平成22年3月5日
大臣官房統計情報部雇用統計課
課長 本川 明
課長補佐 上園 敬一
(担当・内線) 労働経済第一係(内線7622)
(電話代表) 03(5253)1111
(ダイヤルイン) 03(3595)3145
労働経済動向調査(平成22年2月)結果の概況
目次 I 調査の概要II 主な用語の説明III 利用上の注意IV 結果の概要1 生産・売上額等、所定外労働時間、雇用 2 労働者の過不足状況 3 雇用調整等 4 中途採用 5 平成22年新規学卒者の採用内定状況 6 正社員以外の労働者から正社員への登用の状況 V 統計図表VI 付属統計表 |
I 調査の概要
1 調査の目的
この調査は、景気の動向、労働力需給の変化等が雇用、労働時間、賃金等に及ぼしている影響や今後の見通し等について調査し、労働経済の変化や問題点を把握するため、2月、5月、8月、11月の四半期ごとに実施している。
2 調査の対象期日及び実施時期
2月調査は平成22年2月1日現在の状況について、平成22年2月1日〜2月5日に実施した。
3 調査の対象
日本標準産業分類(平成19年11月改定)の建設業、製造業、情報通信業、運輸業,郵便業、卸売業,小売業、金融業,保険業、不動産業,物品賃貸業、学術研究,専門・技術サービス業、宿泊業,飲食サービス業、生活関連サービス業,娯楽業、医療,福祉、サービス業(他に分類されないもの)に属する事業所規模30人以上の全国の民営事業所5,835事業所を調査の対象とした(回答事業所数3,338、回答率57.2%)。
4 調査事項
事業所の属性に関する事項、生産・売上等の動向と増減(見込)理由に関する事項、雇用、労働時間の動向に関する事項、労働者の過不足感に関する事項、雇用調整等の実施状況に関する事項、平成22年新規学卒者の採用内定状況に関する事項、正社員以外の労働者から正社員への登用状況に関する事項
5 調査の方法
通信調査方式(調査票(紙)による報告方式(郵送)またはインターネットを利用したオンライン報告方式)により実施した。
II 主な用語の説明
1 労働者
(1) 正社員等……… | 雇用期間を定めないで雇用されている者または1年以上の期間の雇用契約を結んで雇用されている者をいい、パートタイムは除く。なお、下記の派遣労働者は含まない。 (注)平成20年2月調査から太字部分の追加により定義を変更し、併せて名称を「常用」から「正社員等」に変更した。 |
(2) 臨時……… | 1か月以上1年未満の期間を定めて雇用されている者及び期間を限って季節的に働いている者をいい、1か月未満の雇用契約の者及びパートタイムは除く。 (注)平成20年2月調査から太字部分の追加により定義を変更した。 |
(3)パートタイム… | 1日の所定労働時間又は1週間の所定労働日数が当該事業所の正社員のそれより短い者をいう。 (注)平成20年2月調査から太字部分を「一般労働者」から「正社員」に変更した。 |
(4)派遣労働者…… | 労働者派遣法に基づいて他社(派遣元事業所)から当該事業所に派遣されている者をいう。 |
2 「生産・売上額等判断D.I.」、「所定外労働時間判断D.I.」及び「雇用判断D.I.」とは、前期と比べて増加と回答した事業所の割合から減少と回答した事業所の割合を差し引いた値である。
3 「労働者過不足判断D.I.」とは、不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の割合を差し引いた値である。
III 利用上の注意
1 日本標準産業分類の改定(平成19年11月)にともない、平成21年2月調査から新産業分類に基づき表章している。さらに平成21年2月調査より「医療,福祉」を追加しているため、平成20年11月調査以前との比較は注意を要する。
(1)「建設業」、「金融業,保険業」については、それぞれ旧産業の「建設業」、「金融・保険業」と分類内容の変更がなかったため、旧分類と接続している。
(2)「製造業」の「消費関連業種」、「素材関連業種」、「機械関連業種」の区分については、それぞれ旧産業の「製造業」の区分と分類内容の変更があったため、旧分類と接続しない。
(3)「情報通信業」、「運輸業,郵便業」、「卸売業,小売業」、「宿泊業,飲食サービス業」については、それぞれ旧産業の「情報通信業」、「運輸業」、「卸売・小売業」、「飲食店,宿泊業」と分類内容の変更があったため、旧分類と接続しない。
(4)「不動産業,物品賃貸業」、「学術研究,専門・技術サービス業」、「生活関連サービス業,娯楽業」、「サービス業」については、それぞれ旧産業の「不動産業」、「サービス業」の一部を分離・統合した産業であり、分類内容の変更があったため、旧分類と接続しない。 平成20年11月調査以前の旧産業分類集計による「調査産業計」の数値については、旧産業の「不動産業」、「サービス業」の数値が含まれている。
2 この調査で「サービス業」とは、「サービス業(他に分類されないもの)」を指している。
3 表11〜表14は、該当集計項目に回答していない事業所も含む回答事業所すべてについて集計した結果であり、その他の表やグラフは、該当集計項目に回答していない事業所を除いて集計したものである。
4 判断D.I. (II 主な用語の説明 2参照) の季節調整は、センサス局法X-12-ARIMAのなかのX-11デフォルトによる。また、今回発表の季節調整値は平成21年11月までの結果に基づき過去に遡って改定したので、前回調査の発表の数値と異なっている部分がある。
5 統計表中の「0」は単位未満の割合を示し、「−」は調査客体がないものを示す。
6 この調査では、それぞれの回答をした事業所の割合を集計して表章しているが、労働者が多い事業所ほど調査対象として選ばれやすくなっている(確率比例抽出)ため、実質的に、事業所の割合というよりもこうした回答をした事業所で働く労働者の割合に近い。
7 用語の「正社員等」及び「臨時」の変更により平成20年2月調査から集計対象が一部異なっているため、第3図、第5図の平成19年11月調査以前との比較は注意を要する。
8 調査の結果は、厚生労働省のホームページに掲載されている。
アドレス(https://www.mhlw.go.jp/toukei/index.html)
「統計調査結果」→「最近公表の統計資料」→「月報で公表・提供しているもの」→「労働経済動向調査(平成22年2月)結果の概況」
IV 結果の概要
1 生産・売上額等、所定外労働時間、雇用
(1) 生産・売上額等 《製造業で実績見込は引き続きプラス》
生産・売上額等判断D.I.は22年1〜3月期実績見込では、製造業では4ポイント、卸売業,小売業でマイナス7ポイント、サービス業でマイナス26ポイントとなっている(表1、第1図)。
(2) 所定外労働時間 《製造業で実績見込は引き続きプラス》
所定外労働時間判断D.I.は22年1〜3月期実績見込では、製造業では4ポイント、卸売業,小売業でマイナス8ポイント、サービス業でマイナス16ポイントとなっている(表2、第2図)。
(3) 正社員等雇用 《実績見込は横ばい》
正社員等雇用判断D.I.は22年1〜3月期実績見込では、製造業では1ポイント、卸売業,小売業で0ポイント、サービス業で0ポイントとなっている(表3、第3図)。
(4) パートタイム雇用 《卸売業,小売業とサービス業の実績見込で引き続きマイナス》
パートタイム雇用判断D.I.は22年1〜3月期実績見込では、製造業では0ポイント、卸売業,小売業でマイナス2ポイント、サービス業でマイナス5ポイントとなっている(表4、第4図)。
付属統計表 第1表
2 労働者の過不足状況
(1) 正社員等労働者 《過剰が続く》
22年2月1日現在の正社員等労働者過不足判断D.I.をみると、調査産業計でマイナス5ポイントとなり、過剰となった(表5、第5図)。
(2) パートタイム労働者 《不足》
22年2月1日現在のパートタイム労働者過不足判断D.I.をみると、調査産業計で2ポイントと不足となっている(表6、第5図)。
3 雇用調整等
(1) 実施割合
雇用調整を実施した事業所の割合は(21年10〜12月期実績)は、調査産業計で43%と前期(45%)と比べて2ポイント減少した。雇用調整の実施を予定している事業所の割合(22年1〜3月期予定)は、調査産業計で43%と横ばいとなっている。(表7、第6図)
(2) 実施方法
雇用調整等の実施方法は、調査産業計では残業規制(26%)の割合が前期(26%)に引き続き最も多くなっている(表8)。
付属統計表 第4表
4 中途採用
「中途採用あり」とした事業所の割合(21年10〜12月期実績)は、調査産業計で47%と前期(43%)より4ポイント増加した(表9、第7図)。
付属統計表 第5表
(以下は今回調査の特別項目となります。)
5 平成22年新規学卒者の採用内定状況
平成22年新規学卒者の「採用内定あり」の事業所の割合を前年と比べると、調査産業計では各学歴で前年を下回っている(表10、第8図)。
付属統計表 第6表
6 正社員以外の労働者から正社員への登用の状況
(1) 登用実績
過去1年間に正社員以外の労働者から正社員への登用を実施した事業所の割合は、調査産業計では、「登用実績あり」が31%、「登用実績なし」が67%となっている(表11)。
(2) 登用の年齢
「登用実績あり」のうち、「登用にあたって年齢に上限はなかった」事業所の割合は82%となっている(表12)。
(3) 今後の登用について
[1] 登用実績ありの事業所の今後の方針は、調査産業計では「登用していきたい」(43%)が最も多くなっている(表13)。
[2] 登用実績なしの事業所の今後の方針は、調査産業計では「現在のところ未定」(54%)が最も多くなっている(表14)。