4 国際比較
アジア4か国の合計特殊出生率は近年、欧米6か国と比べて低い。
香港、韓国、シンガポール、フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、イギリス、アメリカについて合計特殊出生率の年次推移をみると、ヨーロッパの5か国は、1960年代後半から1970年代前半にかけて低下傾向がみられた後、フランス、イタリア、イギリスは上下変動しながらも近年は上昇し、スウェーデンは1990年に2.14まで回復した後再び低下していたが、2000年以降回復している。一方、ドイツは近年横ばいである。
アメリカは、1960年代から1970年代前半にかけて急激に低下した後、1.8台で推移していたが、1990年代には2台まで回復し、以後ほぼ横ばいである。
一方、香港、韓国、シンガポールは、国や地域により時期に差があるものの、合計特殊出生率3〜4という高い水準からの急激な低下がみられた後、2を下回った水準で推移している。(図19・表10)
図19 合計特殊出生率の国際比較 − 昭和25〜平成21年 −
注:1)1990年以前のドイツは、旧西ドイツの数値である。
2)1981年以前のイギリスは、イングランド・ウェールズの数値である。
資料:U.N. Demographic Yearbook 2008
当該国及び地域からの資料による。
表10 合計特殊出生率の国際比較 − 最新年次 −
資料:1)当該国及び地域からの資料による。
2)U.N. Demographic Yearbook 2008による。
母の年齢階級別に出生率(女性人口千対)の国際比較をみると「25〜29歳」、「30〜34歳」が高く、「30〜34歳」で出生率がピークになる国が多い。(表11)
表11 母の年齢階級別出生率(女性人口千対)の国際比較 − 最新年次 −
資料:1)U.N. Demographic Yearbook 2008による。
2)U.S. Department of Health and Human Services, National Vital Statistics Reports,Vol.58,No.24による。
出生に占める嫡出でない子の割合の国際比較をみると、高い割合となっている国が多い。特に、フランスとスウェーデンは、出生の半数以上が嫡出でない子となっている。(表12)
表12 出生に占める嫡出でない子の割合の国際比較 − 最新年次 −
資料:1)Eurostat Statistics Databaseによる。
2)U.S. Department of Health and Human Services, National Vital Statistics Reports,
Vol.58,No.24による。