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毎月勤労統計調査全国調査で作成している指数等の解説(令和4年1月部分入替え(ベンチマーク更新))

1 指数の作成

 毎月勤労統計調査では、雇用、賃金及び労働時間の各調査結果の時系列比較を目的として、基準時の平均(以下「基準数値」という。)を100とする指数を作成している。

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2 指数の算式

 各月の指数は、実質賃金指数を除き次の算式によって作成している。

数式

 指数と各月の調査結果の実数との対応は次のとおりである。

指数の種類

各月の調査結果の実数

常用雇用指数

現金給与総額指数

きまって支給する給与指数

所定内給与指数

総実労働時間指数

所定内労働時間指数

所定外労働時間指数

各月の本月末常用労働者数

各月の1人平均現金給与総額

  〃    きまって支給する給与

  〃    所定内給与

  〃    総実労働時間

  〃    所定内労働時間

  〃    所定外労働時間

 実質賃金指数の算式
 賃金の購買力を示す指標として、実質賃金指数を次の算式によって作成している。

数式

 上記の算式により作成された指数に基づいて、前年同月比等の増減率を計算している。

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3 指数の年平均等

 指数の年平均、年度平均、半期平均及び四半期平均(以下「年平均等」という。)は、全て、各月の指数の単純平均により算出している。
 なお、実質賃金指数の年平均等は、名目賃金指数及び消費者物価指数のそれぞれについて、年平均等をとったものの比率で算出する。

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4 指数の基準時

 現在の指数の基準時は、令和2年(2020年)である。

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5 指数の改訂

 指数は、(1)基準時の変更に伴う改訂(以下「基準時更新」という。)、(2)常用労働者数のベンチマーク更新という2つの事由(注1)で過去に遡って改訂する。

  1. (注1)平成27年1月分調査までは、経済センサスの実施周期に合わせて、第一種事業所の抽出替え(調査対象事業所の入替え)を一斉に行った。その際に、新旧の調査対象事業所が入れ替わったことにより、単位集計区分内の集計値に大きなギャップが生じるため、新旧の期間をまたぐ統計の接続性を確保するために、それを技術的に補正している。この補正のことを「ギャップ修正」と呼んでいる。平成30年1月分調査の部分入替え方式導入以降は、「平成27年度統計法施行状況に関する審議結果報告書(平成28年度上半期審議分)」(平成28年10月7日総務省統計委員会)において示された新旧データ接続における「望ましい方法」に従い、賃金及び労働時間指数については、従来行ってきたギャップ修正を行わないこととしている。
  1. (1)基準時更新
     基準時更新とは、指数の基準時となる年を西暦年の末尾が0又は5の付く年に変更する改訂のことをいい、5年ごとに行うものである(指数の基準時に関する統計基準(平成22年3月31日総務省告示第112号)に基づく)。
     この基準時更新では、各指数を全期間にわたって改訂するが、増減率は原則改訂しない。ただし、実質賃金指数の計算に当たっては、名目賃金指数と消費者物価指数の基準時を同じとするが、消費者物価指数は、増減率が改訂される場合があることから、実質賃金指数の増減率は過去に遡って改訂されることがある。

  2. (2)常用労働者数のベンチマークの更新(常用雇用指数のギャップ修正)
     月々の常用労働者数は、単位集計区分毎に前月の補正後(注2)の母集団労働者数に対して、標本事業所における前月から当月への変動を反映させ、当月の値を算出するリンク・リラティブ方式で常用労働者数を推計している。
     また、この常用労働者数は、単位集計区分毎の集計値を積み上げて調査産業計などの集計値を計算する際のウエイトとしても利用されている。
     常用労働者数のベンチマーク(水準点)の数値については、事業所の全数調査である「経済センサス‐基礎調査」等の結果が利用できるタイミングで更新している。この時、常用雇用指数(注3)については、前回のベンチマーク設定時点以降の期間の指数についてギャップ修正を行っている。
  1. (注2)前月の母集団労働者数に雇用保険事業所データ等による補正を施したもの。
  2. (注3)「ウエイト(ベンチマーク)更新に起因するギャップ」については、平成30年8月28日の第125回統計委員会における整理に基づき、常用雇用指数のみ遡及改訂し、賃金指数や労働時間指数は遡及改訂しないこととしている。

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6 令和4年1月分調査における指数の改訂の考え方

 令和4年1月分調査においては、指数の基準時を平成27年(2015年)から令和2年(2020年)に更新し、さらに、集計に用いる母集団労働者数を「平成26年経済センサス‐基礎調査」に基づく労働者数から「平成28年経済センサス‐活動調査」等(注4)に基づく労働者数に変更したこと等(注5)から、常用雇用指数、賃金指数及び労働時間指数の改訂を行った。

  1. (注4)「平成28年経済センサス‐活動調査」では公営事業所の労働者数を把握していないため、公営事業所の労働者数については「平成26年経済センサス‐基礎調査」及び「事業所母集団データベース(令和元年次フレーム)」から推計した結果を用いた。
  2. (注5)平成16年1月分〜平成23年12月分については、全数調査するとしていたところを一部抽出調査で行っており、抽出調査を行う場合に必要な復元を行うことができなかったことから「時系列比較のための推計値」を作成して使用しているが、指数の改訂前の平成24年1月分以降の指数の作成に用いた母集団労働者数は、平成23年12月分までの「時系列比較のための推計値」の作成に用いた母集団労働者数から作成されていない。このため、今回のベンチマーク更新時に、平成24年1月分以降の指数が「時系列比較のための推計値」から作成した母集団労働者数と整合するよう、指数の改訂を合わせて行った。
  1. (1)基準時更新
     指数の基準時を平成27年(2015年)から令和2年(2020年)に更新したことから、令和3年12月分以前の常用雇用指数、賃金指数及び労働時間指数について改訂を行った。
    以下に、具体的な改訂方法を示す。

    ア 平成24年1月分以降の常用労働者数、賃金、労働時間について、平成23年12月分までの「時系列比較のための推計値」から作成した母集団労働者数と整合するよう再推計した。

    イ 令和2年1月分から12月分までのアで作成した推計値の単純平均を指数の仮基準数値とし、平成21年1月分(注6)から平成23年12月分までの「時系列比較のための推計値」及び平成24年1月分以降のアで作成した推計値を仮基準数値で除して100倍し、暫定指数を作成した。
    1. (注6)ウの平成24年1月抽出替えにおける指数の補正を行うため、平成21年1月分から暫定指数を作成した。

    ウ イで作成した暫定指数に対して、平成24年1月抽出替え、平成27年1月抽出替え及び平成30年1月部分入替え実施時に行った指数の補正と同様の補正を行った。

    平成24年1月抽出替え
    平成27年1月抽出替え
    平成30年1月部分入替え

    エ 常用雇用指数については、令和4年1月分調査において、集計に用いる母集団労働者数を「平成26年経済センサス‐基礎調査」に基づく労働者数から「平成28年経済センサス‐活動調査」等に基づく労働者数に変更したことから、ウの補正後、更に平成26年7月分以降について以下の(2)で示す方法により補正を行った。

    イメージ図


    オ ウ、エの補正後の指数において令和2年平均が100.0でない場合は、指数及び基準数値をそれぞれ

    イメージ図

    で再計算した。

    カ 平成20年12月分以前について、令和2年基準指数を

    イメージ図

    で計算した。

  2. (2) 常用労働者数のベンチマークの更新
     令和4年1月分調査の補正においては、労働者数のベンチマークを「平成26年経済センサス‐基礎調査」(平成26年7月1日現在)から「平成28年経済センサス‐活動調査」等(平成28年6月1日現在)に変更したことから、平成26年7月分以降の常用雇用指数についてギャップ修正を行った。
     以下に、具体的な指数の補正方法を示す。

    ア 平成26年経済センサス及び平成28年経済センサス等の常用雇用者数と毎月勤労統計調査の推計常用労働者数とのギャップをそれぞれ

    イメージ図

    として、平成26年7月分から平成28年5月分までの指数を次式により補正した。

    イメージ図

    ここで、nは、平成26年7月から当該月までの月数とする(平成26年7月:n=1、平成28年5月:n=23)。また、補正前指数とは、(1)のウで平成30年1月部分入替え実施時に行った指数の補正と同様の補正を行った後の指数のことである。

    イ また、このギャップ率G1及びG2を用いて、平成28年6月分から令和3年12月分までの指数を次式により補正した。

    イメージ図

    ただし、平成29年12月分以前の補正前指数とは、(1)のウで平成30年1月部分入替え実施時に行った指数の補正と同様の補正を行った後の指数のことであり、平成30年1月分以降の補正前指数とは、(1)のイで作成した暫定指数のことである。

    イメージ図

  3. (3)増減率の改訂
     ギャップ修正を行った常用雇用指数について、平成26年7月分から平成29年5月分までの増減率を改訂後の指数に基づき再計算した。
     また、消費者物価指数の基準改定(ウエイト更新)で令和3年1月分以降の増減率が改定されたことから、実質賃金指数についても、令和3年1月分以降の増減率を改訂後の指数に基づき再計算した。

  4. (4)ギャップ率(5人以上、調査産業計)
    指数

    ギャップ率

    平成24年1月抽出替え 常用雇用指数

    1.0232160

    常用雇用指数(一般)

    0.9981252

    常用雇用指数(パート)

    1.0002203

    きまって支給する給与指数

    0.9981281

    総実労働時間指数

    1.0051395

    所定内労働時間指数

    1.0031646

    所定外労働時間指数

    1.0306122

    平成27年1月抽出替え きまって支給する給与指数

    0.9860629

    総実労働時間指数

    0.9985348

    所定内労働時間指数

    0.9976153

    所定外労働時間指数

    1.0093458

    平成30年1月部分入替え 常用雇用指数

    0.9849595

    常用雇用指数(一般)

    1.0032366

    常用雇用指数(パート)

    0.9928330

    令和4年1月部分入替え 常用雇用指数 G1

    0.9849595

    常用雇用指数 G2

    0.9660833

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7 指数以外の指標の作成

  1. (1)労働異動率
     以上の指数のほかに、雇用の流動状況を示す指標として労働異動率を作成している。その算式は次に示すとおり、月間の増加労働者数又は減少労働者数を月初の労働者数(前月末労働者数)で除した百分比をそれぞれ、入職率、離職率としている。

    数式

  2. (2)パートタイム労働者比率
     パートタイム労働者比率とは、調査期間末のパートタイム労働者数を全労働者数(本月末労働者数)で除した百分比をいい、次の算式によって作成している。

    数式

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8 指数等の季節調整

  1. (1)季節調整の方法
     作成している指数等のいくつかの系列については、季節調整値(以下「季調値」という。)を作成している。季節調整には、センサス局法(X-12-ARIMAのなかのX-11デフォルト)を用いている。なお、実質賃金指数及び入・離職率の季調値は、次の算式により算出したものをそれぞれの季調値としている。

    数式

  2. (2)季調値の再計算の頻度及び対象期間
     季調値は、年1回、毎年12月分までのデータが揃った時点で再計算し、原則として、1月分結果速報公表時に再計算の対象とした全期間の季調値を改訂している(季調替え)。ただし、令和4年の季調替えについては、指数の改訂に併せ1月分結果確報公表時に実施した。
     季調値の計算の対象とする期間は、原則として、指数作成開始時点から前年の12月分までであるが、指数作成開始時点が昭和29年以前である系列については、昭和30年1月分を始期としている。なお、事業所規模30人以上の実質賃金指数については、全て、昭和45年1月分を始期としている。
     また、再計算の対象となった期間以降の季調値の作成には、季調値の再計算の際に計算される予測季節要素を用いている。

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9 平成29年1月分からの表章産業の変更

平成29年1月分結果速報から、平成25年10月に改定された日本標準産業分類に基づいて結果の公表を行っている。全国調査における表章産業は、以下に示すとおりである。

  • 毎月勤労統計調査全国調査 表章産業一覧表 [92KB]
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    10 指数等の作成状況

    指数等の作成状況は、以下に示すとおりである。

  • 毎月勤労統計調査全国調査における指数等の作成状況 [123KB]
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