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96/03/13 第1回中央児童福祉審議会基本問題部会議事録NO5
○B委員 私も、先ほど細かい方の質問だけでしたので、皆さんの御意見を伺いながら
、私自身も何を議論したらいいかという点で一つ申し上げたいと思うんですが、特にこ
の審議項目(案)の1番、2番に関係することかと思うんですが、やはり一番総論的な
部分かと思うんです。それは子どもは誰が育てるのか、子どもはどう育つのかという部
分を原点というおかしいんでしょうけれども、一番大事な部分を含んだ対応ということ
が是非この中で十分ディスカッション出来れば、それがその施策としてどう反映するか
ということでもっと生きた形で出てくるのではないかというふうに思います。
特に2番目のここに書かれているようなことでいいますと、恐らく子どもの発達とか
、子どもを育てるとかいうことに関心を持っている方は、多分誰もが児童福祉法の第1
条、第2条の理念とか、教育基本法の出だしの理念とか、やはりいまだすごいなと思っ
て受けとめられる部分があるのではないかというふうに思うんです。余りにも時代背景
が違いましたから、現実の国民の意識と法律とかが乖離したままかなり推移してきたと
は思うんですが、むしろ児童福祉とか、児童家庭福祉でいいますと、いま理念が実現出
来る土壌が漸く固まってきた部分があるんではないかなというふうに思います。
具体的にいいますと、国民が子どもを生み育てるということの本当に責任とか、国と
か、地方公共団体が保護者と一緒に子どもを育てるということの責任とか、そういう積
極的な面がなかなか難しかったと思いますし、どうしても子どもというのは、家庭的な
プライベートなことだということで、結局、福祉も後追い福祉といいますか、事が起こ
ってから保護とか、ケアが、これは歴史の流れからいうと当然だったと思うんですが、
それを国とか、地方公共団体とか、社会福祉法人もそうですが、あるいは国民すべてが
親と一緒に育てるという社会的支援とか、サポートをもう一つ越えた部分までどう進め
たらいいかということが今問われているのではないかというふうに思います。それが現
在の子育て不安とか、虐待、いじめもそうですが、様々な中でもっと大人が子どもにど
ういう関心の目を向けているかという部分を、一気にそれを法制度にはなかなか難しい
かもしれませんけれども、そこの視点で多分価値観がこの場でも随分違うと思いますの
で、いろいろ議論が起こるかと思います。
その場合に、例えば国がといったときに、何か施策をいっぱいつくって、まるでプラ
イベートな家庭に公が土足で踏み込んでいくような、そういう意味の権限とか、責任で
はなくて、本当の意味ではサポートするだけではない、もう一つ積極的な姿勢でいえば
、児童手当をどうするかということもそうでしょうし、あるいは育てるという環境の中
で誰もがもうちょっと子どもに関心を持ってどういう環境づくりをしたらいいかとか、
あるいは逆にいえば、余りにも子どもをいろんな枠組みとか、システムとかで管理して
閉じ込めないで、先ほどおっしゃられたような子どもが育つ方の能動的な部分を重視す
るための施策をどうしたらいいかとか、そういう部分がかなり含まれていないと、児童
福祉法の50年のある意味では過渡期の重要な時期に、その分も踏まえた上で総論と各論
が対応していくような部分というのが期待出来るのではないか、ちょっと理想論過ぎる
かもしれませんが、そのように思います。
○部会長 ありがとうございました。それでは、たくさん御意見をちょうだいした訳で
ございますが、先ほどのH先生のおっしゃったような意味ですべての子どもさんが、そ
してまたすべての家族が幸せであるというふうなものを考えなければいけない訳なんで
ありますが、そういたしますと、今日、御出席の委員の先生方がそれぞれのところで御
経験なさっていらっしゃる憂慮すべき状況というのが散在している訳であります。これ
を一つ一つ問題点として取り上げて議論しながら、多少価値観の相違はあろうともまと
まるところへまとめていきながら、それを児童家庭福祉行政という形でよりよい方向へ
もっていくことが出来ればいい、こういうことではないかと思うのであります。
特に基本問題部会ではないかとおっしゃった御指摘は全くそのとおりでありまして、
そこらあたりが基本問題ではないんだろうかというふうに思っております。私も実は委
員に就任をとおっしゃっていただいてときに、現在の制度がどうだ、こうだという話は
、それほど専門家でない我々は余り分からない。それよりかむしろ、こんな場合憂慮す
べきことがありますよということを次々と出して、そのことの背景として、それは制度
的にこういう問題があるとか、制度の運用上にこういう問題があるとかということが次
第に明らかになっていくことによって、より新しく、よりいい児童家庭福祉行政が生ま
れるのではなかろうか、これを期待する。
その意味で、一番最初に私が申し上げましたけれども、大きく網を張って一つ一つの
問題をやるととてもじゃない、時間もないし、それほど専門的知識を持っている人ばか
りが集まっている訳じゃありませんので、そこを期待するのではないんだというふうに
私は理解していた訳であります。今、お話を伺っておりますと、基本問題部会らしい御
意見に次第にまとまってきたように思うのでございます。
今日は、いただいた時間がほぼまいりました。30分説明して2時間討議とおっしゃっ
たんですが、今日は1時間30分説明で1時間の討議でありましたけれども、私は相当実
りがあったというふうに思っております。次回、次々回の日程についてはお諮りいたし
ますけれども、大きく期待いたしまして、今日の御討議は終わらせていただきたいと思
います。ところで、次回、次々回についての日程について御相談を申し上げたいのでご
ざいますが、あらかじめ事務局の方から委員の皆様の御都合をお伺いいたしましたとこ
ろ、次回は、4月9日火曜日の14時、次々回が4月23日火曜日の13時30分が最も適当な
ようであります。そこで、改めて事務局より御連絡申し上げますけれども、場所は、本
日と同じくこの特別第1会議室といたしまして、次回、次々回を開催させていただきた
いと思っております。また、必要に応じて資料をあらかじめお送りするなり、御連絡を
申し上げることになろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。
それでは、ちょうど時間がまいりましたので、これで閉会させていただきたいと思い
ます。ありがとうございました。
問い合わせ先 厚生省児童家庭局企画課
担 当 朝浦(内3113)
電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
(直)3595-2491
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