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水道における未規制化学物質等調査研究班の設置について

1.趣 旨

 我が国の水道水質基準は、かつて、26項目について定められていたが、平成4年12月に、厚生省ではWHO(世界保健機構)の飲料水水質ガイドラインの改訂を踏まえ、水道水を取り巻く状況に的確に対応するため、「水質基準に関する省令」の改訂を行い、水質基準を46項目に大幅に拡充したほか、水質基準を補完する項目として13の快適水質項目と26の監視項目を設け、合計85項目を設定した。一方、WHOは、1993年(平成5年)に改訂した飲料水水質ガイドラインについて、10年後の2003年に全面的に見直すこととしているが、それまでの間も、部分的な改訂を逐次行うこととしており、1995年12月から、亜硝酸性窒素やミクロキスティン等の化学物質及びクリプトスポリジウム等の感染性微生物について見直し作業や専門家の間での議論が開始されている。
 我が国の水道水質基準等は、現在、WHO飲料水水質ガイドラインを踏まえたものとなっているが、こうしたWHOの動きの中で、議論の進んでいる化学物質に関し、我が国における状況について専門的見地からの調査・研究を行うため、今般、北海道大学眞柄泰基教授を主任研究者とし、国立公衆衛生院及び国立医薬品食品衛生研究所の研究者をサブグループ班長とした「水道における未規制化学物質等調査研究班」を設置することとした。
 同研究班においては、WHO飲料水水質ガイドライン改訂の対象とされている物質を中心とし、下記の化学物質について、水道における検査方法の標準化、原水及び浄水における検出状況の把握、その結果の解析・評価等を行うこととしている。
 今後、厚生省では、研究班における研究成果を踏まえ、WHOの動向を注視しつつ、水道水質基準等の見直しに向けて取り組む予定である。

2.内 容 等

(1) 研究の対象とする化学物質

○亜硝酸性窒素
・地下水中に存在することがあり、これを水源とする場合に、水道水に混入。
・甲状腺、心臓及び肺への慢性的影響。

○ミクロキスティン
・湖沼等のアオコの一種である藍藻類のミクロキスティスから生産される有毒物質。
・肝臓への慢性的影響。
○ウラン
・自然由来。
・腎臓への慢性的影響。

○ポリアロマチックハイドロカーボン(PAHs:ベンゾ(a)ピレン、フロランセン等多環芳香族炭化水素類)
・タール樹脂等に存在し、溶解したものが、水道水源に混入する可能性あり。
・発癌性物質。

○農薬(ベンタゾン、シアナジン等)
・日本における登録農薬について検討。

○非イオン界面活性剤等
・WHOでは取り上げられていないが、発泡の観点から検討。

(2)研究班のメンバー
主任研究者
サブグループ班長
  北海道大学教授
国立公衆衛生院水道工学部長
  〃  〃  水質管理室長
国立医薬品食品衛生研究所環境衛生化学部
眞柄 泰基
国包 章一
相澤 貴子
安藤 正典
その他班員は、国立試験機関、水道事業体及び都道府県の担当者等。

(3) 平成9年8月5日(火)(午前10時から12時、通産省別館905会議室)
 研究班第1回会議を開催し、本年度中を目途に成果を取りまとめる予定 。


 問い合わせ先 厚生省生活衛生局水道環境部水道整備課
    担 当 由田(内4031)、田野(内4034)
    電 話 (代)[現在ご利用いただけません]

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