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医薬品の臨床試験に関する基準改定素案の公表についてNO7

10−9 統計解析

(1) 計画された中間解析の時期を含む実施される統計解析手法の説明
(2) 計画された登録症例数。多施設共同治験においては、各医療機関の登録症例数が特定されるべきである。治験の検出力及び臨床上の理由からの考察を含む症例数設定の根拠。
(3) 用いられる有意水準
(4) 治験の中止基準
(5) 欠落、不採用及び異常データを説明する手順
(6) 当初の統計解析計画からの逸脱を報告する手順(当初の統計解析計画からの逸脱は全て、治験実施計画書及び治験の総括報告書に記載し説明すべきである。)
(7) 解析の対象となる被験者の選択(無作為割り付けを受けた全症例、治験薬投与を受けた全症例、全適格例、評価可能症例など)

10−10 原資料の直接閲覧

治験依頼者は、治験実施計画書又は別の合意文書中に、治験責任医師及び医療機関が、治験に関連するモニタリング、監査、治験審査委員会による審査及び規制当局の調査の際に、原資料を直接閲覧に供すべき旨が記載されていることを保証するものとする。

10−11 治験の品質管理及び品質保証

10−12 倫理

 治験に関連する倫理的配慮の記述

10−13 データの取扱い及び記録の保存

10−14 金銭の支払い及び保険

別の合意文書に記載されていない場合には、金銭の支払い及び保険について

10−15 公表に関する取り決め

別の合意文書に記載されていない場合には、公表に関する取り決め

11 治験薬概要書

11−1 目的

11-1-1 治験依頼者は、治験責任医師及びその他治験に関与する者が、治験実施計画書の主要項目(投与量、投与回数・間隔、投与方法及び被験者の安全性を監視するための手順等)の合理的根拠を理解し、かつそれを遵守するための情報を提供するために、治験薬概要書を作成しなければならない。また、治験薬概要書は治験実施期間中の被験者の管理に必要なその他の知識を提供するものである。

11-1-2 治験薬概要書に記載されるデータは、簡潔、客観的、公平かつ販売促進に係わりのない形で提示されなければならない。

11-1-3 治験依頼者は、治験薬概要書の編集に当たっては一般的には医師を参加させることが望ましい。また、治験薬概要書の内容に関しては、そのデータを提供した専門部門の承認を得ておかなければならない。

11-1-4 治験薬概要書の内容は、治験薬の開発段階に応じた適当なものでなければならない。治験薬が市販され、その薬理学的性質が一般の医師に広く理解されている場合には、広範な情報を掲載した概要書は必要ない場合もありうる。

11-1-5 治験依頼者は、開発段階に応じて、また治験薬に関連する新たな情報が得られた場合等には、業務手順書に従って少なくとも年に1回治験薬概要書を見直し、必要に応じて改訂するものとする。

11-1-6 治験依頼者は、治験薬に関連する重大な新たな情報が得られた場合には、概要書の改訂に先立って、治験責任医師、治験審査委員会及び規制当局に報告する必要がある。

11-1-7 治験依頼者は、最新の概要書を治験責任医師に提出しなければならない。最新の概要書は、治験責任医師により、治験審査委員会に提出されなければならない。

11−2 一般的事項

治験薬概要書には、次の事項を記載するものとする。

11-2-1 表紙

i) 治験依頼者の名称
ii)治験薬を識別する記号等
iii)治験薬概要書の発行日
iv)治験薬概要書の版番号並びに改訂前の版番号及びその編集日

11-2-2 秘密の保全に関する記述

11-2-2-1 治験依頼者は、治験責任医師又は治験薬概要書の受領者に対して、治験薬概要書を治験責任医師、治験分担医師、治験協力者及び治験審査委員会に限定して提供される秘密情報として取り扱うよう要請できるものとする。

11−3 治験薬概要書の内容

 治験薬概要書は、通常、次の内容を含むものとする。

11−3−1 目次

11−3−2 要約

11-3-2-1 治験薬の臨床開発のステージに応じて、その時点で得られている物理、化学、薬剤、薬理、毒性、薬物動態、代謝及び臨床に関する重要な情報について簡潔な要約を記載するものとする。

11−3−3 序文

11-3-3-1 治験薬の化学名(及び承認されている場合には一般名と販売名)、全ての活性成分、治験薬の薬理学上の分類と分類内での期待される位置付け(例えば、優れた点)、治験実施の根拠、予期される予防的、治療的又は診断的適応について簡潔に述べた上で、最後に治験薬を評価する上で留意すべき全般的事項について記載するものとする。

11−3−4 物理的・化学的及び薬剤学的性質並びに製剤組成

11-3-4-1 治験薬の原体の化学式及び構造式を記載し、その物理的・科学的性質及びその薬剤学的性質について簡潔に要約する。安全性確保の目的で治験中に適切な措置を講じるため、臨床的に意味があると考えられる場合には、賦形剤を含む製剤組成とその組成の妥当性を示す必要がある。他の既知化合物との構造的類似性があれば、それについても記載する。

11−3−5 薬理、毒性、薬物動態及び薬物代謝

11-3-5-1 治験薬の薬理、毒性、薬物動態及び薬物代謝に関連する全ての非臨床試験の成績を要約するものとする。この要約においては、それぞれの試験について、用いられた方法、結果、並びに検討された治療効果と起こり得る不都合な意図しない作用との関連性について考察する。

11-3-5-2 記載すべき情報は、通常、次に掲げるものとする。

1) 試験動物の種
2) 各群の動物数と性
3) 単位投与量(例:mg/kg)
4) 投与間隔
5) 投与経路
6) 投与期間
7) 全身分布に関する情報
8) 暴露終了後の観察期間
9) 以下の項目に関する試験結果
(i) 薬理学的又は毒性学的効果の性質と発生頻度
(ii) 薬理学的又は毒性学的効果の重症度又は強度
(iii) 効果発現時間
(iv) 効果の回復性
(v) 効果持続時間
(vi) 用量反応性

また、次の項目に関して観察された効果の用量反応性、人への外挿性、また人で研究すべき事項などを含め、試験で得られた最も重要な治験について考察をする。可能な場合には、同じ動物種で得られた有効量と無毒性量を比較すべきである(すなわち、治療係数について考察する)。この場合可能な限り体重当たり投与量(mg/kg)ではなく、血中又は組織内濃度に基づいて比較すべきである。

1) 薬理作用
治験薬及び適切な場合にはその重要な代謝物の薬理学的性質を要約する必要がある。この要約には、治療効果の評価に関連した試験(例:有効性を示すモデルでの試験、受容体結合及び特異性に関する試験)のみならず、安全性の評価に関連する試験(例:意図した治療効果以外の薬理作用に関する特別な試験)も含める必要がある。

2) 毒性
各種の動物について研究された毒性の要約を、適切な場合には下記の見出しに従って記載する。
(i) 単回投与試験
(ii) 反復投与試験
(iii) がん原性試験
(iv) 特殊毒性試験(例:刺激性試験、感作性試験)
(v) 生殖毒性試験
(vi) 遺伝毒性(変異原性)試験

3) 薬物動態及び薬物代謝
 試験した全ての動物種における治験薬の薬物動態、生体内変換並びに代謝・排泄に関する成績の要約を記載する。さらにこれらの成績に基づいて、治験薬とその代謝物の吸収、及び局所的・全身的生物学的利用性、並びにこれらと治験薬の薬理作用、毒性との関連性について動物種ごとに考察する必要がある。

11−3−6 臨床試験成績

11-3-6-1 人で得られた治験薬の効果について、薬物動態、薬物代謝、薬力学、用量反応性、安全性、有効性及びその他の薬理学的作用に関する情報を含めて、十分な考察を記載する。可能な場合には、個々の完了した試験についての要約を記載する。また、治験以外の全ての使用結果についての情報、例えば市販後の経験等を記載しなくてはならない。

1) 薬物動態及び薬物代謝
  治験薬の薬物動態について、下記の項目についての情報があれば要約して記載する。
(i) 薬物動態(適切な場合には代謝、並びに吸収、血漿蛋白結合、分布及び排泄を含む)
(ii) 治験薬の基準剤型を用いての生物学的利用性(可能な場合には絶対的及び相対的利用性)
(iii) 被験者のサブグループ(例:性、年齢、臓器機能障害)での検討
(iv) 相互作用(例:医薬品間相互作用及び食事の影響)
(v) その他の薬物動態学的データ(例:治験対象集団におけるポピュレーションファーマコキネティクスの成績)
2) 安全性及び有効性
 治験薬と、適切である場合にはその代謝物について、先行する治験(健康志願者及び患者における試験)にて得られた安全性、薬力学、有効性並びに用量反応性に関する情報の要約を記載し、またその意義についても考察する。複数の治験が完了している場合には、適応疾患ごとに安全性と有効性について総括した要約を作成することにより、明確にデータを説明することができる場合がある。全ての治験(検討した全ての適応を含む)における副作用の表形式の要約を作成すると有用な場合がある。適応疾患やサブグループによって副作用のパターンや発現率に差異がある場合には、考察を加える必要がある。治験薬概要書には、治験薬及び関連薬剤の以前の使用経験に基づいて、可能性のある危険性や予期される副作用について記載する必要があり、また治験薬の使用に際しての注意事項や特別に監視すべき事項についても記載すべきである。
3) 市販後の使用経験
 治験薬がすでに市販又は承認されている国名を明記しなければならない。市販後に得られた重要な全ての情報(例:製剤組成、投与量、投与経路及び副作用)について要約を記載する。また、承認が得られなかったか、あるいは市販中止又は承認取消がなされた全ての国名を明記する。

11−3−7 データの要約及び治験責任医師に対するガイダンス

 本項では、非臨床及び臨床データを総合的に考察した結果を記述し、可能な場合には治験薬について多角的に検討して得られた種々の情報を要約して示す。これによって、治験責任医師は、得られているデータについて最も効果的に理解することができ、かつ今後行われる治験に対するそのデータの意義を評価することができる。適切と考えられる場合には、治験薬と関連のある薬剤の公表成績についても考察する必要がある。このような考察は治験責任医師が治験における副作用やその他の問題を予測するのに役立てることができる。
 本項全体としての目的は、治験責任医師が、治験薬によって起こる可能性のある危険性や副作用、並びに治験に必要とされる特別な検査、観察項目及び注意事項を明確に理解できるようにすることである。かかる理解は治験薬について得られている物理的、化学的、薬剤学的、薬理学的、毒性学的並びに臨床的知見に基づくものでなければならない。先行する臨床経験及び薬理学的作用に基づいて、さらに治験薬の過剰投与や副作用の認識とこれらに対する処置方法に関しても、ガイダンスを提供するものでなければならない。

  問い合わせ先 厚生省薬務局審査課
     担 当 稲荷(内2911)、小野(内2738)
     電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
         (直)03-3595-2431

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