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2 介護保険施設の利用者の状況
 調査対象期間中(平成13年9月1日〜30日)に介護保険施設を利用した者の推計数である。

(1)性・年齢階級別在所者数
    平成13年9月末の在所者について性別にみると「男」が22.8%、「女」が77.2%となっている。
 年齢階級別にみると介護老人福祉施設では「90歳以上」が25.2%と最も多く、次いで「85〜89歳」が25.1%、介護老人保健施設では「85〜89歳」が27.0%と最も多く、次いで「80〜84歳」が23.7%、介護療養型医療施設では「90歳以上」が24.3%と最も多く、次いで「85〜89歳」が24.2%となっている。
 また、第2号被保険者(65歳未満の者)は、介護療養型医療施設が4.1%となっている。(表8)

表8 性・年齢階級別在所者数
平成13年9月
  介護保険施設 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
総数 642 964 309 740 223 895 109 329
         
146 681 65 273 53 075 28 333
496 283 244 467 170 820 80 996
         
64歳以下 11 617 3 610 3 576 4 431
65〜69歳 23 662 12 405 6 340 4 917
70〜74歳 52 296 26 483 16 487 9 326
75〜79歳 94 056 44 892 33 810 15 354
80〜84歳 141 056 66 041 53 007 22 009
85〜89歳 164 693 77 742 60 502 26 449
90歳以上 154 583 78 102 49 886 26 595
構成割合(%)
総数 100.0 100.0 100.0 100.0
         
22.8 21.1 23.7 25.9
77.2 78.9 76.3 74.1
         
64歳以下 1.8 1.2 1.6 4.1
65〜69歳 3.7 4.0 2.8 4.5
70〜74歳 8.1 8.6 7.4 8.5
75〜79歳 14.6 14.5 15.1 14.0
80〜84歳 21.9 21.3 23.7 20.1
85〜89歳 25.6 25.1 27.0 24.2
90歳以上 24.0 25.2 22.3 24.3
注: 総数には年齢不詳を含む。

(2)要介護度別在所者数
     在所者を要介護度別にみると、「要介護5」はいずれの施設においても、前年に比べ増加している。(図4)


図4 要介護度別在所者数の構成割合
平成13年9月
図4

(3)在所者の年齢階級別要介護度
    在所者の要介護度を年齢階級別にみると、80歳未満の各年齢階級で「要介護5」が最も多くなっており、80歳以上の各年齢階級では「要介護4」が最も多くなっている。(表9)

表9 年齢階級別にみた要介護度別在所者数の構成割合
(単位:%) 平成13年9月
  総数 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 その他
総数 100.0 10.2 16.0 18.9 27.6 26.3 1.0
65歳未満 100.0 7.4 14.5 16.6 25.8 33.3 2.5
65〜69 100.0 9.2 16.4 18.5 26.1 28.8 1.0
70〜74 100.0 10.7 16.7 18.5 25.1 27.8 1.2
75〜79 100.0 10.9 16.0 19.1 25.5 27.1 1.4
80〜84 100.0 11.1 16.6 19.0 26.8 25.5 1.1
85〜89 100.0 10.8 16.5 19.2 27.4 25.1 0.9
90歳以上 100.0 8.6 14.8 19.0 30.8 26.2 0.7
注: 総数には年齢不詳を含む。

(4)主な傷病別在所者数
    在所者の主な傷病をみると、各施設とも「IX 循環器系の疾患」が最も多く、次いで「V 精神及び行動の障害」が多くなっており、これら2傷病による在所者の割合は、各施設とも約7割となっている。(表10)

表10 主な傷病別にみた在所者数
平成13年9月
  介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
在所者数
(人)
構成割合
(%)
在所者数
(人)
構成割合
(%)
在所者数
(人)
構成割合
(%)
総数 309 740 100.0 223 895 100.0 109 329 100.0
             
I  感染症及び寄生虫症 1 236 0.4 551 0.2 222 0.2
             
II  新生物 4 336 1.4 2 826 1.3 1 652 1.5
             
III  血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害 910 0.3 424 0.2 183 0.2
             
IV  内分泌,栄養及び代謝疾患 9 310 3.0 6 611 3.0 2 611 2.4
糖尿病(再掲) 8 273 2.7 5 983 2.7 2 470 2.3
             
V  精神及び行動の障害 74 296 24.0 65 987 29.5 14 975 13.7
痴呆(再掲) 64 879 20.9 63 247 28.2 14 014 12.8
             
VI  神経系の疾患 29 425 9.5 18 670 8.3 7 844 7.2
パーキンソン病(再掲) 8 047 2.6 5 248 2.3 3 348 3.1
アルツハイマー(再掲) 13 996 4.5 10 337 4.6 2 459 2.2
             
VII  眼及び付属器の疾患 1 645 0.5 590 0.3 36 0.0
             
VIII  耳及び乳様突起の疾患 246 0.1 136 0.1 3 0.0
             
IX  循環器系の疾患 142 455 46.0 87 532 39.1 65 472 59.9
高血圧性疾患(再掲) 18 525 6.0 9 512 4.2 2 464 2.3
心疾患(再掲) 14 756 4.8 9 121 4.1 4 108 3.8
脳血管疾患(再掲) 107 254 34.6 68 115 30.4 58 495 53.5
             
X  呼吸器系の疾患 3 868 1.2 2 078 0.9 1 459 1.3
             
XI  消化器系の疾患 5 146 1.7 2 384 1.1 907 0.8
             
XII  皮膚及び皮下組織の疾患 454 0.1 185 0.1 170 0.2
             
XIII  筋骨格系及び結合組織の疾患 18 752 6.1 17 100 7.6 6 616 6.1
骨粗しょう症(再掲) 3 480 1.1 3 059 1.4 1 067 1.0
             
XIV  尿路性器系の疾患 2 283 0.7 1 931 0.9 972 0.9
             
XVII  先天奇形,変形及び染色体異常 236 0.1 109 0.0 31 0.0
             
XVIII  症状,徴候及び異常臨床所見・異常検査所見
で他に分類されないもの
402 0.1 384 0.2 123 0.1
             
XIX  損傷,中毒及びその他の外因の影響 10 020 3.2 15 680 7.0 5 895 5.4
骨折(再掲) 4 894 1.6 11 559 5.2 3 274 3.0
             
XXI  健康状態に影響を及ぼす要因及び
保健サービスの利用
- - 20 0.0 20 0.0
             
不詳 4 720 1.5 697 0.3 138 0.1
注: 1) 傷病分類は「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10回修正」による。
2) 「XV 妊娠、分娩及び産じょく」、「XVI 周産期に発生した病態」及び「XX 傷病及び死亡の外因」は計数がないため掲載していない。

(5)在所者の痴呆の状況
    在所者の痴呆性老人の日常生活自立度をみると、介護老人福祉施設は「ランクIII」が29.4%と最も多く、次いで「ランクIV」が27.9%、介護老人保健施設は「ランクIII」が35.7%と最も多く、次いで「ランクII」が25.2%、介護療養型医療施設では「ランクIV」が31.9%と最も多く、次いで「ランクIII」が26.6%となっている。(表11)
 また、痴呆と寝たきりの状況をみると「痴呆あり(介護を必要とするランクIII以上)で寝たきり者」は、介護療養型医療施設が66.5%と多くなっている。(図5)

表11 痴呆のランク別にみた在所者数
平成13年9月
  介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
在所者数(人) 構成割合(%) 在所者数(人) 構成割合(%) 在所者数(人) 構成割合(%)
総数 309 740 100.0 223 895 100.0 109 329 100.0
             
痴呆あり 283 059 91.4 202 500 90.4 99 935 91.4
  ランクI 25 707 8.3 26 383 11.8 7 867 7.2
ランクII 59 836 19.3 56 475 25.2 14 908 13.6
ランクIII 91 160 29.4 79 949 35.7 29 051 26.6
ランクIV 86 363 27.9 35 483 15.8 34 908 31.9
ランクM 19 993 6.5 4 209 1.9 13 202 12.1
             
痴呆なし 24 671 8.0 20 293 9.1 8 615 7.9
             
注: 1) 総数には痴呆の状況不詳を含む。
2) 「痴呆あり」のランクは、「痴呆性老人の日常生活自立度判定基準」による。


図5 在所者の痴呆と寝たきりの割合
平成13年9月
図5
注1:1) 寝たきりの状況及び痴呆の状況には不詳を含まない。
   2) 「寝たきり」のランクは、「障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準」による。

(6)機能訓練等の状況
    9月中に機能訓練を受けた者の割合をみると、ほとんどの機能訓練で介護老人保健施設が多く、運動療法が64.2%になっている。
 9月中に機能訓練を受けた平均日数をみると、「日常生活動作訓練」では介護老人福祉施設が多く、他の機能訓練については、介護療養型医療施設が多くなっている。(表12、図6)

表12 機能訓練等の種類別にみた9月中に機能訓練を受けた者の割合と平均日数
平成13年9月
  介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
受けた者
の割合
(%)
平均日

(日)
受けた者
の割合
(%)
平均日

(日)
受けた者
の割合
(%)
平均日数
(日)
運動療法 24.6 9.6 64.2 10.3 50.0 14.7
日常生活動作訓練 27.0 20.3 35.4 17.6 17.1 18.5
作業療法 6.5 6.7 31.4 6.5 13.8 11.1
物理療法 7.9 9.9 20.8 9.9 11.4 16.6
言語療法 1.6 10.7 3.7 10.6 7.8 10.9
レクリエーション 63.1 8.8 86.1 11.8 38.4 7.4
注: 「受けた者の割合」は各施設の在所者数を100としたときの割合である。


図6 機能訓練等の種類別にみた訓練を受けた者の割合
平成13年9月
図6

(7)在所者の在所期間
    在所者の在所期間をみると、介護老人福祉施設では、「5年以上」が28.2%、介護老人保健施設及び介護療養型医療施設では、「1〜2年未満」がそれぞれ23.3%、35.6%と多くなっている。
 累積百分率をみると、介護老人保健施設及び介護療養型医療施設では、「1〜2年未満」で約8割に達しているのに対し、介護老人福祉施設では4割に達していない。(表13、図7)

表13 在所期間別在所者数の割合
(単位:%) 各年9月
  介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
平成13年 平成12年 平成13年 平成12年 平成13年 平成12年
百分率 累積
百分率
百分率 累積
百分率
百分率 累積
百分率
百分率 累積
百分率
百分率 累積
百分率
百分率 累積
百分率
総数 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
3か月未満 4.2 4.2 4.4 4.4 22.7 22.7 23.6 23.6 14.0 14.0 11.0 11.0
3か月〜6か月 5.3 9.6 5.3 9.7 17.9 40.6 19.1 42.8 11.2 25.2 11.8 22.8
6か月〜1年 10.1 19.6 10.2 19.9 19.3 59.9 25.0 67.8 16.5 41.7 29.8 52.6
1〜2年 17.9 37.5 18.1 38.0 23.3 83.2 21.7 89.4 35.6 77.3 17.2 69.9
2〜3年 14.3 51.9 13.2 51.2 10.5 93.7 6.1 95.5 7.4 84.7 9.6 79.4
3〜4年 10.6 62.5 11.1 62.3 3.6 97.3 2.3 97.8 4.4 89.1 5.8 85.3
4〜5年 8.8 71.3 8.7 71.0 1.2 98.5 1.1 98.9 2.9 92.0 4.0 89.3
5年以上 28.2 99.5 28.6 99.6 1.3 99.8 0.9 99.9 7.6 99.6 10.5 99.8
不詳 0.5 0.4 0.2 0.1 0.4 0.2


図7 在所期間別在所者数の百分率
平成13年9月
図7

(8)退所者の入退所の経路
    9月中の退所者における、入所前の場所についてみると、介護老人福祉施設では、「家庭」が28.7%と最も多く、次いで「医療機関」28.2%、同様に、介護老人保健施設では「家庭」46.9%、「医療機関」43.6%、介護療養型医療施設では「医療機関」69.9%、「家庭」20.6%となっている。
 また、退所後の行き先をみると、介護老人福祉施設では「死亡」が65.5%と最も多く、次いで「医療機関」28.9%、同様に、介護老人保健施設では「家庭」40.5%、「医療機関」39.3%、介護療養型医療施設では「医療機関」34.1%、「死亡」28.6%となっている。(図8)

図8 退所者の入退所の経路
平成13年9月
図8
注: 「その他」には不詳を含む。

(9)利用料の状況(9月中)
    在所者の9月中における1人当たり平均利用料をみると、介護老人福祉施設で33,954円、介護老人保健施設で62,141円、介護療養型医療施設で67,346円となっている。(表14)
 利用料の内訳をみると、各施設とも介護サービス費自己負担分と食費(標準負担分)の合計が、利用料全体の7割を超えている。(図9)

表14 要介護度別にみた1人当たり平均利用料
(単位:円) 平成13年9月
  介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
総数 33 954 62 141 67 346
要介護1 32 430 57 535 58 492
要介護2 34 254 60 345 63 414
要介護3 34 593 62 225 66 514
要介護4 34 602 63 780 68 662
要介護5 33 434 65 656 69 821
注: 1) 総数にはその他を含む。
2) 利用料は、介護サービス費自己負担分、食費(標準負担分)、特別な室料、特別な食費、理美容費、日用生活品費、教養娯楽費、私物の洗濯費、あずかり金の管理費、その他の合計をいう。


図9 利用料の構成割合
平成13年9月
図9

注: その他は、特別な食費、理美容費、日用生活品費、教養娯楽費、私物の洗濯費、あずかり金の管理費、その他の合計をいう。



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