〔個人調査〕
1 現在の就業状況
(1)在学していない若年労働者の就業形態
在学していない若年労働者の就業状況を就業形態別にみると、正社員が68.3%、正社員以外の労働者が31.7%となっている。
性別に正社員の割合をみると、男性は79.3%、女性は56.8%となっている。
年齢階級別にみると、15〜19歳が61.6%、20〜24歳が63.9%、25〜29歳が69.9%、30〜34歳が70.1%と年齢階級が上がるほど正社員の割合が高くなっているが、25〜29歳と30〜34歳の差は小さくなっている。
最終卒業学校別にみると、大学院及び大学では正社員の割合が8割以上と高くなっている。
事業所規模別にみると、5〜29人規模が63.3%、1000人以上規模が80.2%と概ね事業所規模が大きくなるほど正社員の割合が高く、規模による差が大きい。
職種別にみると、専門的・技術的・管理的な仕事で82.5%、事務的な仕事で78.9%と正社員の割合が高くなっているのに対し、サービス・保安の仕事では42.1%と低くなっている。(表10)
表10 性・年齢階級・最終卒業学校・事業所規模・現在勤めている会社での職種、 |
(2)生計状況
若年労働者を生計状況(複数回答)の組み合わせでみると、「自身の収入のみ」で生活している若年労働者は44.0%、「自身の収入+他の収入」により生活している若年労働者は46.8%となっている。
年齢階級別にみると、「自身の収入のみ」では年齢階級が上がるほど割合が高くなっているが、「自身の収入+他の収入」ではすべての年齢階級で4割台と年齢階級による差が小さくなっている。
平成21年9月に会社から支払われた賃金を賃金総額階級別にみると、「自身の収入のみ」では賃金総額階級が高いほど割合が高くなっているが、「自身の収入+他の収入」では5万円〜10万円未満が60.5%と最も高く、「5万円未満」を除き、賃金総額階級が高いほど割合が低くなっている。
就業形態別にみると、正社員は「自身の収入のみ」が51.6%、「自身の収入+他の収入」が44.6%、正社員以外は、「自身の収入+他の収入」が50.9%、「自身の収入のみ」が30.3%の順となっている。(表11)
(3)生計状況別にみた賃金総額
若年労働者の賃金総額階級をみると、15万円〜20万円未満が24.3%と最も多く、次いで20万円〜25万円未満が23.5%、10万円〜15万円未満が14.7%の順となっている。
これを生計状況の組み合わせ別にみると、「自身の収入のみ」では20万円〜25万円未満が28.8%、「自身の収入+他の収入」では15万円〜20万円未満が27.6%、「他の収入のみ」では5万円未満が26.8%とそれぞれ最も多くなっている。
また、就業形態別にみると、正社員は20万円〜25万円未満が31.9%と最も多く、正社員以外は10万円〜15万円未満が27.2%と最も多くなっている。
「自身の収入のみ」で生活している若年労働者の賃金総額階級をみると、正社員では20万円〜25万円未満が32.7%と最も多く、正社員以外では10万円〜15万円未満が28.7%と最も多くなっている。(表12)
2 職業一般に関する考え方
(1)職業能力習得・向上の必要性に対する認識
在学していない若年労働者の職業能力習得・向上の必要性に対する認識をみると、必要性を感じている若年労働者は83.5%となっている。このうち、職業能力習得・向上の方針は「会社が行う教育訓練と自らの両方で習得・向上させたい」が57.8%と高くなっている。
これを年齢階級別にみると、必要性を感じている若年労働者の割合は15〜19歳で61.0%、30〜34歳で86.4%と年齢階級が上がるほど高くなっている。
最終卒業学校別にみると、必要性を感じている若年労働者の割合は大学院が96.9%、大学が92.9%と高くなっている。そのうち、職業能力習得・向上の方針は「会社が行う教育訓練と自らの両方で習得・向上させたい」が専修学校(専門課程)より上の最終学校卒業では5割を超え、特に大学院は70.8%と高くなっている。
また就業形態別にみると、必要性を感じている若年労働者は正社員が88.4%、正社員以外が72.8%となっている。(表13)
表13 性・年齢階級・最終卒業学校・就業形態、職業能力習得・向上の方針、職業能力習得 |
(2)仕事で役立つ資格
若年労働者の仕事で役立つ資格・免許の有無をみると、「役立つ資格・免許を持っている」が39.9%、「役立つ資格・免許を持っていない」が57.6%となっている。
役立つ資格・免許を持っていない若年労働者のうち、「役立つ資格・免許を取得したいと思う」が58.2%となっている。
年齢階級別に役立つ資格・免許を持っている若年労働者の割合をみると、15〜19歳が17.0%、30〜34歳が46.7%と年齢階級が上がるほど高くなっている。
これを就業形態別にみると、「役立つ資格・免許を持っている」は正社員が49.7%、正社員以外が22.4%となっている。(表14)
表14 性・年齢階級・最終卒業学校・就業形態、仕事で役立つ資格・免許の有無別 |
3 今後の職業生活
(1)若年正社員の転職希望
現在の会社で定年前に転職したいと思っている若年正社員は24.9%、思っていない若年正社員は28.3%となっている。
これを事業所規模別にみると、概ね規模が小さいほど転職したいと思っている若年正社員の割合が高くなっている。(表15)
(2)若年正社員の賃金総額階級別転職希望
現在の会社で定年前に転職したいと思っている若年正社員を賃金総額階級でみると、15万円未満では32.7%、15万円〜25万円未満では26.9%、25万円以上では19.2%となっている。
これを生計状況「自身の収入のみ」でみると、転職したいと思っている若年正社員が15万円未満で40.6%と特に高く、15万円〜25万円未満では27.1%、25万円以上では18.5%なっている。(表16)
(3)若年正社員の転職希望理由
現在の会社で定年前に転職したいと思っている若年正社員について、転職しようと思う理由(5つまでの複数回答)をみると、「賃金の条件がよい会社にかわりたい」が46.7%、「仕事が自分に合った会社にかわりたい」が38.4%、「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」が37.1%と高くなっている。
事業所規模別にみると、「賃金の条件がよい会社にかわりたい」では30〜99人規模が50.4%、100〜299人規模が50.0%と高くなっている。「仕事が自分に合った会社にかわりたい」では規模による差は小さく、「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」では1000人以上規模が17.5%、5〜29人規模が41.5%と事業所規模が小さくなるほど割合が高くなっている。
性別にみると、「賃金の条件がよい会社にかわりたい」、「仕事が自分に合った会社にかわりたい」、「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」では差は小さく、「健康上の理由、家庭の事情、結婚等で会社をかわりたい」では男性が8.7%、女性が41.6%、「独立して事業を始めたい」では男性が24.3%、女性が5.5%と差が大きくなっている。
年齢階級別にみると、「賃金の条件がよい会社にかわりたい」では25〜29歳が49.5%と最も高く、15〜19歳が14.9%と最も低く、「仕事が自分に合った会社にかわりたい」では15〜19歳が75.3%、30〜34歳が35.3%と年齢階級が下がるほど割合が高くなっている。(表17、付表5)
(4)正社員以外の在学していない若年労働者の今後の働き方
現在の会社で正社員以外の在学していない若年労働者の今後の働き方をみると、「今後も正社員以外の労働者として勤めたい」が26.7%、「現在の会社で正社員として勤めたい」が26.5%、「別の会社で正社員として勤めたい」が24.7%となっている。
これを事業所規模別にみると、「今後も正社員以外の労働者として勤めたい」では事業所規模が小さくなるほど割合が高く、「現在の会社で正社員として勤めたい」では事業所規模が大きくなるほど割合が高く,「別の会社で正社員として勤めたい」では規模による差が小さくなっている。
また性別にみると、男性は「現在の会社で正社員として勤めたい」が42.7%と最も高く、女性は「今後も正社員以外の労働者として勤めたい」が34.7%と最も高くなっている。
さらに年齢階級別にみると、「今後も正社員以外の労働者として勤めたい」では15〜19歳で18.6%、30〜34歳で32.6%と概ね年齢階級が上がるほど割合が高くなっており、「現在の会社で正社員として勤めたい」では20〜24歳以上で割合が高くなっているが差は小さい。(表18)
(調査時点で在学していない者のみ)
(5)正社員以外の若年労働者の賃金総額階級別今後の働き方
現在の会社で正社員以外の若年労働者の今後の働き方を生計状況別にみると、自身の収入のみでは「現在の会社で正社員として勤めたい」が32.4%、「別の会社で正社員として勤めたい」が26.4%、「今後も正社員以外の労働者として勤めたい」が16.5%となっている。
これを賃金総額階級別にみると、25万円以上では「現在の会社で正社員として勤めたい」が44.1%と特に高くなっている。(表19)
4 これまでの就業状況
(1)最終学校卒業から1年間の状況
在学していない若年労働者の最終学校卒業から1年間の状況をみると、「正社員として就職した」若年労働者が71.2%、「正社員以外の労働者として就職した」若年労働者が22.9%、「無業だった」若年労働者が5.2%となっている。
在学していない若年労働者の最終学校卒業から1年間の状況と現在の就業形態をみると、「正社員として就職した」若年労働者のうち、現在正社員は81.3%、現在正社員以外は18.7%、「正社員以外の労働者として就職した」若年労働者のうち現在正社員は35.3%、現在正社員以外は64.7%となっている。
性別にみると、男性は「正社員として就職した」若年労働者のうち、現在正社員は89.8%、女性は「正社員として就職した」若年労働者のうち、現在正社員は71.6%となっている。
年齢階級別にみると、「正社員として就職した」若年労働者のうち、現在正社員は15〜19歳で96.1%、30〜34歳で76.9%と年齢階級が下がるほど割合が高くなっている。
最終卒業学校別にみると、「正社員として就職した」若年労働者のうち、現在正社員は中学を除き7割を超え、特に大学院が97.3%と高くなっている。(表20)
表20 性・年齢階級・最終卒業学校、最終学校卒業から1年間の状況、現在の就業形態別 |
(2)正社員として就職しなかった理由
最終学校卒業から1年間、正社員以外の労働者として就職した又は無業だった若年労働者が正社員として就職しなかった理由をみると、「求職活動は行ったが採用されなかった」が22.4%、「在学中から正社員として仕事につく気がなかった」が16.7%、「自分の希望する企業で求人がなかった」が14.9%となっている。
これを最終卒業学校別にみると、「求職活動は行ったが採用されなかった」では大学院が45.9%、「在学中から正社員として仕事につく気がなかった」では高校が23.4%、「自分の希望する企業で求人がなかった」では専修学校(専門過程)が20.7%と最も高くなっている。(表21)
(調査時点で在学していない者のみ)
(3)初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうか
在学していない若年労働者が初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうかをみると、「勤務している」若年労働者は47.6%、「勤務していない」若年労働者は51.6%となっている。
これを性別にみると、「勤務している」では男性が51.2%、女性が43.8%となっている。
また年齢階級別にみると、「勤務している」では15〜19歳が83.6%、「勤務していない」では30〜34歳が66.2%と最も高くなっている。
最終卒業学校別に「勤務している」割合をみると、大学院が72.0%と最も高くなっている。
就業形態別に「勤務している」割合をみると、正社員が60.5%、正社員以外が19.8%となっている。(表22)
表22 性・年齢階級・最終卒業学校・就業形態、初めて就職した会社に現在も勤務しているか |
(4)初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうか別の賃金総額階級
在学していない若年労働者が初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうか別に賃金総額階級をみると、「勤務している」では15万円〜25万円未満が57.2%、25万円以上が27.6%、15万円未満が14.6%となっている。「勤務していない」では15万円〜25万円未満が44.7%、15万円未満が32.2%、25万円以上が21.2%の順となっている。
これを就業形態別にみると、正社員が「勤務している」では15万円〜25万円未満が61.0%、25万円以上が30.7%、15万円未満が8.1%、正社員以外が「勤務している」では15万円未満が57.6%、15万円〜25万円未満が32.1%、25万円以上が6.8%の順となっている。(表23)
表23 就業形態、初めて就職した会社に現在も勤務しているかどうか、賃金総額階級別 |
(5)転職者が初めて就職した会社を離職した理由
在学していない若年労働者のうち、転職者が初めて就職した会社を離職した理由をみると、「仕事が自分に合わない」が24.5%、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が23.8%、「賃金の条件がよくなかった」が20.9%の順となっている。
これを性別にみると、男性は「仕事が自分に合わない」が28.5%、「賃金の条件がよくなかった」が26.2%、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が26.0%、女性は「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が21.7%、「仕事が自分に合わない」が21.0%、「人間関係がよくなかった」が20.2%の順となっている。
最終卒業学校別にみると、「仕事が自分に合わない」では高校が27.3%、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」では専修学校(専門課程)が28.0%、「賃金の条件がよくなかった」では大学院が29.3%と高くなっている。
また就業形態別にみると、正社員では「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が25.9%、「仕事が自分に合わない」が24.3%、「賃金の条件がよくなかった」が23.8%、正社員以外では「仕事が自分に合わない」が24.7%、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が21.6%、「人間関係がよくなかった」が21.1%の順となっている。(表24)
表24 性・最終卒業学校・就業形態、転職者が初めて就職した会社を離職した理由別 |