目次  前へ  次へ

第I章 現状における問題点

(1) 現在の「現任研修」の構造上の問題

 平成12年度現在の「現任研修」は、介護保険制度が発足し、まだ間もないこと から、全ての介護支援専門員を対象に、”当面の施行状況を踏まえた上で、現場 において、介護支援業務を行うことができるよう、必要な基礎的知識及び技術を 提供していく方式”として実施されている。(→参考1

 この方式は、あくまでも施行黎明期における暫定的な措置であり、今後も年毎に実施されている介護支援専門員の養成(実務研修受講試験→実務研修→登録)が継続していくこと(つまり、今後も介護支援専門員の新規養成がなされていくこと)を考慮すれば、”介護支援専門員の業務等の経験年数の差違に対応できる研修体制”を確立する必要があり、こうした重層構造の研修体制においては、『介護支援専門員の資質向上』という視点からも、当然その差違に応じて資質向上が図られるものでなければならない。

 この重層構造については、まず大きく二重構造を整理し、本委員会の検討の前提条件とした。(→参考2)このため、本書においては、現任者に対する研修のうち、比較的初任者に対する研修を「現任研修」とし、その後の業務に比較的習熟した者を対象とした研修については、「専門研修」と言う。

(参考1)「平成12年度・介護支援専門員現任研修の概要」

実施主体 都道府県又は都道府県知事の指定した法人
対象者 現に介護支援専門員としての実務に携わっている者
研修内容 「介護保険制度論等(補講)」
 ・「県内情勢・補講」
 ・「介護保険制度論・補講」
 ・「介護支援サービス論・補講」
 ・「給付管理事務及び請求事務・補講」
「居宅サービス計画等作成演習等」
 ・「介護支援サービス論」 (標準目安時間:3時間)
 ・「居宅サービス計画等作成演習」 (標準目安時間:7時間)
修了証明書 交付する。
事業費補助 あり。(国 1/2、都道府県 1/2) ※実費分、受講者負担あり。

(参考2)現任研修の重層構造(案)

区分 趣旨
現任研修
(広義)
就業後、より円滑かつ適切に実務を遂行するために必要な知識及び技術の修得を行うための研修
  現任研修
(狭義)
初任の現任介護支援専門員を対象とした基礎研修
  • 現任の中でも初任者を対象とした研修
  • 現任の介護支援専門員の資質の均等化を図ることを目的とした研修
      ↓
    (平成12年度)
  • 制度施行後の状況を鑑み、資質面でのばらつき解消及び資質向上を目的とした研修
専門研修 ある程度の熟練を積んだ現任介護支援専門員を対象とした研修
  • 知識、経験ともに、ある程度習得している者を対象とした研修
  • 援助困難事例への対応等の内容を踏まえ、より専門的な介護支援専門員を養成していくための研修。

(2) 「実務研修」での反省点(問題指摘)〜本委員会における意見〜

(3) 現場での実務を通じた上での問題点 〜本委員会における意見〜


トップへ
目次  前へ  次へ