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ヒト乾燥硬膜の使用停止について

平成9年3月28日

1.ヒト乾燥硬膜とは

ヒト乾燥硬膜は、薬事法に基づき輸入承認を得た医療用具であり、主として脳外科手術の際に切除した硬膜を補充するために使用される。

2.これまでの対応

これまで硬膜移植患者においてクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)が発症している事例があることが、国際的にも我が国においても知られており、硬膜のCJD病原体を不活化する処理等の安全対策が講じられている。我が国では、平成8年6月及び8月に中央薬事審議会伝達性海綿状脳症対策特別部会を開催し、現在使用されているヒト乾燥硬膜の安全性の評価を行っている。

3.WHOの専門家会合

本年3月24日から26日、世界保健機関(WHO)において、医薬品等に関する伝達性海綿状脳症専門家会合が開催され、27日にその結果がとりまとめられた。この中で、ヒト硬膜については、CJD発症症例が国際的に50例以上報告されていることから、今後、使用しないようにとの勧告がなされた。

4.厚生省の対応

このWHOの勧告をふまえて、厚生省は次のように対応する。

(1)全国の登録された病院及び診療所に対して、ヒト乾燥硬膜を使用しないよう、ファックスによって緊急連絡。また、都道府県及び医療関係団体等にも連絡。

(2)本日、日本ビー・エス・エス及び佐多商会に対して
(1) 両社のヒト乾燥硬膜の出荷停止及び回収
(2)納入医療機関に対し、直ちに使用停止すべき旨の連絡
を命令した。(薬事法第69条の2の緊急命令)

(3)4月21日(予定)に中央薬事審議会伝達性海綿状脳症対策特別部会を開催し、ヒト乾燥硬膜に関して審議。

5.硬膜の代替

脳外科手術に際しては、ヒト乾燥硬膜のほか、自己筋膜の移植やゴアテックス人工硬膜が使用されている。

               厚生省薬務局安全課 医薬品適正使用推進室
                 〒100-45 東京都千代田区霞ヶ関1−2−2
                   電  話 03−3595−2435
                   FAX 03−3508−4364


厚生省緊急安全性情報NO.2

平成9年3月28日(金)

○ヒト乾燥硬膜の使用中止について

本年3月24〜26日に開催された世界保健機関(WHO)の医薬品等に関する伝達性海綿状脳症専門家会合において、ヒト硬膜を使用しないようにとの勧告がなされました。
ついては、ヒト乾燥硬膜を使用しないようにしてください。

○ヒト乾燥硬膜の製品

テュトプラスト デュラ
(輸入販売:(株)佐多商会 東京都港区東麻布2-3-4 電話 03-5461-3058)
リオフィライズド・デュラ
(輸入販売:日本ビー・エス・エス(株) 東京都文京区本郷2-26-11 電話03-5688-0247)

○ヒト乾燥硬膜の代替品について

ヒト乾燥硬膜の代替としては患者自身の大腿筋膜を利用するほか、ゴアテックス人工硬膜の使用があります。ゴアテックス人工硬膜の入手については、最寄りの医療用具販売業者へお問い合わせいただくか、又は直接下記の輸入販売業者あてお問い合わせください。

       ジャパンゴアテックス(株)
        〒156  東京都世田谷区赤堤1−42−5
         電  話 03−3427−8161 (月〜金曜日、9時〜17時)
              (なお、3月29日(土)に限り9時〜17時対応)
         FAX 03−3427−8094 (24時間受注対応)
○ヒト乾燥硬膜のリスクについて
これまでに、ヒト乾燥硬膜を使用した場合に、伝達性海綿状脳症であるクロイツフェルト・ヤコブ病の発症がみられたという症例が国際的に50例以上報告されています。

○詳細については、各輸入販売業者から情報提供されます。貴医療機関の関係者に、この情報が確実に提供されるようにお願いします。

             問い合わせ先   厚生省薬務局安全課医薬品適正使用推進室
             担      当   山 本(内線2756)
              監視指導課   別 井(内線2764)
            医療機器開発課  俵 木(内線2773)
              電 話 (代)    [現在ご利用いただけません]

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