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クロイツフェルト・ヤコブ病に関連した血液製剤の回収について


1.クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は痴呆を主症状とする予後不良の神経性疾患であり、その発症にはプリオン蛋白質が係わっている。本疾患は孤発例が多いが、硬膜の移植等により伝播する可能性が考えられている。
血液製剤によるCJDの伝播の可能性については、WHOの専門家会合による勧告(平成9年3月27日)において、「血液製剤によってヒトの間でCJDが伝達される可能性については、証明されていないし、その疑いのある事例もないが、引き続き調査が必要である。」とされているが、厚生省としては、従来よりCJDが発症した献血者の血液より製造された血液製剤については、念のため回収の上、報告するように製造業者等に対して指導しているところである(平成8年6月18日付厚生省薬務局企画課長、監視指導課長通知)。なお、米国等においても同様の措置が講じられているところである。
我が国では、これまでに米国内製造のアルブミン製剤等の自主回収が7件行われている。

2.クロイツフェルト・ヤコブ病の全国患者調査をもとにした献血歴の詳細な調査では、現時点で「献血歴あり」と判明したのは10例であり、そのうち3例は献血記録が明らかとなっている。それ以外の7例中、4例は献血記録不明(このうち3例は献血時点が10年以上前であることが主治医からの報告で判明している。)、3例は現在調査中である。
献血記録が明らかとなった3例の血液については、これまでの調査で、輸血用血液製剤として医療機関に供給されたほか、血漿分画製剤の原料として使用されているものがあることが判明した。

3.このため、厚生省としては、製造業者等に対して、献血記録が明らかとなった3例の血液を原料として製造された血液製剤の製造番号等を調査するよう指導し、その結果各社の報告の概要は別紙のとおりであった。これらの製剤のうち使用期限内であるために医療機関等において使用される可能性があるものについては、製品名等を公表するとともに、念のため回収するよう指導している。

4.現在、我が国では献血を推進するに当たり、CJDのハイリスクグループに該当する人(CJDと医師に言われた人、CJDの血縁者、人由来成長ホルモンの注射を受けた人、角膜移植を受けた人、硬膜移植を伴う脳外科手術を受けた人)については、献血時の問診により献血をご遠慮いただくことにより、安全性の確保に留意している。
なお、今回の3例のいずれも、献血が行われたのはCJD発症以前である。

(別紙)

回収対象製品
製造業者名 製品名(一般名) ロット番号 使用期限
(財)化学及血清療法研究所 献血静注グロブリン“化血研”
(乾燥ペプシン処理人免疫グロブリン)
SP001−A 平成9年9月5日
SP001−B 平成9年9月5日
日本製薬(株) 献血グロベニン−I−ニチヤク
(乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン)
N159F1N 平成10年8月15日
N159F2N 平成10年8月15日
献血アルブミン−ニチヤク
(人血清アルブミン)
N195FN 平成10年5月19日
献血トロンビン−ニチヤク
(日本薬局方トロンビン(人由来))
N118YN 平成11年3月
(社)日本赤十字社 クロスエイトM1000
(乾燥濃縮人血液凝固第VIII因子)
2M133 平成10年1月23日
2M163 平成11年1月7日
赤十字アルブミン
(人血清アルブミン)
2A489 平成10年6月9日

参考:使用期限を過ぎた製剤

1)ロットの特定できた製剤

・ (財)化学及血清療法研究所製造の第VIII因子製剤、第IX因子製剤、免疫グロブリン製剤各1ロット、アルブミン製剤4ロット 計7ロット

2)日本赤十字社の供給記録からロットを特定できないが、可能性の否定できない製剤

・ (株)ミドリ十字製造の免疫グロブリン製剤11ロット、アルブミン製剤7ロット、アンチトロンビン製剤4ロット 計22ロット

3)輸血用血液製剤

・ 赤血球製剤6ロット、新鮮凍結血漿8ロット、血小板製剤1ロット 計15ロット
なお、これらの使用期限を過ぎた製剤についても医療機関に連絡する。


 問い合わせ先 厚生省医薬安全局血液対策課
        監視指導課
    担 当 山本、江原(内2905、2908)
    電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
        (直)03-3595-2395

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