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2 労働者調査
(1)職場環境について
    現在の作業場所の環境について、労働者の評価をみると、「適当」あるいは「気にならない」とする項目は、「採光又は照明」(87.5%)、「振動」(82.8%)、「湿度」(82.0%)、「気温」(75.1%)で高く、「におい」(63.7%)についても6割を超えているが、「換気」(47.3%)、「騒音」(46.3%)については5割を下回っている(第1図)。

第1図 現在の職場環境の状況別労働者割合

第1図 現在の職場環境の状況別労働者割合

    作業場所の総合的な快適度について労働者の評価をみると、「快適である」とする労働者は30.5%である。
 有害業務従事の有無別にみると、「快適である」とする労働者の割合は、有害業務に従事しない労働者では37.7%であるのに対し、有害業務従事労働者の場合は19.2%と低くなっている(第17表)。

第17表 作業場所の総合的な快適度別労働者割合

(単位:%)
  労働者計 快適
である
どちらとも
いえない
快適
ではない
総数 100.0 30.5 48.3 21.2
   
有害業務従事あり 100.0 19.2 45.8 35.0
有害業務従事なし 100.0 37.7 50.0 12.4

    「快適な職場環境のために重要なこと」として労働者が重視する事項についてみると、「荷物運搬、中腰作業等肉体疲労度の高い作業の軽減」、「高い緊張や一定の姿勢を長時間持続する作業の負担軽減」、「作業の性質に起因する劣悪環境の改善」、「作業の性質に係わりなく生じる劣悪環境の改善」、「機械等のレイアウトや作業空間の適正化」の割合が約35%前後と高くなっている。
 また、「今後改善して欲しいこと」については、「機械等のレイアウトや作業空間の適正化」(31.9%)、「休憩時間の快適化」(29.5%)、「作業の性質に関わりなく生じる劣悪環境の改善」(25.4%)等の割合が高くなっている(第18表)。

第18表 快適な職場環境のために重要なこと及び今後改善して欲しいことの項目別労働者割合

(複数回答 4つまで) (単位:%)
項目 快適な職場環境のために重要なこと 今後改善して欲しいこと
総数 100.0 100.0
作業強度、難度等の労働の質・内容的改善 荷物運搬、中腰作業等肉体疲労度の高い作業の軽減   35.8   24.6
高い緊張や一定の姿勢を長時間持続する作業の負担軽減   34.9   20.7
作業の性質に起因する劣悪環境の改善   34.2   24.8
職場の安全衛生面での向上対策 作業の性質に係わりなく生じる劣悪環境の改善   32.7   25.4
職場における喫煙対策(分煙化、禁煙タイム等)   17.4   14.7
作業場の採光、色彩等の快適化(自然光、壁の色等)   21.1   17.4
内装、床等作業場の素材の適正化(ノンスリップ加工等)   15.8   17.6
機械等のレイアウトや作業空間の適正化   35.1   31.9
リフレッシュ対策等 休憩時間の快適化(休憩場所、洗面所等)   29.3   29.5
疲労回復のための施設の充実(休養室、シャワー室等)   20.2   23.5
トレーニングルーム等敷地内の運動施設の充実     8.3   12.2
教養、文化施設の充実(オーディオ、図書室等)     9.5   13.0
敷地内の緑化(遊歩道、庭園化等)     8.3     8.8
その他     4.0     5.7
(注) 「劣悪環境」とは、暑熱、寒冷、多湿、高騒音、高振動等をいう。

    事業所での快適な職場環境づくりの重要課題と労働者の今後改善して欲しい項目を比較すると、「機械等のレイアウトや作業空間の適正化」、「休憩時間の快適化」、「作業の性質に関わりなく生じる劣悪環境の改善」については、事業所が重要とする割合も労働者が改善して欲しいとする割合も他の項目に比べて高く、この他、事業所では労働者に比べ「職場における喫煙対策」をあげる割合が高く、一方、労働者は「荷物運搬、中腰作業等肉体疲労度の高い作業の軽減」などの「作業強度、難度等の労働の質・内容的改善」に関する事項及び「休憩時間の快適化」を望む割合が高くなっている(第2図)。

第2図 快適な職場環境づくりの重点事項(事業所と労働者の比較)
(各々4つまでの複数回答)

第2図 快適な職場環境づくりの重点事項(事業所と労働者の比較)(各々4つまでの複数回答)

(注) 1)  事業所については重要課題がある事業所を100としたときの重要課題の割合を、労働者については「今後改善して欲しい項目」について比較したものである。
2)  調査票の項目の表現は、事業所調査と労働者調査とで一部異なるため、本図では労働者調査の表現を使用した。


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