事業評価書(事前)
事務事業名 | サービス分野等における雇用創出を実現するための取組の推進 | ||
事務事業の概要 | (1)目的 | 現下の雇用失業情勢は依然として予断を許さない状況にあり、今後、不良債権処理等構造改革を実施するなかで、雇用情勢が厳しさを増すことも考えられるが、そうした状況において、雇用の安定を図るには、新たに雇用を創出していくことが重要となっている。 また、先般取りまとめられた経済財政諮問会議の「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」においても、雇用創出に向けた取組が期待されている。 このような期待を現実のものとしていくために、サービス分野等における雇用創出を実現するための体制の整備を図るとともに、新規雇用創出に向けた官民連携した人材育成を推進する。 |
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(2)内容 | (1)雇用創出が期待されるサービス分野を所管する関係省庁の協力も得て、厚生労働省において有識者、関係業界及び関係省庁代表者による「雇用創出企画委員会」(仮称)を開催し、雇用創出に向けた雇用・労働面での対応を具体的に検討するとともに、関係各省庁に雇用創出に向けての取組を要請し、実施状況を「産業構造改革・雇用対策本部」に報告する。また、各都道府県労働局に地域の雇用創出に向けた協議会を設置し、「雇用創出企画委員会」(仮称)における議論を踏まえ、地域における業界ごとの状況を把握し、雇用創出に向けた機動的な対応を行う。 (2)雇用創出が期待される分野ごとに「サービス分野等に係る人材育成プロジェクト」を設け、業界団体等を活用して、今後求められる人材ニーズ等の把握を行い、人材育成計画を策定し、同計画に基づき新規雇用創出に向けた官民連携した人材育成を推進する。
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(3)達成目標 | (1)「雇用創出企画委員会」(仮称)を設置し、サービス分野における雇用創出に資する雇用・労働政策の積極的な推進等を図る。また、各地域に協議会を設置し、地域の実情を勘案した施策の具体化を行う。 (2)業界団体に委託して、9千人分の能力開発講習を実施。その他、9分野の人材育成計画の策定を通じて、各分野全体の雇用創出に必要な人材育成を実現。 |
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評価 | (1)必要性 | 〔国民や社会のニーズに照らした妥当性〕 不良債権処理をはじめとする構造改革に伴い、雇用への激しい影響が予想される中で、サービス業を中心とした雇用創出により、離職者の受け皿を確保していくことが重要である。 〔公益性〕 サービス分野等における雇用創出を実現するための取組を推進することは、労働者の職業の確保に寄与するものであり、極めて公益性が高い。 〔官民の役割分担〕 労働者の職業の確保を図ることは国の責務であり、本事業は、そうした国の責務を果たすため、民間における雇用創出を支援するものである。 また、業界自身に人材育成計画の策定、能力開発の講習の実施を委託し、自らのニーズに即した人材育成を図るものであり、国としては、能力開発に係るノウハウの提供等の支援を行い、人材育成を通じた雇用創出を推進するものである。 〔国と地方の役割分担〕 本省レベルにおいては、サービス分野等における雇用創出に資する制度改革や雇用・労働政策を「雇用創出企画委員会」(仮称)を中心に企画・立案し、都道府県レベルにおいては、地域の雇用創出に向けた協議会を設置し、「雇用創出企画委員会」(仮称)における議論を踏まえ、地域の実情を勘案した施策の具体化を行う。 また、人材育成については、各分野を単位として人材育成を図るものであり、国から各業界の中央団体に委託するものである。 〔民営化や外部委託の可否〕 サービス分野等における雇用創出を実現するための政策について企画・立案を行うものであり、民営化や外部委託は困難である。 一方、人材育成については、業界団体等に委託して実施するものである。 〔緊要性の有無〕 経済財政諮問会議の「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」において、「今後5年間に、サービス分野において530万人の雇用創出が期待される。」との記述が盛り込まれ、産業構造改革・雇用対策本部においても、「新市場、新産業の育成による雇用創出」等に取り組んでいくこととしているなど、サービス分野等における雇用創出の緊急性は高い。 |
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(2)有効性 | 〔今後見込まれる効果〕 当該分野における雇用の状況、人材ニーズや行政ニーズ等を把握し、それを踏まえた労働政策面での対応や関係省庁における雇用創出に資する制度改革等の効率的・効果的な実施が可能となり、今後不良債権処理等構造改革を実施する中で、雇用創出を通じた雇用の安定に資するものといえる。 また、業界団体に委託して、9千人の能力開発講習を実施するほか、9分野の人材育成計画の策定を通じて、各分野全体の雇用創出に必要な人材育成を実現するものである。 |
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(3)効率性 | 〔手段の適正性〕 サービス分野等の雇用創出を実現するためには、これらの分野において必要となる人材の育成が不可欠。雇用創出の担い手である業界自らを活用して分析等を行い、人材育成を計画的に推進することは、業界のニーズに的確に対応した人材の育成を可能とし、効果的・効率的である。 〔費用対効果分析〕 人材育成については、業界団体への委託により、業界のニーズに応じた能力開発を低い費用で実現する。また、在職者には自己負担も導入し、低い費用で本人の自助努力も促しながら効果的人材育成を図る。 |
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(4)その他 (公平性・優先性など) |
なし | ||
関連事務事業 | なし | ||
特記事項 | なし | ||
主管課 及び関係課 |
(主管課)政策統括官付労働政策担当参事官室 (関係課)職業能力開発局総務課 |