般をここで書いてございます。まず現金給付といたしましては、児童
扶養手当とか、年金の給付、貸付制度として母子福祉貸付金、寡婦福祉貸付金制度でご
ざいます。それから、自立促進といたしましては、ホームヘルパーの養成講習だとか、
福祉研修だとか、就労促進の情報収集、これは民間団体にお願いいたしておりますけれ
ども、そういうところ。それから、若干古くなりますけれども、売店等の優先設置だと
か、タバコ販売人の優先許可だとか、そういうことが行われております。
それから、生活指導等につきましては、母子寮だとか、母子福祉センター、母子休養
ホーム、4番目に母子相談員の設置ということがございますけれども、母子及び寡婦福
祉法に定められております母子相談員、現在が1,128名というところでございまして、
母子全般の相談にあずかる相談員ということでございまして、常勤と非常勤に分かれて
配置されております。そのほか母子家庭等生活指導強化事業、あるいは子育て支援短期
事業、これは子どものショートステイというふうに申し上げておりますけれども、この
中の一番目に、父等が帰宅するまでの間ということを書いてあります。これはトワイラ
イトステイ事業というふうに我々申し上げております。
それから、労働省にお願いをいたしております就労対策が4つほど並べられておりま
すけれども、労働省にお聞きいたしますと、この利用状況が把握されていないというこ
とでございます。住宅対策として公営住宅が母子世帯向けに特別配慮をされております
けれども、現在で2万7,000戸、税制上の優遇措置がこのように今現在行われておりま
す。その参考に、母子家庭と父子家庭と寡婦の定義が並べられておりまして、先ほどの
生活指導等のところに※印が3つほどふってありますけれども、ここが父子家庭にも対
応している箇所でございます。
次の36ページが母子家庭の概要でございまして、母子世帯等実態調査を5年ごとに行
っておりますけれども、昭和31年では、母子世帯総数が115万世帯でございましたけれ
ども、それが平成5年では78万9,900、63年よりも若干減少してきております。これを
みてお分かりいただけますように、53年に母子世帯の死別と生別の割合が逆転をいたし
ておりまして、終戦当時は死別母子世帯が大半でございましたけれども、53年で生別世
帯の方が多くなってきて、現在はこのように73%が離別、死別が24%と、このような状
況になってきております。
それから、37ページが母子寮の概要でございまして、この母子寮というのは、児童福
祉法の中に現在規定をされておりまして、母子一体で施策を推進すべきだということで
要保護児童の中にも入っておりますけれども、母子寮というのは、児童福祉法の中にご
ざいます。措置権者は現在福祉事務所長ということで、法制定時では市町村長でござい
ましたけれども、そぐわないということで福祉事務所に改正されて現在に至っておりま
す。この施設もかなり公立が多うございまして、3分の1は民立で、3分の2が公立と
いうような形になっております。入所世帯はご承知のように年々減少してきておりまし
て、現在では70%となっております。
それから、母子寮に入所した世帯の状況が38ページに書いてございますけれども、先
ほど申し上げましたように死別によります入所というのが多かったんですけれども、最
近では、そういう面ではかなり様がわりをしてきておりまして、生別の中に「未婚の母
」というのがございますけれども、36年当時では1.7%であったのが、平成4年ですけ
れども、626世帯で14%と、こういうことで多くなってきております。
それから、2)の「入所理由」でございますけれども、「入所前の家庭内環境の不適当
により児童の福祉に欠ける」というところがございますけれども、これはサラ金だとか
、夫の暴力だとかによります入所ということでございますが、この辺は36年と現在でも
ほとんど変わっておりません。「母親の心身の不安定により児童の福祉に欠ける」とい
うのも、ここが大幅に下がってきているということで、36年当時では30%であったのが
現在は7%弱ということで、そういう意味で変わってきています。「経済的理由による
」というのが、現在では27%近くになっております。それから「住宅事情による」も33
%と。
次に、39ページは、児童扶養手当。母子家庭対策の重要な柱をなします所得保障の一
環として児童扶養手当制度が37年からスタートいたしておりますけれども、制度改正が
60年にございまして、現在は二本立てで運用されております。国支給分と都道府県支給
分という形でございまして、60年8月以前に既に認定されていた方々については、国が
全額支給分ということで行っておりまして、60年8月以降の認定者については都道府県
が4分1、国が4分の3ということで現在行われておりまして、事業費ですけれども、
給付費総額は約3,000億円に対しております。そのうち国が2,400億円、都道府県が700
億円というような、大まかな数字では、8年度予算ではそういうふうになっております
。
5番に世帯別の受給者数が述べられおりますけれども、38年当時では、生別母子世帯
というのが40%近くでございましたので、現在では86.6%ということでございまして、
生別世帯がほとんど受給されているということでございます。
次のページは、児童手当制度について参考までに載せてございます。
次に、41ページでございますが、先ほど申し上げた貸付金のところでございますけれ
ども、母子及び寡婦福祉法に基づきます母子福祉寡婦福祉貸付金の概要、現在、種類別
には13種類ございまして、次のページをご覧いただきますと、貸付の件数が記入されて
おりますけれども、児童に対する資金の貸付が修学資金、あるいは就学支度資金ですけ
れども、この数字−−73.7%と19.7%をプラスしますと93.4%ということで、実行上は
児童のための資金になっているというのが実情でございます。寡婦福祉貸付金について
も、いまの項目のところだけで70%を超えておりまして、やはり児童のためになってい
るという制度でございます。母子及び寡婦福祉法になりましたときには、昭和56年です
けれども、母子と寡婦は資金を別々に交付しておりましたけれども、平成6年からは寡
婦の方が余って母子が足りないというようなこともありまして、効率的に運用するとい
うことで、貸付金の特別会計を1本にして運用されてきております。
次の43ページが父子家庭でございます。父子家庭対策というのは、昭和50年代からの
サラ金等による母親の蒸発等からどうしても父子家庭対策をやらなければいかぬという
ことで始められまして、実態調査も58年から調べられおりまして、若干増えぎみでした
けれども、平成5年には若干減ったということでございます。死別と生別の割合は32と
65というようなことになっております。
その父子家庭施策の概要が44ページにございます。先ほど申し上げましたように、大
半はいままでは母子家庭対策を模倣してきた訳でございますけれども、イに書いてござ
いますように、平成8年度予算案では、唯一でございますけれども、父子家庭をメイン
とする事業を始めようといたしております。離婚等によっていろんな孤立化を防がなけ
ればならないというようこともありまして、実態調査結果からみると、母子家庭のよう
に所得の方に重点を置くよりも、家事、育児の方が父子家庭は大変だということに着目
いたしまして、今回の事業を取り入れた訳でございまして、ホームフレンドということ
で孤立化を防ぐために児童共々助けていかなければいかぬということで、児童に対する
大学生等の派遣、若干父子家庭の自助を助けるグループを集めていただく費用だとか、
そのPRの費用を来年度から支出いたそうということでございます。
それから、先ほどもちょっと申し上げました子どものショートステイ事業でございま
すが、これは父子家庭にも行われておりまして、特にトワイライトステイ事業という夕
方の3時ぐらいから夜の9時ぐらいまで、夕食を養護施設等で出していただいて若干の
指導をしていただくというようなトワイライトステイ事業も行われております。あとは
母子家庭と同じような施策が行われております。
最後がその他で、児童福祉行政の中の今回御説明を申し上げたような施設の職員と児
童相談所の職員の概要が並べられております。
以上でございます。
○部会長 どうもありがとうございました。大変膨大な資料を御説明いただきまして、
お話しくださった方も大変だったと思うのでございますが、お聞きになった方もすごい
量だとお思いになったと思うんですが、こうしたものを念頭において少し審議を進めて
いく手順などについてお話し合いをさせていただきたいと思うのでございます。ただい
まのお話をお聞きになったのと同時に、当面審議が期待されている項目についての御説
明についてもご意見があろうかと思いますので、御遠慮なく御意見、あるいは御質問も
ちょうだいしたいと思います。A委員さん、どうぞ。
○A委員 当面の審議項目の表記なんですが、4番目に「母子家庭の置かれている状況
をどのように認識するのか」、7番目にも「母子家庭施策について」という表現がござ
います。世界の家族というのは非常に多様化しておりまして、別に親の数が何人だとか
、それから、その親がどっちの性だとかということにはこだわらずに、もしかしたら、
新しい家庭が家族の形で日本でも出てくるだろうと思います。多分「単身家庭」とか、
「ひとり親家庭」という言葉を使われ始めたのは厚生省だったと思いました。それに敬
意を表しております。もちろん法律的には、また施策的には母子家庭とか、父子家庭と
いう区別がなされていることは分かっておりますが、例えば審議項目であれば、それを
「ひとり親家庭の置かれている状況……」というように表記もしても、これは差し支え
ないではないかと思っております。
例えばいままでの資料の御説明でも、父子家庭というのは孤立化しがちで、家事、育
児の方が大変だおっしゃいましたが、母子家庭でも、むしろ収入は図られているけれど
も、家事、育児は手が回らないというようなのも出てきておりますので、私どもの間か
ら出来るだけ父子、母子というような区別をしないで、実質的な審議は母子家庭に置か
れるとは思いますけれども、この審議題の表記の仕方だけ変えていただけると大変あり
がたいなと思っております。
○部会長 大変今日的な御提案だと思います。私も最近の新聞などの論調をみておりま
して、家族というのは一体何なんだろうかというふうな思いを盛んにいたしております
。何かいまのことと関連したことでも結構でございますが、課長、お答えになりますか
。
○家庭福祉課長 家庭福祉課長でございます。この件を担当させていただいております
。私ども、先ほどの御説明でも申し上げましたように、母子家庭対策の中に父子家庭が
入っておりまして、そしてまた寡婦までも入っているということでございます。最後に
先生がおっしゃいましたように、実質的には母子家庭がどうしても中心となりますので
、そういうふうにいたしておりますのと、それから、たまに「ひとり親対策」と使うこ
とはございますけれども、まだ人口に膾炙していないという面がございます。地方公共
団体の中でも、「ひとり親」という言葉だけを使うというのは東京都とか幾つかござい
ます。まだ例的でございまして、十分に行き渡っていないということで今「母子家庭対
策」という言葉を使わせていただいているということでございます。
○A委員 人口に膾炙していないがゆえに、ここで審議項目のタイトルをそのようにし
ていただけたらありがたいと思います。大学人の間ではもうそれは常識になっておりま
して、例えば学生に家族の話をするときも、「母子家庭は」というような表現は絶対使
わない。つまり学生にもそういうのがおりますので、そういう意味では、ある層から変
えてきている訳ですから、大変しつこいお願いで申し訳ないんですが、もし出来れば、
その部分だけを変えていただけるとありがたいと思いますが、時期尚早だとおっしゃる
なら、もちろん構いません。
○部会長 ほかにどうでしょうか。−−どなたでも、ただいまの先生のような御意見も
結構ですし、また御質問でも結構なんですけれども、B委員さん、どうぞ。
○B委員 御質問になるんですが、今日は、これから審議する項目に関して背景となる
データを多量にそろえていただきまして、かなりいろいろな面で参考になると思うんで
すが、もし出来ましたら2つほど、いまお分かりになりましたら教えていただき、ある
いは必要なときにデータを示していただければと思うんですが、1つは、8ページに有
配偶女性の就業率というふうな就労割合が出ておりますが、特に就学前の子どもを持つ
親の−−これは今お話のようにひとり親家庭もあるでしょうから、女性の就業率の最近
動向をデータとして示していただければ、いろいろ参考になるのではないかと思います
ので、お願いしたいと思います。
それからもう一つは、13ページでA委員の御意見などございました中で、母子世帯の
平均所得金額といいますか、まだまだかなり差があるかと思うんですが、最近の調査結
果でも結構ですが、母子世帯の平均所得金額、あるいは父子世帯を−−このような調査
はあるかどうかは私も分かりませんが、もしそれもございましたら、今、分かるものが
ございましたら今でも結構ですが、教えていただきたいと思います。
○部会長 ただいまB委員さんからお話のような資料をほしいというのがあると思うの
でありますが、今日とこの次ぐらいは包括的な議論にまずしていただいて、あと細かく
こなしていく段階で御要請をいただきました資料をその間にそろえていただくというこ
とであれば、今日すぐとか、この次というよりか充実したものがそろうのではないかと
思うんですが、そういう意味で資料がほしいというのがありましたら、この際どうぞお
っしゃっていただいたらいかがでしょうか。もっとも私もこの資料をいただいたときに
、こういう資料をこれだけ集めるとすれば、夜遅くまで役所の人は働かざるを得ないの
かなと思いながら感心したのでありますけれども、さらに欲しいということであればど
うぞおっしゃっていただいたらと思います。−−資料の話だけでなくて結構でございま
すから、どうぞご自由に。
○C委員 ひとつ資料の件で、有配偶女性の今、B先生がおっしゃった件については、
就業構造基本調査と労働力調査特別調査で子どもの年齢別の母親の就業、パートかフル
タイムか、親が同居しているかどうかという調査がございましたので、そういったもの
を御利用なさってはどうかと思います。
それから、母子世帯の関係で、特に離婚のときに養育費の取り決めがどの程度行われ
ているか。また離婚後、その父親からの養育費がどの程度履行されて送られているかど
うかというのがあれば大変ありがたいなと思います。
それから、資料とは別なんですけれども、当面の審議項目、7項目、それも非常に抽
象的なものとかなり具体的に踏み込んだ項目が挙げてあるのとございますけれども、こ
れは全部この部会で、グループ分けをしないで審議をなさる予定でしょうか、それとも
ある程度グループ分けをして……。
○部会長 今考えておりますのは、グループ分けしてやらないと、より専門性の濃いも
のもあるでしょうから、今回入れましたほかに、この次にもう一回ぐらいは全体で、こ
うしてお互いに議論を交わすということはしなければいけない。特に保育の問題は、や
はり全体で議論した方がいいのじゃないか。それ以外の問題−−要保護の問題とか、母
子家庭の問題ということになると、あるいは少し分かれて話し合った方がいいんじゃな
いか。一応粗ごなしを済ませた上でまたみんなで議論する。そして、出来れば10月ぐら
いまでにという局長のごあいさつがありましたが、それまでには一応の話をまとめたい
、こういうふうに私は思っておりますけれども……。
○C委員 承知しました。それでは、例えばこの審議項目に幾つか付け加えていただき
たいことというのは……。
○部会長 それはどうぞおっしゃっていただいたらと思います。
○C委員 まず保育所の関係で5のところに入るのかなと思いますけれども、特に先ほ
どの資料の御説明の中にもありましたように、保育所にお願いをしている親の所得が上
がっている中で応能負担になっている訳ですが、これはイコール所得の補足率との問題
がございまして、働いているサラリーマンの女性たちの中から大変不公平感が出ており
ますので、そういった応能負担のあり方についても御検討いただければと思います。
○部会長 分かりました。ほかにございますでしょうか。−−どうぞ。
○D委員 2点伺いたいんですが、1点は、先ほどA委員がおっしゃったことに私も大
賛成でして、そもそも前提として子を誰が育てるのかというあたりで、言葉尻をとらえ
る訳ではございませんが、先ほど座長がおっしゃいましたときにも、子、母、家族とお
っしゃったので、やはりこれは、子は少なくともまず第一義としては父母がありまして
、家族年以来様々な家族を社会が支援するということをいっていますね。そのあたりの
家族についての子を誰が育てるかというのは基本的な前提だと思いますので、先ほどの
御説明にもありましたけれども、ここでせっかく児童福祉法50年の節目で新しいものを
考えようということですから、なるべくそういうものを、考え方とか、言葉遣いについ
ても是非新しいものを取り入れていただきたいなと、それが1点と。
もう1点は、例えばエンゼルプランなどにしても、労働省、建設省、文部省、ほかの
省庁があれですし、健やかに子どもを生み育てる環境づくりに関する関係省庁連絡会議
、あれでも1.57ショックの後は、もっと幅広い各省庁の関連が出ておりますけれども、
この場合、例えば特に働き方とか、労働省の方でILOの家族的責任条約とか、いろい
ろなものが子育てについてもかなりかかわる部分があると思うんですけれども、その辺
の他の省庁との関連についてはどういうふうに、例えば保育時間ももっと柔軟にという
ことの裏には、もっと働きやすい働き方がなければいけないのに、何で保育所だけに押
しつけるのかというのが必ず出てまいりますね。その辺のことはどういうふうに考えた
らいいのかという2点をお願いいたします。
○部会長 最初の言葉遣いについて私がお答えいたします。私も実はここにメモしてい
る中では、母子及び父子と書いたんですね。ですが、そこまでやりますと、網羅した言
葉で、何々等と言わなければいけないような言葉になるので、一般的に、先ほど課長が
おっしゃっていましたように、ひとり親の子どもという場合に母子が多いから、どうし
てもそのあたりにというような意味で私は使いました。したがいまして、私自身も母子
家庭で育ちました。けれども、私自身が今度は逆に、家内を失って父子家庭で子どもを
育てました。ですから、よく分かっているんですけれども、用語の問題はひとつ御寛容
いただきまして、ねらいは間違いのないところでありますが、人口に膾炙していないと
いうような意味も含めて、今回のこの部会では隔意ない意見の交換をして、それをまと
めた段階で慎重に一つ一つの言葉を選びながら発表するということにさせていただきた
いと思います。
それから、他の省庁との関係については、恐らく私は、我々がこうして議論している
間に、この問題は労働行政と深い関係があるじゃないかなどというようなことが話題と
して出てきて、それからでもいいのではないかと私は思っております。初めから大きく
網をかけるのか。というのは、頭の中の考え方としては大きく網をかけるべきだと思う
んです。ですが、どこかから話を始めなければいけませんから、その意味では、いま児
童家庭局が所管しておられる行政の中でまず話をして、そこで矛盾があれば、矛盾があ
ることをいえばいいじゃないか、私はそう思っております。
○D委員 それについては、例えば保育の話なんかをするときにも、幼稚園とも関連が
あるので、文部省からも人がおいでになるとかいうことで、他の省庁への関心喚起とい
う意味もありまして、例えば労働省のそういうところの関係の方にここへも来ていただ
いて毎回聞いていただくとか、そういうことは出来ないなのかという気がしております
。
○部会長 それでは、それはよく勉強させていただきます。この次までにお答えします
。−−どうぞ。
○E委員 2点あるんですけれども、1点目は、私は養護施設の現場の人間でございま
して、いまA先生、あるいはDさんの話と座長のやりとりを興味深く聞いていたんです
けれども、私どもの仕事の立場からいうと、確かにいま我々の分野でもひとり親家庭と
いうふうなことが通常使われておりまして、あえて母子家庭とか、父子家庭とは言わな
いんですけれども、ただ現実的な施策の中では、母子対策とか、父子対策というふうに
言われている中で、特に養護施設の場合の入所ケースの多くが父子家庭なんですね。父
子家庭と母子家庭の割合は、私どもの施設でいっても6対4から7対3で父子家庭とい
うことで、父子家庭対策がややもすると、母子家庭対策の影に隠れちゃって、そういう
意味で父子家庭として養護施設に入った子どもたちがなかなか一緒にまた元の家庭に戻
れないというような状況にあって、それを支援するためにどうしたらいいのかというふ
うなことでは、ややもすると父子家庭対策が厚生行政の中では遅れているというふうな
、そういう見方を私自身はしておりまして、そういう意味では、母子家庭はともかくと
して、父子家庭というふうなことに力点は置きたいなというふうに思っています。
2点目は、保育対策の問題で保育対策イコール保育所の対策ではないんだろうと思う
ので、私どもの区でも、子育て支援の策定の計画を立てておりまして、家庭の中で幼児
を養育しているという、母親を中心としたお母さんたちも呼んでヒヤリングをしたりし
ている訳ですけれども、そういった中で、やはりお互いに当事者同士が子育てを助け合
っているというような面もあったりして、そういうところにもう少し公的な支援をする
ような方策も一緒に含めた保育対策というのはないのか、そんなことをちょっと考えさ
せられています。ということで、出来れば保育の問題を考えるときに、保育所問題で終
わっちゃうということじゃなく、もう少し拡大した形で考えられたらなというふうに思
っています。
○保育課長 保育課長でございます。ただいま2点目のお話でございますが、多様なニ
ーズに対応出来る子育てシステムはいかにあるべきかということで、大変抽象的に書か
させていただいている訳でございます。いままさに委員御指摘の点でございますが、家
庭におきまする養育能力の低下といったようなことが言われておる訳でございまして、
従来、保育に欠ける子ども、あるいはその親御さんということを念頭においた保育所の
機能ということのみならず、家庭でお子さんを育てておられるお母さん方、例えば最近
、子育てサークルでございますとか、なかなか実態を把握しずろうございますけれども
、こういったものも増えてきておる訳でございます。施策の紹介になりますが、地域子
育て支援センター事業というものを、先ほどの資料の中でも書かさせていただいており
ますけれども、こういった地域に目を向けた保育所施策といいますか、従来型よりもち
ょっと拡大したようなことでございますが、進めている訳でございます。この審議項目
ということで申し上げれば、いま委員御指摘の点も含めて御議論、御検討いただければ
というぐあいに思っております。
○部会長 それでは、どうぞ。
(NO4に続く)
問い合わせ先 厚生省児童家庭局企画課
担 当 朝浦(内3113)
電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
(直)03-3595-2491
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