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化粧品規制の在り方に関する検討会の中間とりまとめ


平成9年3月31日

中間とりまとめについて

化粧品規制の在り方に関する検討会は平成8年12月に設置され、これまで4回の会合が開催されているところであるが、今般、化粧品規制の方向性と課題について、中間とりまとめとして別添のとおりまとめられた。

(参考) 化粧品規制の在り方に関する検討会委員

安藤 正典   国立衛生試験所環境衛生化学部長  
井上 達   国立衛生試験所毒性部長  
鰍澤 照夫   東京都衛生局薬務部薬事衛生課長  
金森 房子   生活評論家  
H.P.カペラー   欧州ビジネス協議会化粧品部会委員長  
川島 眞   東京女子医科大学教授  
栗原 政雄   米国商工会議所化粧品小委員会委員  
酒居 淑子   兵庫県立神戸生活科学センター所長  
佐藤 欣子   弁護士、八千代国際大学教授  
原田昭太郎   関東逓信病院副院長  
平田 圭子   ジャーナリスト  
平田 稔   日本化粧品工業連合会薬事法対策委員会委員長  
日和佐信子   日本生活協同組合連合会組織推進本部本部長補佐  
山下 治夫   大阪府環境保健部薬務課長  
渡辺 徹   日本薬剤師会専務理事  
(○印:座長)  

化粧品規制の方向性と課題について

−中間とりまとめ−

平成9年3月31日
化粧品規制の在り方に関する検討会

1 化粧品規制の検討の経緯
 化粧品は、安全性及び品質の確保の観点から、薬事法により規制されており、欧米諸国においても所要の規制がなされている。
 医薬品は品目ごとの承認・許可が必要となっているが、化粧品は、医薬品とは異なり疾病等の治療を目的とするものではなく、人体に対する作用が緩和なものであること等の特性に鑑み、種別ごとのいわゆる包括承認・許可制となっている。
 近年に至って、消費者ニーズの多様化に対応して多くの製品が次々と開発され市販されていること、国際的商品として輸入化粧品が増大していること、過去みられた顔面黒皮症のような化粧品による健康被害が減少していること等を背景に、規制緩和を含めた化粧品規制の見直しの必要性が指摘されている。  
 本検討会は、化粧品規制の在り方について、特に、消費者の安全確保を最大限配慮したうえでの規制緩和や国際的ハーモナイゼーションの実現について検討するために、平成8年12月に設置された。これまで関係者の意見を聴しながら、事業者、消費者及び行政の役割を考慮しつつ、成分規制、許可制、成分表示規制等について議論を行ってきたところであるが、今般、情報提供を充実しつつ許認可制度を簡素化することを中心とした、化粧品規制の方向性と課題について、中間とりまとめとして意見をまとめるに至った。
なお、今後はワーキンググループにおいて個別の課題について検討した後、引き続き本検討会において最終とりまとめを行うこととしている。
 

2 化粧品規制の方向性と課題
(1) 成分規制について
 現在、化粧品の成分については、化粧品種別許可基準が作成され、この基準外の成分を配合する化粧品については、種別ごとの承認制となっており、事前の審査が行われている。一方、米国及びEUでは基本的には配合禁止・配合規制成分を指定し、必要な特定成分群について配合可能成分を指定する方式がとられているところである。
 多様な消費者ニーズに速やかに対応し、かつ、安全性を確保する観点から、化粧品に配合される成分については、基本的には配合禁止・配合規制成分リスト(いわゆるネガティブリスト)方式により規制し、種別ごとの承認制を廃止するとともに、防腐剤、紫外線吸収剤、タール色素等の慎重に扱う必要のある特定成分群については、配合可能成分リスト(いわゆるポジティブリスト)を作成し、ポジティブリストへ成分を収載するにあたっては、安全性に関する評価を行う方向とする。さらに検討を進めるにあたり、以下の点に留意することとする。

・ネガティブリストの整備
・ポジティブリストの整備
・新規配合成分の取扱い
・既存配合成分リストの整備
 なお、当面、許認可手続きの簡素化をはかるため、引き続き年1回程度は化粧品種別許可基準の収載成分の追加・見直しを行うべきである。
 

(2) 許可制について
 現在、化粧品製造(輸入販売)業については許可制となっており、許可に際して構造設備が適切であるか等を確認している。
 構造設備の在り方や責任の在り方を明確にしておくことは、引き続き品質を確保するために、また安全性の確保を担保するためにも重要であり、基本的には許可制を維持する方向とする。さらに検討を進めるにあたり、以下の点に留意することとする。

・業許可における要件(構造設備、責任技術者等の要件)
・輸入販売業について営業所ごとの許可の必要性
・製品標準書の作成等の品質管理方法の整備
・個々の製品の行政による把握
 なお、当面、製造業と輸入販売業における品質確保のための業務内容を踏まえ、輸入販売業については、責任技術者の資格要件の簡素化や自社以外の試験検査設備の利用の拡大を速やかに進めるべきである。
 

(3) 成分表示規制について
 現在、成分表示については、アレルギーなどの皮膚障害を起こすおそれのある成分が指定され、化粧品への表示が義務付けられている。一方、米国及びEUにおいては、全成分表示が導入されているところである。
 成分表示については、消費者の選択やチェックをより容易にするための情報を充実させる観点から、原則として全成分表示とする方向とする。さらに検討を進めるにあたり、以下の点に留意することとする。

・消費者が理解しやすい表示方法
・表示指定成分の取扱い
・企業秘密成分の取扱い
・成分表示のための成分名リストの作成
 

(4) 化粧品情報等について
 (1)〜(3)の検討を進めるにあたり、以下の点に留意することとする。

・企業、団体等による安全性情報や市販後の危害情報等の収集及び提供
・国の医薬品等の副作用モニター収集の一環としての化粧品に係る事例収集
・企業、団体等による化粧品の適正使用のための情報提供
・化粧品の範囲

問い合わせ先 厚生省薬務局審査課化粧品審査室
   担 当 成田、河野(内2740)
   電 話 (代)[現在ご利用いただけません]


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