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結果の概要

【事業所調査】

健康管理対策の実施状況
 (1)定期健康診断の実施率
 過去1年間に定期健康診断を実施した事業所は87.1%であり、前回(84.8%)に比べて2.3ポイント上昇している。
 事業所規模別にみると、300人以上のすべての規模で100%実施されている。また、30〜49人規模では93.3%(同92.8%)、10〜29人規模でも84.1%(同80.6%)と、前回に比べて上昇している。
 産業別にみると、電気・ガス・熱供給・水道業(100.0%)で最も高く、次いで金融・保険業(98.9%)、建設業(95.6%)の順となっており、一方、サービス業(84.2%)、製造業(84.1%)では低くなっている。(第1表)

第1表 定期健康診断実施の有無及び実施場所別事業所割合
(単位:%)
事業所規模、産業 事業所計 定期健康診断を実施した事業所 (実施場所) 定期健康診断を実施しなかった事業所 (平成9年調査)定期健康診断を実施した事業所
事業所内で
実施
  事業所外で
実施
 
事業所内の診療所ですべて実施 検査の一部又は全部を検診車で実施 病院・診療所 保健所・市町村保健センター その他の健診機関
100.0 87.1 (100.0) (47.5) (8.6) (38.9) (52.5) (32.9) (5.8) (13.7) 12.9 84.8
(事業所規模)  
5,000人以上 100.0 100.0 (100.0) (100.0) (72.5) (27.5) ( - ) ( - ) ( - ) ( - ) - 100.0
1,000〜4,999人 100.0 100.0 (100.0) (86.7) (36.0) (50.7) (13.3) (6.7) (0.2) (6.4) - 100.0
300〜 999人 100.0 100.0 (100.0) (83.1) (23.7) (59.4) (16.9) (10.2) (0.1) (6.6) 0.0 99.8
100〜299人 100.0 99.4 (100.0) (76.6) (18.7) (57.9) (23.4) (14.2) (0.5) (8.7) 0.6 99.0
50〜99人 100.0 96.2 (100.0) (65.4) (9.3) (56.1) (34.6) (22.1) (2.8) (9.7) 3.8 96.6
30〜49人 100.0 93.3 (100.0) (57.1) (6.8) (50.3) (42.9) (27.5) (4.1) (11.3) 6.7 92.8
10〜29人 100.0 84.1 (100.0) (40.6) (8.0) (32.6) (59.4) (37.1) (7.0) (15.2) 15.9 80.6
(産業)  
林業 100.0 91.5 (100.0) (30.9) ( - ) (30.9) (69.1) (31.8) (9.9) (27.4) 8.5 86.4
鉱業 100.0 92.8 (100.0) (56.1) (3.1) (53.0) (43.9) (14.9) (9.6) (19.4) 7.2 89.1
建設業 100.0 95.6 (100.0) (26.8) (5.8) (21.0) (73.2) (43.0) (13.0) (17.2) 4.4 92.3
製造業 100.0 84.1 (100.0) (68.3) (5.2) (63.1) (31.7) (15.7) (4.3) (11.7) 15.9 82.4
電気・ガス・熱供給・水道業 100.0 100.0 (100.0) (67.4) (17.3) (50.1) (32.6) (21.7) (0.4) (10.6) - 99.3
運輸・通信業 100.0 93.7 (100.0) (46.5) (6.2) (40.2) (53.5) (33.5) (3.0) (17.0) 6.3 89.3
卸売・小売業,飲食店 100.0 85.2 (100.0) (48.0) (8.5) (39.5) (52.0) (34.0) (5.5) (12.4) 14.8 80.4
金融・保険業 100.0 98.9 (100.0) (52.9) (7.5) (45.5) (47.1) (33.3) (3.3) (10.5) 1.1 99.0
不動産業 100.0 88.8 (100.0) (23.7) (3.8) (20.0) (76.3) (58.8) (0.3) (17.2) 11.2 94.6
サービス業 100.0 84.2 (100.0) (40.9) (14.0) (26.9) (59.1) (38.4) (5.7) (15.1) 15.8 83.0

 (2)定期健康診断の実施場所
 定期健康診断を事業所内で実施した事業所は47.5%であり、具体的な実施場所としては、「検査の一部又は全部を検診車で実施」が高くなっている。
 一方、事業所外で実施した事業所は52.5%であり、具体的な実施場所としては「病院・診療所」が高くなっている。(第1表
 (3)定期健康診断実施上の問題点
 「定期健康診断を実施する上で問題がある」とする事業所は52.4%(前回45.3%)であり、過半数を超えている。
 「問題点」(複数回答)別にみると、「健康診断に要する費用が高額である」28.1%、「健康診断を実施する時間がとれない(とりにくい)」25.1%、「未受診者の振替健診の日程確保が困難である」18.1%の順となっている。これを事業所規模別にみると、事業所規模が大きなところでは、「健康診断に関する事務が煩雑である」を挙げた事業所の割合が高くなっている。
 定期健康診断実施の有無別に「定期健康診断を実施する上で問題がある」とする事業所の割合をみると、定期健康診断を実施した事業所(48.4%)に比べて、定期健康診断を実施しなかった事業所(78.9%)の方が30ポイント以上高くなっている。
 また、定期健康診断を実施しなかった事業所が挙げた問題点としては、「健康診断を実施する時間がとれない(とりにくい)」49.8%が最も高く、次いで「健康診断に要する費用が高額である」37.7%、「未受診者の振替健診の日程確保が困難である」18.1%の順となっている。(第2表)

第2表 定期健康診断実施上の問題点別事業所割合
(単位:%)
事業所規模、健康診断実施の有無 事業所計 定期健康診断を実施する上で問題がある 問題点(複数回答) 特に問題はない 健康診断を実施する必要があることを知らな
かった
不明
健康診断に要する費用が高額である 健康診断を実施する適当な健診機関がない(見つけ
にくい)
健康診断を実施する時間がとれない(とりにくい) 健康診断に関する事務が煩雑である 未受診者の振替健診の日程確保が困難である その他
平成14年 100.0 52.4 28.1 4.5 25.1 6.4 18.1 3.9 46.9 0.7 0.1
(事業所規模)  
5,000人以上 100.0 37.4 14.1 3.7 13.8 37.4 2.8 - 62.6 - -
1,000〜4,999人 100.0 57.7 19.1 1.1 12.3 37.3 25.6 8.3 42.3 - -
300〜 999人 100.0 56.5 22.5 1.4 15.6 23.9 29.5 6.7 43.3 - 0.1
100〜299人 100.0 48.3 23.0 1.9 16.6 14.5 24.4 3.3 51.7 0.0 -
50〜99人 100.0 49.0 27.6 1.7 20.2 7.9 20.8 3.1 50.7 0.2 0.1
30〜49人 100.0 54.7 31.9 4.7 27.2 9.6 22.9 2.5 45.0 0.3 -
10〜29人 100.0 52.5 27.8 4.9 25.8 5.0 16.3 4.2 46.5 0.9 0.1
(健康診断実施の有無)  
健康診断実施有 100.0 48.4 26.7 3.2 21.4 6.8 18.1 1.9 51.4 0.1 0.0
健康診断実施無 100.0 78.9 37.7 13.2 49.8 4.1 18.1 17.2 16.1 4.7 0.4
   
平成 9年 100.0 45.3 20.6 4.4 28.5 5.1 4.2 53.1 1.6
(注)「未受診者の振替健診の日程確保が困難である」は平成14年調査において新規の調査項目とした。

 (4)定期健康診断の担当者
 定期健康診断を実施した事業所において、担当者(産業医等)がいる事業所の割合を担当者ごとにみると、福利厚生・人事労務等担当者77.8%が最も高く、次いで衛生管理者又は衛生推進者等49.1%、産業医44.4%、保健師又は看護師30.5%の順となっている。
 また、担当内容(複数回答)別に担当者の関与している割合をみると、産業医では「健康診断結果の事後措置の相談」62.0%が、衛生管理者又は衛生推進者等では「健康診断結果の記録管理保管」42.3%及び「健康診断企画」41.1%が、保健師又は看護師では「健康診断結果の事後措置の相談」46.6%及び「健康診断立会」41.7%が、福利厚生・人事労務等担当者では「健康診断結果の記録管理保管」73.9%及び「健康診断企画」63.8%が、それぞれ高くなっている。(第3表)

第3表 担当者の有無、定期健康診断関与の有無及び担当内容別事業所割合
(単位:%)
担当者の種別 担当者(産業医等)がいる事業所計  
健康診断に関与
している
担当内容(複数回答) 健康診断に関与していない
健康診断
企画
健康診断
立会
健康診断
結果の
事後措置
の相談
健康診断
結果の
記録管理
保管
産業医 [44.4] 100.0 72.7 24.5 26.9 62.0 23.5 27.3
衛生管理者又は衛生推進者等 [49.1] 100.0 68.5 41.1 28.1 31.0 42.3 31.5
保健師又は看護師 [30.5] 100.0 67.3 25.8 41.7 46.6 28.8 32.7
福利厚生・人事労務等担当者 [77.8] 100.0 87.4 63.8 30.9 36.4 73.9 12.6
(注)[ ]は、定期健康診断を実施した事業所のうち「担当者(産業医等)がいる事業所」の割合である。

 (5)がん検診・人間ドックの実施率
 がん検診又は人間ドックを過去1年間に実施した事業所は41.0%(前回48.2%)、がん検診を実施した事業所は28.6%、人間ドックを実施した事業所は28.5%であり、がん検診と人間ドックの両方を実施した事業所は16.1%となっている。
 事業所規模別にみると、事業所規模が大きくなるほど、がん検診又は人間ドックを実施した事業所の割合が高くなっている。(第4表)

第4表 がん検診・人間ドック実施の有無別事業所割合
(単位:%)
事業所規模、産業 事業所計 がん検診又は人間ドック
実施有
  がん検診人間ドックいずれも
実施無
(再掲)
がん
検診
実施有
人間
ドック
実施有
がん検診
人間ドック
両方実施
平成14年 100.0 41.0 28.6 28.5 16.1 59.0
(事業所規模)  
5,000人以上 100.0 100.0 83.1 75.4 58.5 -
1,000〜4,999人 100.0 93.8 79.9 74.8 60.9 6.2
300〜 999人 100.0 78.4 60.7 61.1 43.3 21.6
100〜299人 100.0 60.5 44.3 44.6 28.3 39.5
50〜99人 100.0 52.5 35.8 37.2 20.6 47.5
30〜49人 100.0 43.3 29.1 29.4 15.1 56.7
10〜29人 100.0 37.6 26.3 26.0 14.7 62.4
(産業)  
林業 100.0 38.9 25.4 18.7 5.2 61.1
鉱業 100.0 40.9 32.7 24.5 16.4 59.1
建設業 100.0 28.7 22.4 16.7 10.5 71.3
製造業 100.0 33.4 25.7 18.5 10.7 66.6
電気・ガス・熱供給・水道業 100.0 83.1 65.1 67.4 49.4 16.9
運輸・通信業 100.0 37.1 23.0 27.2 13.1 62.9
卸売・小売業,飲食店 100.0 44.8 28.6 32.3 16.0 55.2
金融・保険業 100.0 76.7 46.7 70.1 40.1 23.3
不動産業 100.0 45.5 33.9 35.9 24.2 54.5
サービス業 100.0 39.4 30.8 26.7 18.1 60.6
   
平成9年 100.0 48.2 35.3 35.7 22.9 51.8

 (6)がん検診の種類別実施率及び受診者の年齢制限
 がん検診を実施した事業所のがん検診の種類(複数回答)をみると、「胃がん検診」67.7%、「大腸がん検診」62.6%が高く、次いで「子宮がん検診」44.7%の順となっている。(第5表)

第5表 がん検診実施の有無及び種類別事業所割合
(単位:%)
  事業所計 がん検診実施有 がん検診の種類(複数回答) がん検診実施無
胃がん検診 肺がん検診 食道がん検診 大腸がん検診 乳がん検診 子宮がん検診 その他
平成14年 100.0 28.6 (100.0) (67.7) (31.8) (17.1) (62.6) (39.8) (44.7) (7.9) 71.4
平成 9年 100.0 35.3 (100.0) (73.6) (43.5) (22.6) (67.5) (39.7) (43.8) (7.2) 64.7

 がん検診を実施した事業所について、受診対象者に年齢制限を設けている割合をがん検診の種類別にみると、「食道がん検診」83.5%が最も高くなっている。(第6表)

第6表 がん検診受診者の年齢制限の有無及び年齢制限階級別事業所割合並びに年齢制限の平均
(単位:%)
がん検診の種類 がん検診実施
事業所計
年齢制限有   年齢制限無 年齢制限の平均(歳)
29歳
以下
30〜34歳 35〜39歳 40〜44歳 45〜49歳 50歳
以上
胃がん 100.0 80.7 2.4 7.2 43.5 24.1 1.7 1.7 19.3 36.4
肺がん 100.0 67.3 7.0 4.1 28.0 25.5 1.8 0.9 32.7 36.0
食道がん 100.0 83.5 6.9 2.8 37.3 31.8 1.4 3.3 16.5 36.9
大腸がん 100.0 76.3 3.5 6.7 41.4 21.3 1.3 2.1 23.7 36.1
乳がん 100.0 75.4 0.6 18.8 29.9 21.0 1.1 4.1 24.6 36.1
子宮がん 100.0 76.3 0.5 25.3 26.9 19.1 1.0 3.4 23.7 35.4
その他のがん検診 100.0 79.4 0.1 1.5 11.9 55.2 0.2 10.6 20.6 40.4

 (7)人間ドック受診者の年齢制限
 人間ドックを実施した事業所について、受診対象者に年齢制限を設けている割合は、81.3%となっている。また、人間ドックの年齢制限の平均は35.4歳となっている。(第7表)

第7表 人間ドック受診者の年齢制限の有無及び年齢制限階級別事業所割合並びに年齢制限の平均
(単位:%)
  人間ドック実施事業所計 年齢制限有   年齢制限無 年齢制限の平均(歳)
29歳以下 30〜34歳 35〜39歳 40〜44歳 45〜49歳 50歳以上
[28.5]100.0 81.3 0.2 10.5 34.4 30.0 2.7 3.6 18.7 35.4
(注1)[ ]は、全事業所のうち「人間ドック実施事業所」の割合である。

 (8)定期健康診断等の結果に基づく健康管理のための事後措置の取組状況
 定期健康診断、がん検診又は人間ドックのいずれかを実施し、異常の所見があった労働者がいる事業所は69.1%(前回70.1%)であり、うち、「事後措置有」とする事業所は81.9%(同70.5%)となっている。
 事業所規模別にみると、事業所規模が大きくなるほど「事後措置有」とする事業所の割合が高く、100人以上のすべての規模で9割を超えており、一方、10〜29人規模でも79.3%となっている。
 事後措置の内容(複数回答)としては、「再検査・精密検査の指示等の保健指導を行った」76.1%が高い割合になっている。なお、「健康管理等について医師又は歯科医師から意見を聴いた」とする事業所は24.8%であるが、300人以上のすべての規模で6割を超えている。(第8表)

第8表 定期健康診断等の結果に基づく健康管理のための事後措置の有無及び内容別事業所割合
(単位:%)
事業所規模 異常の所見があった労働者がいる事業所計 事後措置有 健康管理のための事後措置の内容(複数回答) 事後措置無
健康管理等について医師又は歯科医師から意見を聴いた 再検査・精密検査の指示等の保健指導を行った 就業場所の変更や作業転換の措置をとった 労働時間の短縮や時間外労働の制限の措置をとった 作業環境管理・作業管理の見直しのため、作業環境測定を実施した 作業環境管理・作業管理の見直しのため、施設又は設備の改善を実施した その他の措置を行
った
平成14年 [69.1] 100.0 81.9 24.8 76.1 3.8 3.3 1.3 1.7 5.0 18.1
   
5,000人以上 [100.0] 100.0 100.0 86.2 100.0 77.6 76.2 34.0 29.9 8.9 -
1,000〜4,999人 [100.0] 100.0 98.8 84.2 98.2 35.0 43.1 22.8 20.9 11.1 1.2
300〜 999人 [99.8] 100.0 98.0 65.4 95.0 19.0 16.9 9.6 8.5 8.1 2.0
100〜299人 [98.0] 100.0 93.9 48.7 90.4 8.8 8.3 5.5 3.8 6.5 6.1
50〜99人 [89.1] 100.0 88.4 35.0 82.4 6.4 5.2 3.1 2.7 4.7 11.6
30〜49人 [78.3] 100.0 82.5 23.7 77.6 4.7 3.5 2.0 2.2 3.5 17.5
10〜29人 [63.0] 100.0 79.3 20.5 73.0 2.4 2.3 0.3 1.0 5.3 20.7
   
平成9年 [70.1] 100.0 70.5 44.8 9.3 7.6 2.4 2.4 25.6 29.5
(注1)[ ]は、全事業所のうち「異常の所見があった労働者がいる事業所」の割合である。
(注2)「再検査・精密検査の指示等の保健指導を行った」は平成14年調査において新規の調査項目とした。


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